2016年01月09日
「hide 50th anniversary FILM「JUNK STORY」」
はじめて自分のお小遣いで買ったアルバムはhideのトリビュートアルバムだったんだから、
そんな私がもう29なんだから、
hideの死から17年経っていても当然なのだけど
やはり驚いてしまう。
生誕50周年記念として、そしてボーカルが録られていなかった為に残されたままだった『子ギャル。』(前にチロリンが歌ってたよね?)が音声合成技術の進化によってついに発売、という事とともに公開された映画。
最初に書いた通り、一番最初に能動的に好きになったミュージシャンだったので、ここ何年かは聴いていなかったとしても全部曲は知っている。
いわゆるヴィジュアル系には行かなかったけど、今でもカッコいいと思うし、やっぱり好きだ。
うん、観てて、「あー、俺やっぱりこの人好きなんだなぁ。こういうのが今も好きなのって、きっかけはこれなんだろうなぁ」とかずーーーーっと、思ってた。
中学時代にビデオに録って何度も観て、友達にも貸したりした『知ってるつもり』のhideの回みたいな構成かな、と思っていたのだが、ハッキリとhideの音楽中心、とくにソロワークに焦点を当てていたのが、とても良かった。
X-japanはX-japanの映画が今年公開されるようだし、それはそっちで、というのはわかるのだが、あそこまでバッサリX時代を切れた、というのは英断だったと思う。
ソロ活動時のギタリストでもあったPATAはインタビューがちょくちょく出てくるが、YOSHIKIはチラッと、それ以外のメンバーはライブ映像以外では全く出てこないのだ。
本人の映像、写真。メンバーをはじめ関係者のインタビューで映画は進んでいく。メインは会社の社長も務める弟さんと、ソロでの音楽制作の相方であるI.N.A。
弟さんがあんなに大々的に出て話してるというのは意外だったな。腹を決めたというか、ここでいろんな事をハッキリさせたかったんだろう。当然最も長く、最も近くにいたのだから、話を訊かれるとしたら当然弟さんなのだろうが、あくまで裏方として、ということで今まではいたんだろうからなぁ。
あとはライブ映像もちょうどいい感じに入っていて、映像も綺麗だし、凄くいいバランスだった。
観た事があるような映像なんだけど、おそらく発売済みのビデオ(DVD化されてからは未見)とは別アングルとかいろいろな映像のミックスになっているのが、けっこうライブ映像とかも観てる自分にも嬉しかった。
基本的には明るいトーンで思い出話をするし、ハッキリと「死」や「逝去」という表現は無い。「事故」という表現があるのみ。
もちろん葬儀の様子も入るし、hideのいないツアー、『Ja' zoo』制作も描かれるんだけど、わざと泣かせる構成にはなっていない。
『Ja' zoo』を完成させようと思った事について「築地に集まったファンを見て・・・すいません、思い出して・・・」と声を詰まらせ、目頭を押さえるI.N.Aや、事故当日について「一度上に見に行けば、違う結果になったんじゃないかと・・・」と目を潤ませる弟さんは写されるが、作品を完成させた、ツアーもやりきった、という事が、先に進む意思として描かれているように思う。
とはいえ、十数年経ってから、改めて4ヶ月間も残されたhideの声と向き合い、『子ギャル。』を完成させる、というのは想像を絶するわ。言葉も無い。
とりあえず2回観たけど、これ何回でも観れるわ。スタッフの愛が感じられる、物凄く良い映画だと思う。
あと、今更知ったのだけど、zilchの『3・2・1』って『PSHYENSE』と同時期に出来てたんだね・・・。最初に聴いた時から好きで、今でも好きなんだけど、軽々しく「海外でも通用した」というのもなんだなぁと思っていた。だが、契約の絡みでリリースが遅れず、完成したタイミングでリリース出来ていたら、Jの言う通り「音楽の世界地図は変わっていた」かも知れないな、と物凄く惜しいと思った。
歴史にif・・・は無いのだけど、すぐリリース出来て(メンバー的に海外でも契約取れただろうし)、親交のあったマリリン・マンソンとか、あと例えばロブ・ゾンビとかとツアーが出来ていれば、きっと・・・と考えてしまう。今Dir en greyも成功してるしなぁ・・・。
しかしyoshikiは確実に必要だね。最初と最後、それもエンドクレジット中にしか出てこないけど、「hideと2人でディズニーランド行った事あるなぁ・・・目立ちすぎちゃって・・・おい、俺達ミッキーより目立ってるぜって・・・・オチとかはないですけど」って。
そのエンドクレジット中も、まだいろいろな映像やインタビューが入っているので見逃せないのだが、
その中でほんの一瞬、「From Dusk Till Dawn」がインタビュー場所の1つとして使われた事もあるのだろうが、たぶんトリビュートライブのフライヤーかなんかの絵だったと思うんだけど去年逝去したUNITEDの横山さんの顔が出てきて泣きそうになった、同じ横須賀でバンドをやっていた、同じコンピにも入った戦友が、ミュージシャンはほとんどエクスタシーやLemoned関係しか出ていなかった中で(あ、DEMENTIA/HOWLING BULLの小杉さん出てたな)、ちらっとでも最後に映ったのは嬉しかったな。
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