2023年03月17日
2級建築施工管理技士 施工 躯体工事 鉄筋工事 練習問題
【 躯体工事 】
■ 鉄筋工事 ■
( 1 )
鉄筋のかぶり厚さに関する記述として、最も不適当なものはどれか。(令和3年前期_No.19)
1.設計かぶり厚さは、最小かぶり厚さに施工精度に応じた割増しを加えたものである。
2.かぶり厚さの確保には、火災時に鉄筋の強度低下を防止するなどの目的がある。
3.外壁の目地部分のかぶり厚さは、目地底から確保する。
4.屋内の耐力壁は、耐久性上有効な仕上げがある場合とない場合では、最小かぶり厚さが異なる。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
かぶり厚さとは、コンクリート表面から鉄筋までの距離をいう。設計かぶり厚さとは、最小かぶり厚さに施工精度に応じた割増しを加えたものをいう。
2.◯
かぶり厚さの確保には、火災時の熱による鉄筋の強度低下を防止するなどの目的がある。
3.◯
外壁の目地部分のかぶり厚さは、目地底からの距離確保する。
4.×
屋内耐力壁の仕上げがある場合とない場合の最小かぶり厚さの規定値は、30mmであるので同じである。屋外側の最小かぶり厚さは、屋内側の最小かぶり厚さ + 10mmであるが、耐久性上有効な仕上げがある場合には、−10mmとする(屋内側の最小かぶり厚さと同じ)ことができる。但し、品確法の劣化対策等級を取得する場合は、減じることができない。
*耐久性上有効な仕上げとは、タイル張り(セメントモルタルによるあと張り)、10mm以上のモルタル塗り、10mm以上のモルタル塗り
( 2 )
鉄筋の継手及び定着に関する記述として、最も不適当なものはどれか。(令和2年後期_No.20)
1.耐圧スラブが付く基礎梁主筋の継手の位置は、上端筋、下端筋ともスパンの中央部とする。
2.一般階の大梁の下端筋を柱内に折り曲げて定着する場合は、原則として曲げ上げる。
3.鉄筋の重ね継手の長さは、コンクリートの設計基準強度の相違により異なる場合がある。
4.フック付き定着とする場合の定着の長さは、定着起点からフックの折曲げ開始点までの距離とする。
答え
1
[ 解答解説 ]
1.×
鉄筋の継手は、部材に生じる曲げ応力の圧縮側に設ける。したがって、下からの地盤反力を受ける基礎梁主筋の継手の位置は、上端筋はスパンの両眼部、下端筋はスパンの中央部とする。
2.◯
一般階の大梁の下端筋を柱内に折り曲げて定着する場合は、原則として曲げ上げとする。
3.◯
鉄筋の重ね継手の長さは、コンクリートの設計基準強度の違いにより異なる場合がある。(公共建築工事標準仕様書)
4.◯
フック付き定着とする場合の定着の長さは、定着起点からフックの折曲げ開始点までの距離とし、フックの折曲げ開始点から末端までの長さは含まない。
( 3 )
異形鉄筋の加工に関する記述として、最も不適当なものはどれか。(令和元年後期_No.20)
1.鉄筋の加工寸法の表示及び計測は、突当て長さ(外側寸法)を用いて行う。
2.鉄筋の種類と径が同じ帯筋とあばら筋は、折曲げ内法直径の最小値は同じである。
3.壁の開口部補強筋の末端部には、フックを付けなければならない。
4.鉄筋の折曲げ加工は、常温で行う。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
鉄筋の加工寸法の表示及び計測は、次の図のように突当て長さ(外側寸法)を用いる。
2.◯
折曲げ内法直径の最小値は、鉄筋の種類と径が同じならば、帯筋とあばら筋で同じである。(公共建築工事標準仕様書 建築工事編5章鉄筋工事)
3.×
建築基準法施行令第73条第1項につぎのように規定されている。「鉄筋の末端は、かぎ状に折り曲げて、コンクリートから抜け出ないように定着しなければならない。ただし、次の各号に掲げる部分以外の部分に使用する異形鉄筋にあっては、その末端を折り曲げないことができる。
一 柱及びはり(基礎ばりを除く。)の出すみ部分
二 煙突 」
壁の開口部補強筋の末端部は、フックを付けなければならないものに該当しない。
4.◯
鉄筋の折曲げ加工は、常温で加工(冷間加工)して組み立てる。
( 4 )
鉄筋のかぶり厚さに関する記述として、最も不適当なものはどれか。(令和元年前期_No.19)
1. 大梁の最小かぶり厚さは、梁主筋の外側表面から確保する。
2. D 29 以上の梁主筋のかぶり厚さは、主筋の呼び名に用いた数値の 1.5 倍以上とする。
3. 直接土に接する梁と布基礎の立上り部のかぶり厚さは、ともに 40mm 以上とする。
4. 杭基礎におけるベース筋の最小かぶり厚さは、杭頭から確保する。
答え
1
[ 解答解説 ]
1.×
大梁の最小かぶり厚さは、あばら(スターラップ)筋の外側表面から確保する。
2.◯
D 29 以上の柱及び梁主筋のかぶり厚さは、主筋の呼び名に用いた数値の 1.5 倍以上とする。
3.◯
建築基準法施行令第79条第1項に次のように規定されている。「鉄筋に対するコンクリートのかぶり厚さは、耐力壁以外の壁又は床にあっては 2cm以上、耐力壁、柱又ははりにあっては 3cm以上、直接土に接する壁、柱、床若しくははりと布基礎の立上り部分にあっては 4cm以上、基礎(布基礎の立上り部分を除く。)にあっては捨てコンクリートの部分を除いて 6cm以上としなければならない。」
したがって、直接土に接する梁と布基礎の立上り部のかぶり厚さは、ともに 40mm以上とする。
JASS5では鉄筋の施工誤差を考慮して、上記数値に +10mmとした値を設計かぶり厚さとして規定されている。
4.◯
前項の同法施行令第79条第1項のとおり、「基礎(布基礎の立上り部分を除く。)にあっては捨てコンクリートを除いて 6cm以上としなければならない。」したがって、杭基礎におけるバース筋の最小かぶり厚さは、杭頭(杭天端)からの距離を確保する。
( 5 )
鉄筋のかぶり厚さに関する記述として、最も不適当なものはどれか。(平成30年後期_No.19)
1. かぶり厚さの確保には、火災時に鉄筋の強度低下を防止するなどの目的がある。
2. 外壁の目地部分のかぶり厚さは、目地底から確保する。
3. 設計かぶり厚さは、最小かぶり厚さに施工精度に応じた割増しを加えたものである。
4. 柱の最小かぶり厚さは、柱主筋の外側表面から確保する。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
かぶり厚さが小さいと、火災時に鉄筋の構造耐力が低下したり、過大なたわみや変形を生じたりするほか、地震時に鉄筋のコンクリートに対する付着性能が低下し、付着割裂破壊等の脆弱破壊を生じたりする。また、コンクリートの中性化がかぶり厚さ以上に進行すると、酸素と水分の作用によって鉄筋が腐食されやすくなる。それらのことを防止することが目的である。
2.◯
外壁の目地部分のかぶり厚さは、目地底から確保する。
3.◯
設計かぶり厚さは、最小かぶり厚さに施工精度に応じた割増しを加えたものである。JASS5では、最小かぶり厚さ + 10mmとなっている。
4.×
柱の最小かぶり厚さは、帯筋(フープ筋)の外側確保する。柱主筋の外側表面からでは、帯筋径の分、不足する。
( 6 )
鉄筋の継手及び定着に関する記述として、最も不適当なものはどれか。(平成30年前期_No.20)
1.耐圧スラブ付きの基礎梁下端筋の継手位置は、スパンの中央部とする。
2.スパイラル筋の柱頭及び柱脚の端部は、40d(dは異形鉄筋の呼び名の数値又は鉄筋径)の定着をとる。
3.フック付き定着とする場合の定着長さは、定着起点からフックの折曲げ開始点までの距離とする。
4.梁主筋を重ね継手とする場合、隣り合う継手の中心位置は、重ね継手長さの約0.5倍ずらすか、1.5倍以上ずらす。
答え
2
[ 解答解説 ]
1.◯
耐圧スラブ付きの基礎梁下端筋の継手位置は、スパンの中央部とする。
2.×
スパイラル筋の柱頭及び柱脚の端部は、1.5巻以上とし端部は135°フック、余長6d(角形柱はコーナー部)とする。
90°フックの場合は、余長12d(8dではないので注意する。)
3.◯
フック付き定着とする場合の定着長さは、定着起点からフックの折曲げ開始点までの距離とする。
4.◯
梁主筋を重ね継手とする場合、隣り合う継手の中心位置は、重ね継手長さの約0.5倍ずらすか、1.5倍以上ずらす。
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