【 躯体工事 】
■ 在来軸組構法 ■
( 1 )
在来軸組構法における木工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。(令和4年前期_No.22)
1.土台の継手は腰掛けあり継ぎとし、継手付近の下木をアンカーボルトで締め付けた。
2.和小屋組の棟木や母屋には、垂木を取り付けるため、垂木当たり欠きを行った。
3.隅通し柱の仕口は土台へ扇ほぞ差しとし、ホールダウン金物を用いてボルトで締め付けた。
4.床束の転倒やずれを防止するため、床束の相互間に根がらみ貫を釘で打ち付けた。
答え
1
[ 解答解説 ]
1.×
土台の継手は、腰掛けかま継ぎとし、上木となる方をアンカーボルトで締め付ける。
腰掛けあり継ぎ
腰掛けかま継ぎ
2.◯
和小屋組の棟木や母屋には、垂木当たり欠きをして、垂木を取り付ける。当たり欠きとは、部材取付け部に設ける切り欠きをいう。
3.◯
通し柱とは、2階以上の木造建物で土台から軒桁まで1本の材で通した柱のことである。隅柱は特に引き抜き力が作用するので、土台へ扇ほぞ差しとし、ホールダウン金物を用いてボルトで締めとする。
扇ほぞ
4.◯
床束とは、床を支え、大引きの下部に取り付けられる部材である。床束の転倒やずれを防止するため、床束相互間に根がらみ貫と呼ばれる床束を固定するための部材を釘で打ち付け、固定する必要がある。
( 2 )
在来軸組構法における木工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。(令和3年前期_No.21)
1.せいが異なる胴差の継手は、受材心より150mm程度持ち出し、腰掛けかま継ぎとし、ひら金物両面当て釘打ちとした。
2.束立て床組の大引の継手は、床束心で腰掛けあり継ぎとし、釘打ちとした。
3.筋かいと間柱の交差する部分は、間柱を筋かいの厚さだけ欠き取って筋かいを通した。
4.ラグスクリューのスクリュー部の先孔の径は、スクリュー径の70%程度とした。
答え
2
[ 解答解説 ]
1.◯
せいが異なる胴差の継手は、受材心より150mm程度持ち出し、腰掛けかま継ぎとし、接合金物は、短ざく金物当てボルト締め、又は、ひら金物両面当て釘打ちのいずれかとする。
2.×
束立て床組の大引の継手は突付けとし、床束心より150mm程度離し釘打ちとする。
3.◯
筋かいには、欠込みをしてはならない。(建築基準法施行令第45条第4項本文)。したがって、筋かいと間柱の交差する部分は、間柱の方を、筋かいの厚さだけ欠き取って筋かいを通す。
4.◯
スクリュー部の孔あけは、スクリュー径の50〜70%程度と、その長さはスクリュー部長さと同じとする。(公共建築木造工事標準仕様書)
( 3 )
在来軸組構法における木工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。(令和2年後期_No.24)
1.土台の継手は腰掛けあり継ぎとし、継手付近の下木をアンカーボルトで締め付けた。
2.隅通し柱の仕口は土台へ扇ほぞ差しとし、ホールダウン金物を用いてボルトで締め付けた。
3.建入れ直し完了後、接合金物や火打材を固定し、本筋かいを取り付けた。
4.垂木の継手は母屋の上でそぎ継ぎとし、釘で取り付けた。
答え
1
[ 解答解説 ]
1.×
土台の継手は、腰掛けかま継ぎとし、上木となる方をアンカーボルトで締め付ける。
2.◯
通し柱とは、2階以上の木造建物で土台から軒桁まで1本の材で通した柱のことである。隅柱は特に引き抜き力が作用するので、土台へ扇ほぞ差しとし、ホールダウン金物当てボルトで締めとする。
3.◯
建入れ直し後に、接合金物や火打材を固定し、本筋かいを取り付ける。
4.◯
垂木の継手は、母屋の上でそぎ継ぎとし、釘打ちとする。
( 4 )
在来軸組構法の木工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。(令和元年後期_No.24)
1.土台を固定するアンカーボルトは、土台の両端部や継手の位置、耐力壁の両端の柱に近接した位置に設置した。
2.柱に使用する心持ち材には、干割れ防止のため、見え隠れ部分に背割りを入れた。
3.根太の継手は、大引の心を避けて突付け継ぎとし、釘打ちとした。
4.軒桁の継手は、柱心から持ち出して、追掛け大栓継ぎとした。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
土台を固定するアンカーボルトは、土台の両端部や継手の位置、耐力壁の両端の柱に近接した位置に設置する。(木造住宅工事仕様書:住宅金融支援機構)
2.◯
心持ち材とは、樹木の中心部を含んだ木材をいう。干割れとは、乾燥によるひび割れをいう。背割りとは、干割れを防ぐために、予め目立たないところに入れる割りをいう。柱に使用する心持ち材には、干割れ防止のため、見え隠れ部分に背割りを入れる。
3.×
根太の継手は、大引の心で受けて突付け継ぎとし、釘打ちとした。(木造住宅工事仕様書:住宅金融支援機構)
4.◯
軒桁の継手は、梁を受ける柱間を避け、柱心から持ち出して、追掛け大栓継ぎ、腰掛けかま継ぎ又は腰掛けあり継ぎとする。(木造住宅工事仕様書:住宅金融支援機構)
( 5 )
在来軸組構法の木工事における継手の図の名称として、不適当なものはどれか。(令和元年前期_No.23)
1.目違い継ぎ
2.そぎ継ぎ
3.腰掛け蟻継ぎ
4.台持ち継ぎ
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
設問の図は目違い継ぎである。
2.◯
設問の図はそぎ継ぎである。
3.×
設問の図は腰掛けかま継ぎである。腰掛け蟻継ぎは次のとおりである。
4.◯
設問の図は台持ち継ぎである。
( 6 )
在来軸組構法の木工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。(平成30年後期_No.23)
1. 建入れ直し完了後、接合金物を締め付けるとともに、本筋かい、火打材を固定した。
2. 内装下地や造作部材の取付けは、屋根葺き工事が終わってから行った。
3. 土台の据付けは、遣方の心墨や逃げ墨を基準とした。
4. 火打梁は、柱と梁との鉛直構面の隅角部に斜めに入れた。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
本筋かい、火打材は、建入れ直し完了後、接合金物を締め付けた後に固定する。
2.◯
一般的に、内装工事は屋根工事が終わってから行う。
3.◯
土台の据付けは、遣方の心墨や逃げ墨を基準とする。
4.×
火打梁とは、梁と梁や梁と胴差などの水平構面の隅角部に斜めに入れるものである。
( 7 )
在来軸組構法における木工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。(平成30年前期_No.24)
1.せいが異なる胴差の継手は、受材心より150mm程度持ち出し、腰掛けかま継ぎとし、ひら金物両面当て釘打ちとした。
2.土台の継手は、腰掛けあり継ぎとし、下木となる方をアンカーボルトで締め付けた。
3.垂木の継手は、母屋の上でそぎ継ぎとし、釘打ちとした。
4.大引の継手は、床束心から150mm程度持ち出し、腰掛けあり継ぎとし、釘打ちとした。
答え
2
[ 解答解説 ]
1.◯
せいが異なる胴差の継手は、受材心より150mm程度持ち出し、腰掛けかま継ぎとし、接合金物は、短ざく金物当てボルト締め、又は、ひら金物両面当て釘打ちのいずれかとする。
2.×
土台の継手は、腰掛けかま継ぎとし、上木となる方をアンカーボルトで締め付ける。
3.◯
垂木の継手は、母屋の上でそぎ継ぎとし、釘打ちとする。
4.◯
大引の継手は、床束心から150mm程度持ち出し、腰掛けあり継ぎとし、釘打ちとする。
-
no image