アフィリエイト広告を利用しています

広告

この広告は30日以上更新がないブログに表示されております。
新規記事の投稿を行うことで、非表示にすることが可能です。
posted by fanblog

「FALLING DOWN」(フォーリング・ダウン)




色々問題になったゲーム、Grand Theft Autoの原点とも言われる映画。かと言ってカルト映画ではないんですけどね。マイケル・ダグラス主演だし。
そんな逸話を聞いていたし、ハンバーガーショップでのやり取りの場面を何かで観て気になっていたので期待してみたのだけど、これが中々...。
まず、ちょっと前置きが長いんですよね。映画自体が2時間あるんで、まぁそれに準じた長さなんですが、最近ドキュメンタリー映画くらいしか観ない私にはちょっと長くて、一度観るのやめました。
まぁ、まともそうなスーツの中年がどんどんヤバい奴だって解っていく恐ろしさ、という所なんでしょうが、もう解ってて観てるし、知らなくても冒頭の雑貨屋でのやり取りで十分アレな人なのは解るし。
という所で、ちょっと「The Hangover ハングオーバー!」シリーズなんかも思い出す連鎖的な巻き込まれっぷりでどんどん大事になっていくんですが、ちょっと馬鹿にされてる今日退職予定の老刑事とか、子供を亡くして少し壊れたその妻とか、同僚の嫌な奴とか、逆に協力的な女刑事とか、いかにもなギャングとか、出てくる人物がみんな定型的で、観てるうちにだんだんコメディに見えてきてしまったりしました。だから「ハングオーバー!」を思い出したんだけど。

なんかこう、カルト映画でもなく、徹底的に残虐だったり、派手なアクションがあるわけでもなく、なんかよくある刑事物っぽくまとまる感じが肩透かしでした。
やっぱり冒頭の韓国マーケットやファストフードのシーンが印象的なんですよね。誰も死なないしアクションもないけど、ちょっとした理不尽や苛立ちにブチ切れる感じが。

という事で、言われる程かなぁ、でも今観るとこんなもんか、という感じでしたね。ここから派生したものがいっぱいあると思うんで、観とくといいとは思いますけどね。
小銭の為にコンビニでジュース買ったり、「うわ、朝メニュー終わってんじゃん」みたいな時にやっぱり思い出すと思うんで。

あった、これだ。

フォーリング・ダウン (字幕版)

新品価格
¥299から
(2020/11/7 18:45時点)





「がんばれ!ベアーズ」





名作という事は知っていたものの、観ていなかったシリーズ。

野球って疎くてね・・・なんせ小1か2の時にJリーグ開幕したもんで。
好きな選手はいるし、パワプロも映画「メジャーリーグ」シリーズも好きなんだけど、野球好きか?って言われるとあんまりね。
しかも少年野球ってなると、更に遠い感じがしたんだけど、伊集院のフェイバリットムービーっつう事を思い出して、今更ながら観ました。

いわゆる、理由があってプロでの活躍を諦めざるを得なかった、今は落ちぶれた元選手が、指導者として再起する、そこには家族との再会もあり、人生も再起を・・・的なやつ。

名作。

はい、今よくあるストーリー扱いしたんですけどね、名作でした。
特別、興味のある題材ではないにもかかわらず、メチャメチャ面白かったです。

なんつーか、ただ下手な少年野球チームってだけじゃないんだよね。
元プロで今は落ちぶれたアル中の監督だけじゃなく、チームの少年達も、っつうかチーム自体も認められていないような所からなのよ。チームのメンツも、少年ながら皆が負け犬、アウトサイダー達が集まってて、でも出来る事はあって、っていう。

なんか、当然『メジャーリーグ』もなんだけど、ちばあきおの『キャプテン』とか思い出したね。
勿論、映画らしいチートキャラも、コメディらしいバカバカしさもあるんだけどね、なんか、うわー、いい映画だ、名作じゃん、って。

最後に出場した補欠組の、フォアボールを選ぶ感じとか、もう、ちょっと泣けました。
活躍しないんだ、振らないんだよ。でも塁に出るの。

いやー、やっぱ名作って言われてるものって観るもんだよなぁ、って。
バンドやめて、サブカルって鎧を脱いで、逆にいわゆる名作、ランキングトップ10、みたいなのを最近よく観てるんだけどこれはこれでやっぱりいいんだよな。
まぁ、サブカルっ子な自分を否定はしてないし、ミニシアター系の映画を一切観ない自称映画好きと話すと、グッタリするのも本当なんだけど。

がんばれ!ベアーズ [DVD]

新品価格
¥927から
(2017/10/12 01:17時点)






「テッド」「テッド2」





評価も高く、レンタル屋でもベスト20とかに入っていたので、そのうち観るだろうと放っておいたのをやっと観ました。
町山さんが字幕監修をしていて、ラジオでも紹介していたのでサブカルっ子として興味があったが、ベストに入るほど人気作になっていてビックリしました。
でもそれだけ人気があるのも頷けるくらい、実際、観てみると面白かったです。


なんかね、お話自体は凄く普通なんだわ。
いわゆる、昔からの男友達がいて、彼女が出来てお前は変わっちまっただの、お前は成長しろだのって喧嘩して、でも彼女のピンチを2人で解決してハッピーエンドっていう。
ただそれがね、その友達がぬいぐるみなわけですよ。
しかも、本当に生きていて、それによって有名になったっていう、周知の事実なわけです。隠すとか、他人から変な目で見られるとかないわけ。
なので、普通の話なのに相方がぬいぐるみっていう。
でもそれがね、いい感じにクッションになってるんだよね。
やっぱおっさん2人だとね。しかも、生活がムチャクチャな不潔そうなオッサンだとさ、観ててツラいから。
下ネタを言おうが、ハッパ吸おうが、スーパーの同僚のおねぇちゃんを仕事中にコマそうが、かわいいクマのぬいぐるみだからね。
クライマックスに向けての喧嘩シーンもさ、ぬいぐるみと戯れてるように見えるし。

上手いなぁ、って思うよね。勿論キャストもお話も凄くよかったし。
普通に面白い、その上にアイデア賞っていう。

人によってはひどく嫌っている字幕も良かったけどね。まぁ吹き替えでやるような事を字幕に持ち込んだ感じはあるけど、ぜんぜんありな範囲でしょ、元ネタが日本人に馴染みの無いものばっかだもの。

『テッド2』も一緒に観たんだけど、これもよかった。
ぬいぐるみだって事は重々わかった上で、周知されていても、やはり困難が降りかかることもあり、前作やコミコンなんかのネタも入れつつ、ハッピーエンド。
これもね、まぁ、不妊治療、養子、差別とかさ、重くしようとしたり、政治的な皮肉を満載にも出来るようなネタなんだけど、ぬいぐるみっていうのがあるし、さらっと観れるようなお話にしてるしね。


この2本ともさ、すげーぶっ飛んでいるようでいて、実はなにか革新的なものがあったり、大爆笑って感じではないんだよね。
よくある話を、生きてるぬいぐるみっていうアイデアで、サブカル層以外にも届けたっていう。
観たら観たで、フラッシュゴードンネタやらハッパネタ、過激な下ネタてんこ盛りで、観たら嫌がる人も多いので、賛否両論で余計話題になって・・・っていうさ、やり方が上手いよ、うん。

正直、コメディー映画ってこのくらいの感じでいい、ってのもあるんだよね。
『ハングオーバー』とか、衝撃的におもしろいものもそりゃたまーには欲しいけど。
寝っ転がってヘラヘラ笑って、なにも引きずらない感じ。
これが欲しい事も多いわな。

テッド&テッド2 ブルーレイ・パック(初回生産限定) [Blu-ray]

新品価格
¥2,246から
(2017/7/7 21:56時点)






「神様なんかくそくらえ」





思い起こされるのはやはり『KIDS/キッズ』『クリスチーネF』『マイ・プライベート・アイダホ』、あとちょっと『真夜中のカウボーイ』あたり。

こういう映画は、昔なら熱狂的な支持をしたのかもしれないけど、オッサンになった今は、「可愛くってよかったね。結局映画に出れて、復学できたわけだし」という醒めた感想を持ってしまった。
ただ、凄く真摯に、正直に作っているとは思う。
嫌な言い方をすると、クレイジーさで若い時に一瞬カリスマ性を持つような奴はあっさり死に、タフぶる男はプッシャー、女は万引きと物乞いくらいしか出来ず結局男にすがる。
ラストにプッシャーのマイクの所に戻っていると言うのは凄くリアルですよ。
出来るのは万引きと物乞いくらいなので、強い男にすがらないとホームレスはやっていけない。
安く住まわしてくれる女性からの、真っ当な路上販売も無視し、ドラッグを打ち、やる事といえば物乞い。
そのドラッグでさえ、彼氏に教わり、プッシャーに恵んでもらう。
まともな男友達を拒絶するが利用はする。

なんかね、やっぱこういうのって全然同情できないよな、って。
私も、昔は好きだったのよ、こういうの。私立に通うお坊ちゃんで冷房の効いたマンションで観てる時はね。
でもこう、実際にホームレスを家に泊めたり、ホームレス寸前のバンドマンとバンドやったり、自分もそう変わらない環境にいた事もあったりするとね、同情の余地がないな、って思うんだわ。ジャンキーも一緒。なんにせよ依存してるって事は、それ以外の事が出来なくなるって事だから、単純に迷惑なんだわ。

「オレはリスク背負ってドラッグを売ってるんだ!」
って、それが一番真っ当なセリフだよ。

主演を務めたアリエル・ホームズの実体験に基づいたお話らしいけど、この主人公は本当に何にもやってないんだよね。自己決定すら放棄してる。
そのくらい苦しんだんだ、って事なんだろうけど、結局、スクリーンにアップになっても耐えられるくらい美形だったから監督に拾われて、女優として主演して、何本か出て今後は学校に戻りますってさぁ・・・なんかね。

たしかに魅力的ですよ。そりゃホームレスなんてやってたら助けます。
でもホームレス時代もずっとそうなわけじゃん。
売春すらせず(描いてないだけかもしれないけど)、あなたがいないと生きていけないって言いながら、死んだ後はあっさりプッシャーの所にいるわけ。

そこがさ、人間の悲しさだよね。
そう考えると、腑に落ちるけど、この映画はそれが描きたいわけでもなさそうだしなぁ。
イライラすんなぁ、でも美形だしな、っていう、それがずっと続きました。
これもね、嫌って程わかったけど、結局そこだったりするしね・・・。
アリエル・ホームズのプロモーションビデオって感じだね。

あ、音楽は良かった。冨田勲なんだよな。

神様なんかくそくらえ [DVD]

新品価格
¥3,694から
(2017/7/5 00:59時点)






『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』





もうここら辺は外れるはずが無いだろうという感じで、いつ観てもいいや、と思っててやっとそのときが来た感じ。

ご存知『ショーン・オブ・ザ・デッド』『ホット・ファズ -俺たちスーパーポリスメン!-』『 スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団』『宇宙人ポール』なんかのエドガー・ライト、サイモン・ペグ、ニック・フロストら製作陣の作った『ワールズエンド』。
ちょっとごっちゃになってて、『ハングオーバー』みたいな感じだと思ってたら『ホットファズ』だったのが個人的にちょっと面白かったけど、まぁ予想通りな感じ。
っつーかまた同じ話じゃね?って言っていいくらい。

基本的には好きだったアメリカ映画の引用しまくりで、ボンクラ映画なんだけど最後にどんでん返しでヒーローに、っていう。
設定もSFの古典、ジャック・フィニイの『盗まれた街』ほぼそのまんまだからなぁ。
SFとか言わない方がいいのか。まぁ結構前の映画だし。

うーん、面白いんだけど、やっぱ手法が一緒だからこっちも準備が出来てしまってるし、衝撃がないんだよねぇ。パブ巡りっていうイギリスっぽさとか、青春時代云々の話は好きでは在るんだけど・・・。
なんかそういうのばっかだな、って気もしてきたんだよね。サブカルおじさんの考える事は一緒だよね、私も含めてだけど・・・もっと清々しいくらいの馬鹿馬鹿しさが欲しかったかなぁ。

ワールズ・エンド/酔っぱらいが世界を救う! [Blu-ray]

新品価格
¥1,431から
(2017/6/24 04:17時点)






「ブルー・リベンジ」





まさに拾い物って感じ。

レンタル屋でボンヤリ棚の前にいて、なんとなく手に取ったら町山さんの推薦文が付いてたので、お、と思って借りたのだ。

話はシンプル。両親を殺された男が犯人の出所を知って復讐、それだけ。
しかも、登場人物はパッと思いつくだけだと10人に満たない。数分以上映っているのは3人くらいじゃないかな?ほぼ主人公1人が映っている映画だ。
セリフもあまりない。

こう考えていくと凄いな、おそらく低予算映画だ。
低予算映画で、話自体はシンプル。
なのにおもしろい。最後まで緊張感が続き、目を離せない魅力がある。
低予算からワザとこういう方向性にして、「芸術でござい」って誤魔化す事も多いんだろうけど、今考えていくとそういう要素が浮かぶんだけで、観ていた時はそんなことを全く感じさせられなかった。

丁寧に、リアルに、描いていく復讐劇はかっこ悪く、痛い。

復習を思い立つが金が無くて銃は買えず、盗んだものの掛かってるロックを壊そうとして銃自体が壊れてしまう。復讐を成し遂げたと思ったら、真犯人は別に。反撃にあえば車の鍵を落としてくるし、相手のタイヤをパンクさせようとナイフを振るえば自分が手のひらを切ってしまう。

主人公役の役者さんも絶妙だよな。パッケージを見たときには、ホームレスって設定でもイケメンな長髪髭面って感じだったんだけど、逃走のために髪を短くして髭を剃ったらトッツァン坊やみたいになるし。
住人が留守の家から拝借した微妙にサイズの合わないシャツを着て、その姿で姉に復讐を告白する所なんかもう切ないですよ・・・。
しいて言うと、その姉の言動がイマイチわからない部分もあるけど、ほとんど出番は無いしね。
細かいバックグラウンドは描かれないので、両親が殺害されたショックで誰にも言わずに地元から失踪し、ホームレスとして無為に生きていた、ということがなんとなく解る程度なのだけど、そこを想像させられつつのリアルすぎる復讐劇がねぇ・・・悲しいです。

原題が「BLUE RUIN」で、「青い破滅(廃墟)」って意味で、ボロボロの青い車に寝泊りしている所とか、青を常に画面に入れているところとか、主人公の行く末とかを表現しているんだと思うんだけど、邦題はわかり易いけどちょっと誤解させるかもね。

ノワールっていうのかな?こういうの。
いい映画でした。
こういう出会いがあるから、店に行くのは楽しいんだよな。



ブルー・リベンジ [Blu-ray]

新品価格
¥3,763から
(2017/5/30 18:41時点)







「MANNY/マニー」




マニー・パッキャオ。
2015年に、もう無いと思われていたメイウェザー戦が実現した事が日本でも大きく報じられたので説明不要だろう。
8階級制覇という前人未到の記録を打ち立てたレジェンダリーなプロボクサー。
ボクシングプロモーターでもあり、政治家、フィリピンプロバスケットボールリーグのバスケットボール選手兼ヘッドコーチでもあるという、書いていて驚くほどの人物だ。
しかも全て現役で、現在も世界チャンピオンに返り咲き戴冠中である。

そんなパッキャオのドキュメンタリー映画。
2014年製作なのでメイウェザー戦の前までですね。その頃にすでに引退を口にしていて、パッキャオ戦がラストマッチだろうと思われていたが、引退を撤回して今も現役。7月にも防衛戦だ。
プロデビューが95年。恐ろしい・・・。

戦時下のフィリピンで極貧家庭に生まれ、12歳で中学を中退し家計を支えるために働き、叔父に教わりボクシングをはじめる、14歳でより稼ぐために大きな都市に出る。16歳で細く、年齢も体重も足りなかったのを誤魔化してプロデビュー、勝ち続けて国内に敵がいなくなりアメリカへ、そしてご存知の大活躍。
プロモーターやマネージャーに稼いだ金を多めに抜かれていたり、有名になったら芸能活動をしてショボイ映画に出たりCD出したりして苦笑されたり、政治活動もはじめ、多忙になり私生活も派手になったせいで敗北、しかし復活、神に感謝も欠かさない。

という、まぁ正直アスリートのドキュメンタリーとしてのあるあるネタが頻出するので、改めて発見があるとか、この映画を観てなにかあるか?と言われれば無い。
私はパッキャオのファンだし、1時間半のパッキャオのドキュメンタリーなら喜んで観るので、満足ですけどね。2回は観ないけど。

あくまでパッキャオの人生に焦点を当てているので試合の映像は少ないし、ボクシングファンというかパッキャオのファン向けですね。

おもしろいとは言いがたいけど、パッキャオのドキュメンタリーなら1回は観ないとね。

MANNY/マニー [DVD]

新品価格
¥927から
(2017/5/7 01:32時点)





「無垢の祈り Innocent Prayer」





平山夢明のあの名作『独白するユニバーサル横メルカトル』の中の一編が映画化されてた!
クソー!知らなんだー!

というのも当然というか原作を読めばわかるが、内容が内容なので上映できる所が中々無かったっぽく、上映館がとても少ない。幼児虐待からDVなどの暴力から殺人、宗教絡みの事まで、R指定はもちろんのこと色々と問題になりそうなものばかりがぶち込まれた作品だからしょうがないけど。
東京だとアップリンク渋谷くらいか。でも今年の初めまでやってるの知ってたら、観に行ったのに・・・。
メインキャストにBBゴロー(稲川淳二のモノマネの人)、下村愛(2015年までは穂花)と凄くいい感じだし、これは観たい。

こうなったら早くDVDにならないかな。超観たい。平山さんの小説は映像化したら凄そうなのバッカリだもんな。



あ、CGアニメなら以前にこれもあったね。雰囲気はいい感じだけど、どうなんだろ?


追記
ここで観れるね↓
https://vimeo.com/ondemand/uplinkcloud072jpn

独白するユニバーサル横メルカトル (光文社文庫)

新品価格
¥648から
(2017/4/25 21:57時点)





「WE ARE X」




X JAPANのドキュメンタリー映画。
アルバムは出さないわ、映画は公開されないわ・・・と2007年の再結成、そして新曲「I.V.」が公開されてからが長すぎて、期待が思いっきりしぼんでいた。
「世界で成功出来るアーティストはX JAPANだけ。今も順調に活動していたら・・・」という幻想も、この15年ほどの間にDIR EN GREYやCrossfaith、BABYMETALらが海外進出に成功し、チャートにも入ってしまった為、薄まってしまっている。BABYMETALは別、って言う人もいるだろうけど、その分売り上げは一番いいので、あらゆる意味で言い訳が効かなくなっている。

全ての基であり、永遠に幻想に包まれたままになってしまった1997年の解散までのX JAPAN。
再結成後もきっと動けば凄い事になる、という期待に答えられないまま、アルバムは出ず、今やシングルとして発表されたりライブで披露した事のある既知の曲だらけの、ベストアルバム状態になることは必至の世界デビューアルバムは未だ完成せず・・・。

なんかムチャクチャ書いていますが、私はそれなりにファンです。hideに関して言えば、ギターをはじめた時のヒーローの1人で、いまでも大好きです。
Yoshikiは日本の音楽界に残る、偉大なミュージシャンであり、ビジネスマンだと思います。
まぁ、だからモヤモヤするんです。

ということで映画。
海外ではとっくに公開されているのに、ウェンブリーの振り替え公演まで待たされた感があります。

よく言われていることではあるのですが、やっぱり『WE ARE X』っつーか『I AM YOSHIKI』だな、と。
音楽ドキュメンタリーはなんでも観るので、好きなバンドを扱ったものだけでなく、そのドキュメンタリーではじめて知るバンドのものまであるのだけど、それなりに数を観てきた中でこの映画は特に心惹かれるモノでは無かった。
それでもX JAPANというバンドは、特に自分がよく知っており、テレビをつければ「HEY!HEY!HEY!」や紅白で観られた存在で、下世話なワイドショーからカッコいいライブまで観た事のあるバンドであるだけに、厳しい評価になってしまうのもある。
よく知っているだけに、1時間半で収める事の難しさも痛いほど分かるし、じゃあ『I AM YOSHIKI』状態でもしょうがないといえばしょうがないのかな・・・と思ったりもする。
X JAPANを知らない海外の人たちにはこれでいいのかな?とか。でも少しレビュー読んだら、元々のXファン以外は私と同じような感想も多いんだよな。
どう考えても中心人物なのは確かだし、Yoshikiがずっとこの「X(X JAPAN)」という看板を背負い続けてきた唯一のメンバーであり、メインソングライター/作詞家で、エクスタシーレコードの設立者である以上、彼を中心に映画を作る事は当然なのだけど、あまりにも他のメンバーの出番少なくない?っていう。
比較するもんではないかもしれないけど、hide『JUNK STORY』のバランスの取れた構成と比べるとあまりにも極端だと思ってしまった。
それに、最初に書いた通り、再結成後はツアーやシングルの発売はあるものの世界デビューアルバムは未発売なので、どうしても「苦難を乗り越えてデビューアルバム発売」とか「世界デビューアルバムが好評のバンドの壮絶な過去」という風にはならず、誰に向けられているのかもよく分からない。

ハリウッドの素晴らしい制作陣を揃えても、メインの素材は20年以上前の荒い映像だし、キレイな素晴らしい映像の現在はYoshikiの豪華な生活と少しのライブ映像のみなので、日本っぽい映像を挿入したりの工夫はあってもなんだか映画を観てる気がしなかった。アルバムの特典DVDであれば150点で、プレミアが付くレベルなのだけど・・・。それにやっぱバンド映画として致命的なのはね、ツアーをガンガンこなしてたり何十年も続けていたりするバンドと比べて、演奏がまとまってなさ過ぎるよ。最近のライブ映像観てもバンドに観えなくなっちゃった。
とても大きな成功をしたと同時に、悲劇的な事が続いたバンドで、そこを強調しても下世話だけど、あまりにYoshiki中心で「痛みに耐え、多忙な生活を送りながらも、マディソン・スクエア・ガーデンでのライブを目指すYoshiki」という姿が多すぎて、X JAPAN自体がどう大きくなっていったか、どう遷り変わって行ったかなどがあまり語られず、ちょこちょことライブ映像などが流れるのみなのはどうなんだろう。
Toshiが洗脳前後でどう変わったかすら、出番が少なすぎて分かりにくかったりする。「ボーカルが洗脳された」っていうのは映画がはじまってすぐ、印象的なセリフとして使われているのに。

後は細かい事を言うと、Taijiの訃報をラジオで伝える音声が吉田豪ってのはちょっと違和感が・・・日本の監督なら絶対使わないよな、とか思ったり。いや、何度もインタビューしてるし、貴重な本音を聞きだしてる名インタビュアーだけどさ・・・。

まぁ今回の依頼が来るまでX JAPANのことは知らなかったと素直に告白していた監督の興味が一番向いたのが、テリー伊藤と同じくYoshikiだった、という結論が一番腑に落ちるかな。
私もバンドとしてのX JAPANより、Yoshiki個人にの方が強く興味があるもんな。でもちょっとYoshikiに都合のいいストーリーにし過ぎているんじゃないかと思うんだよな。それは『YOSHIKI/佳樹』を読んだ時にも感じたし、hide、Taiji亡き今ではもうそうにしかならないか。

「金スマ」の方が自分的には面白かった・・・ってのは言い過ぎかな。でもそのくらいの感じ。





以前書いた関連記事↓

hide 50th anniversary FILM『JUNK STORY』
https://fanblogs.jp/gateofdoom/archive/394/0
津田直士 「すべての始まり -エックスという青春-」
https://fanblogs.jp/gateofdoom/archive/187/0
市川哲史 「私がヴィジュアル系だった頃。」
https://fanblogs.jp/gateofdoom/archive/132/0

「WE ARE X」オリジナル・サウンドトラック

新品価格
¥3,220から
(2017/3/12 18:20時点)





「風立ちぬ」





宮崎駿の引退作、長編アニメ最終作、という事に最近までなっていた作品。

宮崎駿には興味があるがそんなにジブリアニメが好きってわけでもなく、『ハウルの動く城』以降はちゃんと観ていない。『借りぐらしのアリエッティ』は当時の彼女に観せられたが、あれは監督が宮崎駿じゃなかったな。

ということで、ドキュメンタリー番組やインタビューばかり漁っていたのだけど、『夢と狂気の王国』がとても面白く、製作中だった『風立ちぬ』について興味深いコメントを多数していたので、気になって観てみた。

これは傑作だわなぁ。

なんというか、「うわー、この人最後に映画作ったよ」って感じ。
もちろん、これまでも名作を何本も作ってきたと思うんだけど、あくまでアニメーション。「子供が見るもの」で「年1回観れば十分、あとは外で遊んだほうがいい」というのが根本にあったと思う。
過去作の中では『紅の豚』は唯一大人向けであったと思うけど、「今一番癒されなければいけないのはサラリーマンのおじさんたち」と言いつつ「酷いものを作ってしまった」と振り返る感じから、葛藤があったのがわかる。私もこの作品は大好きだが、おじさんのノスタルジーや幻想と、アニメチックな空中戦なんかのギャップが作中にそのまま出てしまっていると思う。

ということで『風立ちぬ』。

宮崎駿が航空機の部品工場「宮崎航空興学」の役員の息子で、幼少期に戦争で空襲にあった際も自家用車で逃げたくらいのボンボンでありながら、後に東映動画に入社し労働組合の書記長をやるくらいの人だ、という事が頭に入っていると、またこの映画もより興味を持って観れるかもしれない。
「『親父は戦争協力者じゃないか!』なんてやり合いましたよ、昔」「ゼロ戦をね、カッコ良く描きたいけど、カッコ良く描きたくないんです・・・わからないでしょ、あなたには」なんて言葉が『夢と狂気の王国』に出てきて、私はそれで興味を持って観たんだけど、うーん、それ無しで観た感じが想像つかねーや。まぁいい、続けよう。

宮崎駿は、ずっとこういう二面性と共にあったと思うんですよ。さっき書いた、「年1回観れば十分、あとは外で遊んだほうがいい」とかさ、アニメを作ってて、もちろん素晴らしいものを作りたい、多くの人に観てもらいたい、そして仕事に全力を尽くすのは当たり前だ。が、自分の本音としては違う、「年1回観れば十分」と。
環境保護に熱心で原発反対派だが、アニメという多大なエネルギーを使うものを愛している、そしてへヴィースモーカーだ。
庵野秀明に対して「(テレビ版エヴァは)三分と観られないですね。観るに堪えないですね」「人間が描けていない」などと批判するが、「『エヴァンゲリオン』みたいな正直な映画を作って、何もないことを証明してしまったというぐらいにね」「この男はね、誠実な男です」とも言う、そしてこの映画の主役の声優は庵野秀明だ。
ナウシカの打ち上げで「人間なんか滅びても、地球になにかしら生命が残っていればいいんです」とハッキリと宮崎が言うのを聞いて、「それで凄く好きになった」と庵野が、鈴木プロューサーのラジオで言っていたが、根っこはそういう人なんだろう。
「正直」に作ってしまうとエヴァのようになる。だから「大人の仕事」として自分はアニメを作る。というような、二面性があったのだと思うのだ。
「漫画化風情に誰が憧れる」「アニメが作りたいんじゃない、映画が作りたいんだ」とハッキリ言ってしまう、富野由悠季のような人もいて、それはそれで素晴らしい作品を作ったが、これはこれで特殊な天才だ。

そんな二面性が今回初めてきちんと両立できたというか、混ざり合ったのではないかと思った。
実在の人物である堀越二郎をモデルに、堀辰雄の事もミックスさせた主人公は自分を重ねた部分も多々あっただろうし、舞台である戦前〜戦争の終わりという時代背景も、彼の思う「こうあって欲しかった古き良き日本」という感じで、いろいろな事が上手く交じり合っているように感じる。
「『トトロ』の世界に憧れるというが、実際にはあの食卓には虫がブンブン飛んでいるんです」というように、彼もわかって描いている。
そこが、まぁ今回は先にドキュメンタリーを観たからかもしれないけど、強く感じられて。そこで更に切なくなると同時に、青春モノ戦争モノとして物語を、そして大好きな航空機の事を夢という形で好きなだけファンタジックにアニメーションに、という2つがとても上手く混ざり合って、キレイ事だけではない映画になっている。
ジブリアニメとしてではなく、単純に映画として面白かったです。
子供にはわからない部分もあるだろうし、だからこそジブリ映画としては毛色が違うと思うんだけど、

「わからないものはわからないままでいいんです。そのうち大人になったらわかるんだから」

ですよね。

風立ちぬ [DVD]

新品価格
¥3,537から
(2017/2/28 22:11時点)






    >>次へ
<< 2023年10月 >>
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        
カテゴリアーカイブ
月別アーカイブ
×

この広告は30日以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。