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「27クラブ」ハワード・スーンズ(著)萩原麻理(翻訳)




私は今まで一体何回カートとジミヘンの27年間の短い人生について読んだだろう。
いまだに年に数回は雑誌の表紙で見かけ、関連書籍が発刊され続ける天才ミュージシャンについて。
大半は同じような話で、最初に広く報じられた事と後に判明した事実の違い、各種陰謀論まで覚えている。
例によって本や雑誌はほとんど読んでいるし、映画も観ている。陰謀論丸出しの「ソークト・イン・ブリーチ〜カート・コバーン 死の疑惑〜」「ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男」も楽しく観て感想も書いた。なんなら「Last Days」すら最後まで観た。あれはさすがにつまらなかったけど。
「ソークト・イン・ブリーチ」感想↓
https://fanblogs.jp/gateofdoom/archive/490/0
うぉ、当時の俺、ちょっと信じそうになってるじゃん。


なので「またその類いの本か。うわー、分厚くて高ぇ!」としか思わず、しばらく買わなかった。
正直に言ってしまうと、まぁその類いの本で間違いない。そして、著者本人が後書きで書いているが、「エイミー・ワインハウスの本を書きたかったが、彼女の短い人生だけでは本にならないので、いわゆる『27クラブ』の面々の人生と対比させた」という本だ。原著のタイトルは「Amy 27: Amy Winehouse and the 27 Club」だからモロですね。
彼女は確かに衝撃的な人生ではあったんだけど、アメリカに入国出来ず、世界中をツアーを精力的にまわるような生活でもなかった彼女の行動範囲は凄く狭くて、あまりネタが無かったんだろうね。

ブライアン・ジョーンズ、ジミ・ヘンドリクス、ジャニス・ジョプリン、ジム・モリソン、カート・コバーン、そしてエイミーの順に逝去した彼らの栄枯盛衰をうまく時期ごとに対比させている。
確かにこの手の本としては決定版だろう。めちゃくちゃよく調べて書かれているし、陰謀論までまとめて、ちゃんと調べて否定している。
微妙に違う部分もあるけどね。例えばヘンドリクスの除隊はパラシュート降下訓練の際にわざと失敗して足を骨折して除隊したと言われているが、この本では「軍医に自分はホモセクシュアルであると嘘をついて除隊する事に成功した」みたいに書いてある。まぁ些細な違いだけど。



うん、凄い本だと思う。でも知ってる話なんだよ、やっぱり。
通ってたバーやホテルの名前とか、正確な日時とかさ、まぁどうでもいいディティールとかはともかくさ、やっぱり知ってる話なんだわ。
エイミーに関しては私は大ファンとは言えないし、そんなによく知らなかったけどね。でも曲聴いて、ゴシップサイトの記事読んで、映画くらいは観てるしねぇ。まぁ大筋は知ってるのよ、やっぱり。
「AMY」感想↓
https://fanblogs.jp/gateofdoom/archive/609/0
「ジャニス:リトル・ガール・ブルー」感想↓
https://fanblogs.jp/gateofdoom/archive/637/0

さっきも書いたけど、やはり「エイミー・ワインハウスと27クラブ」って本だからエイミーの事に一番紙面を割かれているので、そこまで彼女に興味が無いわたしはちょっとツラい部分もあった。恐らくそういう人が多いと思われるので邦題は「27クラブ」になったんだろうしね。
でもいい本でしたよ。これ以上ないくらい誠実に6人の人生を書いていると思います。


うーん、なんかね、柳澤健とか田崎健太とかの本ってさ、取材力も凄いし、好きだけど、読むと「あー本当に終わっちゃった」とちょっと悲しくもなるんだよな。そんな感じがちょっとこの本でもした。

いいのよ、伝説は伝説で。

「あー、ギター上手くなりてー」
「そこの十字路で悪魔に魂売ってこいよ」
「もう三十過ぎてっけど買ってくれっかなぁ」
とかのアホな会話で楽しめれば。

ってちょっと思っちゃった。

あ、あとさすがに税込み4000円近くは高いよな。

久々に聴いた。ストーンズはあんまり好きじゃないけど、まぁやっぱカッコいいわな。

27クラブ: ブライアン・ジョーンズ、ジミ・ヘンドリックス、ジャニス・ジョップリン、ジム・モリソン、カート・コバーン、エイミー・ワインハウス

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