2015年02月13日
伊集院光 「のはなしし」
伊集院光の伝説のエッセイ!という名目で出されたエッセイも既に4冊目です。
「ラジオほどではないにしろ、これはこれでゆっくり楽しめていいかな」と、買い続けているこのエッセイ。たぶん「のはなしさん」の時も感想書いた気がする。何書いたかはまったく覚えてないので、もしかしたら逆の事書くかもしれないけど、まぁ時の流れですな。
「のはなし」が出る時は、限られた媒体(元は携帯電話のメールマガジン)でしか読めなかった伝説のエッセイが読める!と、大ファンの私はエキサイトしたが、さっき書いた通り「ラジオほどでは・・・、短いエッセイを集めたものだから他の著作と比べると、よりパーソナルでラジオのフリートークに近いとはいえ・・・」とちょっと微妙な気持ちでいた。
その後「のはなしに」「のはなしさん」と読んでいくうちに、この雰囲気に慣れてくるとこれがゆったり読むにはちょうどいい感じで気持ちよくなってきた事もあり、「全然あり。どころかまだエッセイの在庫あるなら全部出してくれ」という感想に変わっていった。
で、今回の「のはなしし」。どんどん良くなってる。
毎回、何年も前のエッセイをまとめるという事で、ただ本に収録するエッセイを選ぶだけではなく、現在読むときに違和感が無いように直したり注釈を入れたりするのが大変だ、という事をラジオで愚痴ってたりするわけなのだが、これ、どんどん上手くなってるんじゃないかなと思う。
4冊目ともなると、過度な期待もせず、いつもの感じだろうとページをめくっていったのだが。これが以前より確実に読みやすい。「のはなし」シリーズは「あ」から「ん」まで順に、その文字ではじまるテーマで1つずづ進んでいくのだが、この流れも以前よりいい感じに進んでいく気がする。
膨大なエッセイの中から選ぶ、というのが前提なので、たまたま自分好みのテーマや内容がこの「のはなしし」に多かった、とも考えられるのだが、にしても明らかにいままでより読みやすい。あいかわらずいい温度でおもしろいのは変わらないし。
今回読んで分かった事なのだが、そう都合よく何通りも五十音からエッセイがはじまってくれるはずもなく、校正や注釈の他にも、新作エッセイも書いて入れているそうなので、そのせいもあるのかもしれないが、全体として今までで一番良いんじゃないかと思う。
このシリーズは続いていって欲しいし、欲を言えば新作エッセイがどこかで読めればな、と思う。勿論、今度はもっと目に付きやすい、手軽に手に取れる雑誌とかの連載で。この感じだと、新作エッセイはさらに良い物になってると思うし。そういえば、ちょっと前に何かのスポーツ新聞に書いてた高校野球についてのコラムも凄く良かったなぁ。
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