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「ペイン&ゲイン 史上最低の一攫千金」




特にコメディー映画になのだが、「また同じ人が出てる映画見てるな」という事をよく思う。映画自体もテイストが似てたりして、結局制作陣も同じだったりして、「これ続編?」みたいな。
まぁコメディー映画は、俳優が監督になるケースが他の映画より分かりやすいので、その印象が強いのだろうし、レンタルする→新作映画情報→「あ、これおもしろそう」→レンタルする、という流れが多いので、新作情報で流れるのが関連作だったりするからだろうな、とか思ったり。

とかいう事を考えるくらい、ここ最近観たコメディー映画に出てた人が総出演みたいな感じだったこの『ペイン&ゲイン』。
最初にビックリする事にこれは実話を基にしているのだが、ボディビルダーやストリッパー達による犯罪で、結果的に重大犯罪なのだが、こういう映画になるくらいの行き当たりばったりの計画性の無い犯罪、しかも結構マヌケという事で、劇映画にしか見えない。ご丁寧に「ここまでまだ実話」なんて字幕が入るくらい。
パッと見と出演者で、お間抜けクライムバディムービー的な感じかな?と思っていたのだが、これがかなりシリアス。『アザーガイズ』でも主演だった俳優が、マッチョになってボディビルダー(ジムのトレーナー)役な時点で、もうちょっと面白いのだけどそれを使ったギャグをするでもなく、ザ・ロック様(ことドウェイン・ジョンソン)みたいな明らかに異質な迫力を持った人が出てきても、ジムのトレーナーでボディビルダーということで「よく鍛えてる人」みたいな所に落ち着くだけで特別扱いもギャグも無し。
自己啓発セミナーの講師役で『ハングオーバー』シリーズのミスター・チャウ役の人が出てきたりで、ちょこちょことクスっと出来るようなくすぐりはあるものの、シリアスな雰囲気は崩れず最後まで続く。メイキング映像の中で「ブラック・コメディー」と言う言葉が出てきて、はじめて聞いた言葉なのだが、なるほど納得した。おかしな人たちの雑でマヌケな犯罪なのだが、結果大金を奪われたり殺されたりという結果になるという。
コメディーを期待していたのでビックリしたのだが、おかしなキャラクター達を観ている事に飽きず、ギャグではなくどんどん重罪を犯していく様にさらに挽きつけられ、クライマックスにアクションもありで、なんだかずいぶん楽しめた。
なんとも人に伝えにくい映画ではあるのだけど、コメディー映画好きも、クライムムービー好きも、アメリカンドリーム崩れみたいなニューシネマ好きも、結構みんな楽しめるんじゃないの、これ?という感じ。
名作!って感じじゃないんだけど、「あれ?予想と違ったけど、かなり楽しめたし面白かったんだけど...」と思って、結局もう1度観てしまった。

最後にまたビックリなのが、監督がマイケル・ベイっていう。あのやたら大掛かりなハリウッド映画撮る人?同姓同名?と思っていたら本人。映像特典のメイキングで「俺は2〜3億ドルないと映画を作れないと思われている。でもこの映画は2300万ドルで作ってるんだ。この予算の無さは学生映画を思い出すね!」なんて自分で言ってるくらい。
邦画を考えると十分な予算だとも思えるけどね。

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