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Darkthrone「A Blaze In The Northern Sky」




元々デスメタルバンドだったせいか、クオリティは高い。巧いし、構成もシッカリしてて聴きやすい。
なのに、というかだからなのか、私は嫌い。
北欧ブラック特有の音の冷たさが全く感じられない。いくら音質を下げたからって、ここで聴かれる音楽に狂気なんてものは全然感じない。むしろ私が感じるのは方向性を見つけて溌剌とした雰囲気だ。巧くできすぎていることに腹が立ってしょうがないアルバムだ。

名盤といわれているアルバムなのにおかしいなぁ、などと思い、買ったのが帯・ライナー付の国内盤仕様だったのでライナーを読んでみた。
ビックリした。正気かよ。俺の感想と真逆だ。ここまで感想が違うもんなのかと呆れてしまった。

「昔は若かったからブラックメタルに狂気を感じたりしたのかな、ドキュメンタリー映画『Until the Light Takes Us』でちょっとがっかりしたところもあるしな」と思って、久々に大好きなBurzumを聴いてみたらこれがまた強烈で・・・。全然昔と感想が変わらない。「わざと音を悪くしたんだ!」なんてニコニコ言ってる映像を観てもなお、Burzumには狂気を感じた。

まぁブラックメタル入門編としてはいいだろうね。
はじめと終わりにお経っぽいのが入っているのでコンセプトアルバムなのかもね。

んー・・・・ライナー読まなければ、そんなにイライラはしなかったのかもなぁ。
でもこれ聴くなら、Burzum、Mayhem、Emperorとか聴いた方がずっといいよ。音が良くて巧いの聴きたけりゃデスメタル聴けばいいし。

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「DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on 少女たちは傷つきながら、夢を見る」





年齢のせいか、風邪が長引いて悪化して動けないということが年に1回くらいある。本も読む気になれないし、音楽を聴く気にもなれない、静かなのも暇なのだがテレビは捨ててしまったし、という状態だ。
こういう時は刺激的過ぎないけど、笑って、泣けて、適度に山あり谷ありだがいい所に落ち着く、というサブカルっ子な自分が普段あまり触れない、世間で大人気のコンテンツをボンヤリ布団の中から観ているのが、こういう弱ってる時にはひたすら心地いい。
そう初めてなった時は海外ドラマ「フレンズ」、2回目が「けいおん!」、そして3回目の今回は「AKBINGO!」をずっと観ていた。起きてる間中と書こうとしたが、実際はパソコンの電源を落とすことなく、ひたすらプレイリストに入っている何十個もの動画が、寝ている間もずっと再生されていたので、実際は1週間ずっと流していた、が正しいだろう。
最初の2回の場合は既に最終回が来ているものだったので、はじめの1回以外は最終回を観ないまま、ひたすら「終わりなき日常」「ビューティフルドリーマー」状態でふわふわしていた。
今回そうなるまでこの映画の主役のAKB48に関してはほとんど知識が無かった。テレビを数年前に捨ててしまっていて、1年ほどはネット環境すらも無くしていたので、本当に最初の、「おいおい、秋元康が『アキバ系』みたいなんをターゲットにアイドル作ったぜ、えー、メンツこれかよ・・・」って状態以来知らず、コンビニやスーパーで投げ売られていたAKBのメンバーの顔のついたコーヒーやカップ麺を「安いから」って理由で買うくらいしか接点が無かった。
なのだが、ここまで売れて各方面に出ているとさすがにどういうものなのかなー、と気になり、しばらくyoutubeをウロウロしてたら面白かったので、テレビ番組が気になり、メンバー自身や曲には興味を持つ前なので、バラエティ、その中で「AKBINGO!」が面白く、今回動画サイトで一気に数年分観たのだ。
1週間以上ずーと、ほとんどセルフ洗脳のような状態で番組を観ていたら、まぁ当然の如くAKBが好きになりました。肝心の楽曲自体はあまり好きではないので、まぁハマりはしないんだろうけど。あ、「大声ダイアモンド」と「涙サプライズ」はいい曲だよね。その時期は選抜メンバーもさぁ・・・・・・・はっ!危ない!油断すると語ってしまう。

ということで好きになってしまったので映画も面白くないはずが無いんですが、ていうか好きじゃないと観ないわなぁ。「AKB48」で「ドキュメンタリー」だし、作ってるのがAKB側だから、『ザ・コーヴ』みたいになる筈もないし。
まぁということで面白かったです。
自分の好きな「サブカル」にはバッチリ「アイドル論壇」みたいなものがあるので、まぁ色々語ろうと思えば語れるけど、基本的にアイドル別に好きじゃないので、たいした事かけるハズもないし。
ただまぁ、言えるとすれば、自分は「ロック」という死人がガンガンに出ているところの出身なので、なんというかキース・リチャーズは死ななかったから笑い話になるんだよって話。
宇多丸とかが完璧に語っているので、そっちを読んだり聴いたりして欲しいのだが、若い女の子に「負荷」をかけることによる「人間ドラマ」が大きな魅力で、それは当然自分も面白く思っているのだが、それは、やっぱり限界あるからね。
ドラッグや酒や暴力やセックスで、「負荷(または逆にブースター)」「ドラマ」を身につけながら破滅に突き進むロックバンドというのはまぁ魅力があるのは認めざるを得ないが、やはり悲劇は悲劇だと思う。いまだにドラッグ中毒を恥ずかしげも無く自慢するようなミュージシャンはだいたい「ライフスタイルを同じにしてるからいいだろう」とでも言うように揃って60年代70年代の焼き直しを演奏するので、とてもじゃないが好きにはなれないが。
「自分が望んで」、というのがどこまでをカバーする言葉なのかということになるのだろうが、外部からの「負荷」をかけることによる「人間ドラマ」を今まで無いほど強烈に意図的にやっている姿はやはり面白いがそれを楽しむ自分にも葛藤が起こる。
ここまであからさまにやってしまっていると、岡田有希子のようになったり、大怪我をした場合、「追悼」「あの娘のために」という言葉で誤魔化すことは絶対に出来ない。
そこだけ、しっかりして欲しいなぁ、と、好きになってしまった今は祈るばかりだ。
ロックには、あんなに楽しい、大盛り上がりのライブで、むしろそれ故に、柵に押し付けられたり、将棋倒しになって人が亡くなったりもした過去があるから。

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ECD 「失点イン・ザ・パーク」




ECDが自身のアルコール依存症からの回復を綴った(自伝的)小説。
(自伝的)ということで多少変えていたりすることはあるだろうがは、ほぼECDそのままの事が書いてあるのだろう。固有名詞もちょっと考えたり調べればすぐにわかるレベルで書いてあるし、まぁ2chとかで「ECDの童貞喪失年齢はインタビューなどから察するに35歳頃のはずなので『失点〜』で書いてあるのは嘘だ」とかの検証はされているが、そこまで深く突っ込まなければ、書くとまずい事や記憶違いがあって当然の1人称視点の自伝として読んで大丈夫だと思う。

ECDは27歳まで山崎春美などと小劇団に所属し、その後RUN D.M.C.の初来日公演を見てラッパーになることを決意し、コンテストに出場し30歳でデビュー、「さんピンCAMP」を主催した時は36歳だ。この時期の、サブカル界隈からニューウェーブからの流れでヒップホップを始めた人間でいまだにラッパーとして活動している人は、いとうせいこうのカムバックなどを除くとほとんどいない。一時期、それこそこの小説で綴られている時期には「ヒップホップ以外ならなんでもいい」と考えてしまうまでに追い込まれ混沌としたアルバムを発表したりするが、アルコール依存症を克服後は結婚し、子供が出来、昼の仕事を持ちながらマイペースに活動をしている。
私は東大で行われた「東京BOREDOM」というイベントで1度だけライブを観たことがあるが、派手にターンテーブルを操っているイリシット・ツボイをバックに、鍵盤でサンプリングしたビートやサックスの音を出しながら直立不動で必死の形相で叫ぶECDは、まだヒップホップにハマっていない自分にも大きなインパクトを残した。
2つのステージに時間を空けずに次々とバンドが上り、イベントが進んでいく中で、一服しようと外に出たら、2人が廊下で机の上にTシャツやCDを広げて小さなブースを出し、そこで普通に座っていた。DIYを掲げるパンクスっぽいな、と思ったと同時に、ステージを降りた2人はなんというかちゃんと年齢相応に見えて、ステージ後ということだけではない疲労の色も見えて、なんかリアルだな、と思った覚えがある。

小説の筋としてはそのまま、入院前のおかしくなっていた自分、アルコール依存症での入院、そして回復、レコード会社から契約を切られ、高校中退免許無し40歳近くのECDのハローワークでの職探しなどに、彼女と猫との生活が絡んでいく。
(自伝的)小説だし、その後も活動を続けているので、まぁぶつ切りというか、ある時からある時を切り取って、そのまま出してる感じで、読み終わった時に「あ、終わっちゃった」と急な感じを受けたのは事実だが、ラッパーという言葉の職業ならではのパンチライン、例えば帯にも書いててよく引用される、猫の出産を見ての

「プーちゃんの性器を中心にして、世界が裏返しになってしまう」

などが入ってくるので、決して巧い文章でもなく、語りつくされたアーティストのアル中という物語なのだが楽しく読めた。

『サブカルスーパースター鬱伝』で「いまだにライブやったときにファンに酒わたされて『これ飲んでくださいよ!』みたいな感じを断ると、『俺の酒飲んでくれなかったよ!』みたいになって、クラブにいる間中ずっとそいつの視線を背中に感じる」ことがあったりもするので失点イン・ザ・パークを出したってのもある、って言ってたけど、自分が煙草も酒もやめた今、凄くわかるんだよなぁ。
マジでやること無いもん、ライブ行っても。

追記

R.I.P. ECD。私は一番混沌としていた時期のこの曲凄く好きなんだよな。フィーチャリングのHOWLING UDON(又はオリンタウミ/マディ・ストーン・アクセル)も随分前に亡くなってる。

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キングギドラ 「最終兵器」





ZEEBRA、K DUB SHINE、DJ OASISの3人から成るキングギドラの2ndアルバム。再結成後にアルバムをリリースしていないので、まぁ現時点では最後(最新?)のアルバム。
何年前かに友達に借りて聴いて、「うん、これはいいや」と返してからは、たまーに「2ndってどんな曲入ってたっけ?」とyoutubeでサラッと聴くくらいだったこの作品。曲単位では「F.F.B.」が
一番好きだし、「公開処刑」はなんだかんだあってもドキドキする曲なのだが、アルバムとして聴きたいとはあまり思わなかったのだ。
自分はファーストの時には9歳、更に20代中盤になってから日本語ラップに興味を持った完全な後追いで、「空からの力」にしても、クラシックとなり、散々教科書として使われきった後に聴いたので、その出来の良さや、多くのアーティストの手本になっていたであろうライミングには、種明かしをされたような腑に落ちた感はありこそされ、衝撃は受けなかった。
いわゆるさんぴん世代の、BUDDHA BRAND、ライムスター、それにスチャダラパー、近い世代のTOKONA-Xなどには、ガツッと喰らわされたのに比べると、なんとなく地味な印象はある。そんな自分の印象とは逆に、テレビなどで一番観てたのは彼らだというのは、不思議なような、納得のような・・・。
自分にとっては洋楽のラップの受け取り方に近い、というのが頭に浮かんだが違うだろう、仮にも日本語を凄く大事にしているグループだ。
不思議だ。ブルーハーブなどで日本語ラップに興味は持ったが、聴き方がわからなかった自分に、「韻」というキーワードを与えてくれ教えてくれて、いわゆる「耳を開かせて」くれたのは間違いなくジブラが表紙のQuickJapanにのってたジブラのインタビューだし、そうやって聴きだして、最初に衝撃を受けたのは3人が参加している「キキチガイ」や「口からでまかせ」や「ECDのロンリーガール」だった。
なのに、何故か本体のキングギドラのアルバムには惹かれない。BBOYPARKでは出てきた瞬間に自分も盛り上がったし、会場全体の盛り上がり方も1番だったのに。
うーん・・・・自分はURBARIAN GYMが苦手なんだろうなぁ。radioaktiveprojeqtはけっこう好きだし。
難しいな。今ライブ観てもジブラはカッコいいと思うし、自伝でも書いていたように、「ちゃんとビートの後ろにのってる」のはいまだにジブラ以外に探すのは難しい。例えば、「24 HOUR KARATE SCHOOL JAPAN」のリリースライブのDVDを観るとわかるが、あれは生バンドが思いっきり後ノリで演奏しているのだが、1曲目の「24 Bars To Kill」でみんなラップが先にいってしまってる。BPMの問題ではないだろう。グルーヴ出来そうなメンツだったので余計驚いた覚えがある。最近の若手のいわゆるSWAGなラッパーがやっている、母音を延ばすフロウはたぶんグルーヴを重要視しているのだろうが、ジブラは普通のフロウでやってたしなぁ、とか思ってしまったりするくらいだ。
時事ネタや政治的な発言も、説教臭いといえば説教臭いし、綺麗事といえば綺麗事なんだけど、台のうえに立つ大人として、綺麗事の1つも言えない方がおかしいと思うので、それも気にはならないんだけどなぁ。

安かったから買って久々に聴いたけど、うーん・・・やっぱ苦手だったなぁ。

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SHAZNA(メンバーによる共著)「ホームレスヴィジュアル系」




前に雨宮処凛か誰かが本の内容をちょこっと書いていて、けっこう気になっていたものの、さすがにファンでも何でもないので、古本で安く出るのを待っていた1冊。音楽本はよく買うが、YOSHIKIの自伝や今回の本のように、音楽以外の所が読みたくて買うものもけっこうある。

さて、今年27歳の自分的には、シャズナがドカンと売れていたときは小学生だった記憶がある。確か、塾行く前に昼にやってたほうのカウントダウンTV観てて、初めて『Melty Love』のPV観たんだよな。話はなんとなく友達から聞いてて、いわく「ヴィジュアル系なんだけどさ、最初女が出てきたと思ったら声低くてさ」との事だったのですぐわかったのだ。当時初めて観た感想は「あー本当だー。女に見えるけどやっぱ声低くて男だわー」みたいなそのマンマなもの。
その頃はまだTOP20とかを楽しく聴いていたが、その後すぐメタルキッズになってしまって、元々テレビを観ないので全くわからなくなってしまった。実際、そのあとすぐ表舞台から姿を消したようだ。
でもまぁ、ここまで来ると1発屋になるわなぁ、というのが普通の感想だろう。
なんというか、マリスミゼルまでいくとこっちも爆笑しつつも感心してしまうのだが(とはいえ、当時買った雑誌『BANDやろうぜ』で思いっきり「頭パンチのヤンキーでしたよ」とか言ってた)、なんというか普通にけっこうキレイで違和感の無い女装で、音楽性も軽い感じだったので、なかなか頭に残らず、IZAMがソロでバラエティとかに出まくったせいで世間もバンドという認識も無くなったのだろう。
さぁ、私の印象はこんなもん。本の感想。

思ったよりちゃんとバンドやってたんだなぁ、というのがまず最初に思ったこと。いわゆるバンドマンの昔話にありがちな、親との確執があり、ルックスのせいでバイトができずの貧乏話があり、大人に騙された苦労話がありという、何度も読んだ感じではあるが、共感できる話だ。
だがヴィジュアル系だと思うとだいぶ悲惨だ。hideのANNで、「Xとにかく金がかかったけど、そこはこう・・・何人か天使が・・・(笑)」と笑い混じりに食わせてもらってた事を認めていたが、最初からけっこうな人気だったらしいにも関わらず、そのような記述はない。今ほどヴィジュアル系が浸透していないことを考えても、本当なんだろうかと疑ってしまう(自分のまわりのバンドマンの事を考えてみてもね(苦笑))。
信じるとすると、ヴィジュアル系なのにずいぶんな生活をしている。まぁ格好が格好なのでバイトも限られてくるし、ヴィジュアル系だとステージ衣装もお金かかるし、宣伝も派手にやらないといけないし、いろいろとお金がかかるんだろうなぁ。「電車で帰るなんてカリスマ性がない!」と金も無いのに安いスポーツカー買う所とかは理解できるような出来ないような・・・。
YOSHIKIは結局ボンボンだったってオチ(インディー時代にアルバム制作費として1000万親から借金とか。普通無理だよ)だったが、普通の家庭だとこうなる、とも取れる。
大人に騙され、覚悟を決めてラスト1年にかけ、メンバー全員で400万借金をし、大きい事務所に決まりそう・・・・という時に、事務所の社長から「ライブ観てから決める」という至極当然な申し出に、演奏が下手だったのでどうにかライブを観られる前に契約を済ませようとするところがハイライトだろうか。
その後、バンドが活動休止になり、唯一作詞も作曲もしてなかったベーシストは「そろそろ顔バレしないだろう」と深夜のコンビニバイトをしたりするのだが、無事再結成をして・・・・本は「これからもROCKを愛し抜く!」と威勢よく終わるのだが、読後にネットで検索してみて1番のビックリがきた。
なんとこの本の発売記念イベントにおいてSHAZNA解散を電撃発表をしていたのだ。

あれ?ROCKは?


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竹田聡一郎 「日々是蹴球」





もう20代後半なのにバイトを辞め、次のバイト先を探そうとした矢先に喉に違和感。風邪かなー?と思って薬を飲むが治らず、声が出なくなったので病院にいった結果、「喉が傷ついて、膿んで、膿がたまっています」とのことで、今、無理矢理喋るとANARCHYみたいな声の無職です。外は寒くて乾燥してるので呼吸がツライ。久々に1人暮らしツレェ。

さて、そんな感じで、もう若いとは言えない感じになってきたこの頃。若くて活躍してる選手より、ベテラン。もっと言えば戦力外になった選手のドキュメンタリーや、自分の若い頃観てた元日本代表がJ2で頑張っている、といった話題の方が気になるようになりました。
以前、ド鬱になった時に、最終的に頼ったのが音楽とサッカーだったので、時間も金も、後の人生はこの2つに使っていこうときめたので、本や映画もそれ関連のものが増えてきました。
しかしサッカー本といっても、サッカーの教本みたいなものはサッカー部でもなければ友達とフットサルをやる訳ではない自分には不要だし、戦術論なども読み物として面白いとは思えず、サッカー選手の伝記みたいな本か、サッカーについて書かれたエッセイなどの本を読むことが多い。
しかし、なんというか温度が難しいなぁ、と思う。書き手が熱すぎてやたら日本サッカーを悪く言ってたり、完全にただの宣伝だったり、経験者だからってそれはどうだろうと思ったり、逆に「何の根拠で?何様?つうかなんだその抽象的な表現は」みたいな非経験者のもあったりする。
そんな中で、あぁ、いい温度だなー、自分にあってるなー、と思った著者の1人。

著者の竹田聡一郎は元ベルマーレ平塚(現湘南ベルマーレ)のジュニアユースで本気でJリーグを目指していたというガッチリとした経験がありながら、いや、だからこそなのか、戦術論などの難しいことは語らず、ボールとスパイクを持って海外も含め色んな所に行き、現地の草サッカーをやっている所を探し、シレっと混ざったり、近くで派手なリフティング技を見せつけて「お前もやる?」と誘われるのを待って、一緒にボールを蹴って取材をする。といった新しい取材の仕方をしている人だ。
世界中でやってるサッカーならではだよなぁ、と思う。ボール1個でどこでも誰でも出来る。でもちゃんとしたスキル(サッカーの)がないと相手にされないというのがあるので、やっぱりこの人ならではの取材方法だ。
難しい言葉を使わず、戦術論を語らないので文章は読みやすい。同世代で実際に対戦した選手をスタジアムで観ながら、ビールを飲んでいる、といった若干の哀愁もただよわせ。年齢相応に少したるんでしまった体を気にしながら、「でも草サッカーでは俺は今でもファンタジスタなんだ」なんてちょっと誇りに思ったりする。
そんな著者が、ボールを蹴りながら書く、サッカーを求めてする旅の紀行文はとても魅力的だ。思わず10年位ぶりに安いスパイクとサッカーボールを買って、夜の公園でリフティングをしたりしてしまった。部活やってた頃に比べて、動けない、どころか太ももが上がらない事にビックリした。太ももを体と垂直になるまで上げることなんか、日常生活で無いもんなぁ。
でも楽しい。だから、体に気をつけよう、鍛えようと思った。こうやって、こういう風に、この前書いた、「サブカルは40歳越えると鬱になる」と戦えると、楽しいかな。

この本は↓
http://www.idream-jp.com/
での連載をまとめたもの。連載は続いていて、最近のはただで読める。サッカー好きなら読んでみるといいと思う。


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吉田豪「サブカルスーパースター鬱伝」




吉田豪のなににこんなに惹かれるのか、ということに気がついた。『サブカル』と『古本』だ。
遅れてきた『サブカル』者として、『古本』による知識を増やし続けている者として、共感、というか痒い所に手が届くインタビューに思えるんだろう。凄く簡単に言うと「凄ぇ!超羨ましい!」って感じの人だ。
そんな吉田豪が、私が典型的なサブカルっ子よろしく「最近は古本屋で105円になってないと買わないなぁ」なんて言ってたクイック・ジャパンに連載していた「不惑のサブカルロード」 を書籍化したもの。気になっていたが書籍化を待っていたのでかなり期待して購入。
思いっきりタイトルに『サブカル』と付くこの本は『鬱』の本でもあるのだが、それ以上に『サブカル』の本だ。まえがき代わりの吉田豪インタビューですでに掲載誌であった「QJ」を話のきっかけにして、サブカル界の中での対立みたいな話がでてるし。
「サブカルは40歳を超えると鬱になる!?」という考えをもつ、もうすぐ40を迎える吉田豪が先輩に話を聞きにいく、といった本なのだが、一時期やたら出ていた鬱関連の本と一緒に考えると肩透かしを食らうと思う。
「サブカル」という業を背負った特殊で自意識過剰な人たちの話しだし、人選的にも吉田豪と親しい人が多いので「本人よりも本人に詳しい」と言われ、元アイドルに恐れられた時のような緊張感もなく、「最近どう?つらかった時期あったよね〜、つか今も」くらいの雑談ムードだ。リリー・フランキー、大槻ケンヂ、みうらじゅん、松尾スズキ、川勝正幸、杉作J太郎、菊地成孔、ECD、枡野浩一、唐沢俊一、香山リカというメンツで、まさにサブカルスーパースターなメンツで、面白いのだが、なんか半端に感じる。テーマがテーマだけに言えない事も多々あるだろうし、面白く膨らましにくいのもわかるのだが、だからこそもっと長いインタビューを読みたいなぁとは思った。
よく言われる「早起きして太陽の下で体を動かして」という真っ当な道を自分から離れた人達がそんな自分で選んだ道を葛藤しつつ歩くしかない、といった内容なのだが、ハッキリ言うと、「普通じゃいやだー!」って言ってた人達が売れたら普通の幸せを欲しがって、結局うまくいかずにダダをこねている、といった意地悪な見方も出来る。
サブカル/アングラなんて言葉は久しく聞かないが、アンダーグラウンドってのは比喩でもあるのだが音楽なんかやってると実際にもそうで、地下の暗い店で夜な夜な集まることになるので「早起き」も「太陽」も「スポーツ」も基本無理だし、サブカルなので売れるといってもたかが知れているのでちょっと景気悪くなったり体調悪くなったりすると大事なのだ。

メンツも話も面白いのだが期待が大きすぎたのか、なにか食い足りない印象のある本でした。
『鬱』っていうかやっぱ『サブカル』の本だよなぁ。
いまだに『サブカル』を引きずってる人はちょうど30代〜40代が多いだろうから、自分に重ね合わせると色々考えてしまうだろう。

しかし香山リカがもう52歳なのには驚いた。自分で「生き方本とか出してるけど、人によっては詐欺みたいに〜」とか自分で言ってたのは好感が持てた、というか先にインタビューを読んだ人たちに比べて、医学生と自販機雑誌「HEAVEN」のライターを同時にやっていただけあって上手い事やってるんだなぁ、と感心した。


うーん・・・難しいけど、結局は「金」と「体力」という結論はツマンナイもんね。その2つを否定して、「でもやるんだよ!」と『サブカル』道を走ってきてしまったんだから・・・・。

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「3 on 3 MC FREESTYLE BATTLE : 2005 GRANDPRIX」





主なメンツは、ICEBAHN(フォーク、玉露、KID)、ダメレコ1(環ROY、はなび、メテオ)、ダメレコ2(KEN THE 390、CUTE、インダラ)、RUDECAMP(晋平太、028、634)、文殊(ISSUIGI、MR,パグ、ヒデオ)、韻踏合組合(HIDADDY、ERONE、SATUSSY)、イエンサンエース(カルデラビスタ、デフロ、CASPER ACE)、BOMBSKILLS(マキシマムK、チャック、フランケン)。
久々に買ったMCバトルもの。1時期はまった時期があったが、技術的にはピークに達したように感じた時期の般若のUMB優勝で、なんとなく自分の中で気持ちが落ち着いてしまったし、リリース数が増えてきてつらくなったのもある。即興なのでずーっと見てるのは正直つらい時間も多いし。バトル出身のMCの作品でのパッとしなさもある。最近だと「R指定すげーっ」って思ったくらいかな。でもあれも何年か前か。

今回のはUMBではなくDa.Me.RECORDS主催の3on3のバトル。要は3人の団体戦。2005年のものだ。もう7年前になるので、このあたりの年代のMCバトルの王者を並べてみよう。
BBOYPARKだと、1999年〜2001年 KREVA、2002年 漢、2003年 外人21瞑想、2005年 晋平太。
UMBだと2005 カルデラビスタ、2006 FORK。
2002年の漢vs般若の決勝戦以来、ガラッと変わった印象のあるMCバトルだが、この時期はまだ
過渡期に見える。優勝まで行くのはやはり「優等生」といった印象。

さて、そんな時期のMCバトル。
DVDのメインは第3回大会となる最後のグランプリ大会なのだが、まず第1回第2回のダイジェスト映像が観られる。この時点ですでに豪華。というかこっちのメンツのほうが・・・と言う人たちもいる。早い段階でダメレコ勢に敗退するLIBRA勢やSEEDAやBESを観てると、「なんだかなぁ・・・」と思ったり。
ダメレコのDVD買っといてアレだが、ダメレコ勢はどうも苦手だ。真面目過ぎる感じがする。
メジャーには行くがパッとしないのはそのせいなんじゃないだろうか。
巧いとは思うが例えば、よくあるイリーガルネタの後の返しで「俺はお前がブッ飛んでる(又は、ハスリングしてる)間も持ってるぜMIC」というのがあるが、いや、逆に相手もお前がマジメにバイトしたり学校行ってる間にハスった金でゆっくり練習とか出来てると思うよっていう。自由な時間多い気するよ、って。練習自慢を聴かされるのは客として納得行かないんだよな、なんか。
ダイジェスト映像は音が悪いが聞き取れない程でもなく、有名どころの若くてギラギラした姿は興味深い。漢の着てるピーポ君がプリントされたTシャツが妙にツボにハマる。この人やっぱ面白いよ。

さて本編。音は良好。
さすがに服や名前イジリだけではどうもならなくなってきてるし、大声を張った早口だけでは手も上がらず、既に韻を踏むという事は全員が理解しているものの、まだ言うことが追いついてない感じ。
どうも違和感があると思ったら、8小節や16小節ではなく、1本40秒とか60秒の勝負だった。だいたい約10小節で終わるので、皆最後をまとめるのが難しそうだ。半端なせいで、入れ替わりで交互に、ではなく毎回音が止まってしまうので盛り上がりが削がれる。
やはりヌケているのは有名どころ。韻踏やICEBAHNは全員フリスタ巧者の上にグループなので
格別。韻踏の関西っぽい、自分でフッて→オトすところは巧いよなぁ。
環ROYのMCバトル自体にも苛立ってる様な姿は後の進み方の原点を見ているようで興味深い。
晋平太はもういつもの晋平太。カルデラビスタもさすがチャンプ。390もさすが巧い。
まぁでもこの後の2006年にUMBチャンプになるFORKをはじめとするICEBAHNがやはり1番の
見所だろう。FORKキレッキレ。余裕で相手のラップを聴いてる二ヤケ顔がにくい。
この時期は無敵だろうなぁと思わされるスタイルだ。強面で、韻が硬く、草ネタくらいは使うが突っ込まれるほどではなく、ただマジメなだけよりストイックさが際立っている。これを崩すのは切実な個人のブルージーな内面の吐露か、フロウの自由さで攻めるしか無いだろう。フォークに続くチャンプはGOCCI、般若、鎮座DOPENESS。ここがまた区切りではあったんだろう。
7年前のMCバトルを今さら楽しめるだろうか?と思いつつの購入だったが、歴史的な価値だけではなく普通に楽しめた。MCのスキルの差が激しくてけっこうつらい時間もあるが、全体としては良い。

ICEBAHN勢の3人抜きは是非観てほしい。たぶん技術のピークがここら辺だ。

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中山康樹 「マイルスの夏 1969」





少し前に出た、中山康樹『マイルスの夏 1969』がとても面白く、しばらくこのあたりの年代のマイルスを聴いていた時期が半年ほど前にあった。
いろいろ考えたが、正直、ジャズについて語るのは凄く難しいなぁ、と思う。
なんかもう、本当かよ?わかんのかよ?って思うときもあるし、そんなにいいかこれ?ってなることもある。

最近、ヒップホップというまだ歴史が浅く、過去の音源の再構築であるサンプリングという手法を使っている音楽にドップリはまり、「歴史が浅いし、今からでも1から聴いていけるだろう」なんて思って追っていってみたら、完全に息切れをしている自分には、どこまで追えるんだろうと、先の見えない感じがする。
しかも、今自分がやってるのは、ネットもyoutubeもフル活用で、それでこのありさまなのです。

「マイルスが死んじゃったからさ、ジャズの評価ってマイルスからの評価だったから。だからみんなわかんなくなっちゃったんだね」と私が教わっているギターの先生が言っていました。同様のことはよく語られており、実際そうなんだろうな。と、今なお影響力を持っている、CD屋のジャズコーナーを一番広く使っているマイルスを見て思います。

「A Tribute to Jack Johnson」を聴けばマイルスが最高のロックバンドも作り得た事が理解できるだろう、なんて書いてあったりすると、あ、この人ロック好きでもないしろくに聴いてないんだろうな、と思ってしまうね。マイケル・ヘンダーソンとマクラフリンが入って嬉しいなー、ってセッションだろうな、くらいにしか思えなかったよ。

はい、感想1個書いてみました。長文を書くのが苦ではない、ある程度年齢のいったジャズファンに長々とネチネチと「わかってない!」とか言われそうです。

本の話。
これはマイルス・デイビスが「Bitches Brew」を作るまでのお話。もう言わずもがなだが、この人は本当に天才で、死ぬまでいくつものスタイルを作っては更新していった人なので、1年の中のワンシーズンを取り出しても、新書では収まらないようなボリュームで色々あります。
特にロックと接近したこの年、69年夏、ウッドストックがありました、ジミヘンとセッションしそうでしませんでした、エレクトリック楽器を取り入れ、後に「フュージョン」と呼ばれるスタイルのアルバムの構想をし、レコーディングします。
それを丹念に、ひたすら周りの関係者に裏を取りつつ検証していきます。これがスリリングでオモシロいんですな。
マイルスの本にしてはロック好きでもわかる人名がドンドン出てくるし、色々なことが起こった69年夏の音楽界のことに思いを馳せながら読んでるのも楽しいです。アルバムがどう出来ていったのか、とかもよく分かりますし。
著者の中山康樹さんは、他の、なんかペーパーバックの本のマイルス鼎談で、ほとんど宗教的なマイルス崇拝がとても怖かった印象があって、この本もどうかな?と思ったが、この本では自身の推論などは最小限に、ひたすら関係者に話を聴き、一つずつ事実を重ねていくという、さすがマイルス研究の第一人者という感じ。
ジャズよく分からん。マイルス本はいっぱいあるし、ハードカバーで高い。ちょっと興味あるくらいなのに、出生の話から読んでくのキツイ。
そんな人は、これから読んでみるといいと思う。普通に読み物としてオモシロいし。
あ、でもやっぱ夏に読んだ方がグッとくるかも。窓開けて、マイルスかけながらとか。


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