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ジョージ川口「ドラム・ソロは終わらない−私の履歴書」




大ボラ吹きってのは迷惑だけどやっぱり面白く、いつの時代も当然のごとくアーティストの中には一定数いるわけなのだが、その中でも有名な大ボラ吹きの一人。ジョージ川口。
大ボラ吹きのミュージシャンで私がすぐ思い浮かべるのは、「指の骨が見えるまで練習した」「アンプの出力が大きすぎて皆吹き飛んで電柱に引っ掛かっていた」でお馴染みの寺内タケシと、このジョージ川口。最近だと菊地成孔かな。
しかしよく考えたら意識して音聴いた事ないんだよな、さすがに時代が離れすぎてて・・・偉人なのはわかるけど。
というわけで、特別CDを買う気はしないが、本なら読んでみようかなと思って買った1冊。
これは日本経済新聞に連載されている「私の履歴書」という読み物をまとめたものなのだが、硬い新聞の中で、政治家とか大企業の社長さんが出るようなコーナーだと思っていたのだが、最近でも山下洋輔が出て「即興ラプソディー」になったのでたまにはミュージシャンも出るようだ。・・・というかこの人も法螺話感あるんですけど、いったいよりによってなぜこの人選なんだろう?
この本は、多少加筆はあるようだが基本的にはそのまま連載をまとめたものらしく、1ヶ月間毎日の連載という事で、1回分が新聞に載る量なので短くまとまっていて、それが30回分なのでサクサク読み進められる。
うん、ハッキリ言おう。スカスカだ。
これは私がよく使う表現なのだが、「余白を切り取ったらそのまま文庫サイズになる」感じ。しかも字が大きめの。
とはいえ、1927年生まれの大先輩なので戦争も経験した上で日本ジャズの礎となった偉人で、破天荒なエピソードには驚かされ、時代を感じ、いやはや凄いモンですなと本を閉じたのだ。

さていい加減ドラムプレイも聴いてみないとな、などと思っておもむろに「ジョージ川口」をググり、とりあえずwikiって感じで開くとそこには思いっきり「ほら吹きジョージ」という項目が。そしてそこにはついさっき感心していたエピソードが思いっきり載っているという・・・。あんた日経新聞でも嘘つくんかいと、あっぱれですなと。
今youtubeで観てみてるけど、いいすね、バディ・リッチみたいで。オールドスタイルだけど派手で。
なんというか、こういう人は「芸術」だけじゃ生まれないと思うんだよなぁ。ジャズにおける「芸術」と「芸能」が不可分な時代だったからこそのスターだと思うんだ。この後で言うと、村上ポンタ秀一とか(この人の自伝も最高でした)。
私は原理主義的なものも「お芸術」したものも好きなんですが、この感じってのも中々に得がたくて好きで。ただこのラインって本当になかなか出てこないから凄く貴重なんだよなぁ。
現代を生きる私にとっては、アメリカのヒットチャートに顔を出してるヒップホップのアーティストとかにそれを感じたりしているわけですが、うーん、ジャズだったんだよなぁ、この時代は。

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マックス・コール(著) 河合修治(翻訳) 「死の腕(ハンド・オブ・デス)―ヘンリー・リー・ルーカス物語」




「ヘンリー・リー・ルーカス」と言われて「あぁ、300人殺しの?」とか「ハンド・オブ・デスだっけ?」とか反応する人は30代以上なら結構いるのではないでしょうか?
というのも何度も言いますが私は遅れてきたサブカルっ子でして、基本的な影響は全てブックオフの安売り棚で受けているのですが、その興味の1つが猟奇犯罪やシリアルキラー(連続殺人犯)なんです。
そしてその大元は90年代に流行ったバッド・テイスト(悪趣味)モノで、まぁデアゴスティーニで「週間マーダーケースブック」なんてのが出て、ちゃんと売れていた時代があったんだと言う事です。
流行が過ぎて、それが投売りされていた時にお金が無いなかで刺激を求めていた私が買ったりしてたのですが、時代が一巡りして情報自体はより詳しくネットで見られるようになったものの、モノ自体はプレミア価格になってしまって、あらためて手に入れようとするとなかなかてこずります。
ハードコアやメタル、ホラー映画の題材にされることも多いシリアルキラーなのでよく作品の中では見ていたりして、いまだに気になってたまに改めて調べてはまたハマったりするのですが、今回もそんな感じ。
特に今回はヘンリー・リー・ルーカス。
この人に関する詳しい事はググッてもらうとすぐ出てきますが、簡単に言うと「羊たちの沈黙」のレクター博士のモデルの1人で、全米17州にわたって300人以上を殺害していると言われる有名な連続殺人犯です。
異常性欲者で最低な娼婦の母、事故で両足を失ったアル中の父親を持ち、虐待され続け、事故で片目を失ったせいで兄の様に軍隊に入る事によって逃げる事もできず、13歳にして窃盗で刑務所行き、14歳で初めての殺人とどんどん転げ落ち、20歳時に母親殺しで再度服役するが40年の刑の所を10年で出所出来てしまい、そこからは全米を殺人行脚、という人です。
レクター博士のモデルとなったというのは、最後に逮捕された後にキリスト教に目覚めて悔い改め、自分の罪を全て懺悔するということで、未解決事件を解決する為に「へンリー・ルーカス連続殺人事件特別捜査班」の正式メンバーとして、心臓発作によって64歳で亡くなるまで鉄格子の中から助言を行っていた事からです。



で、この本は完全にヘンリー・リー・ルーカス側からの物語です。
著者がわざわざあとがきで「私自身の個人的な判断が入っていない旨、合意書にサインするようヘンリーに求めた」「わたしは、彼の供述の単なる伝達者にすぎない」と、ヘンリーへの理解を示しながらもハッキリと書いているように、ツッコミどころ満載で、本の後半は「ヘンリーが神の言葉を聞いて心を入れ替えてどうの」とか「刑務所に慰問にくるキリスト教徒の婦人(シスター・クレミー)との交流によってどうの」とかで埋められている。
「ノンフィクション」と銘打ってはいるが、具体的な物証や周囲のインタビュー、詳細なデータなどは無く、きっとこうだっただろうと思われるセリフや場面が出てくる原案:ヘンリー・リー・ルーカスな、タイトル通り「ヘンリー・リー・ルーカス物語」というフィクション小説という感じ。

ヘンリー・リー・ルーカス側からの物語では、母親殺害での服役後は「死の腕」という狂信的な悪魔崇拝集団のトレーニングキャンプで犯罪を習って、主であるサタンの為に「死の腕」からの殺人や誘拐を引き受けた、が、捕まった後唐突に刑務所の中で神の声を聞いて、世の為人の為に全てを懺悔して、という事。
なのだが、現在では「死の腕」という集団の存在は否定されており、単に死刑を遅らせ、自分によりよい環境を与えてもらう為の嘘の供述だっただろう、と目されているし、警察側も未解決事件を全てヘンリーに被せてしまおうとしていた節がある。
この本ではさらっと、取るに足らないことのように書いているが、ヘンリーは最初凍えそうな独房で何も持てずにいたのに、自白をはじめてからは房内で油絵を描けるようになったり、煙草を1日3箱も吸えたり、食事は刑務所が用意したものは口に合わないと言ってシスター・クレミーが用意していたりで至れり尽くせりになったし、場所や時期的にヘンリーが出来るはずも無かった事件や既に犯人が捕まっている事件について自白をはじめても「不思議に」とか「冤罪だったのか」とか「死の腕のメンバーの犯罪の特徴が」とかいって流されていくのだ。
現在はおそらく「300人殺し」というのは大きな誇張で、殺人罪が確定している9件、さらにいえば母親と、物的証拠がある2件のみが彼の本当の罪状だったのではないか?とも言われている。

当然、3人殺害というのだけでも十分死刑になりえると思うし、真実はヘンリーのみぞ知る所なのだが、なんというかあらゆる意味で悲しくて、とても惹かれてしまうのだ。
ずーっと虐待されてきて、虐待されてもなお母親に頼ってしまう自分がいるのに、母親殺害後10年であっさり、何も頼る所の無い世に戻されて、また捕まって、警察に「この未解決事件もお前か?」って訊かれて肯定すると待遇が良くなって、おそらく初めてであろうが皆に褒められて、頼りにされ、(事実なら)神や、シスター・クレミーという頼れるものもあり、絵画という趣味ができ、現場検証のために各地に行け・・・そして電気椅子や薬物注射ではなく心臓発作で亡くなる。
なんとも色々な事を考えさせられる。
ちなみに、オーティス・トゥールという「死の腕」時代の相棒も、同じように捕まった後、肝硬変で死亡するまで自供しながら時間を稼ぎ、死刑を免れた。

あ、で、この本自体はあまり面白いものではありません。
というか、衝撃的なまでに悲惨な子ども時代を小説風に読めるのはいいとして、「死の腕」が出てくる中盤からは「ウソつけ!」というツッコミなくして読めませんし、文章自体もそんなに面白いものではないです。まぁ原案:ヘンリーの小説が読めたと思って我慢するかな、と言う感じ。
ヘンリーほか、シリアルキラーに興味があるなら、同じような誇張やフィクション風味がありながらも、コンパクトにまとまっていて文章自体も面白い、平山夢明の「異常快楽殺人」の方がお勧めです。

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NAS 「Nastradamus」





NASの4thアルバム。
相変わらずの顔ジャケに加え、英語があまり得意ではない私にも一発でわかる駄洒落タイトルに力が抜ける。
前作は力作ではあったものの、力が入りすぎたせいかなんだか悪くは無いが疲れてしまうアルバムだったので、今作でレイドバックした雰囲気になったのも頷けるのだが、そしたらそれはそれでまたゆるーいんですな、これが・・・。
毎回フォローのように言っているが、悪くは無い。才能があるのは確かだしその片鱗はいつだって見える。
でもこれは・・・私にとって、初めてお世辞にもいいとは思えないアルバムでした。
才能がある人間がレイドバックした雰囲気で自然にやればそのまま名作になる、ってわけではないのわかるアルバムだと思います。
初めてノビノビと、大人になって成功した今の自分の状況を楽しみながら作ったような雰囲気がうかがえるアルバムなのだが、いやー、タイトルトラックなんかもうフックで歌い出しちゃうし、PVなんかも能天気でいい感じで、もう本当にこっちはズッこけるばかりでして。
逆説的にこれによってNASのサクセスを感じるという、そしてまぁファンとしてそれはそれで嬉しいのだがこれって・・・という変な気分になるアルバムでした。
あ、えーと、全体通してはあれですが、曲単位で考えると6曲目の「Come Get Me」とか凄くいいです。さすがDJプレミアだっていう。

最近までNASは大天才!レジェンド!というイメージのみで、名作といわれるアルバムをツマミ食いしていただけの私にとって、順に全てのアルバムを聴いて感想を書くという事をやってみると色々発見があって面白い。NASのアルバムって全部名作な気がしてたけど、いくら天才とはいえやっぱりキャリアの中で紆余曲折あって当然だよなぁ。

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JUSWANNA「湾岸SEEWEED」




JUSWANNAのデビュー・ミニアルバム。
この間の鎖グループの記者会見を観た今では、少し複雑な気分になりつつ聴いてしまうが、そんなことはさておいて、音源の話。
よく考えると、単独音源としてはこのミニアルバムとアルバムの2枚だけで、後は客演やソロなどになってしまうんだよなぁ、JUSWANNAって。寡作、というかやはりレーベルの・・・って話は再度置いておいて。
私はメシアのソロではリリパまで行ったくらい(しかも整理番号2番という奇跡までつきました)好きなのだが、JUSWANNAでは観た事が無いまま活動休止になってしまった事が悔やまれる・・・。
そう、音源の話。
えーと、いい作品なんだけど、所々詰めが甘いかなー、という感じがある。
2ちゃんで散々ネタにされている、よりにもよってデビューミニアルバム1曲目のフックで混沌を「コンジュン」と読んでしまうアクシデントがあっていきなり苦笑いしてしまう。
これ、ライブではどう歌ってんだろ?歌詞カードが無いとはいえ、「コンジュンとした東京」ってのは明らかに間違いだからなぁ、誰か気づいてやれよっていう。
このミニアルバムの中では「潤しのユートピア」ってのもあったけど、「麗しの〜」だよなぁ、たぶん。
「映画とか読書 なんてどん臭い趣味はねえ」でお馴染みのMSCの漢なんかは危ういところもあるっちゃあるけど、意外とこういう隙が無いんですよね。
とはいえ、初めて聴いた時にクソぶっ飛ばされて一時期毎日聴いてた「ブストゲスノエズ」「大焚湾景」や、PRIMALとの不気味な「東京Discovery」という素晴らしい曲が入っているので、「ミニアルバムに2千円かぁー」と思うのも解るが、買って損は無いと思う。
JUSWANNAは、ヒップホップファンの為のヒップホップといえるほどにヒップホップ然とした佇まいで、しかもその中でも凄くドープでハードコアでありながらも、実は聴いてみるとけっこう聴きやすく耳触りの良いグループだったりする。
それは、聴き取りやすく特徴的なパンチラインの冴えるメシアTHEフライと、いわゆるいい声な上にフロウ巧者でテクニカルなMEGA-Gという2MCのなせる業で、そういう意味でも貴重なので、復活を願いたいなぁ。
過去作が鎖グループからボーナストラック付きで再発、そしてその勢いで復活とか・・・いいと思うんだよなぁ。

「首都高横 ボロアパートメント潜伏 射程圏内斜め45°から牽制する ピラミッド式花の都 ぶっ飛んでる放浪者無法者MESS」
やっぱこんなカッコいい入りないわな。

湾岸 SEAWEED

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Jacob Billing(原著)中田和子(翻訳)「児童性愛者―ペドファイル」




児童ポルノの単純所持禁止が法制化されるのではないかと言われている昨今なので前から気になっていた1冊を読んでみた。
2000年に放送された『デンマークの児童性愛者たち』というドキュメンタリーを製作する為に、世界で唯一合法の「児童性愛愛好者協会」である「デンマーク児童性愛者協会」(2004年に解体)に、著者であるジャーナリスト自身が偽名を使い、児童性愛者だと偽って潜入取材を行った記録。
あまりにも直球なタイトルで表紙もそれほど扇情的ではないために学術書、専門書、幼児性愛の歴史書、みたいなものと誤解しそうになってしまうのだが、中身はあくまで潜入取材を行ったジャーナリストによる記録、まぁ日記に近いようなものである。
自身を偽り、体に録画機材を仕込み、実際に児童性愛者協会の会員と友人関係を築いて彼らの部屋で一緒に児童ポルノを観たり、インドでの児童買春の手引きまでしてもらった挙げ句に、手の平返しどころか全国放送、そして通報でその「友人たち」が逮捕までされる。
そんな事を平気でやれる人間なんかいない、という話だ。
実際に友人関係まで築く為、カウンセリングをする精神科医なんてものではないディープで生々しい話が出てくるので『児童性愛者』というものがどういうものなのかを知りたい人にも参考にはなるだろう。
ただ、そういう人にとっては生々しい話ではなく、精神科医がまとめたデータや歴史が知りたいのだろうから、会員の詳しい性癖やジャーナリストの愚痴、取材経過なんかがほとんどをしめるこの本は評判が悪いようだ。

しかし私は、専門書だと難しくかかれるようなことがストーリーとともに入ってくるので、テーマはテーマなのだがおもしろく読めた、という感想だ。
実際、このドキュメンタリーが作られていく取材の過程が順序だてて語られていくのだが、会員と会合で知り合う→飲みに行って仲良くなる→自宅に招かれて一緒に児童ポルノ観賞→このポルノを作った人とモデルを探しに...みたいな潜入取材ならではの話の展開が本線で、これがすでに面白い。
さらに互いの体が触れてしまいそうな狭いアパートメントでのカメラのテープチェンジなどの緊張感のある場面や、潜入取材という取材方法の是非や自分の作ったキャラクターを演じる事への違和感から神経が衰弱し、酒に逃げたり病院にかかったりというジャーナリスト自身の葛藤、そしてそれに無関心な上司なんかが、その本線に絡んできて、こう...読み物として素直におもしろいです。

数ある性癖の中でも相手との同意が取れない(判断のつく年齢/環境にない)という事で、相手は必然的に「被害者」となり、どんなに理屈をこねようが児童性愛者は「加害者」になってしまう。
写真なら、動画を見るだけなら、下着までなら、触るだけなら、同意が取れたら(自分にとってそう思えたら)、というのは全て通らない。「被害者」は必ず発生するのだ。
マイノリティーへの蔑視というのはどこにでも起こってしまう事で同情はする。需要と供給が合ってしまえば、事が起こせそうにはなってしまう。でも、ダメ。愛したいなら、自分の存在を否定しないといけない、という茨の道だ。

著者は、番組の放送前に「友人」にお別れの手紙を出します。
「〜前部略〜    あなたはぼくを恨むでしょう。でもこれは個人的な復讐ではなく、ぼくの仕事なのです。理不尽なこと、違法なことを報道するのが、ぼくの仕事です。しかしそれは、決して容易なことではありませんでした。容易ではなかったというのは、ぼくはあなたの子どもに対する態度を軽蔑し反対しますが、あなたは、ぼくに対して親切に、きちんと扱ってくれたからです。   〜後部略〜」

私はこれで泣いてしまいます。
「子どもに対する態度」を色々な言葉に変えれば、それは私が今までに仲良くなったマイノリティー、アウトサイダー、環境によって何かが欠如してしまった人達に、私が最後にかけた言葉になります。
私も自分がマイノリティーだと自覚しています。
だからこそ、他人や社会に出来るだけ迷惑はかけないように、マジョリティーとも出来るだけ友好的に、そしていつか彼らが「民主主義もどきの多数決」によって石を投げてきたとしても彼らを恨まず、耐えられるように、自分を鍛えなければいけないと常に考えています。
それが嫌になる気持ちは痛いほど理解できます。もちろん理不尽です。でも、それを止めてしまうなら、同士に甘えてしまうなら、私はこの言葉をかけるしかありません。

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The Firm 「The Album」





油断していたら、バイト先のBボーイがさらにjeru the damaja全部貸してくれてしまったのだが、まだNASすら2、3枚しか感想を書いていない。だんだん雑になりそうだ。別にいいけど。

はい、ここでThe Firm。
NAS、 AZ、 Foxy Brown、 Natureの4人とプロデューサーとしてDr.Dreを含めたユニット唯一のアルバム。
確かNASのセカンドとサードの間かな、出たの。
このスッカスカの前置きで薄々気がついているかもしれませんが、イマイチです。
出来るモノが悪かろうはずの無い、凄いメンツではあるし、1曲1曲で見るとそれだけのクオリティはあると思うのだが、いかんせん別にこの名義でアルバム作るほどの事でもないような感じしかしなかった。メンツ勢ぞろいが1曲だけってのはいくらなんでも寂しいだろう。
そんな散漫な印象のアルバムなのに、一見サントラ風のジャケで、聴くとIntroでのセリフとかが結構あってさらにサントラ風、『Phone Tap』のPVなんかモロ刑事ものサスペンス映画風、と、ちらほらと「本当はこういう世界観でThe Firmってのを考えてたんだよ」みたいな断片が見えて物悲しい気分になる。

「ラッパーって何でそんなに映画出たがるんだろう?」ってぼんやり思ったりしてたら聴き終わってました。
『Phone Tap』のPV観て、期待しすぎるとつらい結果になるとは思いますが、そんなに悪くはないです。良くも無いですが。

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新井英樹「キーチVS」全11巻




元々「毎週楽しみに続きを待つ」という事が苦手だったのが、働くようになって思うように時間が取れなくなって、よけいに苦手になった。とにかく一気に買って、読み終わるまで、観終わるまで、聴き終わるまで、飯もトイレも風呂も同時。
それでも専門書や難解で長い映画なんかは1日では不可能。ましてや、連載漫画なんか続きが出来てさえない。
なので、1巻を読んで面白かった時に、もう2、3冊発売されてても完結するまで買わず。しばらく忘れ、ふと思い出した時に完結しているかを調べ、一気買いをする。
果てしない長期休載とかされてるとホントね・・・。

という事で、最近ようやく完結を知って買った漫画。途中で飽きる作品もあるが、これは一気に読んだ。アマゾンで注文→本屋で見つけてあわてて買って帰ってキャンセル、という迷惑までかけたほど続きが気になった。

で、最後まで読んで放心。数日たって読み返して感想を書いている。
あらすじとか書く気がないんでそこはすっ飛ばしますが、なんともなぁ・・・複雑な気分です。
ひたすら存在が膨張し続け、死してなお影響力を持つカリスマとなって地球を破壊まで導いてしまう『ザ・ワールド・イズ・マイン』。少年が奇跡を起こし続けた『キーチ!!』。
そしてその続編となる『キーチVS』なのだが、たしかに一気読みしたくらい面白いし、好きな作品なのだが、これは本当の所、作者はどう思っているのだろうか?そしてどう受け止められてたのだろうか?

あくまで『キーチ!!』の続編然としていた前半から比べて後半は、起こす事の規模とエキサイティングな展開で読ませはするものの、ずいぶんともつれるように駆け足で、「打ち切りかな?」と邪知もしてしまった。
一般での受け入れられ方の風景として、2chやツイッター風のものが出てくるとかい問題ではなく、話を広げすぎたが故の、ずいぶんと現代的で類型的な場面が多くなり、物語としての面白さが加速するラストに向けていくにつれ、ちょいちょい足をもつれさせるような止められ方をした気がするのだ。
なんというか結局のところ、ネットを使えば小学生でもアクセスできるような「社会の裏」「陰謀論」レベルの話があって、さらに登場人物に作者特有の読者サービスで変態性や変な癖を加える事でさらに話が薄まり、『キーチ!!』にあった濃さは望むべくもなかったのだ。
本当に狂気じみていて、実際にオウムに殺されかけた小林よしのりがノッていたころの『ゴーマニズム宣言』のフィクション版のような部分もあったように感じたのだが、たしか小林が作品中に識者からの批判に対し、
「漫画だから読み易いわけじゃない、私が読みやすく社会問題を漫画に書いているわけで、それこそが難しいのだ。学習漫画なんかいくらでもあるけど面白く読めるか?」
というような事を言っていたが、その部分がこの作品はフィクションにも関わらず圧倒的に弱い。
これなら小難しい事をそのまま小難しく書く『ゴルゴ13』の方がまだ読みやすいし面白い。

当然、それはあくまで舞台装置、背景で、メインテーマは個人としての生(性)/死の限界を突きつけるような、そしてアメリカン・ニューシネマ的な最後で終わる物語なのだけど、うーん、やはりちょっと話を広げすぎてるよなぁ・・・話止まっちゃうもん、読みにくくて、と思ってしまう。
あまりにも暴力的で野生的で、感情移入が出来ない『ザ・ワールド・イズ・マイン』のモンちゃんに比べ、輝一はどんなにカリスマに祭り上げられても、なんだか他所んちの子供の成長を見たみたいな気分にさせられる。
ある意味、無理矢理カリスマに持ち上げられ、挙句にそのせいで入れる容れ物がなくなってしまい、無様にこぼれ、崩壊していく様は、『キーチ!!』〜『キーチvs』という作品自体とリンクしているのかもしれない。

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電気グルーヴ 「電気グルーヴの続・メロン牧場―花嫁は死神 上」





すげぇ!
今、「正式なタイトルとか著者名ってどうなってたっけ?」と思ってアマゾンの商品ページ開いたら、「お客様は、2008/5/31にこの商品を注文しました。」って画面に出た!
アマゾンにそんな機能あったんだなぁ・・・・アマゾンで同じCDとか本を何度も買ったりって事はまず無いからビックリした。6年ちょっと前にアマゾンで買って読んだんだなぁ、俺・・・。
「発売日: 2008/04」って出てちょっと経ってるのは確か、発売当初に御茶ノ水のディスクユニオンあたりで見つけたものの、ちょっと迷ったんだよなぁ。「今はそれより音楽を・・・・」とか思って・・・・結局上下巻とも買ってるって言うね。
いやぁ、いろいろ思い出して無駄な事書いてしまった。
はい、メロン牧場。
15年以上も連載している電気グルーヴの超人気連載『メロン牧場―花嫁は死神』の書籍化、2冊目(下巻と同時発売)です。掲載誌がBUZZ〜ロッキング・オン・ジャパンに変わったり、電気グルーヴとしての活動休止があってもこれだけは続けられていたというほどの連載で、電気グルーヴのオールナイトニッポンに間に合わなかった私のような後追い世代としてはリアルタイム感があって嬉しい連載です。たぶん今も続いているはず。
さすがに音楽雑誌を毎月買ってたのは中高生時代までで、しかも掲載誌はどっちも定期的には買っていなかったので雑誌で読んだ記憶はあまり無いのだが、たまに買うと楽しみに読んでいた。
内容的には山崎洋一郎との鼎談というか雑談と言っていいと思う。「電気グルーヴの連載」とはいえ、毎回山崎洋一郎とのやり取りが文章化されたもので、近況インタビューなんてたいそうなものでもないし、レギュラーでやっているラジオのオープニングのフリートークというのが一番近いだろう。
元々、終了後何年も経ってるのにクイックジャパンで特集されたりしたくらい、いまや伝説となったオールナイトニッポンや、インタビュー、数々の書籍、そして現在のTBSラジオたまむすびでもわかる通り、普通に喋ってるだけでめちゃめちゃ面白い人達なのだ。雑談を売りにできるっていうのは芸人さんでもなかなか無いだろうに、これが面白いんだよなぁ、ミュージシャンなのに。電気と何十年も付き合ってられる山崎洋一郎も十分に狂っているし、たまに補足説明のように出てくるマネージャーの話も結構おもしろいし、いいコンビ、いい連載だ。
これまで出ている4冊は全て読んだが、基本的に全部面白い。
やはり1冊目が一番面白かったし、4冊目はさすがに少し無理が見えたのだが、それもどちらかというと「いまだにこんなにふざけた話できますよ!ウンコネタもあるよ!」という方向に持って行きたそうな山崎側の空回りが見えるのが少し不満、といった程度。
ラジオで喋ってるのを聴くかぎり、普通に喋らせたらいまだに面白いからそのままでいいと思うんだけどね。
雑談なので特別このエピソードを読んでどうの、って書く気もないのだが、引越しの際に売っ払ってしまって以来、何年かぶりに古本屋で見かけてなんとなく買ったのだが、変わらず面白い。
昔の電気のラジオは今やネットを使えばいくらでも聞けるのだが、どうしても聞いていて面白い回と面白くない回がある。「そもそもこんなもん何十年も経ってから聞くもんじゃねぇよ。その時にラジオで聞くのがいいに決まってる」という正論が、リアルタイムの人達から聞こえてきそうだが、それは圧倒的に正しい。そもそも残そうと思って喋ってないのだから、当たり前だ。その時代に、ラジオから流れて何ぼのものだ。
同じ事がこの本にもあてはまるかと思ったが意外にもそうではなく、ゲラゲラ笑って読めた。
ラジオと違い、第三者、それも評論家/編集者からの話の誘導を受け、さらに長い会話の中からたしか掲載時見開きで2ページ程に編集されているせいなのか、いまだに面白く読める。

1冊目は、まりん加入〜「シャングリラ」でのブレイクとそれによる苦悩〜名作「VOXX」の製作〜まりん脱退という怒涛の時期で、それに付随する話は当然物凄く面白く、この時期にしかないミラクルが起こっていて最高なのは当然なのだが、この2冊目の、活動休止を挟んだおかげで2人のそれぞれのソロでの仕事がよりハッキリしてきて、いい感じでマイペースに電気の活動も出来るようになった時期も、それぞれが持ってくる話の幅がメチャメチャ広くなっていて面白い。

しかし面白い、しか書いてないな。まぁ電気を知ってる人以外が面白いと思うかは微妙だが、ちょっと知ってるくらいで全然おもしろいはず。
あー、1巻買いなおそうかな。13年前かぁ・・・(遠い目)。

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