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中村メイコ 「人生の終いじたく だって気になるじゃない、死んだ後のこと。」





ヒットした本なのでタイトルくらいは知っていたが、読んでいなかった本。拾ったので読みました。
2歳でデビュー、2016年で芸歴80年と言う途方も無い段階に来ている中村メイコさん。

と書いてみたものの、正直よく知らない。
画像検索して、「あー、見た事あるような・・・」くらいの感じ。
映画が強い時代の大御所だと、テレビではNHKか『徹子の部屋』くらいでしか観た事無かったりするんで、そんな感じ。

なので、なんの先入観もなく読み始めたんだけど、これが中々オモシロい。
両親ともに作家であり、芸能人という存在が今よりずっと雲の上の位置にいた時代に、2歳でデビューしながらも、ある種三枚目的な役割で、その上に23歳で結婚してからずっと夫と添い続けているので、浮世離れした部分と普通な部分が共存しているところが興味深かった。

もちろん、あくまで「大御所芸能人」という前提があっての事なのだけど、親友が美空ひばり、初恋が小説を書く前の吉行淳之介、榎本健一など有名な喜劇俳優との共演多数という交友関係をはじめ、夫は作曲家、長女は作家、次女は女優(夫は杉本哲太)、長男は画家という芸術一家、という事を考えると、ずいぶん地に足が着いているような気がするというか。
マコーレー・カルキン君とかパリス・ヒルトンとか比べるとね、幸せに人生を送ってきているんだな、と。

本人にいかにも昭和のスター!って感じのぶっとんだエピソードが無い分、やはり興味深いのは大物スターのエピソードや、芸能人として慰問に行っていたという事で他で聞けないような戦争の話なのだけど、これを語れるのはもはやこの人しかいないんだな、と考えるととても貴重だ。

しかしこういう大御所の本を読む度に、反射的に「吉田豪がインタビューしてねぇかな?/しねぇかな」と思ってしまうね。

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