2024年03月14日
2級建築施工管理技士 平成29年度 学科 (後期) [ No.66 ]〜[ No.80 ] 解答・解説
学科試験問題 [ No.66 ]〜[ No.80 ] 解答・解説
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ニ. 受検種別「躯体」
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※ 問題番号[ No.66 ]〜[ No.80 ]までの15問題のうちから6問題を選択し、解答してください。
[ No. 66 ]
標準貫入試験に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 本打ち 200 mm に要する打撃回数をN値とした。
2. 本打ちの打撃回数は、特に必要がなかったので、50 回を限度として打撃を打ち切った。
3. ハンマーは、質量が 63.5 kg の鋼製のものを用いた。
4. 本打ちは、ハンマーを 760 mm の高さから自由落下させた。
答え
1
[ 解答解説 ]
1.×
本打ち300 mm打込むのに要した打撃回数をN値とする。
2.◯
予備打ち及び本打ちにおいて、50回の打撃に対して、累積貫入量が10mm未満の場合は、貫入不能として打撃を打ち切る。
3.◯
ハンマーは、質量が 63.5 kg の鋼製のものを用いる。
4.◯
ハンマーの自由落下の高さは、760 mmとする。
[ No. 67 ]
山留め壁に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 親杭横矢板壁は、鋼矢板壁と比較して、やや固い地盤や砂礫地盤での施工に適している。
2. 鋼矢板壁は、鋼管矢板壁と比較して、根切り底が深い掘削となる施工に適している。
3. 場所打ち鉄筋コンクリート地中壁は、軟弱地盤や根切り底が深い掘削となる施工に適している。
4. ソイルセメント壁は、地下水位の高い砂礫地盤や軟弱地盤での施工に適している。
答え
2
[ 解答解説 ]
1.◯
親杭横矢板壁は、地下水位の低い良質地盤に有効。鋼矢板壁と比較して、やや固い地盤や砂礫地盤での施工に適している。
2.×
鋼矢板壁は、鋼管矢板壁と比較して、根切り底が浅い掘削となる施工に適している。
3.◯
場所打ち鉄筋コンクリート地中壁は、地下水位が高く、軟弱地盤、大深度掘削に適している。
4.◯
ソイルセメント壁は、地下水位の高い砂層地盤、砂礫地盤、軟弱地盤と適用範囲は広く。
[ No. 68 ]
親杭横矢板工法に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 止水性を必要としない山留め工事に用いられる。
2. 支保工として地盤アンカーを用いる場合、地盤アンカーから伝達される鉛直力に対する検討が必要である。
3. プレボーリングにより親杭を設置する場合、受働抵抗を十分に発揮させるために杭の根入れ部分は良質土で充填する。
4. 矢板の裏側に裏込め材を十分充填した後、親杭と矢板材との間にくさびを打ち込んで、裏込め材を締め付け、安定を図る。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
親杭横矢板工法は、透水性の壁を有する。
2.◯
地盤アンカーは斜めに施工されるので、反力として下向き鉛直方向の応力が生じるため、鉛直力に対する検討が必要である。
3.×
プレボーリングにより親杭を設置する場合、オーガ等で所定の深さまで掘削し、後に親杭(H鋼)を立て込んでハンマーを使用し、打撃を加え、支持地盤に打込む。埋戻しは行わない。
4.◯
矢板の裏側に裏込め材を十分に充填し、親杭と矢板材の間にくさびを打ち込み、裏込め材を締め付けて側壁を安定をさせる。
[ No. 69 ]
場所打ちコンクリート杭のアースドリル工法に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 鉄筋かごのかぶり厚さを確保するためのスペーサーは、D13の鉄筋を用いた。
2. コンクリートのスランプは、トレミー管を通じて打ち込むため 18cm とした。
3. 杭頭の余盛りの高さは、スライムなどが混入するおそれがあるため 100cm とした。
4. 孔壁内面と鉄筋かごの最外側の鉄筋との間隔は、かぶり厚さを確保するため 10cm とした。
答え
1
[ 解答解説 ]
1.×
アースドリル工法の杭鉄筋かごのスペーサーは、ケーシングチューブを用いる場合は、D13以上の鉄筋を用いる。ケーシングチューブを使用しない場合は、杭径 ≦ 1.2mでは鋼板 4.5 × 38mm、杭径> 1.2mでは鋼板 4.5×50mm程度のものとする。
2.◯
コンクリートの打込みは、トレミー管を用いる。打込みコンクリートのスランプ 18cm程度とする。
3.◯
杭頭の余盛り部分には、取りきれなかったスライムなどが混入するおそれがある。余盛り高さは100cm程度とし、杭頭処理により取り除く。
4.◯
孔壁内面と鉄筋かごの最外側の鉄筋との間隔は、かぶり厚さを確保するため 10cmとする。
[ No. 70 ]
鉄筋の加工及び組立てに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 柱のスパイラル筋は、末端部を 135°フック付きとした。
2. 鉄筋間隔の最小値は、呼び名の数値の 1.5 倍、粗骨材最大寸法の 1.25 倍、25 mm のうち、最も大きい数値とした。
3. SD390、D32 の異形鉄筋を 90°曲げとするので、折曲げ内法直径を 5d 以上とした。
4. 梁せいが2m の基礎梁を梁断面内でコンクリートの水平打継ぎとするので、上下に分割したあばら筋の継手は、180°フック付きの重ね継手とした。
答え
2
[ 解答解説 ]
1.◯
帯筋やあばら筋等のせん断補強筋は、末端部に135°のフックを付ける。
2.×
鉄筋間隔の最小値は、隣り合う鉄筋の平均径(呼び名の数値)の1.5倍、粗骨材最大寸法の1.25倍、25mmのうち最も小さい数値とする。
3.◯
一般的には、鉄筋の折曲げ形状・寸法は下記の表のようになっている。
建築学会「配筋標準図」より
設問は、SD390、D32の鉄筋の折曲げ内法直径を5d以上としているので問題はない。
4.◯
あばら筋は、せん断補強材であるから、継手にはフックを付ける。
[ No. 71 ]
異形鉄筋の継手に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 小梁の主筋の重ね継手は、上下重ね、水平重ねのいずれでもよい。
2. 壁縦筋の配筋間隔が上下階で異なる場合に、鉄筋を折り曲げずにあき重ね継手としてもよい。
3. 基礎梁上端筋の継手の位置は、耐圧スラブの有無にかかわらず梁中央とする。
4. 径の異なる鉄筋の重ね継手長さは、細い方の鉄筋の呼び名の数値によって算出する。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
小梁の主筋の重ね継手については、規定がないので上下重ね、水平重ねのいずれでもよい。ただし、出角部にある場合の主筋重ね継手は、180°フック付きとする。
2.◯
壁縦筋の配筋が上下階で異なる場合、あき重ね継手としてもよい。
3.×
鉄筋の継手は、原則として部材応力の小さいところに設けるものとし、その位置は特記によるので、どのような時でも梁中央に継手の位置を設けるという設問は誤りである。
4.◯
径の異なる鉄筋の重ね継手の長さは、細い方の鉄筋の呼び名の数値で算出する。
[ No. 72 ]
コンクリート打込み時に型枠に作用する側圧に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. コンクリートの打込み速さが速くなると、最大側圧は大きくなる。
2. コンクリートの温度が高くなると、側圧は小さくなる。
3. せき板材質の透水性が大きくなると、最大側圧は小さくなる。
4. コンクリートの単位容積質量が大きくなると、側圧は小さくなる。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
コンクリートの打込み速さが速くなると、最大側圧が増加する。
2.◯
コンクリートの温度が高くなると、コンクリートのワーカビリティが向上するので側圧は小さくなる。
3.◯
せき板材質の透水性が大きいと、水が抜けやすくなり、水圧が下がるので、側圧は小さくなる。
4.×
コンクリートの単位容積重量が大きくなると、側圧は大きくなる。
[ No. 73 ]
型枠工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 転用率を向上させるため、スラブ型枠にフラットデッキ(床型枠用鋼製デッキプレート)を用いた。
2. フラットデッキ(床型枠用鋼製デッキプレート)を受ける梁の側型枠は、縦桟木で補強した。
3. 階段が取り付く壁型枠は、敷き並べた型枠パネル上に現寸で墨出しをしてから加工した。
4. コンクリートの吹出しを防ぐため、横に長い壁開口部の下側の型枠には、端部にふたをした。
答え
1
[ 解答解説 ]
1.×
フラットデッキは、衝撃に弱く、曲がったりへこんだり変形しやすので型枠の転用は難しい。したがって、転用率は向上しない。
2.◯
フラットデッキを受ける梁の側型枠は、縦桟木で受けるので、十分な補強が必要である。
3.◯
階段が取り付く壁型枠は、加工が複雑になるため、現寸で墨出しをしてから加工する場合もある。
4.◯
横に長い壁開口部は、コンクリートが盛り上がるので、端部にふたをして吹出しを防止する。
[ No. 74 ]
コンクリートの調合に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 単位水量の最大値は、185 kg/m3 とし、所定の品質が確保できる範囲内で、できるだけ小さくする。
2. AE減水剤を用いると、所定のスランプを得るのに必要な単位水量を減らすことができる。
3. 単位水量が大きくなると、ブリーディングや打込み後の沈降が大きくなる。
4. コンクリートに含まれる塩化物量は、原則として、塩化物イオン量で 0.35 kg/m3 以下とする。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
単位水量の最大値を185 kg/m3 と規定するとともに、所定の品質が確保できる範囲内でできるだけ小さくする。
2.◯
AE減水剤は、セメントに対する定められた質量比等の範囲内で単位水量及びスランプが得られるように使用量を定めるが、使用しない場合よりも、単位水量を減らすことができる。
3.◯
単位水量が大きくコンクリートは、打込み後、水が多く抜けるので、ブリーディングや沈降が大きい。
4.×
コンクリートに含まれる塩化物量は、塩化物イオン量で 0.3 kg/m3 以下と規定されている。
[ No. 75 ]
コンクリートの養生に関する記述として、最も不適当なものはどれか。ただし、計画供用期間を指定する場合の級は標準とする。
1. 暑中コンクリート工事におけるコンクリートの湿潤養生期間は、通常の気温で打ち込む場合と同じでよい。
2. コンクリート面が露出している部分の湿潤養生には、膜養生剤や浸透性の養生剤を塗布する方法がある。
3. 寒中コンクリート工事における加熱養生中は、コンクリートの湿潤養生を行う必要はない。
4. 打込み後のコンクリートが透水性の小さいせき板で保護されている場合は、湿潤養生と考えてよい。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
暑中コンクリートの湿潤養生期間は、通常の気温での養生期間と同じである。
2.◯
コンクリート面が露出している部分の湿潤養生は、膜養生剤や浸透性の養生剤を塗布して湿潤状態を保つ方法がある。
3.×
寒中コンクリート工事における加熱養生中は、コンクリートの急激な乾燥によりひび割れる場合などがある。湿潤状態は保持しなければならない。
4.◯
透水性の小さいせき板で保護されている場合は、水が抜けないので湿潤状態にあると考えてよい。
[ No. 76 ]
鉄骨の加工に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 高力ボルト接合に使用するスプライスプレートは、ガス切断で加工した。
2. 曲げ加工される部分の外面のけがきは、ポンチ、たがねを用いて行った。
3. 板厚が 13 mm の鋼材のアンカーボルト孔及び鉄筋貫通孔は、せん断孔あけで加工した。
4. 普通ボルトの孔径は、ボルトの公称軸径に 0.5 mm を加えた値とした。
答え
2
[ 解答解説 ]
1.◯
ガス切断は、最もよく使用されいる。ガスによる切断は、自動ガス切断とする。やむを得ず手動ガス切断とする場合は、所定の製作精度が確保されるようにする。
2.×
490N/mm2級以上の高張力鋼、曲げ加工する外側等には、たがね、ポンチ等による打こんを残さない。ただし、溶接により溶融する箇所又は切断、切削又は孔あけにより除去される箇所は、この限りでない。
3.◯
板厚が13mm以下の場合に限り、せん断加工機を使用することができる。せん断加工は、速度は早いが、切断面のまくれ・かえり等の発生、板の変形、切断面の硬化等の問題がある。
4.◯
普通ボルトの孔径は、ボルトの公称軸径+0.5mmとする。ただし胴縁類の取付け用ボルトの場合は +1.0mmとする。
[ No. 77 ]
鉄骨の建方に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. ターンバックル付き筋かいを有する鉄骨構造物の建入れ直しに、その筋かいを使用した。
2. 長い部材が揚重中に回転するのを止めるため、吊荷の端部にかいしゃくロープを取り付けた。
3. 建入れ直し用のワイヤロープの取付け用ピースは、あらかじめ鉄骨本体に取り付けた。
4. 建入れ直し用のワイヤロープは、突風などに対する補強ワイヤロープを兼ねることとした。
答え
1
[ 解答解説 ]
1.×
ターンバックル付き筋かいを有する構造物において、その筋かいを用いて建入れ直しを行ってはならない。
2.◯
揚重中に部材の回転を防止するため、吊荷の端部にかいしゃくロープを取り付ける。
3.◯
ワイヤロープの取付け用ピースは、あらかじめ鉄骨本体に取り付けられた強固なものとする。
4.◯
架構の倒壊防止用(補強用)ワイヤロープは、建入れ直し用と兼用することができる。
[ No. 78 ]
建設機械に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. タイヤローラは、鉄などを用いたバラストの付加重量やタイヤの空気圧を変えることにより、接地圧を調節できる。
2. バックホウでダンプトラックに土砂を積み込む場合、ダンプトラックの運転席の上を旋回せず、荷台の後方から旋回する。
3. バックホウによる足元の掘削は、法肩崩壊時の危険回避のため、クローラ横向き掘削で行う。
4. 振動ローラは、振動数などを変えることにより、材料の性状に応じた締固めができる。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
タイヤローラは、鉄などのバラストの付加重量やタイヤの空気圧を変え、接地圧を調節できる。
2.◯
バックホウでダンプトラックに土砂を積み込む場合は、バックホウはダンプトラックの運転席上空では安全のため旋回させてはならない。
3.×
バックホウによる足元の掘削は、法肩崩壊時の危険回避のため、クローラ縦向き掘削で行う。
4.◯
振動ローラは、材料の性状に応じた締固めを行うため、振動数などを調整することができる。
[ No. 79 ]
現場打ち鉄筋コンクリート耐震壁を増設する耐震改修工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 増設壁との打継ぎ面となる既存コンクリートの表面が平滑であったため、表面に目荒し処理を行った。
2. 増設壁のコンクリートの打込みを流込み工法としたので、増設壁コンクリート上端と既存梁下とのすき間は 200mm とし、グラウト材を注入した。
3. 注入するグラウト材は、練上り時の温度が 10〜35 ℃ の範囲となるようにした。
4. 増設壁のコンクリートの打込みを圧入工法としたので、オーバーフロー管の流出先の高さは、既存梁の下端より低くした。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
既存コンクリートの表面が平滑な場合、増設壁との取合部分は表面に目荒し処理を行う。
2.◯
増設壁のコンクリート上端と既存梁下のすき間(200mm程度)には、グラウト材を注入してすき間をなくす。
3.◯
注入するグラウト材の練上り時の温度は、10〜35 ℃ の範囲とする。
4.×
増設壁のコンクリートの打込みを圧入工法とする場合は、オーバーフロー管の流出先の高さは、既存梁の下端より高くする。
[ No. 80 ]
次の工事とそれに関連する工法との組合せとして、最も不適当なものはどれか。
1. 場所打ち杭工事 ─ リチャージ工法
2. 山留め工事 ── タイロッドアンカー工法
3. 鉄筋工事 ── 機械式継手工法
4. 鉄骨工事 ── ロックウール吹付け工法
答え
1
[ 解答解説 ]
1.×
リチャージ工法は、通常、根切り工事において発生した湧水を再び地中に戻し地盤沈下を防止する場合に使用される。
2.◯
自立高さが高い場合や、山留め壁頭部の変形を抑制したい場合に有効。山留め壁上端部の頭つなぎにタイロッドアンカーを施工し、アンカー控えに杭やコンクリート梁やブロックなどが用いられる。
3.◯
機械式継手は、鉄筋継手に使用される。トルク方式やグラウト方式のものがある。
4.◯
ロックウール吹付け工法は、鉄骨の耐火被覆に使用される。この吹付工法には、現場配合のセメントスラリーによる半乾式工法と工場配合による乾式工法とがある。
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