平成30年11月11日(日)
試験時間:14時15分〜16時15分( 2時間)
問題1 施工経験 記述(品質管理)
問題2 用語の説明 記述
問題3 施工管理 記述(工程表と出来高表)
問題4 法 規 正誤、記述
問題5-A 建築工事 正誤、記述
問題5-B 躯体工事 正誤、記述
問題5-C 仕上工事 正誤、記述
( 1 )
工種名:場所打ちコンクリート杭工事
防ごうとした不具合:
杭が支持層に達していない
不具合を発生させる要因:
施工不良による掘削長不足
実際に行ったこと:
@支持層と杭掘削長の確認
Aアースドリルの先端トルク値及び掘削長の確認
Bドリル先端付着土とボーリング標本の照合
C スライム処理後、検尺テープによる掘削長の計測
( 2 )
工種名:鉄筋工事
防ごうとした不具合:
鉄筋継手部の不良
不具合を発生させる要因:
ガス圧接作業の施工不良
実際に行ったこと:
@ 圧接技術者に有資格者を充てる。
A 技量試験の実施。
( 3 )
工種名:コンクリート工事
防ごうとした不具合:
コールドジョイント・ジャンカ
不具合を発生させる要因:
コンクリート打設作業の施工不良
実際に行ったこと:
@連続した打設作業の実施
Aバイブレータの使用
B適正な作業員の配置
( 4 )
工種名:アスファルト防水工事
防ごうとした不具合:
ルーフィング継ぎ目からの漏水
不具合を発生させる要因:
ルーフィング継ぎ目の施工不良
実際に行ったこと:
@ルーフィングシートの継目部の重ね幅の確保
Aルーフドレン回りなどの増張り
B水張り試験の実施
( 5 )
工種名:タイル工事
防ごうとした不具合:
外壁タイルの剥落
不具合を発生させる要因:
密着張り張付けモルタルの施工不良
実際に行ったこと:
@張り付けモルタルは、1回当たりの塗り付け面積を 2m2以下とした。
Aヴィブラートをかけ、モルタルがタイル厚さの1/2以上はみ出るまでとした。
( 6 )
工種名:内装工事(長尺シート張り)
防ごうとした不具合:
床シート継ぎ目部の凹凸
不具合を発生させる要因:
床シート継ぎ目部の溶接作業の施工不良
実際に行ったこと:
@規定の温度で余盛りを確保するように溶接した。
A冷却後、余盛を削り、平滑にした。
(例1)
品質管理の方法:
設計図書の内容を十分に理解した上で、施工計画書、各種施工要領書の作成を行い、それに基づいた確実な施工を実施する。
理由:
施工計画書、施工要領書により、品質管理目標や施工手順が明確化され、作業員に説明する際にも理解が得やすくなり、施工品質の確保、向上につながるため。
(例2)
品質管理の方法:
施工者の定めた品質管理基準により施工し、施工後に品質を目視、試験等で確認する。
理由:
品質管理基準を基に工程ごとに具体的な目標を明示し、施工することで良質な品質を確保できるため。
(例3)
品質管理の方法:
作業員用に工程ごとの品質基準を作成し、毎日の打ち合わせ時に確認することを徹底する。
理由:
当日の作業での品質基準を目標に、作業を進め、品質を確保することができるため。
(例4)
品質管理の方法:
重要工程についてはQC工程表を作成し、実施する。
理由:
管理項目、管理値、注意事項、検査方法等を明示することにより、明確な作業を実施することができ、良好な品質を確保できるため。
用語の説明:
あばら筋とは、梁のせん断補強のために、梁の周方向に配筋される鉄筋をいう。
施工上留意すべき内容:
あばら筋比は0.2%以上とし、あばら筋の間隔は、梁せいの1/2以下、かつ、250mm以下とする。
用語の説明:
鉄骨の梁上など高所作業を行う際に、要求性能墜落制止用器具を取り付けるために設置するロープ、又は、仮設的に張り渡した命綱をかけるたまのワイヤロープをいう。
施工上留意すべき内容:
緩みなく張り、墜落の衝撃に耐えられるように固定する。梁を吊り上げるとき梁の上に仮止めしておく。
用語の説明:
柱や壁などのコンクリート施工に際し、相対する型枠の間隔を一定に保ち締め付けておくためのボルト金物。
施工上留意すべき内容:
コンパネ、Pコンなどと組み合わせて、型枠のコンクリート打設時の形状を保持するために、十分に、打込みコンクリートの側圧に耐える構造強度をもつものとする。
用語の説明:
金属製折板屋根を鉄骨梁に固定するための部材をいう。
施工上留意すべき内容:
タイトフレームは、鉄骨下地に隅肉溶接で取り付け、折板は、各山ごとにタイトフレームに固定する。
金属製折板葺きのタイトフレーム
用語の説明:
コンクリートの打設に際して、コンクリートの圧送開始前に、コンクリートの流動性確保や輸送管内壁の潤滑膜を形成及び吸入・吐出弁内部をシールするために、圧送管内に流し込むモルタルのこと。
施工上留意すべき内容:
圧送の初期に輸送管より排出されるモルタルは極めて低強度のものとなるので、先送りモルタルは、圧送後には廃棄処分とする。先送りモルタルは、富調合なものにする必要がある。
用語の説明:
ヴィブラート(タイル張り用振動機)を用いてタイルに特殊衝撃を加え、タイルをモルタル中に埋め込むようにして張る工法をいう。
施工上留意すべき内容:
張付けモルタルの1回の塗り付け面積は2m2以下、かつ、20分以内に張り終える面積とし、適正な衝撃時間を与えて張り進める。
用語の説明:
継ぎ目のテーパーエッジをジョイントテープジョイントコンパウンドを用いて仕上げる工法。
施工上留意すべき内容:
中塗り、上塗りは各ジョイントコンパウンド乾燥後に行い、平滑に仕上げる。
用語の説明:
そのまま運搬できない鉄骨を分割、搬入し、現場の地上で組み立てることをいう。
施工上留意すべき内容:
鉄骨が直接地面に触れないように架台を設け、寸法精度を確保して組み立てる。
用語の説明:
吹付け塗装とは、専用のスプレーガンを使い塗料を噴射して塗装をする方法をいい、エアレススプレー塗りとは、ポンプにより塗料自体に圧力をかけて噴射する塗装方法をいう。
施工上留意すべき内容:
スプレーガンの運行は、塗り面に直角に向けて平行に行い、塗膜が均一になるように吹き付ける。
用語の説明:
荷重を直接地盤に伝達する直接基礎の一つで、建築物の底面すべてに基礎スラブを構築した形式の基礎をいう。
施工上留意すべき内容:
特に、土に接する部分の所定のかぶり厚さを確保する。また、かぶり厚さには捨てコンクリートの厚さを含めない。
用語の説明:
ワーキングジョイントのシーリング材の3面接着を回避する目的で、深くない目地底に張り付けるテープ状の部分をいう。なお、目地底が深い場合は、バックアップ材を使用する。
施工上留意すべき内容:
ボンドブレーカーは、シーリング材と接着しないものを選び、浮き等が生じないように目地底に確実に張り付ける。
バックアップ材とボンドブレーカー
用語の説明:
木造在来軸組構法において、基礎に土台を締め付ける等のために、基礎に埋め込むボルトをいう。
施工上留意すべき内容:
木造在来軸組構法のアンカーボルトは、隅・柱・土台継手などの位置を避け、2.7m以内の間隔で基礎に埋め込む。
用語の説明:
床コンクリート打設時に、硬化の程度を見計らって直ちに金ゴテなどで仕上げる工法。
施工上留意すべき内容:
コンクリートのスランプは、土間コンクリートでは8〜15cm、鉄筋コンクリートスラブでは12〜18cm程度とする。
用語の説明:
高所作業に用いる移動式足場の通称。枠組足場の脚部にキャスターを付けて移動できるようにした足場。
施工上留意すべき内容:
手すりの設置状態・固定の確認、キャスターの動き・ロック状態の確認、大きな変形(へこみ、曲り)がないことの確認等が必要である。
根切り
[ 解説 ]
土工事・基礎工事の工程は、自立山留め → A → 砂利・捨コンクリート
となっており、Aに該当する作業名は、根切りと判断できる。
3月下旬
[ 解説 ]
鉄骨工事の耐火被覆作業は、鉄骨工事のデッキプレート敷き、スタッド溶接が終わり、外壁工事のALCパネル取付けが終わったところから実施するのが適当である。ALCパネル取付けが3月中旬から開始されているので、耐火被覆作業の開始は、3月下旬頃が適当である。
80%
[ 解説 ]
@スタッド溶接と耐火被覆の出来高を計上する。
設問の出来高表の鉄骨工事の工事金額は、1,100万円である。鉄骨工事の1〜6月の月別出来高は、予定・実績ともに、2月の900万円ずつのみである。1,100万円と900万円の差額 200万円は、計上されていないスタッド溶接と耐火被覆の出来高の合計である。差額200万円を、出来高表の鉄骨工事の3月の予定・実績に計上すると、下記表のようになる。
A各月の総工事金額を求める。次に、各月の総工事金額を求めると、上記表のようになる。
B4月末までの完成出来高の累計を求める。
次に、各月の工事金額の累計を算出し、表の下に記載すると上記表のようになる。
なお、4月末までの完成出来高の累計は、次式で算定される。
4月末までの完成出来高の累計
= 1月の完成出来高 + 2月の完成出来高 + 3月の完成出来高 + 4月の完成出来高
= 1,050 +1,150 + 1,450 +1,150
= 4,800 [ 万円 ]
C 総工事金額に対する 4月末までの完成出来高の累計のパーセントを求める。
総工事金額に対する 4月末までの完成出来高の累計のパーセントは、次式で求まる。
総工事金額に対する 4月末までの完成出来高の累計のパーセント
= 4月末までの完成出来高の累計 / 総工事金額 × 100
= 4,800/6,000 × 100 = 80%
誤ってる番号 正しい語句
B 検査
[ 解説 ]
建設業法
第24条の4(検査及び引渡し)
第1項
元請負人は、下請負人からその請け負った建設工事が完成した旨の通知を受けたときは、当該通知を受けた日から20日以内で、かつ、できる限り短い期間内に、その完成を確認するための検査を完了しなければならない。
誤ってる番号 正しい語句
A 施工者
[ 解説 ]
建築基準法
第90条(工事現場の危害の防止)
第1項
建築物の建築、修繕、模様替又は除却のための工事の施工者は、当該工事の施工に伴う地盤の崩落、建築物又は工事用の工作物の倒壊等による危害を防止するために必要な措置を講じなければならない。
誤ってる番号 正しい語句
A 技能
[ 解説 ]
労働安全衛生法
第61条(就業制限)
第1項
事業者は、クレーンの運転その他の業務で、政令で定めるものについては、都道府県労働局長の当該業務に係る免許を受けた者又は都道府県労働局長の登録を受けた者が行う当該業務に係る技能講習を修了した者その他厚生労働省令で定める資格を有する者でなければ、当該業務に就かせてはならない。
縄張り
[ 解説 ]
建築物の位置を定めるために、建築物の外形と内部の主要な間仕切の中心線上に、縄やビニルひもを張って建築物の位置を地面に表すことを縄張りという。
300
[ 解説 ]
透水性の悪い山砂を埋戻し土に用いる場合の締め固めは、建物躯体等のコンクリート強度が発現していることを確認のうえ、厚さ300mm程度ごとにローラーやタンパーなどで締め固める。
根巻き
[ 解説 ]
柱や壁の型枠を組み立てる場合、足元を正しい位置に固定するために、根巻きを行う。敷桟で行う場合にはコンクリート漏れ防止に、パッキングを使用する方法やプラスチックアングルを使用する方法などがある。
適当である
[ 解説 ]
高力ボルトの締付けは、ナットの下に座金を敷き、ナットを回転させることにより行う。ナットは、ボルトに取付け後に等級の表示記号が外側から見える向き(表)に取り付ける。
高力ボルトとナット
1.8
[ 解説 ]
JISによる建築用鋼製下地材を用いた軽量鉄骨天井下地工事において、天井のふところが1.5m以上3m以下の場合は、吊りボルトの水平補強、斜め補強を行う。水平補強の補強材の間隔は、縦横方向に1.8m程度の間隔で配置する。
貧調合
[ 解説 ]
壁下地に用いるセメントモルタルを現場調合とする場合、上塗りモルタルの調合は、下塗りモルタルに比べ貧調合とする。セメントモルタルの貧調合とは、セメント分の割合の少ないモルタルの調合をいい、富調合とは、セメント分の割合の多いモルタルの調合をいう。
使用量
[ 解説 ]
塗装工事において、所定の塗膜厚さを得られているか否かを確認する方法として、塗料の使用量から塗装した面積当たりの塗料の塗付け量を推定する方法や、専用測定器により膜厚を測定する方法がある。
適当である
[ 解説 ]
断熱工事における吹付け硬質ウレタンフォームの吹付け工法の主な特徴として、窓回りなど複雑な形状の場所への吹付けが容易なこと、継ぎ目のない連続した断熱層が得られること、平滑な表面を得にくいこと、施工技術が要求されることなどがあげられる。
@ テープ合わせ
A 50
[ 解説 ]
墨出し等に用いる鋼製巻尺は、工事着手前にテープ合わせを行い、同じ精度を有する鋼製巻尺を2本以上用意して、1本は基準鋼製巻尺として保管する。テープ合わせの際には、それぞれの鋼製巻尺に一定の張力を与えて、相互の誤差を確認するが、特に規定しない場合は、通常 50Nの張力とする。
B 京呂組
C ◯
[ 解説 ]
束立て小屋組の中で、小屋梁を軒桁の上に乗せかけるかけ方を京呂組という。折置組とは、柱の上に小屋梁をのせ、その上に軒桁を取り付けるかけ方をいう。母屋の断面寸法は 90mm角を標準とする。
D ◯
E 25
[ 解説 ]
鉄筋相互のあきは、鉄筋とコンクリートの間の付着による応力の伝達が十分に行われ、コンクリートが分離することなく密実に打ち込まれるために必要なものである。鉄筋相互のあきの最小寸法は、隣り合う鉄筋の平均径(呼び名の数値)の1.5倍、粗骨材最大寸法の1.25倍、25mmのうちで、最も大きい値以上とする。
鉄筋相互のあきと間隔
F 開始
G 90
[ 解説 ]
レディーミクストコンクリートの運搬時間は、JISにおいて、コンクリートの練混ぜ開始からトラックアジテータが荷卸し地点に到着するまでの時間として90分以内と規定されている。また、コンクリートの練混ぜ開始から工事現場での打込み終了までの時間は、外気温が25℃未満で120分以内、25℃以上で 90分以内とする。
打込み継続中の打重ね時間の間隔限度は、外気温が25℃未満のときは150分以内、25℃以上のときは120分以内を目安とし、先に打ち込まれたコンクリートの再振動が可能な時間内とする。
@ 200
A 沈める
[ 解説 ]
改質アスファルトシート防水トーチ工法・露出仕様の場合、出隅及び入隅には、改質アスファルトシートの張付けに先立ち、幅200mm程度の増張り用シートを張り付ける。露出用改質アスファルトシートの幅方向の接合部などで、下側のシートの砂面に上側のシートを接合するときには、下側のシートの砂面をあぶって砂を沈めるか、砂をかき取ってから、上側シートの裏面を十分にあぶって重ね合わせる。
B 60
C ◯
[ 解説 ]
有機系接着剤による外壁陶磁器質タイル張りにおいては、作業の途中に、張り付けた直後のタイルを1枚はがしてみて、タイル裏面に対して接着剤が60%以上の部分に接着しており、かつ、タイル裏の全面に均等に接着していることを確認した後、次のタイルの張付け作業にかかる。
D 600
E 尾垂れ
[ 解説 ]
重ね形折板を用いた折板葺においては、折板をタイトフレームに固定した後、折板の重ね部を600mm程度の間隔で緊結ボルト止めを行う。軒先の水切れを良くするために尾垂れを付ける場合は、つかみ箸等で軒先先端の溝部分を15°程度折り下げる。
折板屋根の尾垂れ
F ◯
G むくり
[ 解説 ]
軽量鉄骨天井下地の水平精度は、一般に、基準レベルに対して±10mm以下、水平距離3mに対して±3mm以下程度とされている。平らな天井の場合、目の錯覚で中央部が下がって見えることがある。そのため、天井の中央部を基準レベルよりも吊り上げる。この方法をむくりという。