2021年01月31日
ISHIYA(著)ルーフトップ(編集)「関西ハードコア」
ISHIYA氏が著者でタイトルが「関西ハードコア」という事だったのでてっきりnoteに書いていた日本のハードコア史の書籍版だと思っていたのだが、全然違ってまずビックリ。関西ハードコアの重要バンドのインタビュー集でした。あちらの方は最近「ISHIYA私観 ジャパニーズ・ハードコア30年史」として発売されてましたね。
この本は体系的に関西ハードコアを歴史と共に語るのかと思いきやインタビュー集という事で、これ下手すると変な方向に行きそうだな、と思ったのですが杞憂でした。素晴らしいです。
ISHIYA氏、そして全編にわたってインタビューに参加するRAPESのSHINTANI氏が外部の人間として話を聞くというスタイルが功を奏したのだと思う。
もちろん新谷氏は関西の人間なのだが、大阪や京都ではなく神戸、そして後に拠点を東京に移したという事で、あくまで「めちゃめちゃ仲が良くて昔話も出来る外部の人間」のような立ち位置にいる。
ご存じの通りISHIYA氏はDEATH SIDE、FORWARDなどで活躍するレジェンドでありながらライターとしても活動しており、これ以上の適任者はいないだろう。
以前読んだZERO MAGAZINEのインタビューを思い出したが、あちらが直属の後輩のような極近い関係性で話を進めるのに対し、やはり一歩置いて冷静に聞いている感じがする。そしてSHINTANI氏の存在も大きい。ゲストの1人かと思ったら全てのインタビューに同行しているのも頷ける、重要なキーパーソンだ。
ハードコアという刹那の輝きを、そして強固な人情と地元愛のある関西シーンを外部から俯瞰でまとめられたこの本は奇跡的だと思う。
圧倒的な存在感のZOUO、そしてその実弟率いる中学生でデビューのOUTO、世界にもその名を轟かせたものの悲劇に見舞われたSxOxB、もちろん外せないチャーミー氏&PON氏、SHINTANI氏のRAPES、拠点の一つとなったライブハウスのエッグプラントのオーナーなどなど、物凄いメンツだ。
ただの居酒屋思い出トークにならず、「知らねー、覚えてねー」でナメて流すでもなく、身内ノリだけに終始する事もなく、だからといって評伝のように難しくもなりすぎないバランスで最後まで一気に読める素晴らしい本でした。載ってる写真も全部かっこいいんだよな。必読、必携。
このnoteも読むと関西ハードコアシーンがより立体的になってくる↓
https://note.com/sisterhiyosu
今聴いてもカッコ良過ぎ。
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