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ニール・ダニエルズ(著)迫田はつみ(翻訳) 「メタリカ ヘヴィ・メタル革命 バンド黎明期とメタルの勃興」





11月に新作が出るというMETALLICA。新曲がイマイチだろうと関係ない、そう。初期3枚の名作があるから。

というメタラーは多いだろう。

「『ロード』以降はわからん」
「『セイント・アンガー』はタイトル曲だけわかる」

というセリフを、何度言ったり聞いたりしただろう。

この本は、初期4枚に焦点を当てた本。
こう「初期4作品(『キル・エム・オール』『ライド・ザ・ライトニング』『メタル・マスター』『メタル・ジャスティス』)にスポットを当て」と言い切ってしまう所が潔い。
しかもちゃんと『メタル・ジャスティス』を入れるかどうか問題にも言及している。

まぁ世界最大級のモンスターロックバンドになった今、もう語られつくしてる感はあるのだけど、初期の、しかもアルバムに焦点を当てたところに、この本の成功はあったと思う。

クリフの話も、ムステインの話も、無限にできるといえば出来るのだけど、あくまでアルバムに焦点をあてることで、まとまりが良くなっている。メンバー間の確執がどうとか、ライブでの面白エピソードとか、そういうのは最小限にとどめ、バンドの成り立ち、デモから初期4作品の制作過程に集中させて書いている本だ。

そして、その当時のレビューが再掲されているのが一番嬉しい。
今や名作とされるアルバムが当時は賛否両論だったりすることは珍しくなく、レビュワーの好みも当然あるので、『メタル・マスター』でさえ賛否が分かれているのはとても興味深かった。

スッキリサッパリ。さらっと読めました。面白かったです。
あまりにサラッと流れて行ってしまう感じもなくはないのだけど、これだけ歴史があり、語るべきことが膨大にあるバンドの評伝として、逆にここまで削ぎ落とせた、というのが素晴らしい。
入門編としてもいいんじゃないかな?
いや、それはキツイか、最初の方はラーズとNWOBHMの話だしな。

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