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柳下毅一郎「皆殺し映画通信 御意見無用」




なんだろう、このシリーズはさもすればダークツーリズム的な、わざわざ酷かったり文化が違うと分かっているところに行っておいて、それをあげつらって嘲笑するみたいに思われてるだろうし、正直最初はその気もあったと思うんだけど、もう前書きでも書いている通り「映画の最期を看取る」って感じになってますね。
ホント、今やスッコーンと真ん中が抜けて、映像は超大作かYouTube、なんならインスタのストーリーかって感じの世の中で、わざわざ劇場公開するのって変に金を使えて箔をつけたがる、そしていまだに劇場公開で箔がつくと思っている中年がお金を出したものばっかりですからね。
そりゃ今「映画館で映画を観る」ってなるとほぼ全部そんなんですよね、大作以外って。

そんな時代だよな、と思いながら読んでました。邦画っていう縛りもまたね。でも私でもタイトルは知ってる有名どころもあるんだけどね、まぁすべからく何か原作ありきの映画化とか、ドラマの延長みたいなやつで、一応タイトルは知ってるけどホント縁遠いというか……。
しかし本当に末期って感じですね。なんかこう、罵倒芸とか、ツッコミどころが〜とかそういうのじゃ無い、静かに終わりが近いている感じの、ため息混じりに「おやおや……」みたいな感じ。
最初の2、3冊の「キター、ビッグタイトル!うひゃー!デビルマン超えちゃう?」みたいなはしゃぎ方も出来ず、読むのが辛かったです。
まぁ期待通りの『貞子』や蜷川実花の『ダイナー』評があったりはするんですが、なんかテンションが上がらない。物悲しいというか、本当に終わっていってる感じ、「俺もお前も歳をとったなぁ……」みたいな。

なんか最初にいろいろ言ったけど、「Amazon unlimitedで読めるなら買わなかったのに!」って今思ってるし、最近ほぼAmazon prime videoでしか映画を観ていない私の言えた事じゃないんですけどね。

映画館、行ってないなぁ。

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