【 応用能力問題 】
■ 仕上工事 ■
( 1 )
屋上アスファルト防水工事に関する記述として、不適当なものを2つ選べ。(令和4年後期_No.41)
1.ルーフィング類は、水上部分から張り付け、継目の位置が上下層で同一箇所にならないようにした。
2.ルーフドレン回りの増張りに用いるストレッチルーフィングは、ドレンのつばに100mm程度張り掛けた。
3.保護コンクリートの動きによる立上り防水層の損傷を防止するため、成形緩衝材を立上り入隅部に取り付けた。
4.保護コンクリートの伸縮調整目地の深さは、保護コンクリートの厚さの1/2とした。
答え
1,4
[ 解答解説 ]
1.×
ルーフィング類は、継目の位置が上下層で同一箇所にならないようにして、水下側から張り付ける。(公共建築工事標準仕様書建築工事編 9.2.4(4)(イ)(c)(d))
2.◯
ルーフドレン回りの増張りは幅 300mm以上、ドレンつばには100mm程度張り掛ける。(同仕様書同編 9.2.4(4)(エ)(b))
3.◯
保護コンクリートの動きによる防水層の損傷を防ぐため、断熱層の有無にかかわらず入隅部には成形緩衝材を用いる。(同仕様書同編 9.2.5(1))
4.×
保護コンクリートの伸縮調整目地の深さは、保護コンクリートの厚さの全部とする。(建築工事監理指針)
( 2 )
ウレタンゴム系塗膜防水に関する記述として、不適当なものを2つ選べ。(令和4年前期_No.41)
1.下地コンクリートの入隅を丸面、出隅を直角に仕上げた。
2.防水層の施工は、立上り部、平場部の順に施工した。
3.補強布の張付けは、突付け張りとした。
4.仕上塗料は、刷毛とローラー刷毛を用いてむらなく塗布した。
答え
1,3
[ 解答解説 ]
1.×
ウレタンゴム系塗膜防水仕上げの下地コンクリートは、入隅を直角とし、出隅を面取りとする必要がある。
2.◯
防水層の施工順序は、立上がり部 → 平場部 である。
3.×
補強布は突付けとせずに、重ねる必要がある。重ね幅は、50mm以上とする。
4.◯
仕上塗料は、刷毛とローラー刷毛を用いてむらなく塗布する。また、仕上塗料は、攪拌機を用いて十分練り混ぜる。
( 3 )
セメントモルタルによるタイル後張り工法に関する記述として、不適当なものを2つ選べ。(令和3年後期_No.41)
1.密着張りにおいて、タイルの張付けは、下部から上部にタイルを張った。
2.改良積上げ張りにおいて、小口タイルの張付けは、1日の張付け高さを1.5mとした。
3.モザイクタイル張りのたたき押えは、紙張りの目地部分がモルタルの水分で濡れてくるまで行った。
4.改良圧着張りにおいて、張付けモルタルの1回に塗り付ける面積は、タイル工1人当たり3m2とした。
答え
1,4
[ 解答解説 ]
1.×
密着張りにおいて、タイルの張付けは、上部から下部に水糸に合わせタイルを張り、その間を埋めるように張る。
2.◯
改良積上げ張りにおいて、小口タイルの張付けは、剥離を防止するため、1日の張付け高さを1.5m程度とする。
3.◯
モザイクタイル張りのたたき押えは、全面にわたって十分に行う必要があるが、その目安は、タイル目地に盛り上がった張付けモルタルの水分で、紙張りの目地部分が濡れてくることによって判断する。(建築工事監理指針)
4.×
改良圧着張りにおいては、張付けモルタルの1回に塗り付ける面積は、タイル工1人当たり1.8m2程度とする。
( 4 )
塗装における素地ごしらえに関する記述として、不適当なものを2つ選べ。(令和4年前期_No.42)
1.木部面に付着した油汚れは、溶剤で拭き取った。
2.木部の節止めに、ジンクリッチプライマーを用いた。
3.鉄鋼面の錆及び黒皮の除去は、ブラスト処理により行った。
4.鉄鋼面の油類の除去は、錆を除去した後に行った。
答え
2,4
[ 解答解説 ]
1.◯
木部面に付着した油汚れは、溶剤を用いて拭き取る。
2.×
木部の節止めには、木部下地塗り用調合ペイントを使用する。日本建築学会材料規格 JASS18M-304の品質に適合するものとし、木質系素地ごしらえの節止めに適用する。
3.◯
鉄鋼面の錆及び黒皮は、サンドブラストなどにより除去する。なお、サンドブラストとは、表面に砂などの研磨材を吹き付けて表面処理を行う工法をいう。
4.×
鉄鋼面の油類の除去は、錆の除去の前に行う。鉄鋼面の素地ごしらえの施工手順は、汚れ、付着物の除去 → 油類除去 → 錆の除去である。
( 5 )
塗装工事に関する記述として、不適当なものを2つ選べ。(令和3年後期_No.42)
1.強溶剤系塗料のローラーブラシ塗りに、モヘアのローラーブラシを用いた。
2.オイルステイン塗りの色濃度の調整は、シンナーによって行った。
3.モルタル面の塗装に、合成樹脂調合ペイントを用いた。
4.壁面をローラーブラシ塗りとする際、隅やちり回りなどは、小刷毛を用いて先に塗布した。
答え
1,3
[ 解答解説 ]
1.×
モヘアとは、天然繊維である獣毛の一つであるアンゴラ山羊の毛をいう。モヘアのローラーブラシは、強溶剤系の塗料には不適である。強溶剤系の塗料には、ウール(羊毛)などが用いられる。
2.◯
オイルステイン、油溶性染料をシンナー等で溶融して、少量の油ワニス又は合成樹脂ワニスを添加した着色剤である。よって、色濃度の調整に、シンナーを使用しても問題はない。
3.×
合成樹脂調合ペイントは、塗膜の耐アルカリ性が劣るため、コンクリート、モルタル等のアルカリ性素地の塗装には使用できない。(建築工事監理指針)
4.◯
ローラーブラシ塗りの、隅やちり回りなどは、小刷毛や専用ローラーを用いて先行して塗る。
( 6 )
仕上塗材仕上げに関する記述として、不適当なものを2つ選べ。(令和3年前期_No.41)
1.各工程ごとに用いる下塗材、主材及び上塗材は、同一製造所のものとした。
2.仕上塗材の所要量は、被仕上塗材仕上面の単位面積に対する希釈前の仕上塗材の使用質量から算出した。
3.屋外や室内の湿潤になる場所の下地調整に用いるパテは、合成樹脂エマルションパテを使用した。
4.シーリング面への仕上塗材仕上げは、シーリング材の硬化前に行った。
答え
3,4
[ 解答解説 ]
1.◯
各工程ごとに用いる下塗材、主材及び上塗材は、同一製造所のものを使用する。
2.◯
仕上塗材を施工する場合の所要量とは、被仕上塗材仕上面の単位面積に対する仕上塗材(希釈する前)の使用質量と定義されている。
3.×
屋外や室内の湿潤になる場所の下地調整には、耐水性のない合成樹脂エマルションパテではなく、耐水性のある塩化ビニル樹種系パテなどを用いる。
4.×
シーリング面への仕上塗材仕上げは、塗重ね適合性を確認してから、シーリング材が硬化した後に実施する。
( 7 )
ビニル床シート張りの熱溶接工法に関する記述として、不適当なものを2つ選べ。(令和4年後期_No.42)
1.張付け用の接着剤は、所定のくし目ごてを用いて均一に塗布した。
2.シートの張付けは、空気を押し出すように行い、その後ローラーで圧着した。
3.継目の溝切りは、シート張付け後、接着剤が硬化する前に行った。
4.溶接継目の余盛りは、溶接直後に削り取った。
答え
3,4
[ 解答解説 ]
1.◯
張付けは、接着材の所定のくし目ごてを用いて下地面へ均一に塗布し、空気だまり、不陸、目違いなどのないように、べた張りとする。(公共建築工事標準仕様書建築工事編 19.2.3(2)(イ)(b))
2.◯
シートの張付けは、空気を押し出すように行い、その後ローラーなどで接着面に気泡が残らないように圧着する。(建築工事監理指針)
3.×
はぎ目及び継目の溝切りは、ビニル床シート張付け後、接着剤が硬化した状態を見計らい、溝切りカッター等を用いて行う。(公共建築工事標準仕様書建築工事編 19.2.3(2)(ウ)(a))
4.×
熱溶接工法における溶接継目の余盛は、溶接部が完全に冷却した後、削りとって平滑にする。(同仕様書同編 19.2.3(2)(ウ)(d))
( 8 )
床のフローリングボード張りに関する記述として、不適当なものを2つ選べ。(令和3年前期_No.42)
1.フローリングボードに生じた目違いは、パテかいにより平滑にした。
2.フローリングボード張込み後、床塗装仕上げを行うまで、ポリエチレンシートを用いて養生をした。
3.フローリングボードの下張り用合板は、長手方向が根太と直交するように割り付けた。
4.隣り合うフローリングボードの木口の継手位置は、すべて揃えて割り付けた。
答え
1,4
[ 解答解説 ]
1.×
フローリングボードの継手は、乱に配置されている。もともと目違いである。
2.◯
張り込み後、ポリエチレンシート等を敷き、傷、汚れ、しみ、狂いを防ぎ、雨等がかからないようにする。
3.◯
下張り用合板は、長手方向が根太と直交するように割り付け、ゆるみ、がたつき、きしみ音がないように張り込む。
4.×
隣り合うフローリングボードの小口の継手位置は、揃えずに乱して割り付ける。