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池田暁子 「うっかり結婚生活 一緒に暮らす2人のルール 8」





私は結構コミックエッセイは好きで読むのですが、よく考えると結構消極的な理由で読んでいます。
「半身浴の時に暇だけど本気で読みたい本は湿気にさらされるのが嫌だから」とか「寝る時に面白すぎる本を読み出すと興奮して起きちゃうから」とか、まぁ西原理恵子なんかは別格として(コミックエッセイって感じでもないけど)、ほとんどがそういう扱い。漫画より字が多くて読み物っぽく、日常的で展開が少なく、絵も書き込む感じじゃなくて目も疲れない、ちょっとタメになる風(だいたい読み終わったら忘れる)だったりなので、暇つぶしには最適に思っているのだ。
古本屋で100円くらいで買っては風呂や布団の中で読んで、また古本屋へという感じで、ちょっと前からこのスタイルの本がヒットして増えているのもあって相当数読んでいるのだが、まぁあまり記憶に無い。
今回は、2chに何ページかが貼られていて興味が出たので買ってみた。それは、作者の貧乏時代の話で、「何故お金が貯まらないんだろう?」と悩むやつで、お金に関する典型的なダメッぷりがそのまま書かれていて面白かったのだ。

さて、「あの作者のヤツならなんでもいいや、とりあえず1冊読んでみよう」と古本屋に行って、あったものを買ってきたのだが、これが大失敗。なかなかにひどかった。
『結婚生活』とタイトルにあるので、「あー、いろいろなダメさを克服して結婚までしたんだ」と思ったのですが、どうも違和感ばかりが残る本でした。
「ちょっと変わった我が家の結婚(家族)生活」なんてのは定番のネタで、『インド夫婦茶碗』、『監督不行届』とか『イタリア家族 風林火山』などは普通に面白く読んだし、「ダメな私(克服)本」→「私でも結婚できました」→「子育て本」なんてのはよくあるパターンだ。
『うっかり』と付いているが、「40近くなってなんとなく身近の人間と結婚しました」というのもサブカル界ではよく聞くフレーズなので、まぁまた典型的な感じなのかな?と思っていたのだが、どうも変だ。
まず何故か「片付け本」でヒットした作者の夫の部屋がゴミ屋敷でそこを掃除するシーンからはじまり、次の章で夫との馴れ初めを語るのだが、これが全く「馴れ初め」と言えるものでもなく、それ以前の関係性すらよくわからなくてただひたすら「なんで?」としか言いようがない。ゴミ屋敷を掃除してあげるくらいの愛情があるはずなのに、その関係性が全く見えてこない。
当然、これではその後の夫婦の生活の中でのすれ違い、まぁほとんどが元ゴミ屋敷住人な夫のズボラさへの不満なのだが、それを解決していく過程みたいなモノもよくわからない。というか読んでいてひたすら「なんだそりゃ」としか言いようがないことばかりだ。
元ゴミ屋敷住人で、当然家事を一切やらず、そのくせ食事などには文句を言い、この本ではうっすらとしか書かれていないが無職で生活費も最低限しか入れない、という夫を受け入れて結婚したわけでもなく、当然の如く予想される事態にただ苛立ち、「私は出来る(ようになった)のに」と愚痴るばかりである。
何だこの本?
という感想しかない。
「WEBコミックエッセイ劇場」での連載の単行本化のようだが、途中から始まり途中でぶった切って終わったかのような構成は、ヒット本が出たことによるこの「コミックエッセイ量産工場」のような所で単行本化に必要な分が出来たら、以前のヒットの余波で売れるうちに即本にするというシステム故なのかな?とか思ったり。
まぁそういう意味では見事。

「なんでこんな作者の本が売れてるんだ?」と不思議に思って検索してみると、この本からおかしくなったらしく、この本のレビューから酷評が増えている。しかも最新刊がこの続編で、夫が新型うつだの離婚だので、「でしょうね」としか言いようがなく、内容も同様にひどいようなので、まぁ「ハズレ引いたなー」って感じかねぇ。



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「R-RATED TV VOLUME 02 -ANARCHY LIVE-」





ANARCHYの2007年に開催された、1stアルバムである「ROB THE WORLD」のリリースパーティーの模様を収録したライブDVD。
「ライブの模様を完全収録」「特典映像に原宿のショップ「AGITO」で開催された「ANARCHY STORE LIVE」の模様を収録」とあるがチャプター分けはされているものの、メインメニューからチャプターリストに行けるわけではなく「再生」のみで、完全収録のライブ映像のど真ん中に特典のライブ映像が入っているという、ちょっと謎な構成。
1stアルバムのリリパとはいえRUFF NECK結成が2000年なので十分キャリアを積んでおり、「初期アナーキー」ともいえないが、この後すぐに1st、2ndと年間ベストアルバムに選出されて、日本のラップ界の大スターとなっていく直前の、ブレイク寸前の最も勢いのあったであろう時期の記録だ。
正直言って、私は1stは発売当初に買ったのにも関わらず、良さが解らなくてすぐに売ってしまった口で、「Fate」のPVを偶然観るまではあまり好きではなかった。
一番好きなアルバムは「Diggin’ Anarchy」で、遡って2nd、1stと聴いた回数は少なくなっていく。どっちかというとRUFF NECKの古い音源の方が聴いてるかもしれない、くらい。好きな曲は好きなんだけど、曲単位で聴いてしまう。
まぁただ大ファンになってしまった今となっては、 貴重な映像で必見な事に変わりは無い。偶然ブックオフで捨て値で見つけたが、何気にプレミア付いてるんだなぁ。コアなジャンルは一期一会なところがあるから気になったらその時に買わないとこういう事になるから怖い。

さて内容だが、まだアナーキーもR-RATEDもこれから、という勢いはあるが内容はまだ発展途上という感じ。
まだ若くて細いアナーキーが、RUFF NECKのフロントマン4人が並ぶといっぱいになってしまうような狭いステージで、今より言葉数の多いスタイルで唄う。声もまだ若干若い。
やはり今見てもカッコいいのだが、「カッコいいヒップホッパー/クルー」という印象で、「ANARCHY」という固有のアーティストとしてぶっ飛ばされた、その後の成長した姿と比べるとやはり物足りなさは感じる。
ショップでのライブを足してもトータルタイムが47分という短さもあるし、メインのライブでさえ撮影機材もまだ充実しておらず画も単調、サウンドも観客の声が拾われておらず入場制限まで出たというはち切れそうな観客のテンションも伝わってこない。やはり過渡期の「記録」として観てしまうが、そう思って観るにはカッコ良過ぎるというこのもどかしさ・・・。
RYUZOも、まだギンギラギンじゃないAK−69も若い。うーん、たしかこの時って完全に日本語ラップ冬の時代に入ってるんだよな、それでもこんな熱いってのはやっぱり凄いわ。
R−RATEDは好き嫌いが出やすいと思うけど、機材が不十分であってもちゃんとカメラ何台も使ってるし編集もキチンとしていて、ちゃんと売り物として成立している。いろんな意味で興味深いDVDだなぁ。品番から見て、2本目の映像作品だもんな、十分凄いよ。
まぁミーハーと言われようと正直シングル曲は入れて欲しかったし、どっちかと言うと特典映像の方がフルで観たくなった、というのはあるけど、やっぱとにかくファンは必見です。

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