主なメンツは、ICEBAHN(フォーク、玉露、KID)、ダメレコ1(環ROY、はなび、メテオ)、ダメレコ2(KEN THE 390、CUTE、インダラ)、RUDECAMP(晋平太、028、634)、文殊(ISSUIGI、MR,パグ、ヒデオ)、韻踏合組合(HIDADDY、ERONE、SATUSSY)、イエンサンエース(カルデラビスタ、デフロ、CASPER ACE)、BOMBSKILLS(マキシマムK、チャック、フランケン)。
久々に買ったMCバトルもの。1時期はまった時期があったが、技術的にはピークに達したように感じた時期の般若のUMB優勝で、なんとなく自分の中で気持ちが落ち着いてしまったし、リリース数が増えてきてつらくなったのもある。即興なのでずーっと見てるのは正直つらい時間も多いし。バトル出身のMCの作品でのパッとしなさもある。最近だと「R指定すげーっ」って思ったくらいかな。でもあれも何年か前か。
今回のはUMBではなくDa.Me.RECORDS主催の3on3のバトル。要は3人の団体戦。2005年のものだ。もう7年前になるので、このあたりの年代のMCバトルの王者を並べてみよう。
BBOYPARKだと、1999年〜2001年 KREVA、2002年 漢、2003年 外人21瞑想、2005年 晋平太。
UMBだと2005 カルデラビスタ、2006 FORK。
2002年の漢vs般若の決勝戦以来、ガラッと変わった印象のあるMCバトルだが、この時期はまだ
過渡期に見える。優勝まで行くのはやはり「優等生」といった印象。
さて、そんな時期のMCバトル。
DVDのメインは第3回大会となる最後のグランプリ大会なのだが、まず第1回第2回のダイジェスト映像が観られる。この時点ですでに豪華。というかこっちのメンツのほうが・・・と言う人たちもいる。早い段階でダメレコ勢に敗退するLIBRA勢やSEEDAやBESを観てると、「なんだかなぁ・・・」と思ったり。
ダメレコのDVD買っといてアレだが、ダメレコ勢はどうも苦手だ。真面目過ぎる感じがする。
メジャーには行くがパッとしないのはそのせいなんじゃないだろうか。
巧いとは思うが例えば、よくあるイリーガルネタの後の返しで「俺はお前がブッ飛んでる(又は、ハスリングしてる)間も持ってるぜMIC」というのがあるが、いや、逆に相手もお前がマジメにバイトしたり学校行ってる間にハスった金でゆっくり練習とか出来てると思うよっていう。自由な時間多い気するよ、って。練習自慢を聴かされるのは客として納得行かないんだよな、なんか。
ダイジェスト映像は音が悪いが聞き取れない程でもなく、有名どころの若くてギラギラした姿は興味深い。漢の着てるピーポ君がプリントされたTシャツが妙にツボにハマる。この人やっぱ面白いよ。
さて本編。音は良好。
さすがに服や名前イジリだけではどうもならなくなってきてるし、大声を張った早口だけでは手も上がらず、既に韻を踏むという事は全員が理解しているものの、まだ言うことが追いついてない感じ。
どうも違和感があると思ったら、8小節や16小節ではなく、1本40秒とか60秒の勝負だった。だいたい約10小節で終わるので、皆最後をまとめるのが難しそうだ。半端なせいで、入れ替わりで交互に、ではなく毎回音が止まってしまうので盛り上がりが削がれる。
やはりヌケているのは有名どころ。韻踏やICEBAHNは全員フリスタ巧者の上にグループなので
格別。韻踏の関西っぽい、自分でフッて→オトすところは巧いよなぁ。
環ROYのMCバトル自体にも苛立ってる様な姿は後の進み方の原点を見ているようで興味深い。
晋平太はもういつもの晋平太。カルデラビスタもさすがチャンプ。390もさすが巧い。
まぁでもこの後の2006年にUMBチャンプになるFORKをはじめとするICEBAHNがやはり1番の
見所だろう。FORKキレッキレ。余裕で相手のラップを聴いてる二ヤケ顔がにくい。
この時期は無敵だろうなぁと思わされるスタイルだ。強面で、韻が硬く、草ネタくらいは使うが突っ込まれるほどではなく、ただマジメなだけよりストイックさが際立っている。これを崩すのは切実な個人のブルージーな内面の吐露か、フロウの自由さで攻めるしか無いだろう。フォークに続くチャンプはGOCCI、般若、鎮座DOPENESS。ここがまた区切りではあったんだろう。
7年前のMCバトルを今さら楽しめるだろうか?と思いつつの購入だったが、歴史的な価値だけではなく普通に楽しめた。MCのスキルの差が激しくてけっこうつらい時間もあるが、全体としては良い。
ICEBAHN勢の3人抜きは是非観てほしい。たぶん技術のピークがここら辺だ。