2021年07月03日
にゃるら(著),お久しぶり(イラスト)「承認欲求女子図鑑 〜SNSで出会ったヤバい女子たち〜」
何というか、今はコレが普通なのだろうか。私も歳を取ったな、と感じる事が増えたがこの本の後読感もそんな感じ。
SNSネイティブとの剥離というか、永沢光雄の「AV女優」のノスタルジーや中村淳彦の「名前のない女たち」の同世代感とは遠く離れてしまった感じを受けた。
「終わりなき日常を〜」とかスカしてるこっちを尻目に、彼女らは裏垢で全てを晒していて、こっちからもそれを覗けてしまう状態だからだろうか?
圧倒的な抜けの悪さが現代的に感じてしまった。「時代の閉塞感」とか言ってた頃の方がまだだいぶマシに思える。「どこにも行けない」どころか、どこにも行く気がない、スマホで完結している状態。コスパや効率の果てのディストピア。最新のスマホで部屋の隅で女優ライト当てて自撮りだ。
みんな口を揃えて繋がる方法は「金」だと言う。身も蓋もなさが息苦しい。
一つ一つの記事は長くもなく、ほとんど仮名(アカウント名を出さない)だし、ほぼSNSを使わない人も居たりして「承認欲求」というテーマで統一も出来ていないように感じてしまった。
著者のにゃるらさんのファンなので読んだのだが、あくまでインタビュアー/ライターとしての役割なのでその色が濃く出るでもなかった点も物足りない。もちろんにゃるらさんだから話してくれたという事はあるのだろうが。
でもやっぱりちょっと物足りないかなー。
SNSを通じて見つけた興味深い人にインタビュー、というのが難しいのだろうか?当然ある程度はそのアカウント名としてのキャラクターがあるわけで、しかもそれを5個も6個とか持ってるんだもんな。どういう人柄とか言ってもな、というのはある。
あとはポンコツ・やよい@gokkundekitane(元「風俗大好きお姉さん」)が強烈すぎて他が霞むってのもあるかな。にゃるらさんのインタビュー記事がキッカケでTwitterでフォローしてるんだけど、今だに色々起こし続けてるからね。
上手くだまし続けてな!そんなに自分がかわいいなら!ですよ。着眼点は悪く無いと思うけど、やよいちゃんのTwitterフォローして、過去ツイ遡って読む方が100倍面白いです、正直。
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