2024年04月11日
2級建築施工管理技士 令和5年度 一次 (後期) [ No.18 ] 〜[ No.28 ] 解答・解説
第一次検定問題 [ No.18 ]から[ No.28 ] 解答・解説
※問題番号 [ No.18 ] から [ No.28 ] までの11問題のうちから、8問題を選択し、解答してください。
ただし、8問題を超えて解答した場合、減点となりますから注意してください。
問題は四肢択一式です。正解と思う肢の番号を1つ選んでください。
[ No.18 ]
やり方及び墨出しに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.水貫は、水杭に示した一定の高さに上端を合わせて、水杭に水平に取り付ける。
2.鋼製巻尺は、同じ精度を有する巻尺を複数本用意して、そのうちの1本を基準巻尺とする。
3.やり方は、建物の高低、位置、方向、心の基準を明確に表示するために設ける。
4.2階から上階における高さの基準墨は、墨の引通しにより、順次下階の墨を上げる。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
水貫とは、水杭に示した一定の高さに上端を合わせて、水杭に水平に取り付ける板をいう。
2.◯
鋼製巻尺は、同じ精度を有する巻尺を2本以上用意し、そのうちの1本を基準巻尺として保管する。
3.◯
やり方とは、建物の高低、位置、方向、心の基準を明確に表示するために設ける仮設物をいう。
4.×
2階より上階における高さの基準墨は、常に1階の基準高さから測定する。墨の引通しにより、順次下階の墨を上げないようにする。
[ No.19 ]
地業工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.砂利地業で用いる砂利は、砂が混じったものよりも粒径の揃ったものとする。
2.締固めによって砂利地業にくぼみが生じた場合、砂利を補充して表面を平らに均す。
3.捨てコンクリートは、墨出しをしやすくするため、表面を平坦にする。
4.土間コンクリートの下の防湿層は、断熱材がある場合、断熱材の直下に設ける。
答え
1
[ 解答解説 ]
1.×
砂利地業で用いる砂利は、隙間が生じないように、砂が混じった粒径の揃っていないものとする。
2.◯
砂利地業の締固めにるくぼみが生じた場合は、砂又は砂利を補充して再度転圧して、表面を平らに均す。
3.◯
地業に施されるコンクリートを捨てコンクリートという。捨てコンクリートは、墨出しをしやすくするために、表面が平坦になるように施工する。
4.◯
土間コンクリートの下の防湿層は、断熱材がある場合、断熱材の直下に設ける。防湿層を設けなければ、断熱材の品質が低下する。
[ No.20 ]
鉄筋の加工及び組立てに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.鉄筋の折曲げ加工は、常温で行う。
2.鉄筋相互のあきは、鉄筋の強度により定められた最小寸法を確保する。
3.床開口部補強のための斜め補強筋は、上下筋の内側に配筋する。
4.ガス圧接を行う鉄筋は、端面を直角、かつ、平滑にする。
答え
2
[ 解答解説 ]
1.◯
鉄筋の折曲げ加工は、常温で加工(冷間加工)して組み立てる。
2.×
鉄筋のあきの最小寸法は、鉄筋の径と粗骨材の最大寸法によって決まる。鉄筋のあきは、鉄筋とコンクリートの付着による応力伝達が十分に行われ、かつコンクリートが分離することなく密実に打ち込まれるよう過小であってはならない。
3.◯
床開口部補強のための斜め補強筋は、上端筋及び下端筋の内側で、上端筋の直下に配筋する。
4.◯
突き合わせた鉄筋の圧接端面の隙間が大きいと圧接面が酸化しやくすく、圧接部の強度が低下するおそれがある。そのため、鉄筋の圧接端面は、軸線にできるだけ直角、かつ、平滑に切断・加工し、圧接端面間の隙間をできるだけ少なくする必要がある。
[ No.21 ]
高力ボルト接合に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.トルシア形高力ボルトの本締めは、ピンテールが破断するまで締め付けた。
2.トルシア形高力ボルトの座金は、座金の内側面取り部がナットに接するように取り付けた。
3.JIS形高力ボルトの首下長さは、締付け長さにナットと座金の高さを加えた寸法とした。
4.高力ボルト接合部のフィラープレート両面に摩擦面処理を行った。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
トルシア形高力ボルトとは、頭の先端にピンテールと呼ばれる部分があり、特定の締付けトルクで破断するように設計されたボルトである。トルシア形高力ボルトの本締めは、ピンテールが破断するまで締め付ける。
2.◯
トルシア形高力ボルトの座金は、座金の内側面取り部がナットに接するように取り付ける。
3.×
JIS形高力ボルトの首下長さは、締付け長さにナット、座金の高さ、余長を加えた寸法とする。
4.◯
接合部の力を伝達する部分には、所定のすべり係数のものが必要であり、フィラープレートも主材と同様に処理しなければならない。(建築工事監理指針)
[ No.22 ]
在来軸組構法の木工事における仕口の名称と納まり図の組合せとして、誤っているものはどれか。
1.大留め 2.相欠き
3.大入れ 4.蟻掛け
答え
4
[ 解答解説 ]
4.×
設問4の図は、渡りあご掛けである。蟻掛けは下図のようなものである。
蟻掛け
[ No.23 ]
セメントモルタルによるタイル後張り工法に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.マスク張りにおいて、タイル裏面へマスク板を当てて、張付けモルタルを金ごてで塗り付けた。
2.密着張りにおいて、タイルは下部から上部に張り進めた。
3.改良圧着張りにおいて、張付けモルタルの1回に塗り付ける面積は、タイル工1人当たり2m2とした。
4.モザイクタイル張りにおいて、張付けモルタルの1回に塗り付ける面積は、タイル工1人当たり3m2とした。
答え
2
[ 解答解説 ]
1.◯
マスク張り工法は、専用のマスク板をユニットタイル裏面にかぶせて張付けモルタルを塗り、マスクを外してから、モルタルが盛り上がるまでたたき締めて張り付ける工法である。
2.×
密着張りにおいて、タイルの張付けは、上部から下部に水糸に合わせタイルを張り、その後に間を埋めるように張り進める。
3.◯
改良圧着張りの張付けモルタルの1回の塗付け面積の限度は、張付けモルタルに触れると手に付く状態のままタイル張りが完了できることとし、2m2/人以内とする。(公共建築工事標準仕様書建築工事編 11.2.6(3)(ウ)(a))
4.◯
モザイクタイル張りの張付けモルタルの1回に塗り付け面積の限度は、張付けモルタルに触れると手に付く状態のままタイル張りが完了できることとし、3m2/人 以内とする。(公共建築工事標準仕様書建築工事編 11.2.6(3)(オ)(a))
[ No.24 ]
金属製折板葺に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.はぜ締め形折板は、本締めの前にタイトフレームの間を1mの間隔で部分締めを行った。
2.けらば部分の折板の変形を防ぐため、変形防止材を設けた。
3.重ね形折板の重ね部に使用する緊結ボルトの流れ方向の間隔は、900mmとした。
4.重ね形折板のボルト孔は、呼び出しポンチで開孔した。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
固定金具の位置及び固定金具間は、手動はぜ締め機を用いて 1mの間隔程度で部分締めする。(建築工事監理指針)
2.◯
折板葺のけらば部分の変形防止には、変形防止材を用いる。なお、けらばとは、屋根の妻側の端部をいう。
3.×
重ね形の折板は、各山ごとにタイトフレームに固定し、長さ方向の重ね部の緊結のボルト間隔は、600mm程度とする。(公共建築工事標準仕様書建築工事編 13.3.3(3)(ウ))
4.◯
金属製の重ね形折板のボルト孔は、折板を1枚ずつ、呼び出しポンチ又はドリルで開孔する。
[ No.25 ]
コンクリート壁下地のセメントモルタル塗りに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.吸水調整材は、下地とモルタルの接着力を増強するため、厚膜となるように十分塗布した。
2.下塗りは、吸水調整材塗りの後、3時間経過してから行った。
3.つけ送りを含む総塗り厚が40mmとなる部分は、下地にアンカーピンを打ち、ネットを取り付けた。
4.セメントモルタル張りのタイル下地となるモルタル面は、木ごてで仕上げた。
答え
1
[ 解答解説 ]
1.×
吸水調整材とは、モルタル塗りお下地となるコンクリート面などに直接塗布し、下地とモルタル界面に非常に薄い膜を形成して、モルタル中の水分の下地への吸水(ドライアウト)による付着力の低下を防ぐものである。
2.◯
吸水調整材塗布後、下塗りまでの時間間隔は施工時の気象条件によって異なるが、一般には1時間以上とする。1日以上間隔を空けると、ほこりなどが付着し、下塗りとの接着に悪影響を及ぼすため、なるべく早めに塗りつける。(JASS15)
3.◯
壁面の場合で、総塗り厚が25mm以上の場合は、補修塗り部分等に対して、ステンレス製アンカーピンを縦横200mm程度の間隔でコンクリートに打込み、ステンレス鋼ラス等を張る。(公共建築工事標準仕様書建築工事編15.3.4(1))
4.◯
タイル張り下地等の下地モルタル塗り及び下地調整塗材塗りは、タイル張りが、密着張り、改良圧着張り、マスク張り若しくはモザイクタイル張り又はセメント系厚付け仕上塗材の場合は、中塗りまで行い、仕上げは木ごて押えとする。(公共建築工事標準仕様書建築工事編15.3.5(4)(イ)(a)B)
[ No.26 ]
建具金物に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.本締り錠は、握り玉の中心にシリンダーが組み込まれたもので、ラッチボルトがデッドボルトと兼用となっている錠である。
2.鎌錠は、鎌状のデッドボルトを突合せ部分の受けに引っかけて施錠するもので、引き戸に使用される錠である。
3.ピボットヒンジは、戸を上下から軸で支える金物で、戸の表面外又は戸厚の中心に取り付ける。
4.フロアヒンジは、床に埋め込む箱形の金物で、自閉機能があり、戸の自閉速度の調整をすることができる。
答え
1
[ 解答解説 ]
1.×
本締り錠は、デッドボルトのみを有するシリンダ本締まり錠・棒かぎ本地まり錠で、鍵又はサムターンで施解錠できる錠である。設問はシリンダー錠の説明である。
2.◯
鎌錠は、鎌状のデッドボルトを引き戸の受けに引っ掛けて施錠タイプの錠である。
3.◯
ピボットヒンジは、戸を上下から軸で支える機構で、一般には持出し吊りが多い。
4.◯
フロアヒンジは、床に埋め込むまれる扉の自閉金物で、自閉速度を調整できる。
[ No.27 ]
木質系素地面の塗装に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.オイルステイン塗りは、塗付け後、乾き切らないうちに余分な材料を拭き取った。
2.合成樹脂調合ペイント塗りの中塗りは、塗装回数を明らかにするため、上塗りと色を変えて塗装した。
3.つや有合成樹脂エマルションペイント塗りは、塗料の粘度の調整を水で行った。
4.クリヤラッカー塗りの下塗りは、ジンクリッチプライマーを用いた。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
オイルステインの塗布後、完全に乾く前に余分な材料を拭き取る。
2.◯
合成樹脂調合ペイント塗りの中塗りは1種のものを用いて、塗装回数を明らかにするため、上塗りと色を変えて塗装する。なお、塗付け量は, 0.09kg/m2とする。
3.◯
つや有合成樹脂エマルションペイント塗りの塗料の粘度は、水で調整する。
4.×
クリヤラッカー塗りについては、「公共建築工事標準仕様書建築工事編18.5.2 表18.5.1」に規定されている。
したがって、クリヤラッカー塗りの下地材には、ウッドシーラーを使用する。
ジンクリッチプライマーは、鋼材に施すの一次防錆塗料で、金属の腐食防止に用いられる。
[ No.28 ]
ビニル床シート張りに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.シートを幅木部に張り上げるため、ニトリルゴム系接着剤を使用した。
2.熱溶接工法では、シート張付け後、張付け用接着剤が硬化する前に溶接接合を行った。
3.シートを壁面に張り上げるため、床と壁が取り合う入隅部に面木を取り付けた。
4.湿気のおそれのある下地への張付けには、エポキシ樹脂系接着剤を使用した。
答え
2
[ 解答解説 ]
1.◯
ニトリルゴム系接着剤は、ゴム系ではあるが、硬い皮膜が得られ、可塑剤の移行を受けにくいので、軟質のビニル系床材(特にビニル系床シートや軟質塩化ビニル幅木、単層及び複層ビニル床タイル)に使用する。
2.×
熱溶接工法では、ビニル床シートを張り付け、接着剤が完全に硬化した後、溝切りを行ってから熱溶接機で溶接を行う。
3.◯
厚物のシートなどを床面と壁面に、一体に張り上げるため、床と壁が取り合う入隅部に面木を取り付ける。
4.◯
湿気のおそれのある下地への張付けには、ウレタン樹脂系接着剤又はエポキシ樹脂系接着剤を用いる。
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