「伊集院光のばんぐみ」から続く、伊集院光が制作する番組のDVD。
今回は強化版「真剣じゃんけん」とも思えるゲーム。
面白かった。
が、
これは初見の人には厳しいかもな、とも思った。
最初に『伊集院光のばんぐみ』がはじまった時ですら、先に伊集院光のラジオで「今度やる番組に出てくれる事になった若手の誰々が凄くてさ〜」という話を聞いていた上で私は観ていた。「凄い女芸人が同じ事務所にまだいた」という煽りがあった上での現たんぽぽの2人をはじめて見た時のインパクト。ラジオには出ていたがテレビではじめて見た桐畑トール。若手とはいえない年齢になり、コンビ解散なども経験した上でのレギュラー抜擢に歓喜し、伊集院のイタズラによってそれが無しになるかもしれないというのがどこまで本気かわからない中での緊張感のある企画。
それでも正直、「バラエティーではなくドキュメンタリーであり、実験」と伊集院本人が言うように、実験的な番組であった為に全然おもしろいと思えない回もあった。
今回は、名作「真剣じゃんけん」の香りのする企画なので期待していたのだけど、初見として考えると、50分ほど何も起きないのだ。
勿論、これが新シリーズ1発目でレギュラー陣の顔見せという意味も含んでいるが故だというのもわかるし、ラジオリスナーではない人への、いわゆる「黒伊集院」の理解もしてもらわなければいけないのだろう。
私はもう皆のファンになっているのでシットコムを観る時みたいに感じて、全然楽しく観ていたのだけど、初見だとさすがに長く感じるよな、と思った。
そこから事態がドンドン動いていく様はやはり面白いのだけど、その前に脱落する人もいそう。
今回で特に思ったのが、初参加のバイきんぐ小峠の、後のドッキリ王の片鱗がうかがえる堂々たる芸人っぷり。それが素晴らしい、と思うと同時に考えてしまうこの番組の特殊さ。
芸人としてリアクションをしなければいけないが、そこに徹しきれないギリギリの部分。未成熟な売れていない若手芸人の虚実皮膜の部分のおもしろさを感じている所だ。
近いのは、「裏笑い」というやつだろう。
芸人は熱湯風呂が熱くなくても「熱い!」と飛び出して氷を体に擦りつけまくる。では、お湯が温かったらどういうリアクションをするのか?今ではそういうコンセプトのドッキリもそう珍しいものではなくなったが、この当時はまだ珍しかった。
いわゆる「裏笑い」というやつが表に出てきた状態。
簡単にいうとオードリーの漫才だ。
「こうツッコむ」という基本を皆が認識している上でしか成立しない漫才。売れる前には先輩がわざと過剰に笑いながら「あれ裏だな」とバカにしていた、というエピソードが解りやすい。
前シリーズ経験者にしたら、負けたら本当に休まされる。しかし、実は企画によって呼ぶ人を選んでいるだけで、そこまで支障はない、しかし勝った方が出られる確率は高い。そして芸人として出来る部分も見せたい、というジレンマ。
対して小峠の、「俺はブレないっすよ」からの事態が動くと同時のブチ切れまくりリアクション。あげく匿名のはずが名のる。というメンバーの中で唯一やっている「芸人らしい」動き。
それが、後の小峠のブレイクを予感させ、同時に芸人としての能力の高さを示すものである事は間違いない。そして、それがこの番組の本質を見抜いた上での事だというのも見て取れる。
それが、今回かなりギリギリだったなぁ、という感じ。
あくまで伊集院光の番組内では、という事で言えば、だ。
前シリーズで、ベテラン芸人がピンポイントでしか登用されないのはその辺りだと思うのだ。
あくまで芸人たろうとするX-GUN、芸人らしい壊れっぷりのぶっちゃあ。
逆に重宝されたのが意外な名脇役っぷりのつぶやきシロー。
そう考えていくと、小峠は素晴らしいが、この番組にフィットするには芸人としての能力が高すぎるかも、そして結果を残そうとする若手特有のギラギラ感を抑えて脇に回れるほどには、枯れていないかったな、と。
そういう意味では、芸人としてはどうかと思うが、田代32ってこの番組には完璧に必要だよな、と思う。もう廃業してしまったが、前シリーズでのサードメン高橋とかも。
今回はそういう意味でギリギリだったなぁ、と。
今回はギリギリ面白かった。
でも、時間の都合かちょっと駆け足になってる感じはあるし、『真剣じゃんけん』のDVDのように後日談とか、個人インタビューはもうちょっと欲しかったな。特典映像でもいいから。
結果発表!はい終わりー!では寂しいよね。
あとは唯一平和だった三田寺理紗が、キチンと状況分析が出来ている感じも良かったな。ちゃんと出来る子じゃんか、って。
番組も飛び飛びで観てて、今やDVDがいっぱい出でてるから時系列はよくわからなくなってるけど、「伊集院光のばらえてぃ〜」の名の今シリーズって他はどうだったかな?
既に観た『酩酊ドミノ ハイパー』は失敗に思えたんだよな。前シリーズの『酩酊ドミノ』と比べればわかると思うんだけど。
ちなみに書いた『伊集院光のばらえてぃー 酩酊ドミノ ハイパーの巻』の感想↓
https://fanblogs.jp/gateofdoom/archive/417/0『伊集院光のばらえてぃー 体内時計でぴったんこの巻』↓
https://fanblogs.jp/gateofdoom/archive/418/0『伊集院光のばらえてぃーぷらす ランナーズハイでわっはっはの巻』↓
https://fanblogs.jp/gateofdoom/archive/397/0