2015年03月13日
「R246 STORY DEAD NOISE」
元々はオムニバス映画の1つだった、VERBAL(m-flo)監督作品のショートフィルムが単体で作品化されたもの。内容は日本のヒップホップシーンのドキュメンタリー。
ヒップホップ好きでドキュメンタリー好きな私なのでこの系統の作品はそれなりの数を観てはいるのだが、どうしても作品としてのクオリティ的に、カヴァーしている範囲的に、ちょっとなぁ・・・というモノが多い。
「ヒダディー ひとり旅」と「KAIKOO/邂逅」は良かったかな。2度3度観たのはこの2つくらい。で、いまだに結局は「さんピンCAMP」観るか、ってなっちゃうんだよね。これはいいかげんDVD再発して欲しいですが。ライブDVDとかMCバトルのDVDとかは良いのがいっぱいあるんだけど。
やっぱり、シーンが大きくなりきらないうちに細分化してしまった、というのが一番大きいと思うんだけど・・・まぁそれは置といてこのDVDの話。
本編は25分と短いのだが、さすがにお金が掛かってるらしく映像も綺麗だし、どうしても話題の中心になる「さんぴんCAMP」世代のミュージシャンは勿論数多く登場するし、MC BELLからピストン西沢からサイバーエージェントの藤田社長までもが登場し、その豪華メンバーのインタビューをバッサリ編集して25分にまとめる、という物凄く贅沢なショートフィルムになっています。
叶姉妹みたいな格好でリムジンに乗るキメキメのDJケオリさんとか笑いどころもありますし。
まぁ短いけど、ちゃんとそれぞれのインタビューの一番良いとこ、パンチラインを抜き出している感じだったし、これ、さんぴん世代までの日本のヒップホップのドキュメンタリーとしてかなりいいです。
本編は前に観てたので、その倍以上ある特典映像が目当てだったんだけど、そこはちょっと期待外れかな。もっとダラダラ流しっぱなしの個々人のインタビューが観たかったんだけど、さすがに登場人物が多過ぎて、本編の劣化版にしかなってなかった。それでもいいコメントはいっぱいあったんだけど。
でまぁ、この細切れの見出しオンリー状態のインタビューの中で、やはり注目は「ディス」を扱った部分。
「日本のヒップホップのドキュメンタリーなのに監督がVERBAL?」と思うヘッズはたくさんいるとは思うが(私もその1人でした)、ZEEBRAに、そしてKREVA、RYO-Z、ILMARIに、いまだに賛否あるキングギドラの「公開処刑」について訊けるのはこの人が適任だったかも、とは思った。
その後に「TERIYAKI BEEF」を喰らった今のVERBALには同じ事は出来ないだろうと思うし。
まぁ内容的にはやっぱりそんなにたいした事無かったけどね、短いし、そこまで突っ込むでもなく。
RYO-Z、ILMARIの「CD買って、ノリノリで聴いてたよ」という流し方と、KREVAの心底うんざりした顔と「本っ当に最悪の気分だった、だから他の人にこれを味合わせたくないから自分はしない」というコメントの対称的な感じ、そしてジブラ本人の「彼(KJ)は俺をパクッた、DISしたら自分のマネを止めたからオッケー」という軽い感じはとても興味深い。
なんか、いろんなインタビュー読んでるけど、ジブさんって本当に天然でこの位にしか考えてないと思う。
外野が、まぁ俺みたいな理屈っぽいファンが、「あの行為は果たして日本のヒップホップにとって良かったのか、悪かったのか・・・」とか言って、その後のインタビューとか読んで色々考えたりするんだけど、本当にこれだけ。「当然ジャン?」みたいなとこに落ち着いてしまうのが本当なんだろう。
・・・・・・・・・とかいってまためんどくさい考察とか書きそうになったけど、置いといて。
個人的に、KREVAは明確には曲としてアンサーを出してないが、チラチラとこれアンサーかな?というラインが読み取れる歌詞があるのが、彼の負けず嫌いさ、そして、この人誤解される事も多いけどやっぱ心底ヒップホップだわ、と思わされて好きだったりするなぁ。
色々いいコメントがあったけど、本当に見出しのみ、って感じで聞いた事がある話ばっかりの中で、一番驚いたのは特典映像の藤田社長のインタビューの中の話。
はっきりと番組名までは明かされていないが、おそらく枠を2クール分買い取ったテレビ番組とは「シュガーヒルストリート」だろう。なんで藤田社長?と思う人もいるみたいだが、これこそ文化貢献だよ、本当に。ギャングスタラッパーがゲトーに学校作るのと同じだよ。
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