【 躯体工事 】
■ コンクリート工事 ■
( コンクリートの調合 )
( 1 )
コンクリートの調合に関する記述として、最も不適当なものはどれか。(令和2年後期_No.22)
1.耐久性を確保するためには、水セメント比は小さいほうがよい。
2.スランプの大きいコンクリートでは、細骨材率が小さすぎると分離しやすくなる。
3.スランプは、工場出荷時における値を指定する。
4.AE減水剤を用いると、所定のスランプを得るのに必要な単位水量を減らすことができる。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
水セメント比とは、フレッシュコンクリート中のセメントに対する水の重量比をいう。水セメント比は、耐久性を確保するためには、できるだけ小さいほうがよい。
2.◯
スランプとは、スランプ試験により求められる値で、フレッシュコンクリートの流動性を示す指標である。細骨材率とは、フレッシュコンクリート中の骨材(砂利と砂)に対する細骨材(砂)の容積比をいう。スランプの大きいコンクリートにおいて細骨材率が小さいと、フレッシュコンクリート中の材料が分離しやすくなる。
3.×
スランプは、荷卸し時点における値を指定する。
4.◯
AE減水剤とは、フレッシュコンクリートに混ぜあわされる混和剤の一つで、所定のスランプを得るのに必要な単位水量を低減することができる。なお、単位水量とは、単位体積のフレッシュコンクリート中に含まれる水の質量である。
( 2 )
コンクリートの調合に関する記述として、最も不適当なものはどれか。(令和元年前期_No.21)
1. コンクリートに含まれる塩化物は、原則として塩化物イオン量で 0.30 kg/m3 以下とする。
2. 単位セメント量は、水和熱及び乾燥収縮によるひび割れを防止する観点からは、できるだけ少なくする。
3. 単位水量は、最大値を 185 kg/m3 とし、所定の品質が確保できる範囲内で、できるだけ少なくする。
4. 細骨材率は、乾燥収縮によるひび割れを少なくするためには、高くする。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
コンクリートに含まれる塩化物は、鉄筋の腐食原因となるので、原則として塩化物イオン量で 0.30 kg/m3 以下とする。
2.◯
コンクリート 1m3当たりのセメント量である単位セメント量 [ kg/m3 ] は、水和熱及び乾燥収縮によるひび割れを防止する観点からは、できるだけ少なくする。
3.◯
コンクリート 1m3当たり水の質量 [ kg/m3 ]である単位水量は、最大値を 185 kg/m3 とし、所定の品質が確保できる範囲内で、できるだけ少なくする。
4.×
細骨材率とは、全骨材(砂、砂利)に対する細骨材(砂)の溶接比をいい、細骨材率が高い、すなわち、骨材に占める砂の割合が多いと、乾燥収縮によるひび割れしやすい。したがって、乾燥収縮によるひび割れを少なくするためには、細骨材率を低くする。
( 3 )
コンクリートの調合に関する記述として、最も不適当なものはどれか。(平成30年前期_No.22)
1.細骨材率が小さすぎると、所定のスランプを得るための単位水量を多く必要とする。
2.高強度コンクリートには、高性能AE減水剤を使用するのが有効である。
3.単位セメント量が少なすぎると、コンクリートのワーカビリティーが悪くなる。
4.川砂利と砕石は、それぞれが所定の品質を満足していれば、混合して使用してもよい。
答え
1
[ 解答解説 ]
1.×
細骨材率とは、フレッシュコンクリート中の骨材(砂利と砂)に対する細骨材(砂)の容積比をいう。細骨材率が小さいと、フレッシュコンクリート中の材料が分離しやすくなるので、所定のスランプを得るためには単位水量は少なくする必要がある。
2.◯
高強度コンクリートには、混和剤に高性能AE減水剤を使用する。
3.◯
単位セメント量が少ないと、コンクリートのワーカビリティーが悪くなる。
4.◯
川砂利と砕石は、それぞれが所定の品質を満足していれば、混合して使用してもよい。
( コンクリートの養生 )
( 1 )
コンクリートの養生に関する記述として、最も不適当なものはどれか。(令和4年前期_No.21)
1.打込み後の養生温度が高いほど、長期材齢における強度増進性が大きくなる。
2.湿潤養生期間は、早強ポルトランドセメントを用いた場合、普通ポルトランドセメントより短くできる。
3.打込み後、直射日光等による急速な乾燥を防ぐための湿潤養生を行う。
4.打込み後、少なくとも1日間はそのコンクリートの上で歩行又は作業をしないようにする。
答え
1
[ 解答解説 ]
1.×
コンクリート打込み後の養生期間中の温度が過度に低いと強度発現が著しく遅れる。また、過度に高いと温度ひび割れの発生を誘発したり、長期材齢における強度増進性が小さくなる。
2.◯
早強ポルトランドセメントを用いたコンクリートの材齢による湿潤養生期間は、普通ポルトランドセメントより短く規定されている。(JASS5)
3.◯
若材齢時のコンクリートは、酸や塩化物などによる浸食や、硬化後の物性に悪影響を及ぼす劣化因子の侵入に対する抵抗力が十分でなく、日光の直射や急激な乾燥にさらされると、コンクリート表面にひび割れが発生し、耐久性を損なう可能性がある。そのため、散水等の湿潤養生を行う。
4.◯
コンクリート打込み後、少なくとも1日間はその上で歩行又は作業をしてはならない。
( 2 )
コンクリートの養生に関する記述として、最も不適当なものはどれか。(令和元年後期_No.22)
1.湿潤養生期間の終了前であっても、コンクリートの圧縮強度が所定の値を満足すれば、せき板を取り外すことができる。
2.打込み後のコンクリートが透水性の小さいせき板で保護されている場合は、湿潤養生と考えてよい。
3.早強ポルトランドセメントを用いたコンクリートの材齢による湿潤養生期間は、普通ポルトランドセメントより短くできる。
4.寒中コンクリート工事における加熱養生中は、コンクリートの湿潤養生を行わない。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
湿潤養生期間の終了前であっても、コンクリートの圧縮強度が所定の値を満足すれば、せき板を取り外すことができる。(JASS5)
2.◯
打込み後のコンクリートが、水を通しにくい透水性の小さいせき板で保護されている場合は、湿潤養生と考えてよい。(JASS5)
3.◯
次の表のとおり、早強ポルトランドセメントを用いたコンクリートの材齢による湿潤養生期間は、普通ポルトランドセメントより短く設定されている。(JASS5)
4.×
寒中コンクリートとは、コンクリートの打込み後の養生期間で凍結のおそれのある場合に施工されるコンクリートである。寒冷な環境の下では、加熱された空間内の湿度は極めて低い値となりやすく、水分の蒸発が促進される。加熱養生では、保湿に対する配慮も必要となる。(JASS5)
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