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Paul Gilbert「Alligator Farm」




ポール・ギルバート、2000年リリースのソロとしての3rdアルバム。
前に書いたと思うが、もともとは苦手だったポール・ギルバートのソロアルバムだ。
とはいえ、メタラーでギタリストなら避けて通れるはずもなく、レーサーX、Mr.Big、ソロと相当数買っている。途中からは「好き」とは言い切れないものの「尊敬」という感じで聴くようになったのだが、思い出すとその前からもちょくちょくチェックしていた。まぁそのくらいの存在感のある人だ。
ヤングギター誌を愛読していると、飛び抜けて親切で的確な奏法解説が本人から語られているし、それは練習フレーズの宝庫なわけで、テクニカル系ならポールのコピーが一番の近道だと思うしね。
という訳で意外と数聴いている中で1番好きでいまだに愛聴する一枚。

シュラプネル出身のギタリストのソロ、というとインストでピロピロ弾きまくりメタルかフュージョン、あとはリッチー・コッツェンやヌーノ・ベッテンコートみたいなボーカルも取れる器用さを使った渋い路線とかがほとんどだと思うが、こうポップに出来る人も珍しい。
「歌おうと思ったらジェフ・マーティン(Racer X)みたいなメタルっぽいハイトーンは出なくてガッカリしたけど、ポップスやロックなら歌えると思ったんだ。ちょっとジョン・レノンみたいな感じでね(笑)」
みたいな事をインタビューで言ってたのを読んだ記憶があるが、ここまでうまいことやれるってのは本当に凄い。
Mr.Bigを聴けばわかるが元々ポップスもブルースも大好きな人だし、当然といえば当然だが、自分の持ってる武器だけでここまで出来る人はそうはいない。
とはいえ、1st、2ndアルバムは好きな曲もあるがイマイチ、というか印象に残る曲が少なく、いわゆる「歌モノに挑戦したギタリストのソロアルバム」という枠から出ていなかったように感じたのだが、ここに来て大きく飛躍した感がある。
あらゆる種類の音楽が好きで、笑ってしまうほどの引き出しがあるポールだが、その「なんでも巧く出来てる感」の調整の難しさが前のアルバムで出てしまっていたのだと思うが、ここでは全て奇跡的に上手くいっていると思う。
1曲目「俺はお前よりいいコード知ってんぜ!」と歌う1分ちょっとのパンクソング「Better Chords」から5曲目までの、テクニカルになり過ぎないながらもちょっとずつヒネったリフと、ポップなメロディー、そしてさすがのギターソロを兼ね備えた、疾走感のあるポップロックを揃えた前半を一気に聴いてしまうと、次に来るのはシットリとしたSPICE GIRLSのカバー「2 Become 1」、軽いお遊びの楽しそうな雰囲気の「ランセロット・リンク」、もう1曲シットリ目のミッドテンポでコーラスもいい感じの「Rosalinda Told Me」を挟み、ハードなインストの「Let the computer decide」、中国の琴をフィーチャーしたオリエンタルな「Koto Girl」、ちょっとオアシスみたいなスケール感のある「Dreamed Victoria」、オシャレな感じのカッティングのAORっぽい1分半ほどの「Six Billion People」、幼き頃のポールにギターの手ほどきをしたジミーおじさんとのギターバトルを長めに押さえた「The Ballad Of The Last Lions」、そして最後におなじみとなったクラシックのギターアレンジ曲「Whole Lotta Sonata」(お題はモーツァルトのピアノソナタ・第10番・第3楽章)。

今までのキャリアの総括であり、良い曲が揃っている。そして何より吹っ切れた明るさが爽快で、何度も繰り返し聴きたくなるアルバムだ。
アホなジャケットや「ポール・ギルバート」という名前で敬遠せず、ぜひ聴いてみて欲しいアルバムだ。
バックのメンバーも良かったのであろう。特にMike Szuter(B, THE SZUTERS)とJeff Martin (Dr, RACER XではVo) が良かった。演奏やコーラスはもちろん素晴らしいのだが、なんか変なプレイヤーとしてのエゴが出るわけでもなく、お仕事でもなく、いい距離でプレイしている感じがする。楽しい雰囲気はこのメンバーだからこそだろう。
次の4thアルバム「バーニング・オルガン」も同じ路線で好きなのだが、やっぱり曲の出来の良さと雰囲気の良さでこっちが1番かな。最高。

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清野とおる 「バカ男子」





「定価では買う気がしない」と言いつつwebでの連載を読んだり古本屋で探してしまうので、単に私が貧乏なだけかもしれません。そんな清野とおるの本。
平山夢明からも心配されるほど、ピュアに変な人と関わってしまう清野さんの原点というべき「男子」だった時代の思い出話。
自分もちょっとそうだし、友人にかなりそうな人がいたので解るが、変な人や事柄に出会う確率が異常に高い人というのが世の中にはいるのだ。そしてついて行ってしまう癖がある人がこうなる。ラジオ聴くと、伊集院光さんとかがそうだと思うんだけど。
実感する方法として一番簡単なのは、とりあえず何事も一番安いのを選ぶ事だろうか。私も適当に安い順に選んだ結果、最初に一人暮らしした部屋は一階がパブで自分の上が893の建物の7階だったし、次に引っ越したのは新興宗教の建物の真隣で日に2度太鼓入りのお祈りが聴こえてくる部屋だった。その次がボロボロのアパートなのに何故か電気と水道代が定額制で使い放題という謎物件。
どれも駅から近くて安かったが、人によっては絶対無理だと言うだろう。私はテキトウなのでどこも2年以上住んだけど。思い出すと今が一番まともだなぁ。

まぁこの本に出てくるエピソード自体は初見で読んだほうがいいと思うので書かないが、この人の本はどれも同じ感じです。好きな人は好きでしょう。
ただ、「男子」時代ならではのピュアさや馬鹿さ、無駄なアクティブさや、「先生や親に怒られる」というこの時代ならではの縛りがあって、これはこれで面白い。
まえがきやあとがきで結構まともっぽい事を書いているが、絶対この人一生こんな感じだし、なんとも思ってないと思う。今「東京都北区赤羽」とかで書いていることと一緒だもの。

あ、っていうか清野とおるのブログ見てみたら再録が結構あるな。というかブログを元にして本に出来そうなものだけまとめた感じかな?うん、とりあえずブログ読もう。で、面白いと思ったら買えばいいのか。

バカ男子

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