2015年08月02日
伝説のブートレッグ
「伝説のコンサート・テーパーの悲しい末路」
http://heartofmine.seesaa.net/article/391621874.html
物凄く面白い。
そして同じオタクとして物凄く気持ちがわかる。
マイク・ミラードという、『Listen To This Eddie』というレッド・ツェッペリンの1977年のロサンゼルス公演のブートで有名な人の話。
別名「マイク・ザ・マイク」、どれだけ優れたブートを録っていたのかがわかる。
個人での録音、というのが一般的には始まったばかりので70年代の話である。車椅子に大型カセットレコーダーを仕込んで会場入り、無事入れたら帽子にマイクを付けて重たいカセットレコーダーを鞄に入れて会場前列に行く。長年同じ会場に通う続けてベストポジションに行き、ショウの間にうるさく叫ぶファンには金を渡して黙らせる。
そして、そこまでしておきながら、そのコレクションはごく少数の友人にしか渡さない。ブートとして流通するのを嫌い、わざと自分にしかわからない印をつけておく。
端的に言ってパラノイアックな情熱だ。
そして孤独に生きた彼はテープを全て焼却し、自殺する。
今なお史上最高のライヴ・レコーディングと評されている、彼のブートはジミー・ペイジによって正規にリリースしたレッド・ツェッペリンの『DVD』のメニュー画面で使用されている。
海賊版を嫌うミュージシャンによって当時蛇蝎の如く嫌われていた彼だが、今となっては自分の全盛期のライブをいい音で聴きたいと思うミュージシャンがマイク・ミラード・テープをコレクションする。
自分は今29歳でギリギリ、カセット〜CD〜MD〜デジタルメディアという録音物の移り変わりを知っているし、宅録をやっているので録音という事にも馴染みがある。
今やスマホで手軽に録画まで出来るので、ライブ会場での鞄チェックなんてしても海賊版を防ぐのは無理だ。
なんというか、のどかな、というわけではないのだけど、こういう攻防ってワクワクするよなぁ。学校にゲームボーイ持ってくようなものなんだけど。
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