実地試験 解答・解説
平成30年11月11日(日)
問題1
あなたが経験した建築工事のうち、あなたの受検種別に係る工事の中から、品質管理を行った工事を1つ選び、工事概要を具体的に記入した上で、次の1.から2.の問いに答えなさい。
なお、建築工事とは、建築基準法に定める建築物に係る工事とし、建築設備工事を除くものとする。
イ.工事名
ロ.工事場所
ハ.工事の内容
新築等の場合:建物用途、構造、階数、延べ面積又は施工数量、
主な外部仕上げ、主要室の内部仕上げ
改修等の場合:建物用途、建物規模、主な改修内容及び施工数量
ニ.工期(年号又は西暦で年月まで記入)
ホ.あなたの立場
へ.業務内容
1.工事概要であげた工事であなたが担当した工種において、品質を確保するためにあなたが防ごうとした不具合とその不具合を発生させる要因、その不具合の発生を防ぐためにあなたが実際に行ったことを、工種名をあげて3つ具体的に記述しなさい。
ただし、3つの実際に行ったことはそれぞれ異なる内容とし、「設計図書どおりに施工した。」など行ったことが具体的に記述されていないもの、品質管理以外の工程管理、安全管理などについて記述したものも不可とする。
なお、工種名については、同一の工種名でなくてもよい。
解答試案
( 1 )
工種名:場所打ちコンクリート杭工事
防ごうとした不具合:
杭が支持層に達していない
不具合を発生させる要因:
施工不良による掘削長不足
実際に行ったこと:
@支持層と杭掘削長の確認
Aアースドリルの先端トルク値及び掘削長の確認
Bドリル先端付着土とボーリング標本の照合
C スライム処理後、検尺テープによる掘削長の計測
( 2 )
工種名:鉄筋工事
防ごうとした不具合:
鉄筋継手部の不良
不具合を発生させる要因:
ガス圧接作業の施工不良
実際に行ったこと:
@ 圧接技術者に有資格者を充てる。
A 技量試験の実施。
( 3 )
工種名:コンクリート工事
防ごうとした不具合:
コールドジョイント・ジャンカ
不具合を発生させる要因:
コンクリート打設作業の施工不良
実際に行ったこと:
@連続した打設作業の実施
Aバイブレータの使用
B適正な作業員の配置
( 4 )
工種名:アスファルト防水工事
防ごうとした不具合:
ルーフィング継ぎ目からの漏水
不具合を発生させる要因:
ルーフィング継ぎ目の施工不良
実際に行ったこと:
@ルーフィングシートの継目部の重ね幅の確保
Aルーフドレン回りなどの増張り
B水張り試験の実施
( 5 )
工種名:タイル工事
防ごうとした不具合:
外壁タイルの剥落
不具合を発生させる要因:
密着張り張付けモルタルの施工不良
実際に行ったこと:
@張り付けモルタルは、1回当たりの塗り付け面積を 2m2以下とした。
Aヴィブラートをかけ、モルタルがタイル厚さの1/2以上はみ出るまでとした。
( 6 )
工種名:内装工事(長尺シート張り)
防ごうとした不具合:
床シート継ぎ目部の凹凸
不具合を発生させる要因:
床シート継ぎ目部の溶接作業の施工不良
実際に行ったこと:
@規定の温度で余盛りを確保するように溶接した。
A冷却後、余盛を削り、平滑にした。
2.工事概要であげた工事及び受検種別にかかわらず、あなたの今日までの建築工事の経験に照らし、品質管理の担当者として、品質の良い建物を造るための品質管理の方法や手段と、その方法や手段が有効だと考える理由を、2つ具体的に記述しなさい。
ただし、品質管理の方法や手段が同一のもの及び1.の実際に行ったことと同一のものは不可とする。
解答試案
(例1)
品質管理の方法:
設計図書の内容を十分に理解した上で、施工計画書、各種施工要領書の作成を行い、それに基づいた確実な施工を実施する。
理由:
施工計画書、施工要領書により、品質管理目標や施工手順が明確化され、作業員に説明する際にも理解が得やすくなり、施工品質の確保、向上につながるため。
(例2)
品質管理の方法:
施工者の定めた品質管理基準により施工し、施工後に品質を目視、試験等で確認する。
理由:
品質管理基準を基に工程ごとに具体的な目標を明示し、施工することで良質な品質を確保できるため。
(例3)
品質管理の方法:
作業員用に工程ごとの品質基準を作成し、毎日の打ち合わせ時に確認することを徹底する。
理由:
当日の作業での品質基準を目標に、作業を進め、品質を確保することができるため。
(例4)
品質管理の方法:
重要工程についてはQC工程表を作成し、実施する。
理由:
管理項目、管理値、注意事項、検査方法等を明示することにより、明確な作業を実施することができ、良好な品質を確保できるため。
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