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松本裕士「兄弟 追憶のhide」(単行本)




自分の原点でもありいまだに大好きなhide。
初めてのお小遣いでレンタルしたCDはhideだったし、初めて買ったCDは彼のトリビュート作だった。彼が亡くなった事はニュースとしてお茶の間にも流れ、親は彼の音楽ばかり聴いている私を心配していた。
もちろん大ファンなので関連商品は出れば全部欲しくなるのだけど、なんとなく嫌な気持ちにもなってしまう。唯一「子ギャル」だけは驚きと共に本当に楽しめて聴けたかな、泣きながらだけど。

さて、そんなhideのパーソナルマネージャーとしても働いていた実弟の裕士さんの著書。以前文庫化した際に見かけてはいたのだけど、やはりなんとなく手に取る気になれなかった本をやっと読んだ。
パーソナルマネージャー就任当初はダフ屋と間違われるようなヒゲにパンチパーマの元ヤンの著者の趣味か、私の買った単行本は石原慎太郎の「弟」みたいな渋い装丁でした。
先述の通り実弟として、そしてパーソナルマネージャーとしてhideを支えていた著者の本で、彼の方も兄として、またミュージシャン、そして雇い主として尊敬している事が伺える本で、あくまでパーソナルマネージャーとして関わった最後の3年間を中心に書いているので好感が持てた。
文章は上手くないし、ちゃんと校正をしているのかすら怪しいくらいだが、難しい事を書いてるわけでも無い思い出話なのでさほど気にならない。
当然そうでもしないと書いていられないのだろうが、常に「hideさん」と第三者的に、あくまで冷静に思い出を綴っているところがとても良い。それでいて時折、当時のhideに繋がる昔の思い出をはさんだりしていて、良いバランスで進んで行く。
イメージを大事にし、人前ではあまり食べずにお酒を飲むhideが、よほど腹が減っていたのか中座してコンビニまで行き、冷たいままのシャケ弁をかっ込む場面はhideらしくてとてもおかしいし、ギターを買ってもらって以来常に弾いていて、コタツに入りながらTVから流れる音を全てコピーしている兄をウルサイと迷惑がりながらも「聴くたびに上手くなっていて、ひょっとしたらこういう人がミュージシャンになるのかな」と思ったという件は情景が想像できてグッときてしまった。



既知のエピソードがほとんどであるのも事実なのだけど、改めて違う角度で、先述のようなエピソードも交えて書かれたこの本は、楽しく読むことが出来ました。
まぁ、書くところは書いて、ぼかすところはぼかしてるな、と当たり前のことも思いましたが、まぁそこを突っつくのもどうかと思いますしね。
あと、自分の覚悟を刺青にして...みたいな自分語りは削っても良かったかなぁ。

ただまぁ、本の中でも書かれているんだけど、「死人を虫食う」「死の商人」みたいな言われ方に対して当然彼なりの考えがあって覚悟を決めてやっているわけで、私としても「出してくれてありがとう!」と思うリリースも多々あるんだけど、やっぱり難しいよね。グッズのディレクション一つとってもこだわっていたであろうhideの代わりなんてできないわけで。ましてや新人発掘なんてさ、hideが見出したバンドさえ現在残ってないのに。
なんてことを、読後に久々に公式サイトやオンラインショップを覗いてみて思ってしまいました。

てか文庫版は大幅に加筆ありって事なんで、こっち買えばよかったな。

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