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日本語教師になるまで 5「実践授業と初めてちゃんと話したクラスメイト」 




4〜6ヶ月目

最初の7つの理論科目は全て終了し、実践科目へ。
とりあえず科目テストを無理矢理ブッ込んだので、テスト前日の夜に睡眠時間を削って6時間も授業のビデオを観るハメになったりしたけど、ギリギリセーフだった。...この実践授業と次の実習の授業は、はじめられるタイミングが年4回なんですよ。ちゃんと2〜3ヶ月間のカリキュラムが組まれてて一人一人評価されるれるんで。だから最初の7科目は急いで終わらせたんです。
実践科目は3科目でオンラインと対面授業が選べるんですけど、私は2科目オンラインの1科目対面にしました。単純に曜日の都合とかそんな感じですけど、まぁ一科目くらい対面でやりたかったんですよね。始めてみると、オンラインの方が気楽ではあるんですけど対面の方が「とりあえず出席すればなんとかなる」感はやっぱありましたね。
ここで初めて教案とか書いて、模擬授業もしてみたんですけど、まだ練習っていうか「やってみましょう」みたいな面が強かったですね。
というか初めてちゃんと他の生徒さんたちと関わったわけですけど、これがなかなかでしたね,.....。
まぁぶっちゃけ今後日本語教師を本業にはしなさそうなのでハッキリ書いてもいいんですが、わざわざ悪口書く必要も無いし...難しいですね。
うーん、なんというか私も正直そうなんですけど「日本語教師」が第一志望の人ってまずいないわけですよ。そもそも「日本語教師」って仕事を意識することは稀だろうし、それこそ「将来日本語教師になりたいんだ」って人って会ったこと無いですしね。
だから結局、私みたいに就職に困って方向転換した人か、定年退職後のセカンドキャリアを探す人、で、まぁこれが一番言い方が難しいんだけど...カルチャーセンター感覚で来ているというか、なんかそんな感じの人が多いんですよね。教案を見せ合う授業だって言われてんのに、絵を2つと3行くらい箇条書きの概要を書いて「なんかこんな感じで」みたいな人とか結構いたんですよ。お稽古事感覚というか...。
ここら辺は最後にまとめて「日本語教師のリアル」って感じで書こうと思うんだけど、まぁしんどいですよ。ここからはお互いに教案とか模擬授業の感想とか言い合う事になるんですけど、やりようがないんで。

日本語教師になるには現在三通りの方法があって、一つは「大学・大学院の日本語教育を専攻」、もしくは「日本語教育能力検定試験に合格」、そして最後に「文化庁届出受理420時間カリキュラムを修了」それがこの日本語教師養成講座ですね。で、この420時間の養成講座って結局、出席すれば資格貰えちゃうわけですよ。だから要は誰でも学歴経歴不問で50万円あれば日本語教師になれちゃうの。じゃあそこに集う人達は、って事。
正直、この実践科目で日本語教師ってモノに期待をするのはやめましたね。
教案や模擬授業が全然出来てなくて(客観的に見てもなかなか酷いものでした)悩んでた主婦が「教案の事とかで頭いっぱいで、つい子供とか旦那に当たっちゃって...」って言っててしばらくしたら来なくなっちゃったりとか、はじめて科目テストで不合格になった人を見たりしたなぁ。ちなみに不合格の場合は、テストのポイントの簡単な解説→再テストという感じらしい。この1人しか見たこと無いですけどね、科目テスト不合格だった人。



オンラインの授業の方はZoomだったんで、オンライン授業に慣れるっていう意味ではよかったですね。授業を受ける側としても授業をする側としても。「パソコンの授業じゃないですから」と言いつつも、「来週は聴解の模擬授業なのでパワーポイントにオーディオファイルを貼り付けてください」とか言われるんですけど、いい練習になりました。
学校や講師自体がオンライン授業に対応しきれてなくて問題もたびたび起こってましたが、その時は慌てずイライラせず、トイレ行ったりお菓子食べたりして休憩出来ましたしね。仕事と授業で疲れてたし、もうあまり期待してなかったんで私もそんなに良い生徒では無かったです。

そういえば、ここで色々他の人の話を聞いて明らかになったんですが、実は無理にビデオを全部見る必要が無かった事が判明したんですよね。
ちょこちょこ書いてるけど、このコロナ下で急遽オンライン授業にしたりと変更も多いからって事で仕方がない部分もあるんだけど、イロイロと説明もシステムも不完全で、クラスメイトもいないし授業もオンラインで一方通行だから他の人の動きも見れないし、後から「じゃあもっと効率的に動けたじゃねーか」って事が多くてイライラしてたんですが、それがはっきりしたんですよ。
同じ授業を受けてた一人がね、「私とにかく早く終わらせたかったんで、まだテスト五科目残ってるんですよ〜」とか言い出したんですよ。
理論科目→実践科目→実習科目という流れだと説明を受けてたんだけど、理論科目がほぼ終わってない状態で実践科目に来れちゃってんの。一体何を実践するんだよって話。それどころか実践科目と実習科目を同時期に受けられちゃうっていうバグみたいな事もあるらしくて後に講師も嘆いてたんですよ。ちょっとどうかしてますよね。私は馬鹿正直に順番にやってたんで卒業まで10ヶ月間かかったんですけど、これじゃ半年もかからずに卒業できちゃうんじゃないかな...なんか田舎で教師やったのが上京してきてこの状況だから焦ってるみたいな感じの事言ってたけど、どうかと思いましたね。

暗い話になったので最後にアホみたいな話をしておくと、クラスで一緒だったYouと桃井かおりを足して割ったみたいなご婦人に声をかけられたんだけど、お金持ちらしくて「家族で海外移住する予定で、何か資格があった方がいいと思ってはじめたけど思ったよりシンドいから後悔してる」「日本語教師になるんじゃなくて会社作って、派遣事業とかも併せてやろうかと思ってるの。アパートは持ってるし、全部できればいいじゃない?」とかスケールのでかいこと言っていて面白かったですね。とりあえず「雇ってください」って言っておきました。カルチャーセンター感覚でありつつ負けず嫌いで、なんだかんだで課題もテストも完璧にやってくるんで好感が持てましたね、この人は。単純に面白い人だったし、実践授業で唯一面白かった事かな。

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