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チャック・パラニューク 「ファイト・クラブ (新版)」





ファイト・クラブの小説、新訳版である。
公開当時の興行収入はイマイチだった云々はもういいとして、今でも世界中に影響を与え続ける作品だ。
正確には、ブラッド・ピットとエドワード・ノートンがあまりにもカッコよ過ぎた、デヴィッド・フィンチャー監督の映画版だろうけど。
これはその原作だ。
映画が凄く好きだったので当然小説も読みたかったのだが、なぜかずっと絶版で、しょうがなく原著を手に取り、英語で読むの面倒くさくなって途中で放り出したままだったりする。
ヤフオクなりマケプレなり何なりでまぁ買えるんだけど、さすがコアなファンがいっぱいついてるだけあって現代の小説としてはけっこうな値段になっており、「こんなに人気作品なんだから、どうせ近々再販するだろう・・・」と諦めていた。
で、久々に検索してみたら先月に新訳版が出ていた、と。

なので、前の訳と比べたりは出来ないが、まぁこの作品の場合はどこまでをどう解釈するか?みたいな所があるので、まだ評価の定まっていない時に、多くの映画のノベライズ作品と同じに訳されたモノよりは良くなっているはずだろう。じゃないとコアなファンは怒り狂いますよ。

ということで、やっと読めました。小説版。
うん、まぁ何回も映画観たし、解読サイトみたいなのもたくさん読んだし、その中に「原作では〜のように描かれているので」とかもよく読んでいたので、「ほうほう、なるほどなるほど」みたいな感じで読んでました。
当然話はおもしろいし、主人公の内面は映画よりずっと多く描かれている、タイラーの切れ味の鋭いパンチラインも当然多くて読んでいて面白い。これは買ってよかった。今後もたまに読み返すだろう。
ただ、映画が良く出来過ぎていたから、自分にとっては映画とセットな感じはあるんだよね。
自分が日本人で、もう30近いおっさんだからかもしれないけど、似たテイストのモノだと中上健次や村上龍の方が、小説としてはガツンと来たのは事実かな。
まぁ、さんざん解読サイトや2chまで漁った今、改めて衝撃を受けるなんて不可能だよな、とは思うけど。
作者がファイトクラブ2を執筆中だからこの新版が出たんだろうと思うし、そのグラフィックノベル版がチラッと公開されてたりして、それはそれで面白そうで、出たら間違いなくすぐ読むんだけどね。

ということで、改めて映画も見たいし、原著にももう一回トライするかな。
ピクシーズも聴くかな。

あ、今(2015年5月24日)、アマゾンだと品切れだけど、ジュンク堂行ったら普通にあったんで、本屋さん行けばあると思います。アマゾンの方もすぐ入荷すると思うけどね、今回ばかりは我慢できなくてすぐジュンク堂行きました。



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Morphine 「Cure For Pain」



暑い。
まだ五月なのに、もう暑い。夏だ、もう。
こう暑いと、たるーんとした音楽を寝そべって聴きたくなる。今やドゥームロックすらツライ。
ということで、最近こんなのを聴きながらグッタリしてる事が多い。

このMorphineというバンドは形態から特殊で、ボーカル/ベース、サックス、ドラムスの3ピースバンド。しかもベースは2本弦だけで、スライドバー使用。

フレットレスっぽい滑らかなベースと、朗々と歌うボーカル、鋭く切り込んでくるサックスに、派手さはないが力強くボトムを支えるドラム。
いかにもNYアンダーグラウンドな感じ。ヴェルヴェットアンダーグラウンドとかジェフ・バックリィとか、ジェームス・チャンスとか。音楽性っていうか、持っている体臭みたいなものが完全にそう。ジム・ジャームッシュの映画とかにも通じる感じ。
バンド名もいかにもだしね。

残念ながらボーカル/ベースのマーク・サンドマンが心臓発作でライブ中に亡くなってしまい、解散。現在は残りのメンバーがOrchestra Morphineという9人編成のバンドでトリビュートコンサートをしている。
2011年には「Cure for Pain: The Mark Sandman Story」というマーク・サンドマンのドキュメンタリー映画も製作された。それが、この前書いた「Our Vinyl Weighs a Ton: This Is Stones Throw Records」の監督の前作だったんで驚いたんだよな。

なんか暑いせいか、だらだら書いてんな。
まぁそんな感じで、また聴きながらテレーンと横になります。



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EYEHATEGOD 「In the Name of Suffering」





アイヘイトゴッドの1st。
アナルカントと並び、この愛さずにはいられないバンド名を聞いた時点でもうファンになっていた。
とはいえ、毎日通勤しながら聴くような音楽でもないわけで、というかそんな毎日を送ってたら近いうちに仕事辞めるわって話で。
で、最近はヘヴィーローテーションで聴いてるってあなた、まぁお察しください・・・ですよ。

直接的なきっかけは、少し前に書いた「ニューオリンズ ヘヴィロック狂想曲」で、やっぱカッコいいな、久々に聴くか、と思って遡って1stから聴いているわけです。最近、一気にクソ暑くなったので、ダラーンドローンウギャーと部屋で寝っころがりながら浸ってます。いやー、いいね。
昔聴いた時には理解出来なかったり、少し抵抗を覚えていた、ボーカルのハードコア以前のまさに『パンク』って感じのアティチュード溢れる捨て鉢の叫びや、デスメタルのビルドアップされた音ではない、元々の骨太さと豊潤な余剰が感じられる生々しいヘヴィネスに、今聴いてみると深くハマっている。

この1stは、当然Black Sabbath、Black Flag、Melvinsの影響が強く感じられるのだが、スラッジコアの原型となるサウンドを既に作り上げている。
ピーピーなるフィードバックが重なり、ヘヴィー極まりないリフがはじまり、ボーカルが喚き散らす。
いわゆるドゥーム/スラッジというとやたら遅くて曲が長いと言う印象があるが、ここで聴かれるサウンドはハードコアの影響も強く、途中から速くなったりするし、曲も3分ほどの曲がほとんどで、トータルで10曲35分ほどしかない。
ただ、じゃあ軽く聴けるか?というと到底無理で、物凄い圧迫感だし、聴き終わるとグッタリする。
心が荒んでいて、クソ暑い今にはぴったりな1枚。

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VICE Japan/Noisey Japan





前に「ぼっちメタル」を紹介したVICE JAPAN。
というかNoisey Japanってとこと提携してる感じなのかな?音楽ドキュメンタリーの動画だと画面上に「Noisey」って書いてるし。
これがまたいい所を突いてくるんだわ。日本語字幕付きでソフト化や劇場公開・・・は難しいだろうけど、くらいの感じ。

こまめにチェックしてたらまたこれがいいのが来ましたよ。まず「ニューオリンズ ヘヴィロック狂想曲」



簡単にいうと、フィリップ・アンセルモです。
初期はデフ・レパードなどとの比較がされるくらいだった音楽性のパンテラが、何故、よく知られている「Cowboys from hell」以降の音楽性になっていったのかが解ります。
EYEHATEGOD、EXHORDER、CROWBAR、そしてそれらのメンバーが集まったDOWNを中心に話は進んでいきます。マイク・ウィリアムス超かっけぇ・・・。


そして、「There Will Be Quiet − ユースクルーモッシュ・ハードコアの祖 JUDGE物語」



熱い!!!こちらもボーカルはマイク!マイク・ジャッジ!
ストレート・エッジという思想には大いに共感するところがあるのだが、ハード・エッジ以降になるとちょっと・・・という私なのだが、ここが大きな分かれ目だったんだな、と考えさせられる。

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「Our Vinyl Weighs A Ton This is Stones Throw Records」





レコード1トン持ってるぜ。もしくは、俺等のレコードは1トンあるぜ。みたいな感じでしょうか?
ある日タワレコで見かけて、一度は輸入盤のみかぁ、とスルーしたものの、あまりにおもしろそうだったので買ってしまったドキュメンタリーDVD。
しかし、私はずいぶん思い違いをしていた様で、これは輸入盤しかないが日本語字幕が入っているという、たまにある(NOFXとかは正規盤がそうだったし、輸入盤で版権が微妙なやつはけっこうある)パターンだったので、日本語字幕があった。そしててっきりDJ御用達のレコードショップの話だと思っていたのだが、主にヒップホップをリリースするレコードレーベルの話だった。

予告編がタワレコでも流されてたので、随分豪華なメンツが出てるドキュメンタリーだな、と思ったが、メインはこのレーベルから出したアーティスト、特にマッドリブの話だ。
そもそもはこのレコードレーベルの主宰者は元々ラッパーで、グループを組んでいた相棒がデビュー前に亡くなってしまい、そのグループの音源を出したいとインディーレーベルをはじめたのだが、そのレーベルはどんどん個性的なヒップホップアーティストの音源を出して大きくなっていき・・・という話で、そこで大きく飛躍する動力となったのがMadlibで、その後ヒップホップに限らない音楽性に広がり・・・みたいな。
最初はいかにもなビースティーズフォロワーな主宰者のグループがあって、マッドリブという才能をみつけたら、どんどんヒップホップという可能性を切り開いていくところなんかは凄くスリリング。ヒップホップの進化の一端を垣間見れてワクワクしながら観れた。
で、最終的には、レーベル主宰者が変装したアーティストや変なソロシンガーをデビューさせたりして、ヒップホップレーベルというわけではない所を見せる。これには「最近リリースされたのはチョット・・・」みたいなコメントをする人もいるが、これこそインディーレーベルだし、これこそヒップホップ精神だと思うんだよなぁ。「R246」で宇多丸の言ってた『発明』Mummy-Dのいう『ビックリぶっ壊れサウンド』と言うのと同じだと。

これ、輸入盤だからスルーしてる人多いのかな?全然レビューが無い。まぁ俺も字幕無しなの覚悟して買ったもんなぁ。中のチラシが日本語でもしや!と思って、字幕あってホッとしたもん。
スルーしてる人は観たほうがいいよ。輸入盤だから安いし。
ヒップホップ好きだし、タイラー・ザ・クリエイターやThe Rootsのクエストラブ、フライング・ロータス、カニエ・ウエストなんかがコメントしてるって事だけで買ったんだけど、意外とといってはアレだが、ドキュメンタリーとしておもしろかった。音楽ドキュメンタリーって、けっこうダルい時間もあったりするんだけど、一気に楽しく観れた。コメントしてる人は知ってても、このStones Throw Recordsから出してるアーティストは全然知らなかったのにおもしろかった。実際に劇中で鳴ってる音楽がカッコいい、というのも大きな要素だし。観た後めっちゃググッたもん。



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清野とおる 「増補改訂版 東京都北区赤羽」1〜4巻




以前にも書いたことがあるこの「東京都北区赤羽」。確か前は偶然安く見つけた2巻と「東京都北区赤羽以外の話」の事を書いたと思う。
めんどうなので読み返さないが、たぶん基本的なことは書いたはずなので、その後の話を。

久々にもろサブカルな感じのおもしろい漫画だとは思ったけど、定価で買うほどではない。みたいな結論で終わったと思うんだけど、その後も一応興味は継続していて古本屋に行くと軽く探すくらいはしていた。
あれから一冊も安売りコーナーでは見つからず、高いほうの棚でもいやに見る事が少ないな、と感じて、改めて検索してみたのが数ヶ月前。
なんか改題して(「ウヒョッ!東京都北区赤羽」)新たにアクションコミックスで連載してるし、「山田孝之の東京都北区赤羽」という謎の番組やるらしいし監督は山下敦弘と松江哲朗だし、という、このご時勢珍しいくらいどサブカル一直線な展開をし、しかもそれが今や特異なおもしろいものとしてオーバーグラウンドでも話題になるっていう凄い事になってる。
まじか、そんなに売れてっからか、と思ったのだが、「ウヒョッ!東京都北区赤羽」の試し読みをしてみると、どうもBbmfマガジンが携帯マンガから撤退して連載が無くなったり、変な人たちに深入りし過ぎて精神おかしくなるし、という展開になっていた。

なんというか、サブカルっ子としてわかるわーって感じ。
心の中に澱が沈殿していくように徐々に溜まっていき、それがある日限界を超えてしまう、というのはけっこうあるある話だと思う。「サブカルは40歳超えると鬱になる」っていうのもその1つだと思うし。私もありました。興奮しながら死体や奇形、身体改造、変態変人思想哲学ドラッグサイケデリックに首まで漬かってたのに、いきなり溺れるっていう。まぁ二重の意味で直らない、限界超えた後遺症は消えない、でも自分の興味はそう変わらないって事で、格闘技ジムに通いながらも相変わらず騒ぎがありゃ近づくし変な店があったら入る。

そういった親近感もあってちゃんと全部読んでみようと思ってたら、Bbmfマガジン撤退のせいで絶版になっていた「東京都北区赤羽」がアクションコミックスで復刊、しかもカラーページは減るものの1冊に2巻分入ってボーナストラック入りで安くなる、という情報が。そりゃ全巻買いますがな。

という事で、まぁ1回書いたし、売れてるし、過去作の復刊だし、ってことで長々と自分の事を書きましたが、やっぱり読むとおもしろいです。
「すげー!最高!こんなの他にないよー!」と言えるほど若くも、「これ内容、捏造なんじゃないのー?こんな変な人いるわけないよーww」みたいに言えるほど健全でもないので、衝撃があるか、といえば無いのだが、こういう作品を書く人が長期連載ってあんまないよな、この分量をまとめて読めて嬉しいな、となんだかニコニコしながら読んでしまった。
今の自分にはちょうどいい温度かもしれない、とか思いながら。

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THA BLUE HERB 「演武」




THA BLUE HERBの最初のライブDVD。

「99年 5月2日 灯台 おとずれた場所は六本木CORE」 
『未来は俺等の手の中』より

と歌われている、あのライブ。ザ・ブルーハーブの東京初ライブだ。
ちょうどビデオからDVDに移行する時期だった為か、長らく廃盤だったビデオのDVD化。私も長らく観れなくて、「ヤフオクで・・・いやー、ビデオなんだよなぁ・・・」とか思ってたままで、最近やっと、DVD化していたのに気がつきました。と、思ったら完全限定生産って書いてるな。見つけられたのはラッキーだったのか。いやに見かけないなとは思ってたけど。
次に出た映像作品である「THAT’S THE WAY HOPE GOES」はバッチリ即買いして、これはドキュメンタリーなんだけどライブ映像もふんだんに入っていて、2時間以上の凄いボリュームだったので満足したので、これをワザワザ探してまで観なくても・・・と正直思ってたのだが、いやいや、これは観たほうがいいわ。

知名度はまだまだで、音源は徐々に話題になっていたとはいえこのライブを期に一気に状況が変わったと言っていいと思う。
今となってはお馴染みのBOSSというキャラクターが通じない、初東京ライブという舞台は、多いとはいえない客の前で「俺は言葉しか持ってきてないから」という最初のMCそのものの空気で、音も映像も悪い、昔よくあったブートビデオのような映像に抵抗を感じていたはずが、どんどん引き込まれてしまう。
初期のライブは「THAT’S THE WAY HOPE GOES」にも収録されていたが、あれは狭い箱にギュウギュウでありながら暖かいアットホームなライブという印象だったのだが、これは全然別物だ。
様子見の人、BOSSに見入ってしまう人、ヒップホップのビートならとりあえず踊る人、必死に歌詞を聞き取ろうと耳を傾ける人、いつものライブと同じノリの人、ブルーハーブは本物か?と睨め付ける様に観てる人、いろいろいたはずだ。客からの軽口に笑いながら乗っかって返すBOSSなんて今じゃ中々観れないわな。
今なら一気に注目を集めるハズのアクションや、曲入りのきっかけに反応出来ずにいてとまどったりするものの、曲に入り、ステージが進むにつれ場内の温度が高まっていくのがわかる。
幸福な瞬間だ。そして、これがちゃんと映像に残ってるというのは凄い財産だ。

正直、私が繰り返し聴くほど好きだったのは1stアルバムだけだ、2ndアルバムもよかったが、一時期本当にずっとCDウォークマンに入りっぱなしになってた「STILLING STILL DREAMING」のディスク1というのは完全に頭に刷り込まれている。
その後の、ドラマを自ら作り、キャラクターを演じている、演じるに相応しいラッパーであり続けるBOSSは、尊敬の念はあるが、好んで聴きたいものではなくなった。
「STILLING STILL DREAMING」は特殊で、特別だ、というのは「サイプレス上野のLEGEND オブ 日本語ラップ伝説」でも語られているが、それはやっぱり私にとってもそう。そして多くのB-BOYがそうだろう。
成り上がり、ですよ。いつの世も人が惹きつけられるのは。
もう何年も聴いてない、誰かに貸したままになってると思う。でも、久々にこのDVDを観たら歌う曲歌う曲全部分かる、覚えている。

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沖田×華「毎日やらかしてます。アスペルガーで、漫画家で」




西原理恵子、中村うさぎ、卯月妙子。
ここらへんの名前を出して、「あぁ、はいはい」となる人ならどういう感じかわかる、そういう作者。
発達障害持ちで、看護師→風俗、AV→漫画家という王道というか、やはり上記のような作品が好きなサブカルっ子なら「あぁ、はいはい」みたいになる感じの経歴。注目されたきっかけがゲッツ板谷のHPでの連載というのもモロにそう。

きっかけは最近2chでよく「アスペが〜アスペが〜」って見るな、と思っていた所、この作者の漫画が貼られて興味を持って、グーグルの画像検索で辿りついたと、画像検索便利だね、と。
それで一番手軽そうなこの本を買ってみたのだがあんまりおもしろくない。
というのも、明らかにいわゆる「おもしろエッセイコミック」という枠に入れようとする出版者と、作者の書きたいものが剥離しているように思えるからだ。
思えるからだ、というか、だって表紙と前書きに書いてある主人公=作者本人の絵は可愛いいかにもって絵だけど、本編では違うブサイクな絵になってるから嫌でもわかるわな。
「本当にあった笑える話」とかに書いてたものが主だからかな、とも思うのだが、アマゾンレビューで「表紙と絵が違う、気持ち悪い」みたいに書いてる人がけっこう書いてる人がいたりしてるのを見ると、まぁ本屋で表紙とタイトル見てぱっと買ったらそう言いたくもなるかな、と思う。
その上、まぁやっぱり中身は薄いですよ。発達障害である作者の日常をエッセイコミックでおもしろく、みたいな感じなんで。アスペルガーについてこれ読んだだけで理解できるわけでも当然無いし。
そういうのは専門書とアマゾンレビューで長文レビュー書いてる人の文章を合わせて読むといいと思う。

結局、よくあるパターンだが「漫画より本人のほうがおもしろい」、もっというと「本人がそういう風におもしろくなった原因である育った環境、周りの人たち」がおもしろい、という感じだ。
軽く「おもしろい」というと過剰反応する人もいるが、なにかを表現する以上「おもしろい」と「おもしろくない」しか無くなるのだ。そんなもんわざわざまともな人生捨てて表現者になる事を選ばざるを得ない過去で、他人にかわいそがられたってどうにもなんねぇレベルの事なわけで、作品の評価が上がる、売り上げが上がる、という事で昇華させるしかないのだ。

そういう意味において、やはり自身の過去を書いた「蜃気楼家族」の方が面白いし、「ニトロちゃん」の方が評価が高い(私は未読)。

ゲッツ板谷の土着っぷりや、西原の豪腕っぷりや、卯月妙子の狂いっぷりにまで成長するとは思えないが、「蜃気楼家族」、特に子供時代は間違いなく面白かった。
まぁでもセフレだった漫画家に「お前おもしろいから漫画描け」と言われて「私の経験っておもしろいんだ?」と初めて知って書き始めた、ということなので、漫画を描くことへの執着があるようにも見えないし、「蜃気楼家族」終わってからってどうなるんだろ?

あ、「蜃気楼家族」はWEBで連載だから数話の試し読みと最近のは読めるので、まずそっち読むといいと思う。↓
http://www.gentosha.jp/category/shinkirokazoku

追記
こんな事書いていましたが、その後大ハマりしました。
なんだかんだで気になってて、色々読んでるうちに支障で旦那の桜壱バーゲン言うところの「ネタだらけ女」という意味が分かった。マジでネタが尽きないんですよね。
しかもその後ストーリーモノでヒットまで出して...もう完敗、土下座。私の目が節穴でした。

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丸屋九兵衛 「丸屋九兵衛が選ぶ、ヒップホップの決めゼリフ 」



本は薄いし字はでかいが結構な満足感。
どのくらいか?というと、ここ何年かで乱発された「〜の名言集」みたいな新書と同じくらいのスカスカ感。
でも、面白かった。
けっこう幅広くセレクトされているので、これ知らないけどおもしろいな、凄いパンチラインだな、と思ってyoutubeで聴いてみたり、自分で口ずさんでみたりしてるのはかなり楽しく、字の量ではなくこの1冊がきっかけでどこまで遊べるか、という観点だとかなり満足できる。
パンチライン(著者流の超訳)→ジャケ、原詞、解説という2ページの構成で進んでいく。
おもしろ優先インパクト優先の感じの構成なので、「英語の勉強に」とか思って買うとなんだこりゃ、となるだろうが、ネイティブではない日本人なんだけど洋ラップ好き、という人間にとってはありがたい。
正直、聴く量が増えるにつれて、よっぽど気に入らないと歌詞カードをじっくり読むなんてことは無くなったし、日本盤が出てなかったら解説サイトに取り上げられなければお手上げだ。歌詞の聞き取りからってなると途方もないしね。
という事で、普段聞かないアーティストにも興味を持てたし、いい本なんじゃないかな。もうちょっと安いといいけど。

「まず銃撃する。質問はそれから。 Shoot first,ask questions last」   ーワカ・フロッカ・フレイム


「どこから来てん どこから来てん ガッデムマザーファッカー おまえ、どっから来てん
 Where you from,where you from,Goddammit motherfucker where you from」 ーリル・ジョン&ジ・イースト・ボーイズ   


これとか「どこ中だ!?」みたいな感じすよ、もう。

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B.I.G.JOE 「監獄ラッパー」



北海道ヒップホップシーンの最初期からのラッパーB.I.G.JOE。言わずと知れたMic Jack Productionの中心人物。ブルーハーブのBOSS THE MCがマイクを握るきっかけになったアーティストとしてもお馴染みだろう。
タイトルの通り、そのB.I.G.JOEが麻薬密輸での逮捕で6年間にもわたり海外で服役していた時の話が中心となって、自身の昔の話や帰国後の話までを含めた本になっている。
獄中期、しかも海外の、となるとKEI著「チカーノになった日本人 」に近い本かな。KEIの場合はヤクザで、まさに本のタイトルにもなったように「アメリカ極悪刑務所を生き抜いた日本人」というのがピッタリだが、あくまで地元の悪い先輩にそそのかされた金のないラッパーであるB.I.G.JOEの場合は、ひたむきに環境に対処していった真面目な人、と言う感じが強い。

凄くファンか?と問われると「好きな曲は2、3ある」という程度ではあるので、今回も文庫化されるまで買ってなかったのだが、けっこう面白く読めた。
いわゆる「ラッパー」「麻薬密輸」「オーストラリアで服役」「懲役6年」というイメージからはほど遠く、ただひたむきに出所にむけて頑張る朴訥なイイ兄ちゃんとして、周りの人間に認められたり友達になったりしながら、獄中からも作品を発表する姿は、読者とそう離れていないように思う。
その朴訥さが文章にも表れていて、正直言ってそう目新しい事実とかが出てくるわけでも、バイオレンスや人種差別や理不尽な扱いなどのドラマチックな展開があるわけでもないのだが、スイスイ読めるシンプルな文章で、そう嫌な印象はない。読後はそれなりにおもしろかったかな、というくらいには思った。

ただ、当然その朴訥さ、というのは裏返せば表現の浅さ、という事にも繋がるわけで、「ラッパーという言葉を操る商売の人間の書く文章がこれ?」と正直思ったし、そんなにアーティストとしてのB.I.G.JOEの大ファンでも無い私は、たまに出てくる歌詞にもそれほど感心するわけでもなく・・・。
結局、初めて聴いた「LOST DOPE」は衝撃的だったけど、その後はそんなになぁ・・・という感じそのままな本でした。
この本のクライマックスの釈放後の凱旋ライブの1曲目でも歌われる「LOST DOPE」は確かにいい曲ですよ。刑務所からの電話越しに録音したというエピソードも含めて、やっぱり最初は衝撃的だったよなぁ。




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