2016年05月28日
古谷実 「僕といっしょ」
あれ?この漫画、こんなに泣けたっけ?というか、これ泣く漫画じゃないよな?
と思った。
何年ぶりに読んだんだろう。もう当時の中坊はほぼ全員読んでいたって言っていいくらいの『行け!稲中卓球部』の次に、新連載としてはじまった古谷実の漫画。
勿論当時も読んだし、その後も単行本をずっと持っていたが、何年前だろ?引越しの時とかに売ったのかな?
まぁ本屋行ったら文庫版が出てて、じゃあサイズ小さいしこれなら家に置いておくか、と何の気なしに買って、たぶん十年ぶりくらいに読んだんだけどさ、これ、泣けるわー・・・・。
まだね、中坊〜二十歳そこそこのヤングな自分にはねわからなかった哀愁ね。
二十歳くらいまではねー、若いじゃない?マジでシリアスに「金が無い!」とか「家が無い!」とか「羞恥心も無い!」とか(・・・羞恥心はある。ある!)はリアルじゃないのよ。あはははー、なんつって。むしろそんな経験もカモンみたいな。
商店街の人たちとか周りの人達との関わりとかもさぁ、今読むといろいろとリアルでねぇ・・・・。
最後の最後に(もう今更いいよね?)勢い込んで義父のとこ行くけど、返り討ちにあって正論言われながらボッコボコ殴られて、謝っちゃって、そしたら泣きながらイトキンがイトー君パンチじゃない。でも当然ボコられるじゃない。で、「おっ お前がイトキンをっ なぐるなぁー!!!」じゃない。
もう俺、号泣しちゃってさ。
それで、結局全員ボコられて、ワンワン泣いて、結局オジさんに電話しに行って、まぁ戻るんだと思うんですよ、どうせ。
つまりなーんにも解決してないの。
もう、なんちゅう話書くんだよ、古谷実。
「『稲中』だけは天才、ギャグ漫画家は消耗するよね。だから徐々にストーリーものに」とかいう人もいるけどさ、これ、名作だわ。当時は短いと思ったけど、全4巻(文庫だと3巻)ってサイズもピッタシ。ジャスト。
これ、ガキの頃はわかんないよなぁ・・・。大人になってよかった事の1つかも、これ読み返せたの。
当時の批評とかどうだったのか読みたいわー。
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