X JAPANのドキュメンタリー映画。 アルバムは出さないわ、映画は公開されないわ・・・と2007年の再結成、そして新曲「I.V.」が公開されてからが長すぎて、期待が思いっきりしぼんでいた。 「世界で成功出来るアーティストはX JAPANだけ。今も順調に活動していたら・・・」という幻想も、この15年ほどの間にDIR EN GREYやCrossfaith、BABYMETALらが海外進出に成功し、チャートにも入ってしまった為、薄まってしまっている。BABYMETALは別、って言う人もいるだろうけど、その分売り上げは一番いいので、あらゆる意味で言い訳が効かなくなっている。
よく言われていることではあるのですが、やっぱり『WE ARE X』っつーか『I AM YOSHIKI』だな、と。 音楽ドキュメンタリーはなんでも観るので、好きなバンドを扱ったものだけでなく、そのドキュメンタリーではじめて知るバンドのものまであるのだけど、それなりに数を観てきた中でこの映画は特に心惹かれるモノでは無かった。 それでもX JAPANというバンドは、特に自分がよく知っており、テレビをつければ「HEY!HEY!HEY!」や紅白で観られた存在で、下世話なワイドショーからカッコいいライブまで観た事のあるバンドであるだけに、厳しい評価になってしまうのもある。 よく知っているだけに、1時間半で収める事の難しさも痛いほど分かるし、じゃあ『I AM YOSHIKI』状態でもしょうがないといえばしょうがないのかな・・・と思ったりもする。 X JAPANを知らない海外の人たちにはこれでいいのかな?とか。でも少しレビュー読んだら、元々のXファン以外は私と同じような感想も多いんだよな。 どう考えても中心人物なのは確かだし、Yoshikiがずっとこの「X(X JAPAN)」という看板を背負い続けてきた唯一のメンバーであり、メインソングライター/作詞家で、エクスタシーレコードの設立者である以上、彼を中心に映画を作る事は当然なのだけど、あまりにも他のメンバーの出番少なくない?っていう。 比較するもんではないかもしれないけど、hide『JUNK STORY』のバランスの取れた構成と比べるとあまりにも極端だと思ってしまった。 それに、最初に書いた通り、再結成後はツアーやシングルの発売はあるものの世界デビューアルバムは未発売なので、どうしても「苦難を乗り越えてデビューアルバム発売」とか「世界デビューアルバムが好評のバンドの壮絶な過去」という風にはならず、誰に向けられているのかもよく分からない。