2024年03月15日
2級建築施工管理技士 平成29年度 学科 (後期) [ No.51 ]〜[ No.65 ] 解答・解説
学科試験問題 [ No.51 ]〜[ No.65 ] 解答・解説
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ハ. 受検種別「建築」「仕上げ」
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※問題番号[ No.51 ]〜[ No.65 ]までの 15 問題のうちから6問題を選択し、解答してください。
[ No. 51 ]
加硫ゴム系シート防水接着工法に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 下地への接着剤の塗布は、プライマーの乾燥後に行った。
2. 美観と保護を目的に仕上塗料塗りを行った。
3. 下地とシートの接着には、エポキシ樹脂系接着剤を用いた。
4. 平場でのシート相互の接合幅は、幅方向、長手方向とも 100 mm 以上とした。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
プライマーは、下地への浸透性を高め、接着力を工場させるために用いる。接着剤はプライマー塗布、乾燥後に使用する。
2.◯
仕上塗料には、豊富な色彩があり、美観とシート保護のために塗布される。
3.×
下地とシートの接着には、クロロプロンゴム系、ブチルゴム系、アクリル樹脂系、ウレタン樹脂系の接着剤が用いられる。エポキシ樹脂系接着剤は用いられない。
4.◯
平場でのシート相互の接合幅は、幅方向、長手方向とも100mm以上が適切である。
[ No. 52 ]
シーリング工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 裏面に接着剤が付いているバックアップ材は、目地幅より大きい幅のものとした。
2. 目地への打始めは、目地の交差部あるいはコーナー部より開始した。
3. ノンワーキングジョイントでは、3面接着で施工した。
4. 目地底にシーリング材を接着させないため、ボンドブレーカーを用いた。
答え
1
[ 解答解説 ]
1.×
裏面に接着剤がついているバックアップ材は、目地幅より1mm程度小さいもの、接着剤が付いていないものは、目地幅より2mm程度大きいものを使用する。
2.◯
シーリング材の充填は、交差部あるいは角部から行う。すき間、打残し、気泡がないように目地の隅々まで充填する。
3.◯
3面接着は、ノンワーキングジョイントなど、目地動きが極めて小さい部分に使用される。
4.◯
ボンドブレーカーは3面接着を避けるため、目地底に張付けるテープ状の材料である。
[ No. 53 ]
セメントモルタルによる床タイル圧着張りに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. タイルの張付けモルタルは、塗り付ける厚さを5〜7mm とし、一度に塗り付けた。
2. タイルの張付けモルタルを1回に塗り付ける面積は、タイル工1人当たり2m2 以下とした。
3. タイルの張付けは、目地部分に張付けモルタルが盛り上がるまで、木づちでたたき押さえた。
4. 化粧目地詰めは、タイル上を歩行可能となった時点で行った。
答え
1
[ 解答解説 ]
1.×
床タイル圧着張りでは、張付けモルタル厚さは3〜7mm程度とし、張付けモルタルは必ず二度塗りとする。
2.◯
タイルの張付けモルタルの1回あたりの塗付け面積は、タイル工1人当たり2m2以下とする。
3.◯
タイルの張付けは、目地部分に張付けモルタルが盛り上がるまで、木づち、たたき板などでたたき押さえる。
4.◯
化粧目地詰めは、適切な養生期間をとった後に行う。養生期間の目安は、タイル上が歩行可能となった時点である。
[ No. 54 ]
金属製折板葺屋根工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. けらば包みの継手位置は、端部用タイトフレームの近くに設ける。
2. 雨押さえは、壁部との取合い部分の浸水を防ぐために設ける。
3. タイトフレームと下地材との接合は、スポット溶接とする。
4. 変形防止材は、けらば部分の折板の変形を防ぐために設ける。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
けらば包みの継手位置には、端部用タイトフレーム等の下地を設ける必要がある。また、継手の重ねは60mm以上とし、重ね内部にはシーリング材を挟み込む。
2.◯
折板葺における水上の先端には、雨水を止めるために、折板と同材料の止水面戸を用いた雨押さえを設定する。
3.×
タイトフレームと下地材との接合は、隅肉溶接とし、溶接後はスラグを除去し、錆止め塗料を塗り付ける。
4.◯
変形防止材は、けらば部分の変形を防止するために取り付ける。3山ピッチ(折板の山間隔の3倍)以上とする。
[ No. 55 ]
軽量鉄骨壁下地に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 床ランナーは、端部を押さえ、900mm間隔に打込みピンでコンクリート床に固定した。
2. スタッドは、上部ランナーの上端とスタッド天端のすき間が 1 mm 以下となるように取り付けた。
3. ボード1枚張りであったので、スタッドの間隔を450mm とした。
4. 出入口開口部の垂直方向の補強材の上部は、梁下、床スラブ下に固定した。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
床ランナーは、端部を押さえ、間隔900mm程度に打込みピン等で、コンクリート床、梁下、スラブ下等に固定する。
2.◯
上部ランナーの上端とスタッド天端のすき間は10mm 以下とする。
3.×
スタッドの間隔は、下張りがある場合は450mm程度、下張りがない場合は 300mm程度である。
4.◯
垂直方向の補強材は、建具が留め付けられるため、戸の開閉による振動が衝撃荷重に耐えられるように、上は梁又はスラブに達するものとし、上下ともあと施工アンカー等で固定した取付金物に溶接又はボルト類で取り付ける。
[ No. 56 ]
仕上塗材仕上げに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 仕上塗材は、現場で顔料及び添加剤を加えて色つやを調整した。
2. コンクリート下地面の厚付け仕上塗材の下地調整は、目違いをサンダー掛けで取り除くことができたので、下地調整塗材塗りを省いた。
3. 合成樹脂エマルション系複層仕上塗材(複層塗材E)仕上げなので、合成樹脂エマルション系下地調整塗材を使用した。
4. けい酸質系複層仕上塗材(複層塗材Si)の上塗りは、2回塗りとし、均一に塗り付けた。
答え
1
[ 解答解説 ]
1.×
仕上塗材は、指定された銘柄、色及びつや等に基づいて製造所により調合、出荷されるので、現場で顔料又は添加剤等を加えて、これを調合してはならない。
2.◯
厚付けの仕上塗材の場合、目違いはサンダー掛け程度の下地調整で十分である。
3.◯
仕上塗材は、下塗材、主材又は上塗材の組合せにより総合塗膜としての品質が規定されているので、それぞれの材料は同一製造所のものを使用しなければならない。
4.◯
複層仕上塗材の上塗材は、紫外線、風、雨、雪等の外力から主材層を保護し、同時に色、光沢等によりデザイン性を高めるためのものである。0.25kg/m2以上の所要量で2回塗りを標準としている。
[ No. 57 ]
せっこうプラスター塗りに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 塗り作業中だけでなく作業後もせっこうプラスターが硬化するまで通風を避けた。
2. 強度を高めるため、せっこうプラスターにセメントを混入した。
3. せっこうプラスターは、適正な凝結時間と正常な硬化を得るため、製造後3か月以内のものを使用した。
4. 下地がせっこうボードの場合、下塗りは下塗り用の既調合プラスターを使用し、塗厚を6〜8mm 程度とした。
答え
2
[ 解答解説 ]
1.◯
塗り付けたせっこうプラスターが、風により急激に乾燥すると、硬化不良を起こすので、硬化が終了するまで通風を避ける。
2.×
せっこうプラスターに種類の違うプラスター、セメント等を混合したり、練残しのせっこうプラスターを混合すると硬化時間や強度に影響するので、絶対に避けなければならない。
3.◯
せっこうプラスターは、搬入した材料が4ヶ月経過しているものは使用しない。
4.◯
下地がせっこうボードの場合、既調合プラスターを使用し下塗りを行い、塗厚 6〜8mm程度とする。
[ No. 58 ]
アルミニウム製建具に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. アルミニウム製建具の酸化被膜を厚くすればするほど、耐食性が向上する。
2. 加工、組立てにおいて、隅部の突付け小ねじ締め部分にはシーリング材を充填する。
3. 防虫網を合成樹脂製とする場合、網目は 16〜18 メッシュのものとする。
4. 取付けの際、建具の養生材は、除去を最小限にとどめ、取付けが終わった後に復旧する。
答え
1
[ 解答解説 ]
1.×
アルミニウム製建具の耐食性対策は、アルミニウム材に表面処理を施すことで行っている。酸化被膜に加えて塗装を施した陽極酸化塗装複合被膜処理を用いている。酸化被膜を厚くしても耐食性が向上するとは限らない。
2.◯
建具の隅部の納まりは、一般に素材を仕口の形に合わせて加工し、突付け小ねじ締めとしている。漏水防止のためシーリング材又はシート状の止水材を使用する。
3.◯
防虫網を合成樹脂製とする場合、網目は線径 0.25mm以上の16又は18メッシュとする。
4.◯
取付け後は養生材をできるだけ残し、やむを得ず取り除いた養生材は、取付けが終わった後にできるだけ早く復旧する。周囲の仕上げに支障のある養生材は仕上げに先立ち取り除く。
[ No. 59 ]
建具工事におけるキーシステムに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 複数個の異なった錠のいずれの錠でも、特定の鍵で施解錠できるシステムを、マスターキーシステムという。
2. 複数個の異なった鍵のいずれの鍵でも、特定の錠だけを施解錠できるシステムを、逆マスターキーシステムという。
3. 施工後にシリンダーを変更することなく、工事中に使用した鍵では施解錠できなくするシステムを、コンストラクションキーシステムという。
4. 各々の錠をそれに対応する個別の鍵のみで施解錠できるシステムを、同一キーシステムという。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
マスターキーシステムとは、錠が複数個ある場合に、1本の鍵で施解錠できるシステムで、この鍵をマスターキーといい、各々の錠のみを施解錠できる鍵を子鍵という。
2.◯
複数個の異なった鍵のいずれのものでも、特定の錠だけを施解錠できるシステムを、逆マスターキーシステムという。
3.◯
コンストラクションキーシステムとは、建物の施工中のみ使用できるキーを使用し、施工後はシリンダーを取り替えずに簡単な操作で一般の状態にするキーシステムである。
4.×
同一キーシステムとは、限定された鍵を同一鍵番号にして、1本の鍵で施解錠できるシステム。この鍵を同一キーという。設問のものは個別キーという。
[ No. 60 ]
塗装工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 壁面をローラーブラシ塗りとする際、隅やちり回りなどは、小ばけを用いて先に塗布した。
2. 木部のクリヤラッカー塗りの下塗りは、ジンクリッチプライマーを用いた。
3. 合成樹脂調合ペイントの上塗りは、はけ塗りとし、材料を希釈せずに使用した。
4. パテかいは、へらを用い、一度で埋まらないものは追いパテを繰り返し行った。
答え
2
[ 解答解説 ]
1.◯
ローラーブラシ塗りの、隅、ちり回りなどは、小ばけや専用ローラーを用いて先行して塗布する。
2.×
木部のクリヤラッカー塗りの下塗りはウッドシーラー、A種の中塗りはサンジングシーラーを用いる。設問のジンクリッチプライマー錆止め塗料の際に用いる。
3.◯
合成樹脂調合ペイント塗りは、はけ塗りに適しており、はけ目やだれが少なく、表面に光沢をもつ平滑な仕上り塗膜が得られる。
4.◯
パテかいは、パテを穴などに塗付け、埋め、平滑な下地をつくることをいう。
[ No. 61 ]
床のフローリングボード張りに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 接着工法における、フローリングボードのモルタル下地への接着剤は、エポキシ樹脂系接着剤を使用した。
2. 体育館における、フローリングボードと壁との取合いは、すき間が生じないよう突き付けた。
3. フローリングボードの下張り用合板は、長手方向が根太と直交するように割り付けた。
4. フローリングボード張込み後、床塗装仕上げを行うまで、ポリエチレンシートを用いて養生をした。
答え
2
[ 解答解説 ]
1.◯
接着工法におけるフローリングボードのモルタル下地への接着剤は、エポキシ樹脂系、ウレタン樹脂系又は変成シリコーン樹脂系としている。
2.×
体育館におけるフローリングボードと壁との取合いは、20〜30mmの空隙を設ける。
3.◯
下張り用合板は、長手方向が根太と直交するように割り付け、ゆるみ、がたつき、きしみ音がないように張込む。
4.◯
張込み後、仕上げ塗装を行わない場合は、養生紙等を敷き、傷、汚れ、しみ、狂いを防ぎ、雨等がかからないようにする。
[ No. 62 ]
ビニル床シート張りに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 厚物のシートを壁面に張り上げるため、床と壁が取り合う入隅部に面木を取り付けた。
2. シートは割付け寸法に従って裁断し、直ちに張り付けた。
3. 張付け用の接着剤は、所定のくし目ごてを用いて均一に塗布した。
4. 柄模様のシートは、接合部の柄合せを行い、重ね切りした。
答え
2
[ 解答解説 ]
1.◯
厚物のシートを床面と壁面とに確実に一体に張り上げるために、入隅部には面木を取り付ける。
2.×
シート類は、長手方向に縮み、幅方向に伸びる性質があるので、長めに切断して仮敷きし、24時間以上放置して巻ぐせをとり、なじむようにする。
3.◯
接着剤は、製造所の指定するくし目ごてを用いて塗布する。異なるくし目ごてを用いると張付け後シート類の表面にくし目が目立つ場合がある。
4.◯
柄模様のシートは、接合部の柄合せ後、重ね切りとする。
[ No. 63 ]
壁紙張りに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 下地処理において、シーラーを塗布する前に、ビス頭の防錆処理を行った。
2. せっこう系接着材で直張りしたせっこうボード下地は、十分に乾燥させてから壁紙を張り付けた。
3. 張替えの際に、壁紙をはがしやすくするため、シーラーは部分的に塗布した。
4. 壁紙の表面に付着した接着剤は、張り終わった箇所ごとに清浄な湿布で直ちにふき取った。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
シーラー塗布前に、下地の穴埋め、ビス類の防錆め等の処理を行う。
2.◯
下地がせっこうボードで、せっこう系接着剤による直張り工法の場合は、接着剤の乾燥が遅いので、十分な養生時間をとる必要がある。
3.×
シーラー塗りは、はけ・ローラー等を用いて全面にむらなく塗布する。
4.◯
張り終わった箇所ごとに、表面に付着した接着剤や手あか等を直ちにふき取る。放置しておくと、しみの原因となるので注意する。
[ No. 64 ]
フリーアクセスフロアに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. クリーンルームでは、床下に作業者が入れるように、根太、大引等の下地を設けてパネルを支持する根太方式とした。
2. 電算機室では、パネルの四隅の交点に高さを調整できる共通の支持脚を設けてパネルを支持する共通独立脚方式とし、ほうづえを設けて耐震性を高めた。
3. 事務室では、1枚のパネルの四隅や中間に高さ調整のできる支持脚が付く、脚付きパネル方式とした。
4. 会議室では、床下配線が少なかったため、コンクリート下地等の凹凸部でも、敷き並べるだけでそのまま高さ調整ができる置敷き方式とした。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
クリーンルームでは、直接ルーム内から作業するのため、床は根太方式とし、作業員が床下内に入れるスペースを確保する。
2.◯
電算機室では、配線や機器の配置換えが比較的多く、パネルを個別で動かすことができる共通独立脚方式が良い。なお、重量物が多いため、ほうづえを設けて耐震性を高める。
3.◯
事務室では、机の配置、事務機器の移動も多くあり、配線も多く変更があることが考えられる。そのため、最小限の移動でできるようパネルは個々に取り外せ、また、復旧できる脚付きパネル方式がよい。
4.×
フリーアクセスフロアの設置目的は、机や家具等に影響されず配置できることや、後から変更が容易にできることにある。会議室はフリーアクセスフロアを設置する必要が少ない。
[ No. 65 ]
押出成形セメント板による間仕切壁工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 縦張り工法で施工する際に、パネル下部に取付け金物(L 型金物)をセットし、パネル側はタッピンねじ、床面側はアンカーボルトで固定した。
2. 横張り工法で施工する際に、パネルがロッキングできるように、取付け金物(Z クリップ)はパネルの左右端部に取り付けた。
3. 縦張り工法のパネル上部の取付け金物(Z クリップ)は、回転防止のため、下地鋼材に溶接した。
4. 横張り工法の目地幅は、横目地よりも縦目地の方を大きくした。
答え
2
[ 解答解説 ]
1.◯
縦張り工法で施工する場合は、パネル下部には L 型金物をセットし、パネル側はタッピンねじ、床面側はあと施工アンカーを用いて固定する。
2.×
横張り工法では、ロッキングにすることは困難である。
3.◯
縦張り工法のパネル上部の取付け金物はZクリップを用い、回転を防止させる。固定度を上げるため下地鋼材に溶接させる。
4.◯
横張り工法の目地は、横方向より縦方向の方が変形の幅が大きいため、縦方向の目地幅を大きくする。
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