2024年04月03日
2級建築施工管理技士 平成29年度 学科 (前期) [ No.26 ] 〜[ No.35 ] 解答・解説
学科試験問題 [ No.26 ]〜[ No.35 ] 解答・解説
※ 問題番号 [ No.26 ]〜[ No.35 ]までの10問題は、全問題解答してください。
[ No. 26 ]
工事に先立ち行う事前調査に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 解体工事で発生する木くずを廃棄処分するため、一般廃棄物としての処分場所の調査を行うこととした。
2. 敷地境界石標等があったが、関係者立会いの上、敷地境界の確認のための測量を行うこととした。
3. 既存の地下埋設物を記載した図面があったが、事前に掘削調査を行うこととした。
4. 山留め及び掘削工事に先立ち、近接家屋の現状調査を行うこととした。
答え
1
[ 解答解説 ]
1.×
解体工事で発生する木くずは、産業廃棄物に該当する。(廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令第2条第二号)同法第2条では、産業廃棄物に該当しないものを一般廃棄物と規定しているので、設問の一般廃棄物としての処分場所の調査をすることは、誤りである。
2.◯
敷地境界を示す境界石標等は、工事施工中に移動する可能性もあるので、関係者立会いの上、再測量を実施し位置を確認することは大切である。
3.◯
既存の地下埋設物について、工事の障害となるおそれがある場合には、桝やマンホール等から位置を調べ、必要があれば試掘して必要な対策を講ずる。
4.◯
杭打ち工事、根切り工事等近隣に影響を与えるおそれのある工事を行う場合は、近接家屋や工作物等の振動によるひび割れ、はく落、沈下等の事故が生じた場合の現状確認の資料とするため、関係者立会いのもと現状調査等を行う。
[ No. 27 ]
仮設計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 工事現場の敷地周辺の仮囲いに設ける通用口の扉は、内開きとすることとした。
2. 作業員詰所は、職種数や作業員の増減に対応するため、大部屋方式とすることとした。
3. 所定の高さを有し、かつ、危害を十分防止し得る既存の塀を、仮囲いとして使用することとした。
4. 工事ゲートの有効高さは、鉄筋コンクリート造の工事のため、最大積載時の生コン車の高さとすることとした。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
工事現場の敷地周辺の仮囲いに設ける通用口の扉は、原則として、通行人等第三者の保護のためにも内開きとする。
2.◯
作業員詰所は、職種数や作業員の増減に対応するため、大部屋方式とする。
3.◯
既存壁で、所定の高さがあり、十分に危害防止に対応できるものは、仮囲いとして使用できる。
4.×
工事ゲートの有効高さは、工事車両の載荷状態又は空荷状態そ考慮し決定する。RC造の工事では生コン車を想定し、生コン車の満載時と空荷時では高さが10cm以上違うため、空荷時の高さを有効高さとする。
[ No. 28 ]
建築工事に係る提出書類とその提出先又は届出先に関する記述として、不適当なものはどれか。
1. 現場で常時 15 人の労働者が従事するため、特定元方事業者の事業開始報告を知事に提出した。
2. 道路上にコンクリートポンプ車を駐車して作業するため、道路使用許可申請書を警察署長に提出した。
3. 延べ面積が 20m2 の建築物を除却するため、建築物除却届を知事に届け出た。
4. 吊り上げ荷重が3 t のクレーンを設置するため、クレーン設置届を労働基準監督署長に提出した。
答え
1
[ 解答解説 ]
1.×
常時 10人以上の労働者が従事する場合、特定元方事業者は、事業開始報告を所轄労働基準監督署長に提出する。(労働安全衛生法第100条、同規則第664条)
2.◯
道路使用許可申請書は、道路交通法第77条により、警察署長に申請する。
3.◯
建築物除却届は、建築基準法第15条により、都道府県知事に提出する。
4.◯
吊り上げ荷重が 3 t 以上のクレーンを設置しようとする者は、労働安全衛生法第88条、クレーン等安全規則第5条により、クレーン設置届を労働基準監督署長に提出する。
[ No. 29 ]
新築工事における全体工程管理上のマイルストーン(管理日)を設定する場合において、マイルストーン(管理日)として最も重要度の低いものはどれか。ただし、鉄筋コンクリート造の一般的な事務所ビルとする。
1. 掘削床付け完了日
2. 最上階躯体コンクリート打設完了日
3. 内装断熱材吹付け工事開始日
4. 受電日
答え
3
[ 解答解説 ]
工程管理上のマイルストーンとは、工事工程上の要となる開始点又は終了点のことをいう。
設問中のの3.内装断熱吹付け工事開始日は、他の設問項目に比べて、工事上重要なポイントとは言いにくい。
[ No. 30 ]
バーチャート工程表に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 工事を構成する各作業を縦軸に記載し、工事の達成度を横軸にして表す。
2. 各作業の開始時期、終了時期及び所要期間を把握することができる。
3. 縦軸に記載する作業は、職種や工種ごとにまとまるように配置し、関連する作業を把握しやすいようにする。
4. 先行作業の遅れが後続作業の工程にいかに影響を与えるかが、不明確になりがちである。
答え
1
[ 解答解説 ]
1.×
バーチャート工程表は、縦軸に工事を構成する各作業を列記し、横軸で棒グラフ状に、それぞれの作業を実施する時期と要する時間を表す。
2.◯
バーチャート工程表は、必要な作業の開始時期、終了時期及び所要期間を容易に把握できる。
3.◯
バーチャート工程表は、必要日数、施工日程がよくわかる。職種や工種ごとにまとまるように配置し、関連する作業を把握しやすいようにする。
4.◯
バーチャート工程表からは、各作業の順序関係や工程に対する影響度合い等は把握しにくいという短所がある。
[ No. 31 ]
次の用語のうち、品質管理に最も関係の少ないものはどれか。
1. ISO 9000 ファミリー
2. PDCA
3. QA表
4. SMW
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
ISO 9000 ファミリーとは、品質マネジメントシステムの国際標準規格の総称をいう。
2.◯
PDCAサイクルは、事業活動における生産管理や品質管理などの管理業務を円滑に進める手法の一つである。
3.◯
QA表とは、データの文書化や保存、製品やシステムの性能や機能を保証するための検証作業を行い表にしたものである。顧客に信頼性を与えることを目的とし、そのために求められる品質を満たしているかどうかを検査、保証する。品質管理(QC)と密接な関係がある。
4.×
SMWとは、ソイルセメント連続壁(地中連続壁)のことで、山留め工法の一種である。品質管理とは関係がない。
[ No. 32 ]
抜取検査を行う場合の条件として、最も不適当なものはどれか。
1. 検査対象がロットとして処理できること
2. 合格したロットの中に、少しの不良品の混入も許されないこと
3. 試料がロットの代表として公平なチャンスで抜き取れること
4. 品質判定基準、抜取検査方式が明確に決まっていること
答え
2
[ 解答解説 ]
抜取検査とは、検品の方法で、生産、製造されたものの中から一部をサンプルとして抜き取って調べる方法のこと。一部検査ともいう。
これに対して、対称全部をくまなく調べる方法は全数検査という。抜取検査の方法は、検査ロットから、あらかじめ定められた方法に従ってサンプルを抜き取って試験を行い、結果をロット判定基準と比較して、そのロットの合格、不合格を判定する検査である。
設問のうち、2.は全数検査の目的である。
[ No. 33 ]
レディーミクストコンクリートの工事現場での受入時の検査として、一般に行わないものはどれか。
1. スランプ試験
2. 骨材の粒度試験
3. 塩化物量試験
4. 温度測定
答え
2
[ 解答解説 ]
レディーミクストコンクリートの工事現場での受入時の検査として、従来から行われているのは、スランプ、空気量、塩化物量、温度測定である。骨材の粒度試験は現場受入時検査では行わない。
[ No. 34 ]
施工管理に関する活動用語とその説明の組合せとして、最も不適当なものはどれか。
1. OJT(オン ザ ジョブ トレーニング) ─ 日常の業務に就きながら行われる職場内訓練
2. QC(クォリティ コントロール)サークル ─ 品質管理活動を自主的に行う小グループ
3. TBM(ツール ボックス ミーティング) ─ 作業着手前に安全作業を確認する会議
4. ZD(ゼロ ディフェクト)運動 ─ 従業員の努力と工夫により、現場の廃棄物をゼロに近づける運動
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
OJT(オン ザ ジョブ トレーニング)とは、職場で実務をさせることで行う従業員の職業教育のこと。企業内で行われるトレーング手法、企業内教育の一種である。
2.◯
QC(クォリティ コントロール)とは、同じ職場内で品質管理活動を自発的に小グループで行う活動である。
3.◯
TBM(ツール ボックス ミーティング)とは、職長を中心にして、その日の作業の内容や方法、段取り、問題点について、短時間で話しあったり、指示伝達を行う。その際、工具箱(ツールボックス)に座って行うことがあるから、このような名称がついた。
4.×
ZD(ゼロ ディフェクト)とは、無欠点運動のことをいう。従業員一人ひとりの注意と工夫によって、仕事上の誤りを除去し、始めから正しい仕事をし、品質と原価と納期に対して効果的に仕事を進める運動。
[ No. 35 ]
高さが 5 m 以上の構造の足場の組立て等に関し、事業者の講ずべき措置として、「労働安全衛生法」上、定められていないものはどれか。
1. 足場の組立て等作業主任者を選任すること。
2. 組立て、解体又は変更の作業を行う区域内には、関係労働者以外の労働者の立入りを禁止すること。
3. 作業の方法及び労働者の配置を決定し、作業の進行状況を監視すること。
4. 材料、器具、工具等を上げ、又は下ろすときは、つり綱、つり袋等を労働者に使用させること。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
高さ5m以上の足場の組立て作業では、作業主任者を選任する。(労働安全衛生規則第565条)
2.◯
組立て、解体又は変更の作業を行う区域内には、関係労働者以外の労働者の立入りを禁止する。(労働安全衛生規則第564条第1項第二号)
3.×
労働安全衛生上に定めはない。
4.◯
材料、器具、工具等を上げ、又は下ろすときは、つり綱、つり袋等を労働者に使用させること。(労働安全衛生規則第564条第1項第五号)
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