2024年04月01日
2級建築施工管理技士 平成29年度 学科 (前期) [ No.51 ] 〜[ No.65 ] 解答・解説
学科試験問題 [ No.51 ]〜[ No.65 ] 解答・解説
※ 問題番号 [ No.51 ]〜[ No.65 ]までの 15問題のうちから6問題を選択し、解答してください。
[ No. 51 ]
屋上アスファルト防水工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 立上り部は、型枠の締付け材にコーンを使用し、コンクリート打放し仕上げとした。
2. 保護コンクリートの伸縮調整目地の深さは、保護コンクリートの厚さの半分とした。
3. 平場部のルーフィング類の流張りでは、ルーフィングの両端から溶融アスファルトがあふれ出るように押し付けた。
4. 露出防水絶縁工法における防水層のふくれを低減するため、脱気装置を設けた。
答え
2
[ 解答解説 ]
1.◯
アスファルト下地のコンクリートは、平滑でなければならない。型枠締め付け材にコーンを使用し、打放し仕上げとすることは有効である。
2.×
保護コンクリートの伸縮調整目地の深さは、保護コンクリートの厚さの全部とする。
3.◯
ルーフィングの張付けは、原則として流張りで行う。両端からはみ出す程度のアスファルトを均等に流しながら、ルーフィングを平坦かつ均一に押し広げて密着させる。
4.◯
屋根露出防水絶縁工法において、下地水分の気化・膨張による防水層の膨れを低減するのに、砂付アスファルトルーフィングの非接着部分での拡散によるだけでは対処できない場合が多いため、水分を積極的に外気に拡散させる脱気装置を併用する手段が有効である。(建築工事監理指針 9章)
[ No. 52 ]
ウレタンゴム系塗膜防水に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 防水層の施工は、立上り部、平場部の順に施工する。
2. 補強布の張付けは、突付け張りとする。
3. 立上り部等は、補強布を用いて防水材を塗布する。
4. 穴あきタイプの通気緩衝シートは、下地に張り付けた後、防水材でシートの穴を充填する。
答え
2
[ 解答解説 ]
1.◯
防水層の施工順序は、立上り部→平場部である。
2.×
補強布の重ね幅は、50mm以上とする。
3.◯
立上り部等は、補強布を用いて防水材を塗布する。一部工法では補強布を省略できるが、その場合は補強塗りを行う。
4.◯
穴あきタイプの通気緩衝シートは、下地に張り付けた後、ウレタンゴム系防水材でシートの穴を充填する。
[ No. 53 ]
花崗岩の表面仕上げとして、最も不適当なものはどれか。
1. ブラスト仕上げ
2. 割肌仕上げ
3. 白華仕上げ
4. びしゃん仕上げ
答え
3
[ 解答解説 ]
花崗岩の表面仕上げの種類には、プラスト仕上げ、割肌仕上げ、及びびしゃん仕上げの他、コブ出し仕上げ、小叩き仕上げ、のみ切り仕上げ、ジェットバーナー仕上げ、水磨き仕上げ、サンドブラスト、水磨き仕上げなどがある。
白華現象とは、エフロレッセンスといって、モルタル中の水酸化カルシウムガ雨水などで溶出して、空気中の二酸化炭素に反応して炭酸カルシウムという白い粉になって固まる現象で、「鼻垂れ」ともいわる不具合である。
[ No. 54 ]
硬質塩化ビニル雨どいの工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. たてどいの継手は、専用の部品を用い、接着剤を用いて取り付けた。
2. たてどいの受け金物は、間隔 900 mm 以下で通りよく取り付けた。
3. 軒どいは、両端を集水器に接着剤を用いて堅固に取り付けた。
4. 軒どいは、とい受け金物に径 1.2 mm 程度の金属線で取り付けた。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
たてどいの継手は、専用の部品を用いて、接着剤を使用して継ぐ。継いだといの長さが10mを超える場合は、エキスパンション継手を設けて伸縮を吸収する。
2.◯
たてどいの受け金物は、間隔 1200 mm 以下で通りよく取り付ける。
3.×
とい1本の長さは10m以内とし、伸縮はあんこう又は集水器部分で吸収するようにするか、製造所の指定する長さ、方法で吸収する。塩化ビニル製品は熱によって、伸縮するため、両端を接着剤で固定すると熱膨張・収縮を吸収できずに、といが曲がるなどしてしまう。
4.◯
軒どいは、とい受け金物に径 1.2 mm 程度の金属線で取り付ける。
[ No. 55 ]
ステンレス板の表面仕上げの説明として、最も不適当なものはどれか。
1. BA は、800 番程度の研磨材で、研磨線が目立たないように磨き上げた仕上げである。
2. ヘアラインは、適当な粒度の研磨材で連続した磨き目がつくように研磨した仕上げである。
3. 鏡面は、研磨線がなくなるまでバフ仕上げを行った最高の反映度を持つ仕上げである。
4. エッチングは、化学処理により研磨板に図柄や模様を施した仕上げである。
答え
1
[ 解答解説 ]
1.×
BA は、ステンレスを冷間圧延後、光輝熱処理を行い、さらに、軽い冷間圧延そしたもので、磨き上げることはしない。800番程度の研磨材で磨いたものは、鏡面仕上げである。
2.◯
ヘアラインは、粒度が150〜240番の研磨ベルトで、髪の毛のように長く連続した研磨目をつけたものである。
3.◯
鏡面は、順々に細かい粒度の研磨剤で研磨した後、研磨線がなくなるまでバフで研磨した最も反射率の高い仕上げである。
4.◯
エッチングは、鏡面やヘアラインなどに精密な被覆模様付けをし、被覆されていないところを薬液で溶解浸食させて模様を描く仕上げである。
[ No. 56 ]
コンクリート壁下地のセメントモルタル塗りに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. モルタル塗りの作業性の向上、乾燥収縮によるひび割れの防止のため、メチルセルロース等の保水剤を混和剤として用いた。
2. 下塗りは、14 日以上放置し、十分にひび割れを発生させてから次の塗付けにかかった。
3. 吸水調整材は、下地とモルタルの接着力を増強するため、厚膜となるように十分塗布した。
4. 下塗り面には、金ぐしを用いて、くし目を全面に付けた。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
混和剤の使用目的は、作業性の改善、ひび割れ、はく離防止、保水性の向上などがあり、保水剤は混和剤の一種である。メチルセルロースを使用するのが一般的である。
2.◯
下塗りは、モルタルで不陸調整し、くし目を引いた後、2週間以上放置する。
3.×
吸水調整材とは、モルタル塗りの下地となるコンクリート面などに直接塗布し、下地とモルタル界面に非常に薄い膜を形成して、モルタル中の水分の下地への吸水(ドライアウト)による付着力の低下を防ぐものである。厚膜にすることはない。
4.◯
下塗り面には、上塗り面との付着力を向上させるため、金ぐしを用いて、くし目を全面に付けることは有効である。
[ No. 57 ]
セルフレベリング材塗りに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. せっこう系の材料は、耐水性がないので、屋外や浴室などには使用しなかった。
2. 吸水調整材は、コンクリート下地にデッキブラシで十分すり込むように塗り付けた。
3. 流込み作業中や作業後は、できる限り通風を避けるよう窓や開口部をふさいだ。
4. 流込み作業後の表面は、金ごてを用いて平滑に仕上げた。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
せっこう系セルフレベリング材は、耐水性に欠けるため、水の影響を受けやすい部分の施工は避ける。
2.◯
吸水調整材は、製造所の仕様により所定量の水で均一に希釈し、デッキブラシ等で十分すり込むように塗り付ける。
3.◯
セルフレベリング材が硬化する前に風が当たると、表層部分だけが動いて、硬化後にしわが発生する場合がある。したがって、流込み作業中はできる限り通風をなくし、施工後もセルフレベリング材が硬化するまでは、甚だしい通風は避ける。
4.×
流込み作業後の表面は、放置しても平滑し仕上がるので、金ごてを用いる必要はない。
[ No. 58 ]
鋼製建具に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. さび止め塗装を2回塗りとするので、1回目を工場で行い、2回目を工事現場で行った。
2. 外部のくつずりの材料は、厚さ 1.5 mm のステンレス鋼板とした。
3. 4方枠の気密材は、建具の気密性を確保するため、クロロプレンゴム製とした。
4. 枠のつなぎ補強板は、両端から逃げた位置から間隔 900 mm に取り付けた。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
鋼製建具は、防錆塗装を2回塗りとするが、1回目は製作工場、2回目を工事現場で行う。
2.◯
外部のくつずりにステンレス製のものを用いる場合は、厚さ 1.5 mmとする。
3.◯
気密材には種々あるが、クロロプレンゴム発泡体(表皮付き)もよく使用される。皮膜が弱く破れやすいものもあるので注意が必要である。
4.×
枠のつなぎ補強板は、両端から逃げた位置から間隔 600 mm以下に取り付ける。
[ No. 59 ]
建具工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 防水層と取り合う建具枠には、枠取付け形のピボットヒンジを用いることとした。
2. 片開き防火戸には、ストッパー付きのドアクローザーを用いることとした。
3. トイレブースの扉には、自重で自閉するグラビティーヒンジを用いることとした。
4. 外部に面する出入口の扉には、シリンダー箱錠を用いることとした。
答え
2
[ 解答解説 ]
1.◯
ピポットヒンジとは、扉の上下端に取付け、上下軸を支点に開閉する金具であり、重量ドアに使用しても吊り下がりが少ない。枠取付け形を用いると躯体の防水層を傷つけることが少ない。
2.×
防火戸のドアクローザーは、ストッパー付きを用いてはならない。防火戸は常時、開又は閉の状態で用いるため、ドアを途中で止めるストッパーは用いない。
3.◯
グラビティーヒンジとは、建具の中心に軸吊りで取付ける金具で、開く時は、らせん状の軸をせり上がっていき、建具の重さで閉まる構造になっている蝶番。公共のトイレなどに使用されることが多く、左右どちらの開き勝手にも対応できる。
4.◯
シリンダー箱錠とは、ノブとシリンダーが別になっており、扉の内部に錠ケースを納める彫込型を一般的には指す。デッドボルトがあり強度、防犯性に優れているので、外部に面する扉に用いられる。
[ No. 60 ]
塗装工事の素地ごしらえに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 透明塗料塗りの木部面に著しい色むらがあったので、着色剤を用いて色むら直しを行った。
2. 透明塗料塗りの木部面に付着したアスファルトや油類は、皮すきで取り除き、溶剤でふいて乾燥させた。
3. 鉄鋼面は、さび落しを行った後に油類除去を行った。
4. ALCパネル面は、合成樹脂エマルションシーラー等を用いて吸込止め処理を行った。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
透明塗料塗りの木部面に著しい色むらは、漂白剤や着色剤を用いて色むら直しを行い、十分乾燥させる。
2.◯
透明塗料塗りの木部面に付着したアスファルトや油類は、皮すきで取り除き、石油系溶剤を用いてふいた後、十分に乾燥させる。
3.×
鉄鋼面は、さび落しをする前に、油類除去を行う。
4.◯
ALCパネル面は、吸水性が高いので吸い込み防止のため、合成樹脂エマルションシーラー等を用いて下地処理を行う。
[ No. 61 ]
内装木工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 柱などの角材で両面仕上げとする際の削り代は、 5 mm とした。
2. 造作材の釘打ちに用いる釘の長さは、打ち付ける板材の厚さの 2.5 倍とした。
3. かもいの溝じゃくりは木裏側に行い、溝幅は 21 mm、深さを 15 mm とした。
4. 畳付きの敷居のせいは畳の厚さと同寸とし、幅は柱幅として柱面に収まるようにした。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
削り代とは、 粗木から仕上げる時、かんなで削るため、なくなっていく部分。片面仕上げで 2〜3mm、両面仕上げで4〜5 mm程度が削り取られる。
2.◯
造作材の釘打ちに用いる釘の長さは、板厚さの 2.5 倍とする。木の繊維に平行に打つ場合は3倍とする。
3.×
木は木表側に反る傾向ばあるので、溝じゃくりは木表側に行う。かもいの溝幅21mm、深さ15mmは適切である。
4.◯
畳付きの敷居のせいは、畳の厚さと同寸として、畳と敷居の面をフラットにし、柱幅と同寸として柱面に収める。
[ No. 62 ]
カーペット敷きに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. タフテッドカーペットの敷込みは、全面接着工法とした。
2. タイルカーペットの目地は、フリーアクセスフロアの床パネルの目地とずらして割り付けた。
3. ヒートボンド工法によるカーペットの接合は、接着テープを用いてアイロンで加熱しながら圧着した。
4. グリッパー工法における下敷き材のフェルトの端部は、グリッパーに重ねて固定した。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
タフテッドカーペットは、グリッパー工法又は全面接着工法によりの敷込む。グリッパー工法においては下敷き材を敷く。
2.◯
タイルカーペットの目地は、フリーアクセスフロア目地と100mm程度ずらす。
3.◯
ヒートボンド工法によるカーペットの接合は、接着テープを用いてアイロンで加熱しながら圧着する。
4.×
グリッパー工法における下敷き材のフェルトの端部は、グリッパーと突き付け固定する。
[ No. 63 ]
建物内部の断熱工事における硬質ウレタンフォームの吹付けに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. コンクリート面は、吹付け前に十分水湿しを行ってから、速やかに吹付けを行う。
2. 吹付け面に付着している油脂分は、はく離の原因になるので、吹付け前に清掃しておく。
3. ウレタンフォームが厚く付き過ぎて支障となるところは、カッターナイフなどで表層を除去する。
4. ウレタンフォームが所定の厚さに達していないところは、補修吹きを行う。
答え
1
[ 解答解説 ]
1.×
硬質ウレタンフォームの吹付け工法では、下地コンクリート面を十分に乾燥させた状態で吹付けを行う。吹付け面の温度及び乾燥度は発泡性及び付着性に大きな影響を及ぼすので、適切な条件で施工する。
2.◯
吹付け面に付着している油脂分は、付着性に支障をきたすので、石油系溶剤等を用いてふき取る。
3.◯
硬質ウレタンフォームが厚く付き過ぎて、表面仕上げの支障となる場合は、カッターナイフ等により表層を除去する。
4.◯
所定の厚さに達していないところは、補修吹きを行う。
[ No. 64 ]
カーテンに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. カーテン上端の折返し長さは、使用するフック(ひるかん)の長さにより定めた。
2. カーテンの取付け幅及び高さの製作寸法は、現場実測により定めた。
3. 1枚のカーテンに対し、きれ地の 2/3 幅のはぎれを使用した。
4. フランスひだを作るため、取付け幅に対して 1.5 倍のきれ地を使用した。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
カーテン上端の折返し長さは、使用するフック(ひるかん)の長さにより定める。
2.◯
カーテンの取付け幅及び高さの製作寸法は、現場実測により定める。
3.◯
カーテンの位置、形状により使用できるきれ地の半幅未満の例外規定もあるが、きれ地幅が1/2未満のはぎれは使用しないほうが望ましい。なお、カーテン用のきれ地の幅は、1m及び1.2mが標準である。(建築工事監理指針 第20章)
4.×
フランスひだを作るためのきれ地の倍数は、2.5 倍以上である。
[ No. 65 ]
ALC パネル工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 横壁アンカー構法において、パネル積上げ段数5段以下ごとに受け金物を設ける。
2. 外壁パネルに設ける設備配管用貫通孔の径は、パネル幅の 1/6を超えないものとする。
3. 外壁パネルと間仕切りパネルの取合い部は、パネルどうしにすき間が生じないように突付けとする。
4. パネル取付け用に施した座掘りによるパネルの凹部は、補修用モルタルにより埋め戻す。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
横壁アンカー構法とは、ALCパネル内部に設置されたアンカーにより、ボルトを用いて、イナズマプレートなどの取付金物により、下地鋼材に取り付ける。パネル積上げ段数 3〜5段ごとにALCパネル重量を支持する金物を設ける。
2.◯
外壁パネルに設ける設備配管用貫通孔の限界寸法は、パネル1枚当たり1箇所かつ直径50mm以下又はパネル幅の 1/6以下である。
3.×
ALCパネルは、地震時の層間変位に対応できるようにするため、パネル相互の接合は20mm程度の伸縮目地を設け、地震時の水平力を対処する。
4.◯
座掘りとは、ALCパネルを取り付けるために、パネル面を掘り込む作業又はその作業によって加工された孔のことであり、補修用モルタルによって埋め戻す。
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