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平山夢明 「DINER」





あの平山夢明の新刊、しかもめちゃめちゃ美味そうなハンバーガーの表紙、ということで前のバイト先である古本屋で単行本を見た瞬間から買おうと思っていたのだが、イロイロあってすっかり忘れていていた。最近本屋で文庫版を見かけて、やっと購入。
すっかり忘れていたくせにナンなのだが、本屋で見た瞬間から期待で胸がドキドキし、家に帰ってからは風呂やトイレにまで持ち込んで貪るように一気に読んだ。

「ひょんなことから、プロの殺し屋が集う会員制ダイナーでウェイトレスをする羽目になったオオバカナコ。
そこを訪れる客は、みな心に深いトラウマを抱えていた。一筋縄ではいかない凶悪な客ばかりを相手に、
カナコは生き延びることができるのか? 次々と現れる奇妙な殺し屋たち、命がけの恋──。

人の「狂気」「恐怖」を描いて当代随一の平山夢明が放つ、長編ノワール小説。
                                          Amazonの内容紹介より」

という、どう考えても今までの平山夢明の集大成になりそうな感じの紹介文と、美味そうな表紙、そして単純にページ数の多さから期待は高まる。
しかし内容的にはこの紹介の通りなのだが、そこからしていた期待ををさらに裏切った上で満足させられる、という、私の中でなかなか高くしてしまったハードルを超えてきた作品だった。
ストーリーにケチをつけようと思えばいくらでもつけられるだろうし、昔観た映画を想起させられるシーンもちょくちょくある、何より今までの平山作品では見られなかったラストになっているのだが、それでも「平山夢明」という天才に強引に押し切られるというか屈服させられるかのように満足させられる。
本人は「殺しにかかってくる」「窒息させるほど楽しませようとする物語」とあとがきで書いていたが、まさにそうなった形だ。

まぁ私にとっては元々好きな作家であり、ラジオ聴いたりインタビュー読んだりと作品以外にも触れているうちに単純に本人のファンになってしまっているので、物わかりが良すぎる読者なのかもしれないが、凄く面白い作品であることに間違いはないだろう。
徹底的に後味が悪い作品や、スプラッターやゴアな感じを求める人は今回は少し違うかもしれないが、本人が連載分からも、単行本からも書き直したほど総力をかけた平山流のエンターテイメント大作は、やはり素晴らしい。相変わらず残酷表現は満載なのだが、下手すると菊地秀行みたいになれるのでは?とさえ思ってしまった。
しかし作中に出てくる食べ物が全部美味そうだぁー。どのジャンルでも、食べ物を美味そうに書ける人って才能があるよなぁ。

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