2022年04月17日
日本語教師になるまで 9「日本語教師養成講座まとめ 教育実習」
日本語教師になるまで 1〜8はこちら↓
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いよいよ最後。教育実習です。実践科目の後に日本語教育能力検定試験のために一ヶ月程お休みがあり、その後に教育実習が始まりました。週に一回の授業が三ヶ月間です。
前にも書いたけど実践科目で一緒だった人たちにうんざりしていたんで、私は「検定試験と違って、結局これは出席してさえいればいいって事なんだな」という感じになってしまっていました。サボりはしないまでも、仕事も忙しいし無難にこなして終わろう、と。
ただ、実際はじまってみるとクラスメイトが良いメンツだったんで結果的には頑張りました。先生も厳しかったし、モデルスチューデントとはいえマジメに勉強する気のある人たちに授業をするからには半端な準備じゃ出来なかったのもありますけど。
最初の一コマは自己紹介や教育実習の進め方、模擬授業の順番決めや授業をするにあたっての注意点など。その後三コマほどで最初にやる模擬授業の教案を全員にシェアしてダメ出しを貰いつつ改善していくのだけど、これがメチャメチャしんどい。この後ずっとこれが続くことになるわけですけど、とりあえず無難にまとめたつもりの教案は先生の手によって真っ赤に添削されて返ってくるわけですよ。クラスメイトからのダメ出しも厳しくなってきますし。
そしてそこからは実際に模擬授業をして、それを評価され、モデルスチューデントからのアンケートももらい、録画したものを自分で見直してレポートを書き、更に教案を直して、次週に模擬授業で出来なかったところのリベンジ、そして次の模擬授業のための教案を書きはじめ、という繰り返しになります。
実践の授業での教案作りや模擬授業はあくまで「やってみましょう〜!」くらいのノリだったんですが、もうここにくると完全に仕事としてやる時に通用するようにビシビシいかれる。
私は結構要領よくやれる方だと思うんですが、ココでは無理でしたね。特に一回目の模擬授業でドン滑りしてからは。こりゃマズいなってなりまして。ジョークとかで誤魔化せねーぞと、まずジョークどころか日本語があんまり通じないぞと。
結局ホント仕事中もずーっと「この例文で本当にわかってもらえるだろうか?真正性はどうだろう?っていうか未習語かこれ?こういう絵の順番ならもっとわかりやすいのか?」とか考えてましたね。直接法で教えるって事は本当に難しいです。自分も前年の一年間直接法で英語習ってたんでよくわかってたんですが授業を受けるのとするのとでは大違いです。
例文一つとってもこうですからね。50分の授業の教案とか果てしないですよ。
そして練習してみると時間オーバーするし、実際授業してみたら思いもよらない所で止まって全然進まなくなるしで、もう改善するところは山ほどあるし、コントロールできない部分も多々あるからどう対処するかも考えないとっていう。
逆にやりがいがあって楽しくもありましたけどね。ここまで時間的にはシビアで、休みとか睡眠時間的にはツラかったんですが、わりと問題無くサラッときてたんで正直ちょっとナメてる部分もあったんですよ。でも模擬授業やってみたらビックリするくらい無反応なモデルスチューデントに目の前で携帯イジられたりして。そうなりゃヤル気も出ますよね。
クラスメイトとも教案の相談や模擬授業の自主練習なんかを通して個人的な話をするくらい仲良くもなり、留学の時にも思ったけど学校に通うってやっぱ楽しいな、と思ってました。
模擬授業が3回というのは中々微妙で、慣れる事も出来なければ繰り返して精度があげられるわけでも無く、次、その次と授業を繋げて考えられるわけでも無かったので、もっとやりたいなと思いました。ただ、例えばコレを三ヶ月間毎週やらされたらオレ仕事どころじゃないな...と思ったのも事実です。繰り返しますが本当にしんどかったです。
ちなみにモデルスチューデントは簡単に言うと留学生や生活者がアルバイトとして来てくれてます。なのでレベルにバラつきがあるものの、基本的には授業でやる事くらいは出来るという前提です。とはいえ勿論ネイティブじゃないので間違いますし、久々に使う文型なんかは忘れてたりします。
「皆さんホントは出来るのに練習に付き合ってくれているんだな」と思ってたんですが思った以上に間違うし、マジメにノートを取ったり、授業後に板書の写真を撮ったりして本気で勉強している人もいるのを見て、こっちも本気でやらないとな、と気合を入れました。
勿論さっき書いた通りつまんない授業やるとスマホいじる子もいますけどね。でも一番態度が悪かった子に最後の授業の後に「先生はどこの日本語学校で教えてるんですか?」って話かけられてLINE聞かれたんで、なんか認められた感じで嬉しかったですね。
実は留学に戻れないとわかった後に塾の英語講師になろうとして、最終面接の時にノープランで模擬授業をやったら酷い出来で不採用になって、それもあって養成講座を受ける事にしたんですが、教育実習は本当にやってよかったですね。やっとお金を払った価値があったと思えました。
ただ、まぁ不満も有りますよ。当然。
担当してくれた講師はベテランだしいい先生ではあったと思うんですが、名選手が名監督であるわけでは無いのと同じ感じでね。良くも悪くも感情的で、その場その場で確認もせずに興奮してイロイロ言うけど次の週には忘れてたりする先生でしたし。
なんというか、日本語教育ってやはりそこまで確立されたものではないんですよね。使った教科書は一番ポピュラーである「みん日」こと「みんなの日本語」だし、いくらでも参照できるものはあるはずなんですが、なんかコレといった型が無い感じなんですよ。6割ボランティア3割非正規って世界でフリーランスも多数って世界ですし、それこそ学校の先生とは違いますよね。
よくクラスメイトと話してたのが、最初に先生が作ったデモ教案を解説してもらって実際に模擬授業をするのを見せてもらって、その後それを使って生徒が模擬授業をやってダメ出しをしてもらうとかじゃないと、いきなりあれもこれもでダメ出しされても困るよね、と。
教育実習はこちらからドンドン動いて貪欲に質問して自分で自分を磨いていくべき、というのはわかるんだけど、とはいえもうちょっと教えて欲しいよね、って所はありましたね。
それに授業自体は3時間なんですが、実際にはその30分〜1時間前くらいには行ってイスと机の並べ替えから模擬授業で使うパソコンの設置からモデルスチューデントの名札まで準備をして、終わったらまた片づけます。まぁ雑用ですよ。なんか学祭の実行委員会とゲストスピーカー先生みたいでねぇ...後出しであれが無いこれが無いという事も多くて、ちょっとどうだろうと。
極めつけはモデルスチューデントにはバイト料が払われるので時間を守らないといけない、というのは分かるんだけど、なんか最後の最後で時間オーバーしたとかでその事でイラつかれてねぇ。この講師に習った卒業生と繋がってるクラスメイトに聞いたら「50分の授業でも40分くらいで終わらせて、ダメ出し+ちょっとした先生のデモンストレーションをやってもらう時間を取る」みたいな裏ルールがあったとか聞かされて、なんだそりゃみたいな。時間コントロールの話どこ行ったんだよみたいな事もあったしね。
まぁどの先生もそうなのかはわからないし、学校もコロナ下で混乱していたとは思いますし、週一回三ヶ月間という長いようで短い時間で一応仕事が出来るくらいにしようと努力してくれたのも理解してますけどね。
という感じでしたかね。終わってみると、クラスメイトにも恵まれて楽しかったし勉強になったと思っています。とりあえず、まだまだ半人前とはいえ日本語教師としての基礎は出来たかな。教育実習はやらないと、検定試験合格だけでいきなり授業するのは無理だわ、と思わされましたね。50万払った価値のほとんどはここにあると思います。
だからこそちゃんとやった方がいいとは思いますが、ぶっちゃけググればいくらでも教案は出てきます。一緒に教具の絵とかも無料で公開、配布している所もいっぱいあります。授業自体ははじめれば終わります。いくらダメだしされようが「実際にやるとやっぱり難しいですね...練習します」とか言って誤魔化してるうちに三ヶ月間が終わって修了証貰えちゃいます。
正直「そんなんで大丈夫?」って人も日本語教師でございと名乗れちゃいます。
どういう三ヶ月間を過ごすかは、自分次第ですね。
あ、あと終わってみると、最初に十数冊セットで強制的に買わされた教科書の内で使ったのは数冊だけでした。なんだそりゃ。全くさぁ一冊一冊高いんだからさぁ、こういうのって。そのくせ『教え方の手引き』は必携だから追加で買えとか絵教材がとか言い出すんだもんな。
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