2024年04月10日
2級建築施工管理技士 令和5年度 一次 (後期) [ No.29 ] 〜[ No.38 ] 解答・解説
第一次検定問題 [ No.29 ]から[ No.38 ] 解答・解説
※問題番号 [ No.29 ]から[ No.38 ]までの10問題は、全問題を解答してください。
問題は四肢択一式です。正解と思う肢の番号を1つ選んでください。
[ No.29 ]
事前調査に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.鉄骨の建方計画に当たり、近隣の商店や工場の業種について調査を行うこととした。
2.敷地境界と敷地面積の確認のため、地積測量を行うこととした。
3.敷地内の建家、立木、工作物の配置を把握するため、平面測量を行うこととした。
4.根切り工事に当たり、埋蔵文化財の有無について調査を行うこととした。
答え
1
[ 解答解説 ]
1.×
鉄骨の建方計画のために電波障害に関する調査を行い、タワークレーン設置による影響について近隣の商店や工場の業種について調査を行う。
2.◯
敷地境界と敷地面積の確認のため、地積測量を行う。地積測量とは、建物が建つ敷地の面積を測ることをいう。
3.◯
敷地内の建家、立木、工作物の配置を把握する際は、平面測量を行う。平面測量とは、敷地内の起伏や形状は考慮せず、平面的な、建家、立木、工作物などの位置を求める測量をいう。
4.◯
根切り工事に当たっては、埋蔵文化財の有無についての調査等を行う。
[ No.30 ]
仮設計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.下小屋は、材料置場の近くに設置し、電力や水道等の設備を設けることとした。
2.工事用ゲートの有効高さは、鉄筋コンクリート造の工事のため、最大積載時のトラックアジテータの高さとすることとした。
3.工事現場の周辺状況により、危害防止上支障がないことから、仮囲いとしてガードフェンスを設置することとした。
4.工事用ゲートには、車両の入退場を知らせる標示灯を設置したが、周辺生活環境に配慮しブザーは設置しないこととした。
答え
2
[ 解答解説 ]
1.◯
下小屋(工事現場に設けられる仮設作業小屋)は、材料置場の近くに設置し、電力や水道等の設備を設ける。
2.×
鉄筋コンクリート造の工事のための工事用ゲートの有効高さは、積載時よりも高さが高くなるため、空の状態のアジテータ車の高さ以上を確保する必要がある。
3.◯
工事現場の周辺状況により危害防止上支障がない場合は、仮囲いを設けずガードフェンスの設置とすることができる。
4.◯
工事用ゲートには、歩行者との接触を避けるため、車両の入退場を知らせる標示灯やブザーを設置するが、周辺生活環境に影響がある場合、ブザーは設置しない。
[ No.31 ]
工事現場における材料の保管に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.巻いた壁紙は、くせが付かないように立てて保管した。
2.ビニル床タイルは、乾燥している床に箱詰め梱包のまま、積重ねを10段までとして保管した。
3.板ガラスは、クッション材を挟み、乾燥した場所に平積みで保管した。
4.防水用の袋入りアスファルトは、積重ねを10段までとして保管した。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
壁紙は、ポリエレンフィルム等を掛けて養生し、屋内に立てて保管する。
2.◯
ビニル床タイルは、乾燥している床に箱詰め梱包のまま、積重ねを10段までとして保管する。(JASS26)
3.×
ガラスの保管は、クッション材を挟み、平置きとせず、立置きとする。
4.◯
防水用の袋入りアスファルトを屋外で保管する場合は、シート等を掛けて雨露に当たらず、土砂等に汚れないようにする。なお、積重ねて保管する場合は、荷崩れに注意して10段を超えて積まないようにする。(建築工事監理指針)
[ No.32 ]
工程計画の立案段階で考慮すべき事項として、最も不適当なものはどれか。
1.最初に全ての工種別の施工組織体系を把握する。
2.敷地周辺の上下水道やガス等の公共埋設物を把握する。
3.鉄骨工事の工程計画では、資材や労務の調達状況を調査して、手配を計画する。
4.型枠工事の工程計画では、型枠存置期間を考慮して、せき板や支保工の転用を検討する。
答え
1
[ 解答解説 ]
1.×
工種別の施工組織体系は、立案段階で考慮すべき事項ではない。工種別の施工組織体系は、総合工程表や工種別施工計画を計画した後に検討される。
2.◯
敷地周辺の上下水道、ガス等の公共埋設物は、着工前の総合工程表の立案段階で考慮すべき事項である。
3.◯
鉄骨工事の工程計画では、工事地域の労務、資材、機材等の調達状況を調査し、手配計画を立てて、総合工程表を立案する。
4.◯
型枠工事の工程計画では、型枠存置期間を考慮しながら、型枠に使用されるせき板や支保工の転用を検討する。
[ No.33 ]
バーチャート工程表の特徴に関する記述として、ネットワーク工程表と比較した場合、最も不適当なものはどれか。
1.手軽に作成することができ、視覚的に工程が把握しやすい。
2.作業間調整に伴う修正がしやすい。
3.前工程の遅れによる後工程への影響が把握しにくい。
4.全体工期の短縮を検討する場合、工程のどこを縮めればいいのかわかりにくい。
答え
2
[ 解答解説 ]
1.◯
バーチャート工程表は、手軽に作成することができ、視覚的に工程が把握しやすい。
2.×
バーチャート工程表は、各作業の順序関係を明確に把握することができないため、作業間調整に伴う修正は容易ではない。作業間調整の修正が容易なのは、ネットワーク工程表である。
3.◯
バーチャート工程表は、先行工程の遅れが後続作業の工程にいかに影響を与えるかは、明確ではない。
4.◯
バーチャート工程表では、各作業の相互関係を明確に把握することはできない。また、各作業の全体工期への影響度が把握しにくため、工期短縮を検討する場合、工程のどこを縮めてよいかわかりにくい。
[ No.34 ]
品質管理に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.品質計画に基づく施工の試験又は検査の結果は、次の計画や設計に活かす。
2.川上管理とは、品質に与える影響が大きい前段階や生産工程の上流で品質を管理することである。
3.施工品質管理表(QC工程表)とは、管理項目について管理値、検査の時期、方法、頻度等を明示したものである。
4.試験とは、性質又は状態を調べ、判定基準と比較して良否の判断を下すことである。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
品質計画に基づく施工の試験又は検査の結果を、次の計画や設計に活かすことは、品質管理において重要である。
2.◯
川上管理とは、上流工程の段階で、品質に与える影響が大きい前段階や生産工程の品質を管理することをいう。
3.◯
施工品質管理表(QC工程表)には、管理項目について管理値、工事の着手から完成までの検査の時期、方法、頻度等を明示する。
4.×
試験とは、特性を調べることをいう。性質又は状態を調べ、判定基準と比較して良否の判断を下すことは検査である。
[ No.35 ]
トルシア形高力ボルトのマーキングに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.マーキングは、高力ボルトの取付け後、直ちに行う。
2.マーキングは、ボルト軸からナット、座金及び母材にかけて一直線に行う。
3.マークのずれによって、軸回りの有無を確認できる。
4.マークのずれによって、本締め完了の確認ができる。
答え
1
[ 解答解説 ]
1.×
ボルトを取り付けた後、一次締め、マーキング、本締めの順序で本接合の締付けを行う。(公共建築工事標準仕様書建築工事編 7.4.7(3))
2.◯
一次締めしたボルトには、ボルト、ナット、座金及び母材(添え板)にかけて、一直線にマーキを施す。(公共建築工事標準仕様書建築工事編 7.4.7(6))
3.◯
軸回りの有無は、マークのずれによって確認できる。
4.◯
本締め完了は、マークのずれによって確認できる。
[ No.36 ]
コンクリートの試験に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.1回の圧縮強度試験の供試体の個数は、3個とした。
2.1回の圧縮強度試験は、コンクリート打込み日ごと、打込み工区ごと、かつ、150m3以下にほぼ均等に分割した単位ごとに行った。
3.スランプの測定値は、スランプコーンを引き上げた後の、平板からコンクリート最頂部までの高さとした。
4.スランプ試験において、スランプコーンを引き上げた後、コンクリートが偏って形が不均衡になったため、別の試料によって新たに試験を行った。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
1回の圧縮強度試験の供試体の個数は、3個以上とする。(JASS5)
2.◯
圧縮強度試験は、コンクリート打込み日ごと、打込み工区ごと、かつ、1日の打込み量が150m3を超える時は、150m3以下にほぼ均等に分割した単位ごとに行う。(JASS5)
3.×
スランプの測定値は、スランプコーンを引き上げる前の高さと、スランプコーンを引き上げた後のコンクリート最長部までの高さとする。(JIS A 1101)
4.◯
スランプ試験では、スランプコーンを引き上げた後、コンクリートが偏って形が不均衡になった場合、別の試料によって新たに試験を行うことができる。
[ No.37 ]
建築工事における危害又は迷惑と、それを防止するための対策に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.高所作業による工具等の落下を防ぐため、水平安全ネットを設置した。
2.工事用車両による道路面の汚れを防ぐため、洗浄装置を設置した。
3.掘削による周辺地盤の崩壊を防ぐため、防護棚を設置した。
4.解体工事による粉塵の飛散を防ぐため、散水設備を設置した。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
事業者は、作業のため物体が落下することにより、労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、防網の設備を設け、立入区域を設定する等当該危険を防止するための措置を講じなければならない。(労働安全衛生規則第537条)
2.◯
工事用車両による道路面の汚れを防ぐため、洗浄装置を設置することは適当な措置である。
3.×
防護棚は、高所からの落下物による危害を防止するために設置する。掘削による周辺地盤の崩壊を防ぐためには、山留め壁などを設ける。
4.◯
解体工事による粉塵の飛散を防ぐため、散水設備を設置することは適当な措置である。
[ No.38 ]
建設業の現場における特定元方事業者が講ずべき措置として、「労働安全衛生法」上、定められていないものはどれか。
1.機械等が転倒するおそれがある場所において関係請負人の労働者が作業を行うとき、その関係請負人に対する技術上の指導を行うこと。
2.関係請負人が行う安全教育に対して、安全教育に使用する資料を提供すること。
3.特定元方事業者の労働者及び関係請負人の労働者の作業が同一の場所において行われるとき、作業間の連絡及び調整を行うこと。
4.足場の組立て作業において、材料の欠点の有無を点検し、不良品を取り除くこと。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.定められている。
建設業に属する事業の元方事業者は、土砂等が崩壊するおそれがある場所、機械等が転倒するおそれがある場所その他の厚生労働省令で定める場所において関係請負人の労働者が当該事業の仕事の作業を行うときは、当該関係請負人が講ずべき当該場所に係る危険を防止するための措置が適正に講ぜられるように、技術上の指導その他の必要な措置を講じなければならない。(労働安全衛生法第29条の2)
法第29条の2の厚生労働省令で定める場所は、同規則第634条の2第二号に機械等が転倒するおそれのある場所と規定がある。
2.定められている。
特定元方事業者は、その労働者及び関係請負人の労働者の作業が同一の場所において行われることによって生ずる労働災害を防止するため、関係請負人が行う労働者の安全又は衛生のための教育に対する指導及び援助を行うことと規定されている。(労働安全衛生法第30条第1項柱書き及び第四号)
3.定められている。
特定元方事業者は、その労働者及び関係請負人の労働者の作業が同一の場所において行われることによって生ずる労働災害を防止するため、作業間の連絡及び調整を行うことと規定されている。(労働安全衛生法第30条第1項柱書き及び第二号)
4.定められていない。
材料の欠点の有無を点検し、不良品を取り除くことは、労働安全衛生規則第566条第一号で、事業者が足場の組立て等作業主任者に行わせなければならない事項として規定されている。
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