待ちに待った3マン。全部好き。全部超好き。なのに意外と全部初見。
という事で、有給を取って午後4時まで寝てライブに備える。足を捻挫中なので、ちゃんとサポーターをする。
暴れないわけがない。
「開場時間くらいに行って、やっぱTシャツが欲しいよな、このメンツだと」なんて思っていたのだが、リキッドルームに行くのが久々だった上に雨だったせいか、あんなに駅から近いのに迷ってしまう。3度ほど完全に逆走してグルグルした後に交番へ。道を教えてもらって、真逆じゃねぇか!超近ぇ!とか思いながら着く。既に6時40分くらい。
グッズ売り場の列をチラッと見て諦め、会場内へ。
ロッカー・・・あ、小銭崩してねぇ、どこも混んでる・・・・。
そう、グラインドコアのバンドがこの規模の会場でやるにしては早い時間から異常に混んでいる。まぁ誰が前座とかも無い位のメンツだし、伝説のジャパンツアーの再現という意味も、Brutal Truth最後のツアーという意味もある。グラインドコア好きが行かないわけがないのだ。
とりあえず、動かずに落ち着いてたら上着を着ててもいいくらいだったので、そのまま後ろの方でまずはS.O.B!
とにかく、S.O.BやBOREDOMSの存在が無ければ、日本のバンドが海外に出る、ということの意義が変わっていたと断言していい位の存在。「本場」なんて言葉は存在せず「現場」だけがあると信じられたのは彼らのおかげだ。
正直言って、私は『Gate Of Doom』までしか聴き込んでおらず、それ以降は買った記憶はあってもそんなに聴いた記憶はない。NAOTOボーカルで参加していたOUTO等との『SATANARBEIT』ビデオもあまり好きではなかった。結局、初期〜中期と『History of...S.O.B』ばかりになってしまっている。
そんな私の感想。
完全に別のバンドになっている。
そんなことは初期メンバーがYASUEさんのみのメンツを見れば、『Still Grind Attitude』(これすら10年以上前・・・)を聴けば解っているだろう、と言われるとそうなのだが、目の当たりにしてしまうとちょっと辛かった。
出てきて最初にバーン!と音を出した瞬間の「S.O.Bだ!俺S.O.B観てる!」という激しい喜びは徐々に去って行き、演奏や機材は良くなったし、器用でパワーもあるETSUSHIさんのボーカルも安定してていいのだが、これは・・・と思ってしまった。悪いはずも無い、歴戦のメンバーと名曲がこのバンドにはある、しかしやはり違う・・・。
デスメタルに接近した時期中心のセットリストの中で、数々の名曲がコールされ、エキサイトし、徐々に気持ちが沈む、という繰り返し。最後は名曲「Let's Go Beach」。ファニーさと、軽妙さの無くなった「Let's Go Beach」は、一緒に歌う気満々だった私の口をとても重くした。
次にBrutal Truth!
大阪にも名古屋にも行けない貧乏な私には、生涯で最初で最後のBrutal Truth。てっきり、Brutal Truthはトリだと思っていたのだが、バックドロップがBrutal Truthのマークのようだ。はて?と思って近づくと、あれ?ドラムテックだと思ってたあのメガネかけた人ってリッチじゃね?あぁぁぁ、ダン出てきたじゃん!え?写真撮るの?いえーい!ダニー!とかやってるうちに次がBrutal Truthだと悟り、上着も脱がないままその場から前にしか動けなくなる。
ライブ開始。即モッシュからの前にベタ付き。
映像で何度も観ていた通り、何十年もルックスほぼ変化無しで、コーラスの時以外は下がり目で黙々とベースを弾くダン・リルカ!でっぷり太り、お決まりのジーパン裸足テンガロンハットの狂ったヒッピーと木こりの間みたいな格好でシャウトするケヴィン・シャープ!悟ったようなイク時のような恍惚の表情でドタドタパタパタ叩きまくるリッチ・ホーク!めっちゃゴツイ、ニューギタリストのダン・オヘアはルックスに違わずメタルっぽく手堅く弾いているが音が小さめ。
いやー、あの、全部好きなんですよ。本当に全部。理想のバンドなんです。Brutal Truth。5曲目あたりでダイバーに顔を蹴られてメガネ諦めてポッケにしまったんで、こっから視界はぼやけてますけど、関係ないっす。最高。
我が侭をいうなら、ギタリストはBrent McCartyがハードコアっぽいエッジがあって1番好きで見たかったけど、全然いい。最高。
めっちゃ聴いてた曲でも途中でわかんなくなるほど混沌とする瞬間があるのに、なんとなくバンド全体で帳尻を合わせていける感じとか凄かったなぁ。ギタリストのせいか、思ったよりは手堅い演奏だったけどね。
しかし、ケヴィンってこんなにおちゃらけるオモシロおじさんだったのには驚いたな。マイクをチンコに見立てるくらいはよくやるが、日本語けっこう喋ってたし、出っぱったおなかアピールとか、「you guys are pretty カワイーネー」とか適当な事言っておなさすりながら笑ってたり、「ケヴィンさーん!」って呼びかけられてめっちゃ反応してたり。
S.O.Bから無くなってしまっていたファニーさを存分に感じられて嬉しかった。叫んでる時は顔めっちゃ怖いしね。緩急っすよね。これでこそグラインド・コア。
いやー、満足っす。最高っす。
3曲目あたりで、引っこ抜かれた柵が後ろからクラウドサーフしてきたのは笑いました。
上着までびっしょびしょになったので完全に諦め、ここで引くわけにいかずそのまま最前近くに留まる。雨とか関係ないからもう、上着とパーカー駅のゴミ箱に捨ててくればよかったと心から後悔。
サクサクと機材の転換が終わり、トリのNapalm Death!
短いイントロからいきなりのSilence Is Deafeningでもう頭真っ白。いきなり最高潮。
Napalm Deathも今回はギターのミッチ・ハリスが家族の看病の為に参加できず、 Venomous Concept/Corrupt Moral Altarのジョン・クークが弾いている。ヴェノマスってバズとシェーン以外にもギターいたっけ?とか思ってましたが、要は気心の知れた実力者なのでしょう。
ミッチ・ハリスがいないのは残念ですが、このジョン・クーク、凄く良かったです。このあたりのジャンルのバンドに長年いたんだろうと瞬時に思わせるだけの説得力のあるルックスとギタープレイ、絶叫コーラスもちゃんとこなしてました。若干、彼によってハードコアっぽさが強調されたかも。
来年発売だという2曲の新曲も披露され、まぁいい意味でいつものNapalm Deathのライブです。他の2バンドと比べても圧倒的な現役感、バンドのまとまり。
ダニー・ヘレーラのドラムは安定して粒立ちの良いブラストビートを繰り出すし、シェーン・エンバリーはベースもだが、とにかく存在の存在感は半端じゃない。いくら禿げても長髪をキープする意気込みは素晴らしい。そして、いくつになっても止まっていられない子供のようにセコセコと動き回りながらも、メッセージを伝えたい時はちゃんと曲の前にその意味をしっかり説明し、ひとたび曲がはじまればガオー!という擬音が相応しいシャウトをかますバーニー・グリーンウェイ。
うーん、本当にレジェンドだわ。そしてまた来年ニューアルバムが出るっていう活動的な感じ。
「SCUM」聴けたの、嬉しかったなぁ・・・「Nazi Punks Fuck Off」聴けたの、嬉しかったなぁ・・・「Suffer the Children」聴けたの、嬉しかったなぁ・・・「You suffer」たぶんやってたけど、その時ダイバーに乗っかられててたなぁ・・・。
ライブが終わっても長い間ステージ上に残って、握手などのファンサービスをしてくれた彼らは素晴らしい。真のアンダーグラウンドキングですわ。
ということで、個人的な好みはありましたが、基本全部良かったし、楽しい1日でした。いやー、グラインドコア好きでよかった。
帰ろうとしたらラウンジで普通にケヴィンいてびっくり。人だかりが出来てたし、疲れきっていたのでおとなしく帰宅。
・・・・・・つか、30日にアースダムでVenomous Conceptあんだよなぁ。行きてぇ・・・けど金ねぇしVenomous Conceptあんま知らねぇ。迷う。