歳とって丸くなったせいか、今までなら聴かなかった曲も全然聴くようになった。
そんな感じで、昔なら重視しなかったであろう2曲。
まずちゃんみな。BAZOOKA!!! 高校生RAP選手権で有名になったラッパーで、Rei
︎hiとの1戦はいまだに名勝負として観られ続けている。
興味は無くはなかったが、単純にもう私おっさんだからさ、高校生RAP選手権出身者への抵抗は無くはなかったし、その後youtubeで公開された楽曲も、「あぁ、またキリコの『女ラッパーは必ず歌い出す』か...」と思わなくも無かった。
でも、最新のこの曲は凄くいい。テーマや曲の内容的には乗れないハズのおっさんの私もお気に入りだ。PVも使える人脈総動員って感じで面白く、この曲にかける意気込みを感じる。
トライリンガルというバックグラウンド(この曲だと英語と日本語だけど)も感じられる、それでいて普通に音楽が、特にブラックミュージックが好きな感じがストレートに出ているとてもいい曲でした。
聴く側がストレートに感じてさらっと聴けるようにまとめられてる、ってのが凄いんだよな。
もう1曲はAYA a.k.a. PANDA。
なんかのREMIXだかビートジャックだかで知ってファンになり、「COMA-CHIの次は完全にこの娘やろ!」と思ったのだが、その後、S7ICKCHICKsでの活動がはじまったりしたもののイマイチ「コレ!」って1曲が出ないままな感じ。
で、久々にソロでの新曲が公開されてたので聴いたら、これがまたイイ。
これまたラブソングで、クラブでの夜遊び的な内容なので私には遠い題材なわけですが、イイんだよねぇ。
まぁ元々ファンなんだけど、ソロで最後まで楽しんで聴けた曲は初めてじゃないかな?今までもこのワンバースはイイ!ってのはあったんだけどね。
こうやってまとめられてると凄くイイんだけど、曲単位でってなると中々ね...難しいところなんだろうけど。
今回の曲は、題材も使ってる言葉も特別ではないんだけど、ちゃんと聴かせるっていう貫禄みたいなものまで出てきてるなぁ、凄い。
私の中でこの人、一番「フィメールラッパー」って感じするんだよな。
リリックやフロウとかのテクニックが素晴らしいのは勿論、ちゃんといわゆるヒップホップ界のジャーゴンも使えて、かつ女性目線での切り口が詩にハッキリと出てるってあたりが。
今回の曲でも、「赤く割ったビール」「どれを飲んでもあんま変わんないな」とか、いわゆる「へネシーがどうの」とか「クラブでドンペリ〜」とかと逆の、重要なのは相手の男性であって、この場や酒はさほど重要ではないっていう女性の心理がこうやってサラッと表現できるのが凄いと思うんだよな。
今までで一番関心したのがNEW MONEY【Female REMIX】の
「広げるMarket カリカリのバゲットの上に乗っけて食べちゃうターゲット」
ってので、それは、男ラッパーでは出てこない、たぶん男ラッパーでは様にならないラインだからなんだよね。「カリカリのバゲット」出てこないし言わないよ、うん。最後の吐息交じりのフロウもグッとくるしね。
2曲共に言えるのは、フィーメールラッパーである必然性というか、歌とラップの境界であるとか、RUMIやCOMA-CHIが模索していた部分を自然にやっちゃう世代なんだなぁ、という事。
詩の内容にせよ、フロウやメロディにせよ、次世代感あるなぁと思っちゃうね。
男勝りでもフェミニンでもビッチでもサブカルでもない、そういうキャラクターを必要としない普通な感じ。
高ぶりゃ歌うだろうし、細かく伝えたきゃラップする、激高すれば叫ぶだろう。
最新の流行は勿論チェックしているだろうがいわゆるトラップとか最先端のフロウとかそういうのではなく、冬や年末に発売されがちな、ベタなくらいの曲調かも知れないんだけど、聴いていて心地よくて、最近よく聴いてる。