2018年01月29日
蟹めんま「バンギャルちゃんの日常」
いわゆるコミックエッセイというやつをけっこう読んでいるって話は前に書いた気がする。
この本は前から気にはなってたけど読んでなかったやつ。やっと買いました。
いやね、恥ずかしながら元バンドマンなわけですよ私。バンギャがいるジャンルとはかなり遠いジャンルだったっすけどね。
とはいえ、モトカノに1人バンギャがいたり、バイト先の古本屋がバンギャの巣窟になったりした事があるんで、けっこう内情を知ってたりはするんですね。
それにこれね、私の変な癖なんですけど、自分が嫌いなジャンルも「何故嫌いなのか?」って分析する為にかなり聴くんですよ。普通に好き、くらいの音楽よりずっと。
で、定期的に動画サイトで再生回数順に100曲とか聴くんですけど、ヴィジュアル系っつーのもそれを何度かやってね、そうするとけっこう好きなバンドも出来たりしてね。
でも中学生時代にテレビで流れる「日本のロック」ってヴィジュアル系だったし、最初に好きになったギタリストはHIDEだし。単純にやっぱYOSHIKIは大きく音楽ビジネスを変えた人だし、なんと言ってもおもしろいからテレビ出てたら観ちゃうし...まぁいいや、そんな感じ。
要は、「知らないを覗き見る」みたいなコミックエッセイの楽しみ方が出来るのかな?と思ってて買うのが遅れたけど、読んでみたらとても面白かったよ、と、そういう事です。
なんかね「バンギャ」ってもんで話題性を出そうとするとさ、雨宮処凛的な極端さで、ファック隊がどうのとかさ、リスカがどうのとか、薬物とかね、風俗嬢に多いとかさ、そういう切り口になっちゃうと思うんだけど、全然真逆だったんだよね。
私自身が、音楽が好き→16で音楽の専門学校へ(高校は通信制に)というバカっぷりなんで、自分と似たようないわゆるバンギャはなんとなく想像がつくんだけど、著者は逆で。地方で親との関係も壊さずに細々とファン活動をするっていうのが、こういうやり方もあったのかもな、と新鮮だったんだよね。
にしてもなんか全てが一昔二昔前な感じでビックリするんだけどね。たぶん著者とはさほど年齢がかわらないと思うんだけど、文通とかテープトレーディングとかの世界だもの。でもインターネット以前の世界ってこんなだったな...とオジサン遠い目ですよ。
私より若い子は、お年玉を握り締めて西新宿に行った記憶とか無いっぽいしね。
なので、「全く知らない世界のクレイジーでショッキングな日常」みたいな感じでは全然無いんだけど、これが不思議とあと引くんだよねぇ...。絵自体も、漫画家は勿論、イラストレーターでいけるんじゃと思えるくらい魅力的だしね。
この第1巻(というか好評で続刊が出た感じだろうけど)は、特に著者の中高生時代の話だからなんだろうけど、ほんとうにさえない日常と、逆に煌びやかなものを求める日々って感じでねぇ。
そういう意味でバンギャ関係なくても、青春時代の自分のショボさとか勘違いっぷりに共感出来たりするんじゃないかな?
さっきも書いたけど、いわゆる「日本のロック」って売り上げや知名度から言うとV系になるだろうしね。サム・ダン監督による世界中のメタル事情を取材したドキュメンタリー『グローバル・メタル』の中でもかなり大きくフィーチャーされてたし。
そういう意味で言うと、うっすらと皆知っているわけで。私くらいの年齢(31歳)だと、ラルクやグレイがバカ売れしてたしね。
勿論、今まで盲点だったというか全く知らなかった事もあって、ヴィジュアル系の警備をよく担当されるという警備会社の現役で現場にも出る名物社長さんのインタビューとかも面白かった。あれはバンギャル特有の興味の持ち方だろうな。
私が行ってたライブは、警備なんていないか、いたらバウンサーみたいなデカイ黒人とかだったから。
あ、あと、ライブの時は他の人に怪我をさせないように上履きやルームシューズに履き替えるってのは凄くいいと思ったな。
「ライブはお遊戯やレクレーションじゃねーよ」とは思うんだけど、私自身昔にゴツいブーツ履いたダイバーに蹴られて顔面流血して今でも傷残ってるし、スタンディングのライブにハイヒールとか何考えてんだよ?って思うしね。
あんだけ着飾ってライブ来て、ルームシューズに履きかえるってのはさ、なんか女の世界だよなぁ。そこは見習った方がいい気がする。
久々に、面白くて著者のブログまで全部読んじゃったよ。
著者のブログで、この1巻の分の漫画がけっこう読めるのでとりあえずブログ読んでみるといいと思う↓。
https://ameblo.jp/menmanomanga/
うん、しかし予想以上に面白かったなぁ。
しかもぶっ飛び方向ではなくしみじみする感じで、ってのが珍しいよな。
2巻も買おう。
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