2017年08月07日
なべおさみ 「やくざと芸能界」
私くらいの年代だと、なべやかんの父親で、替え玉受験騒動の事くらいの認識しかない。というか、なべやかんすらそんなにテレビで観た記憶が無い。
「昭和のスキャンダル、大ニュース」みたいな特集で替え玉受験騒動が出てきたのを観てて覚えてるって感じ。
ただまぁ、あれだけ騒がれるって事と、それだけのお金や権力があるって事、あの後なべやかんがたけし軍団に入ったり、色んな物のコレクターとして紹介されてたり、パワーリフティングで選手になったりする事を考えれば、父親は凄い人だったんだろうなぁ、みたいな。
なんだろ、大橋巨泉とかさ、若い人にとっては意味わかんないじゃん。そんな感じ。
で、読んだんですけど、超面白かったです。
昭和の不良、芸能界の凄さにただただ呆然としながら一気に読んだ。
本人はスターではないものの、スターや芸能会社の社長なんかと懇意にしながら昭和の芸能界を、というかそれ以前から独り立ちして昭和の混乱期を生き抜いてきた、というのがね、凄いですよ。
スターとの交流とか、裏話的なものが話題なのかと思いきや、本人の生い立ちからして超面白かったのがビックリだったね。
いわゆる都会の不良で、花形敬に喧嘩の立会いをされ、結果それで大学に進むっていう、凄まじいエピソードがあるし、その後の芸能の世界に飛び込んでからもまた凄くてねぇ・・・。
さっき『吉田豪の最狂全女伝説』読んだ感想書いてたから余計思うんだけど、ああいうエピソードってよくある事で、そこからさらに自分で切り開いて、一歩二歩進んでいないと、こう凄まじく面白くはならないよなぁ・・・。
ここまで出来る人ってのも異常なんだけどね。
まぁ急に日ユ同祖論とかが出てくるのにはビックリしたけどね。深くやくざの歴史について掘り下げて、学術的に(もう理解不能なまでに)書いてあるのとか・・・。
でもそれも込みで、昭和の芸能界の事を考える時に不可欠な本だと思います。
最初の方に書いてあるけど、この本の単行本を出した結果、テレビの仕事が流れるくらい、現代にはそぐわない事も含めて昭和の芸能事情について書かれているんですよ。
しかし、白洲次郎まで出てくるのには驚いたなぁ。
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