学科試験問題 [ No.81 ]〜[ No.95 ] 解答・解説
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ホ. 受検種別「仕上げ」
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※ 問題番号[ No.81 ]〜[ No.95 ]までの 15 問題のうちから6問題を選択し、解答してください。
[ No. 81 ]
合成高分子系ルーフィングシート防水の接着工法に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 加硫ゴム系シート防水において、ルーフィングシート相互の接合部は、接着剤とテープ状シール材を併用して接合する。
2. 塩化ビニル樹脂系シート防水において、エポキシ樹脂系接着剤を用いて張り付ける場合、接着剤は、下地面のみに塗布する。
3. 加硫ゴム系シート防水において、ルーフィングシート相互の接合部で3枚重ねとなる部分は、シートを熱風で柔らかくして、段差部をなくすように融着する。
4. 塩化ビニル樹脂系シート防水において、下地がALC パネルの場合、パネル短辺の接合部の目地部に、絶縁用テープを張り付ける。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
接合部は、ルーフィングシート両面に接着剤を塗布し、かつテープ状シール材を併用して張り付け、ローラー等で押さえて十分に接着させる。
2.◯
エポキシ系又はウレタン系接着剤を用いる場合は、下地面のみにむらなく塗布する。
3.×
3枚重ね部は、内部の段差部分に必ず不定形シール剤を充填する。熱風融着し、よく押さえる。シート端部は液状シール材を用いてシールする。段差部は無くならない。
4.◯
ALCパネル下地の場合は、一般部のルーフィングシートの張付けに先立ち、パネル短辺の接合部の目地部に幅50mm程度の絶縁用テープを張り付ける。
[ No. 82 ]
シーリング工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 先打ちしたポリサルファイド系シーリング材に、変成シリコーン系シーリング材を打ち継いだ。
2. ALC パネル等の表面強度が小さい被着体には、モジュラスの低いシーリング材を用いた。
3. 目地まわりに張ったマスキングテープは、シーリング材のへら仕上げ終了後、直ちに除去した。
4. 充填箇所以外の部分に付着したシリコーン系シーリング材は、シーリング材が硬化する前に直ちに除去した。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
ポリサルファイド系シーリング材に変成シリコーン系シーリング材を打ち継ぐことは可能である。
2.◯
ALCパネル等の表面強度が小さい被着体には、引張応力が低い低モジュラス系シーリング材を用いる。
3.◯
マスキングテープは、長時間たつと除去が難しくなるので、シーリング施工終了後は直ちに除去する。
4.×
シリコーン系は未硬化状態でふき取ると、汚染を拡散するおそれがるため、硬化してから除去する。
[ No. 83 ]
セメントモルタルによる壁タイル後張り工法に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 密着張りにおいて、タイルの張付けは、下部から1段置きに水糸に合わせてタイルを張り、その後に間を埋めるように張った。
2. 改良積上げ張りにおいて、小口タイルの張付けは、1日の張付け高さを 1.5 m とした。
3. マスク張りにおいて、タイル裏面への張付けモルタルは、金ごてを用いて塗り付けた。
4. 改良圧着張りにおいて、張付けモルタルの1回に塗り付ける面積は、タイル工1人当たり1.8 m2 とした。
答え
1
[ 解答解説 ]
1.×
密着張りにおいて、タイルの張付けは、上部から下部に水糸に合わせタイルを張り、その後に埋めるように張る。
2.◯
改良積上げ張りにおいて、小口タイルの張付けは、はく離を防止するため、1日の施工高さを1.5m程度とする。
3.◯
マスク張りの張付けモルタルは、金ごてを用いて行う。
4.◯
改良圧着張りにおいては、張付けモルタルの1回の塗り付ける面積は、タイル工1人当たり1.8m2程度とする。
[ No. 84 ]
粘土瓦葺きに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. のし瓦を安定させるため、葺土を使用した。
2. 冠瓦を取り付けるため、棟補強用心材を使用した。
3. 谷部においては、厚さ0.2mmの銅板を谷どいとして使用した。
4. 瓦桟木は、断面寸法が幅 24mm、高さ18mm の良質な杉を使用した。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
葺土は、棟や壁際でのし瓦や冠瓦を安定させるために用いる。
2.◯
冠瓦を取り付ける際は、棟補強用心材を使用する。
3.×
谷部においては、厚さ0.2mmのステンレス板を谷どいとして使用する。
4.◯
瓦桟木は瓦の掛止め用等に使用する。湿気による防腐処理をした杉、ひのき材を使用する。
[ No. 85 ]
日本工業規格(JIS)の「アルミニウム表面処理用語」に規定されている性質・欠陥に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. バフ焼けとは、バフ研磨中の高熱のために生じた研磨面の不均一性のことである。
2. ダイマークとは、押出(引抜)材表面の押出(引抜)方向に現れる線状の細かい凹凸のことである。
3. チョーキングとは、主として光による劣化が原因で起きる表面が粉末状になる現象のことである。
4. 接触腐食とは、重ねたアルミニウム板の間の面にできる、みみずがはったようなしみができる現象のことである。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
バフ焼けとは、バフによる研磨中、生じる摩擦熱によって高温になるため研磨面が不均一になる現場のことである。
2.◯
ダイマークは、押出(引抜)材表面に押出(引抜)方向に生じる線状の細かい凹凸の傷のことである。
3.◯
チョーキングとは、アルミニウム表面が光により劣化し、表面が粉末状になる現象のことをいう。
4.×
接触腐食とは、アルミニウムと異なる金属が接触することによって、アルミニウムが腐食することをいう。
[ No. 86 ]
天井に用いるアルミモールディングの取付けに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. アルミモールディングの留付けは、目立たないよう目地底にステンレス製の小ねじ留めとした。
2. 軽量鉄骨天井下地は、屋内であったので野縁の間隔を 450 mm とした。
3. 軽量鉄骨天井下地は中央部が高くなるようスパンの 1/500 のむくりを付けて組み立てた。
4. アルミモールディングの割付けは、半端な材料が入らないように基準墨をもとに墨出しのうえ行った。
答え
2
[ 解答解説 ]
1.◯
アルミモールディングの留付けは、目立たないよう目地底にステンレス製の小ねじ留めとする。
2.×
軽量鉄骨天井下地の屋内の野縁の間隔は、下地張りがある場合は、360mm程度、下地張りがない場合は、300mm程度である。
3.◯
天井は中央部が感覚的に垂れ下がっているように見えるので、あらかじめ組立て時に 1/500程度のむくりを付けておく。
4.◯
アルミモールディングは、定尺の既製品であるので、必ず割り付けを行い、途中に中途半端な材料が入らないように配慮する。
[ No. 87 ]
下地と仕上塗材の組合せとして、最も不適当なものはどれか。
1. 内部のせっこうボード下地
── 内装水溶性樹脂系薄付け仕上塗材
(内装薄塗材W)
2. 外部のALC パネル下地
── 反応硬化形合成樹脂エマルション系複層仕上塗材
(複層塗材 RE)
3. 外部のコンクリート下地
── 外装合成樹脂エマルション系薄付け仕上塗材
(外装薄塗材E)
4. 内部のセメントモルタル下地
── 合成樹脂エマルション系複層仕上塗材
(複層塗材E)
答え
2
[ 解答解説 ]
1.◯
内部のせっこうボード下地は、内装水溶性樹脂系薄付け仕上塗材の、組合せが適切である。
2.×
外部のALC パネル下地には、外装合成樹脂エマルション系薄付け仕上塗材が適し、反応硬化形合成樹脂エマルション系複層仕上塗材は不適当である。
3.◯
外部のコンクリート下地には、外装合成樹脂エマルション系薄付け仕上塗材の組合せは適切である。
4.◯
内部のセメントモルタル下地には、合成樹脂エマルション系複層仕上塗材の組合せは適切である。
[ No. 88 ]
アルミニウム製建具に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 外部建具枠回りに充填するモルタルには、NaCl 換算 0.06 %(質量比)まで除塩した海砂を使用した。
2. 外部建具枠回りにモルタルを充填する際、仮止め用のくさびを取り除いた。
3. 枠に付着した油類の汚れは、エチルアルコールを5〜10 % 加えた温湯を用いて清掃した。
4. 表面処理が陽極酸化被膜のアルミニウム製部材がモルタルに接する箇所には、ウレタン樹脂系の塗料を塗布した。
答え
1
[ 解答解説 ]
1.×
外部建具枠回りに充填するモルタルは、NaCl 換算 0.04 %(質量比)以下に規定されている。
2.◯
外部建具枠回りにモルタルを充填する際には、仮止め用のくさびを取り除かなければならない。
3.◯
枠に付着した油類の汚れは、エチルアルコールを5〜10 %程度加えた温湯を用いて清掃する。
4.◯
アルミニウム製部材がモルタルに接する箇所は、絶縁処理する。ウレタン樹脂系の塗料は絶縁塗料である。
[ No. 89 ]
外部に面するサッシのガラス工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 熱線反射ガラスは、反射膜コーティング面を室内側とした。
2. 型板ガラスは、型模様面を室内側とした。
3. 合わせガラスは、取り付ける建具の下枠に水抜き孔を設けた。
4. 複層ガラスは、単一成形品によるグレイジングチャンネルにより取り付けた。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
熱線反射ガラスの反射膜コーティング面は、室内側とする。
2.◯
型板ガラスの模様面は、室内側とする。
3.◯
合わせガラスは、水分の影響で、使用されている特殊樹脂フィルムが白濁したり、はく離する場合があるので、水抜き孔を設ける。
4.×
複層ガラスは、使用されている封着材の接着性能が水分によって低下するおそれがある。グレイジングチャンネルは止水性が弱点である。
[ No. 90 ]
塗装工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 合成樹脂エマルションペイント塗りにおいて、中塗り後、3時間以上経過してから次工程の作業を行う。
2. エアスプレーによる吹付け塗りは、スプレーガンの空気圧が高過ぎると噴霧が粗く、塗り面がゆず肌状になる。
3. エアレススプレーによる吹付け塗りは、高粘度、高濃度の塗料による厚膜塗装に適している。
4. アクリル樹脂系非水分散形塗料塗りにおいて、下塗りには上塗りと同一材料を用いる。
答え
2
[ 解答解説 ]
1.◯
合成樹脂エマルションペイント塗りでは、気温20℃のときは、中塗り後、3時間以上経過してから、次工程の作業になる。
2.x
エアスプレーによる吹付け塗りは、エアスプレーガンの空気圧が高過ぎると噴霧が細くなり、塗り面がゆず肌状になる。
3.◯
エアレススプレーによる吹付け塗りは、塗料自体に直接圧力を加え、ノズルチップから霧化して吹付けるものであり、高粘度、高濃度の塗料による厚膜塗装に適している。
4.◯
アクリル樹脂系非水分散形塗料塗りの下塗り、中塗り、上塗りには同一材料を使用する。
[ No. 91 ]
釘留め工法によるフローリングボード張りに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 根太張り工法におけるフローリングボードは、厚さが 10mm の単層フローリングボードを用いた。
2. 下張り用床板は、受材心で突付け継ぎとし、釘の留付け間隔は継手部を 150mm、中間部は200mm とした。
3. 根太張り工法におけるフローリングボードを張り込む際、隣接するボードの継手位置を150mm 離して割り付けた。
4. 直張り工法における接着剤は、下張り用床板に 300mm 程度の間隔でビート状に塗り付けた。
答え
1
[ 解答解説 ]
1.×
根太張り工法におけるフローリングボードの厚さは、 15mm の単層フローリングボードを用いる。
2.◯
下張り用床板は、受材心で突付け継ぎとし、釘の留付け間隔は継手部を 150mm程度、中間部は200mm程度とする。
3.◯
継手は乱に配慮し、隣接するボードの継手位置は150 mm程度離して割り付ける。
4.◯
接着剤は専用のくしべらを用いて均等に伸ばし、下張り用床板に 300 mm 程度の間隔でビート状に塗り付ける。
[ No. 92 ]
合成樹脂塗床に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 樹脂モルタルのベースコートの練混ぜにおいて、主剤と硬化剤を十分に攪拌した後、骨材を最後に加えた。
2. ウレタン樹脂系塗床材の塗布量が 2.0 kg/m2 を超えていたので、2回塗りとした。
3. コンクリート下地に油分等が付着していたので、脱脂処理を行った。
4. ウレタン樹脂系塗床材の2層目の塗重ねは、先に塗った層が完全に硬化してから行った。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
樹脂モルタルのベースコートの練混ぜは、主剤と硬化剤を十分に攪拌した後、骨材を最後に加える。
2.◯
ウレタン樹脂系塗床材の塗布量は、 1回当たり 2.0 kg/m2以下とする。硬化物比重を1.0とすると厚さ 2.0mm以下となる。
3.◯
下地に油分等が付着してる場合は、脱脂処理を行う。
4.×
ウレタン樹脂系塗床材の2層目の塗重ねは、先に塗った層が完全に硬化する前に行う。
[ No. 93 ]
せっこうボード張りに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 壁の二重張りにおいて、上張りのボードは接着剤とステープルを併用して張り付けた。
2. 天井の仕上張りは、中央部より張り始め、周囲に向かって張り進めた。
3. 軽量鉄骨天井下地への張付けは、鋼製下地の裏面に 10 mm 以上の余長が得られる長さのドリリングタッピンねじを用いた。
4. 壁のせっこう系直張り用接着材の1回の練混ぜ量は、2時間で使い切る量とした。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
ボード類を下地張りの上に張る場合、接着剤を主とし、小ねじ類はタッカーによるステーブル類の間隔は、縦、横 200〜300mm程度で留め付ける。
2.◯
天井の仕上張りは、中央部より張り始め、周囲に向かって張り進める。
3.◯
軽量鉄骨天井下地への張付けは、鋼製下地裏面に十分な余長( 10 mm 程度)が得られるドリリングタッピンねじを用いる。
4.×
壁のせっこう系直張り用接着材の1回の練混ぜ量は、1時間で使い切る量とする。接着材は練り混ぜてから2時間程度で
硬化する。
[ No. 94 ]
外壁 ALC パネル工事の縦壁ロッキング構法に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. パネル重量を、パネル下部の両端に位置する自重受け金物により支持した。
2. パネル短辺相互の接合部、出隅部及び入隅部には、伸縮目地を設けた。
3. パネル間の目地シーリングは、隣接するパネル相互の挙動に追従できる2面接着とした。
4. パネルとコンクリートスラブの間は、パネル裏面に絶縁材を設けてモルタルを充填した。
答え
1
[ 解答解説 ]
1.×
パネル重量は、パネル上部の両端に位置する自重受け金物により支持する。
2.◯
パネル短辺相互の接合部、出隅部及び入隅部には、伸縮目地を設ける。
3.◯
パネル間の目地シーリングは、パネル相互の挙動に追従できる2面接着とする。
4.◯
パネルとコンクリートスラブの間は、パネル裏面に絶縁材(クラフトテープ)を設けてモルタルを充填する。
[ No. 95 ]
アスファルト防水改修工事における、既存部分の撤去及び新規防水の下地に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 既存の保護コンクリートは、ハンドブレーカーを使用し、取合い部の仕上げ材や躯体に損傷を与えないように撤去した。
2. 平場部の既存アスファルト防水層は、けれん棒を使用し、下地材に損傷を与えないように撤去した。
3. 平場部の既存アスファルト防水層を全て撤去した後、立上り部及びルーフドレーンまわりの防水層を残したまま、新たにアスファルト防水層を施工した。
4. 既存防水層撤去後の下地コンクリート面の軽微なひび割れは、新規防水が絶縁工法だったので、シール材で補修した。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
既存の保護コンクリートは、ハンドブレーカーを使用し、取合い部の仕上げ材や躯体に損傷を与えないように撤去する。
2.◯
平場部の既存アスファルト防水層は、けれん棒を使用し、下地材に損傷を与えないように撤去する。
3.×
平場部の既存アスファルト防水層を全て撤去し、立上り部及びルーフドレーンまわりの防水層を残したままにすると、残した部分と新たにアスファルト防水層のなじみが悪く、漏水の原因となる。
4.◯
防水層撤去後の下地コンクリート面の軽微なひび割れは、新規防水が絶縁工法の場合ならば、シール材補修で足りる。
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