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団鬼六 「真剣師 小池重明」



自分にはあまり関わりが無いが妙に気になるジャンルと言うのがある。私にとっては数学と将棋だ。
数学も将棋も、まぁ「一応ルールを知ってる」程度にかじった事しかないのだが、数学家や棋士のエピソードはとても興味深く思い、よく本で読んでいる。
私は文系なので高等数学どころか微分積分すら危うく、将棋はなんとなく駒を動かしているにすぎないので、いわゆる「数学の本」「数式」や「詰め将棋の本」「棋譜」の中にドラマや美を見出したりすることはできないので、あくまでその人生、哲学、ザックリ言うと「数学者」「棋士」という職業のその人そのものに興味がある。
他人からは見えない、自分の頭の中で起こったことを五線譜やテープレコーダーの上に表現し、それは時に「天啓」とも言えるひらめきだったり、逆に緻密に積み上げられていったものであったり、即興的な芸であったりする、音楽家と通ずるものがあるからだ。なにより一番似ている事は、自身の頭の中で模索したり積み上げたりしているうちは、外からは空想癖のあるただのボンクラにしか見えないという事で、そしてそれ故に人生が破綻することが多いという事だ。

この本の主役は「プロ棋士」ではなく「真剣師」だ。簡単に言うと賭け将棋で食っているアウトローだ。その名称は、なにか伝説的な話の中や一種ファンタジーとして私の中であったものなのだが、この小池が亡くなったのは92年、それも44歳の若さだ。つい最近の話なのである。
このような本になるくらいなので破天荒な人生だった事は読む前から予想できて、侮っていたのだが、これが物凄く面白い本で貪るように読んでしまった。
「新宿の殺し屋」「プロ殺し」「最後の真剣師」なんて異名を持つ人間なのだが、その名の通りで、「プロ殺し」でプロと対戦しても勝ち続け、「最後の真剣師」で元々真剣師自体が激減していた時代なのにさらにアマ名人のタイトルを勝ち取ったりプロに勝てば勝つほど対戦者が居なくなるのだ。本来の意味で「真剣師」としていられたのはアマ名人になった後のしばらくまでで、その後は団鬼六が賞金を出す形でしか将棋で金を得ていない。

うーん、とにかく面白すぎるので読んでみて欲しい。
これは将棋好きの人だけに向けられた、単なる破天荒型の天才の話ではない。
人は皆、「プロ」と「アマチュア」という言葉で分けられている。例えば、幼稚園の時は怪獣博士だったかもしれない、小学生の時は野球、中学の部活でサッカーを頑張っていたかもしれない、高校大学で俳優かなんか目指したりしたかもしれない、何故、今それを続けられていないかというのは「アマチュア」と「プロ」の壁があるからだ。「アマチュア」である以上、それ以外の事で口に糊しなければならないのだ。
ライセンスが発行されるものもあれば、ひどく曖昧なものや、むしろアマチュアの方が金を持っていたりもする、いざプロになれたってピンキリなのは当然だ。

つまり、全ての人にこの物語は有効だと思うのだ。
あえて「物語」と書いたのは、小池重明という人間はまるで団鬼六という作家の小説の主人公のように生き、そして亡くなったからだ。
これは小池重明の物語だが、その物語の後半には団鬼六がそばにいる。「プロの」小説家で、「アマチュアの」棋士として、アマでありながらプロにも連勝する小池に魅力を感じてしまい、最後まで縁を切りきれなかった、ただのファンとしてそこにいる。
それを感じられるのも数多くの破天荒型の天才の物語と違う所だろう。
ただ単純に本当に面白く読めた本でもあり、イロイロな事を考えさせられる素晴らしい本だ。特になにかの「プロ」になろうとしている人は読んだ方がいいと思う。

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John Zorn 「Naked City」



「あれ?俺これ聴いたっけ?」と手にとってしばらく悩んだ末、一応買ったCD。Naked City、ひいてはJohn Zornは大好きでイロイロ買ってはいるが、いかんせん自主レーベルを持っているせいかリリースが多すぎてついていけない部分もあり、たまにこういう事になる。
ましてや印象的なせいかジョン・ゾーンの紹介の時にはよく見るジャケットなせいで、すっかり聴いた気になっていたが、聴いた事の無いアルバムだった。
ややこしいが、これはジョン・ゾーン名義の「Naked City」というアルバムで、Naked City名義でのリリースはその後の事になる。Naked City名義での「Torture Garden」とかぶる曲が何曲かあるせいで、余計に混乱する。しかも私の持っていたCDはTorture Garden/Leng Tch'eがセットになった2枚組の「Black Box」だったりしてもう何がなにやら・・・・。

Naked City名義になってからの作品は自分にとって多大な影響を与えた作品であると同時に、説明無しではあんまり好きと公言することも無い、という珍しい作品だ。それは、音楽でカットアップの手法を聴いたのは初めてでとても興奮し、「速さ」や「ブルータリティ」という概念に悩んでいた私には光明が差した様に感じると共に、ボアダムスの山塚EYEやナパーム・デスのミック・ハリスを参加させようが何しようがどう聴いてもハイプなのだが他のメンバーもビル・フリゼール、フレッド・フリスというスーパーバンドで、ハイプでもここまで極めると大したものだと感心させられたという2つの感想を同時に持った作品だからだ。
ライブ映像を見ると全員譜面を見ながら演奏していたが、これはジム・オルークがNaked Cityを好きでは無いという理由の1つとしていた点でもあるのだが、そうでもしないとジャズマンは逆に流して演奏してしまいそうなハードコア/メタルパートを引き締める役割などがあるのだろうと、それに、より「ハイプさ」を強くするためだろうと納得していた。
後に「カオティック・ハードコア」というジャンルが流行した時に、デリンジャー・エスケープ・プランなんかを聴いて、すぐにNaked Cityを思い出して「今さらかよ・・・」なんて思ったが、インタビューなんかで「ジャズはあまり聴かないな」とアッサリ流していたせいで再評価も無かったのはビックリさせられたなぁ・・・。

さて、そんな感じで複雑だが基本的には大好き、というNaked Cityなのだが、このアルバムはイマイチ。基本的なコンセプトは思いついているが、まだ振り切れていない感じでモヤモヤしたまま終わりました。
ドラムもまだミックではなくジョーイ・バロンだし、EYEもまだゲスト参加という扱いなので、そう考えるとコンセプトは一緒でジャズ成分が多いとも理解は出来るが、Naked Cityという名前を考えて聴くとどうも物足りないし、じゃあジャズとして聴いてて楽しめるかというとそうでもない、という半端な感じに思える。
ただまぁメタル/ハードコア成分の多い「Torture Garden」、ドゥーム/ドローン系の「Leng Tch'e」はある程度ウルサイ音楽が好きではないとキツイだろうから、Naked Cityのコンセプトを代表する作品としてはこのアルバムが1番に挙げられるんだろうな、と思う。
撃たれて路上に倒れている男のジャケットも、丸尾末広の絵も素晴らし過ぎて、「本当にハイプ極まりないな」なんて思いながらも眺めてしまう。

まぁ私は「Black Box」がお勧めです。1500円くらいだし。

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清野とおる 「東京都北区赤羽以外の話」「東京都北区赤羽」





前のバイト先の古本屋が地理的に赤羽と近いため、ちょくちょく入ってきたので気にはなっていたが中々手を出さなかった本。
よくある企画だなぁと思ったのだ。
「日本のディープゾーンで飲む打つ買う」みたいな企画はサブカル雑誌やウラモノ系の雑誌で年1くらいで見るし、ソフトにしたものでいうと「下町情緒あふれる場所でおじさんおばさんと交流しつつお買い物」なんてのはテレビでやってる、まぁ要は「モヤモヤさまぁ〜ず」だ。
なのでしばらく買わなかったのだが、漫☆画太郎のことが載っている、しかもなんと実際に会っていてその時のことを書いているという事だったので、まず「東京都北区赤羽以外の話」を買った。漫画だと思ったらこれは漫画ではなく、基本エッセイでたまイラストが挿まれているものだった。まぁ、けっこう予想通りというか、こんな感じだろうなーと思っていた通りの日常だし文章だったのだが、売れているという前評判の割にはずいぶん作者がどす黒い感じでそれはちょっと驚いたし、絵を見てみると「裏モノJAPAN」で読者投稿のネタに挿絵描いてる人だって気がついて、よくこれがヒットになってるなぁとよけい思った。
期待していた漫☆画太郎については調べると出てくる情報とほとんど一致していたので、ビックリとまではいかず、むしろしみじみ「マジだったんか・・・」と思ってしまった。最後のオチなどはさすがに作っていると思うので、どこまで本当なのか?というのを言いはじめるとキリがないが、今までもっていた期待や幻想をキープしたままになったのにはちょっとホッとした。
まぁそこそこ面白かったが、今までもさんざんサブカル/アングラ系のエッセイ漫画は読んでいるし、そのなかで特別秀でてはいないかな、と思ったのでまたしばらく気にせずに暮らしていたのだが、ある日古本屋で105円で「東京都北区赤羽」の2巻だけあったので、ついでに買って帰った。
まぁまた同じ感じなのだが、この本は漫画として読める形態で、しかもオールカラーで写真もたくさん使われていて豪華なので読んでいて楽しい。そして大事な事に気がついたのだが、この作者もちょっと変なのだ。どっちかと言うとあっちの方の世界の人なのだ。ギリギリバランス感覚を持ってはいるのでこうやって観察することが出来てはいるのだが、どうも行動を見ていると「あれ、むしろあんたがそっち系なのでは?」という感じがしてくる。なんというか、自然なのだ。
絵やエピソードにそこまで秀でているものは無いと思ったのだが、楽しく読めているのはそういうところなんじゃないのかと思いはじめたのだ。
今までのそれ系のエッセイ漫画よりとても自然にそこに混じり、「思い出」として写真を撮ったり絵に描いている感じで、そこが新鮮で、しかも広く受け入れられるところなのかなぁ、と。

まぁ正直定価で買う気はしないが、面白かった。

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R.I.P. Jeff Hanneman(SLAYER)





スレイヤーのジェフ・ハンネマンが亡くなった。ついさっきYahoo!ニュースで知った。↓2日に亡くなっていたらしい。
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/entertainment/rock_and_pops/?1367557789
ヤフーニュースでスレイヤーのメンバーの訃報を知るというのも変な気分だ。テレビの昼のニュースでダイムバッグの死を知った時以来の感じ。

私がロックを好きになったのはもう90年代も終わろうとしている時で、80年代のヘルシーブームによって健康を取り戻した円熟のロッカーがもう一花咲かせて元気にステージを走り回り、カート・コバーンの自殺の衝撃がまだ冷めやらず、本格的にロッカーのドラッグによる早死にが避けられていた印象だった。
ラウドロックという至極マッチョな音楽が流行し、ガリガリの体で深刻そうな顔をして白い粉に耽溺するような人間は、「まだ70年代のつもりかよ」みたいな感じ。楽しみとして大麻や幻覚剤を使う人間はいるが、身を削るようにして薬を使う人間はあまり居なかったように思う。
だからこそ、私にはあまり焦りが無かったんだと思う。「もうこの人を見られるのは最後なんじゃないか」なんて事を思った事は無いのだ。だってエアロスミスどころかストーンズまでまだ現役でツアーしてるんだもん、思えるわけが無い。それでもたまーに、ふと気がつくとジミー・ペイジの髪の毛が真っ白だったりしてビックリするけど、レッド・ツェッペリンの全盛期には自分の父親さえ間に合ったか怪しいくらいだ、自分には関係ない。
夭折したミュージシャン、不慮の事故で亡くなってしまったミュージシャンは、自分の間に合った人達にも居たけど、そういうアクシデントがなければまだ皆大丈夫、そう思っていた。まだ若かったんだろう。
スレイヤーもギリギリ、間に合った。一度だけだけど、2回で無くなってしまったBeast Feastの2002で観る事が出来た。全盛期がいつかと言われれば難しいけど、「God Hates Us All」という素晴らしいアルバムで依然として現役の帝王である事を誇示した後のライブで、しかもオリジナルのラインナップでの素晴らしいライブだった。穿いてたジーパンがビリビリになったのもいい思い出だ。
私見だが、メンバーの健康状態も良く、新作からの曲も定番の名曲も同じように楽しめたというのは、正直この時期までではないだろうか。
どう考えてもストーンズの歳までやれる音楽では無いし、肉しか食わない全身タトゥーのメンバーもいるバンドだ、早めに終わりが来ていてもおかしくなかった。わかってはいるが、いわゆる「スラッシュ4天王」のなかで唯一変わらず、安定して素晴らしいアルバムを出し、素晴らしいライブを続けていたため、もっともっと先なんだろうと思っていた。

享年49歳、若すぎである。
またあの、マッチョな人間しか出来ない、手首をろくすっぽ使わないで無理矢理な感じだけど力強いリフの刻みや、フルピッキングでの速弾きとアーミングを多用した妙なソロを観たかったなぁ。
「あいつはバンドをはじめるのとほぼ同時にギターをはじめたハズなのに、なんで曲を書いて持ってこれたんだろう?」とケリー・キングに不思議がられるような、スレイヤー以外では全く通用しなかったであろう、しかしだからこそ恐ろしく特異で「スレイヤーの音楽」に特化したプレイスタイルでした。
久々に「Reign In Blood」を聴いているが、カッコよくない瞬間が約30分のトータルタイムの中に一切出てこない。昔聴き倒したアルバムは、一度再生すると頭の中でも同時に鳴るので、途中でトイレに行って帰ってきたりしても一切ズレない。
入院したからツアーに同行できないって聞いても、「どうせ飲みすぎとかでしょ?・・・・え、つか毒蜘蛛って!」なんて笑ってたんだけどなぁ・・・・。

御冥福をお祈りします。

ハンネマン作詞作曲の名曲って多いんだよなぁ・・・↓




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「平山夢明と京極夏彦のバッカみたい、読んでランナイ!」



平山夢明は普通に小説家として知ったのが最初だ。「独白するユニバーサル横メルカトル」というタイトルに目を惹かれ、棚から出してみると、ちょっとギーガーちっくな(後にそれがEdoardo Belinciだと知るが)表紙も素晴らしく、久々の小説タイトル買いジャケ買いをし、家に帰って読んでみるとこれが大変面白くて、一気にファンになってしまったのだ。
その後、バイト帰りの深夜のコンビニで文庫の「いま、殺りにいきます」というなんともふざけた平山さんらしいタイトルの小説を発見して買って帰り、読んでみると「独白する〜」ではあまり感じられなかった「ホラー小説」という、読者を怖がらせてなんぼでスプラッターなサービス精神と、平山作品独特のそれを凌駕する後味の悪さ、いたたまれなさが同居していて、コンビニ売りのホラー漫画なんかにありがちな「怖さのサービスが突き抜けすぎてもうちょっと面白いよ」、という逃げすら出来ずに、深夜に読んだのを後悔しながらも読み進めたのを覚えている。
さて、そんな感じで「天才」でしかもその気になれば商売っ気たっぷりなものも書ける才人だという印象を持っていたのだが、ウィークエンドシャッフルの町山、平山、高橋ゲストのポッドキャストでの気持ちいいほどの無茶苦茶さ、適当さにいい意味で衝撃を受け、さらに好きに、もっというと完全に本人の「ファン」になってしまった。

さてそんな、おもしろいけどどう考えても1人で生ラジオは無理だろう、と思われていた平山さんがメインのラジオ番組がやってる事に気がついた時には凄く驚いた。だって絶対ヤバイもの。
案の定、京極夏彦という相方を迎えての録音での放送なのだが、それでも余りあるぶっ飛びっぷりは相変わらずで、何度か聴いたが結構面白かった。そしてこれはその番組本である。
まぁ「結構面白かった」なんて書いてしまった通り、あくまで京極夏彦というドライな語り口の大人(とはいえ十分すぎるほどこの人も変だけど)が話をまとめる方向に持っていくし、それを更に放送できる範囲に編集されたものなので、酒も入った上で好き勝手やれていた前述のポッドキャストの面白さに比べるとどうしても落ちる、というのが正直な所で、しかも本の場合はあの飄々とした語り口も聴けずに活字を追っていくだけなのでさらに物足りないと感じてしまう。
しかし北方謙三、宮部みゆき、手塚眞からZONBIE RITUAL/SSORCのボーカル(この人はダヴィンチの編集長でもあるけど。というかこの人も変だ)までという幅広すぎる人が寄稿していたり、平山夢明の幻のデビュー作が載っていたりと妙に豪華ではあるので買って損な感じは無いのだが、やっぱりもっと自由にやってる平山さんが見たいかな。絶対周りの人大変だろうけど。

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