学科試験問題 [ No.26 ]〜[ No.35 ] 解答・解説
※ 問題番号[ No.26 ]〜[ No.35 ]までの 10 問題は、全問題解答してください。
[ No. 26 ]
事前調査と施工計画の組合せとして、最も関係の少ないものはどれか。
1. 近隣の商店や工場の業種の調査
────── 解体工事計画
2. 前面道路や周辺地盤の高低の現状調査
────── 根切り工事計画
3. 敷地内の地中障害物の有無の調査
────── 場所打ちコンクリート杭工事計画
4. 日影による近隣への影響調査
────── 鉄骨建方計画
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
近隣に商店や工場、オフィス街等がある場合には、音や振動が発生する解体作業を行うのに望ましい時間が業種により異なるため、事前調査が必要である。
2.◯
根切り工事に際し、土砂の崩壊による危険防止のために、前面道路や周辺地盤の高低の現状調査を行い、周辺地盤や法面に発生するひび割れ、周辺地盤の沈下、移動等を随時観測、測定する必要がある。
3.◯
敷地内の地中障害物の有無は、杭の施工機械の選定及び工事計画等に大きく影響することがあるため、事前調査の必要がある。
4.×
計画建築物が近隣に与える日影に関する影響は設計時に検討すべき事項であり、鉄骨建方計画においては関係が少ない。
[ No. 27 ]
仮設計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 敷地に余裕がなく工事用の事務所を工事現場から離れて設置するので、工事現場内に出先連絡所を設けることとした。
2. 酸素やアセチレンなどのボンベ類の貯蔵小屋は、ガスが外部に漏れないよう、密閉構造とすることとした。
3. 工事用の出入口の幅は、前面道路の幅員を考慮して計画することとした。
4. 工事用の出入口を複数設置するので、守衛所はメインの出入口に設置し、その他は警備員だけを配置することとした。
答え
2
[ 解答解説 ]
1.◯
工事用の仮設事務所は、作業場を十分に管理する目的のものであるから、やむを得ず工事現場から離れて設ける場合は、出先連絡所を工事現場内に設けて、管理者と直接連絡をとれるようにすることが必要である。
2.×
ボンベ類の置場は、通気がよく、他の建物と十分な離隔距離をとった直射日光を遮る構造とし、危険物や火気厳禁の表示及び消火器の配置を行う。
3.◯
工事用の出入口の幅は、工事車両の入退場が円滑にできるものとする。また、通行人の安全や交通の妨げにならないような位置に設置し、特に車両の出入りや通行人・交通量が多い場所などは、必要に応じて誘導員の配置や車両入退場のブザー・標示灯などの設置を行う。
4.◯
出入口が数カ所ある場合には作業所内の守衛所は、メインの出入口に設け、その他の出入口には設けなくてもよい。
[ No. 28 ]
工事現場における材料の保管に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 鉄筋は、直接地面に接しないように角材等の上に置き、シートをかけて保管する。
2. 袋詰めセメントは、風通しのよい屋内の倉庫に保管する。
3. アルミニウム製建具は、平積みを避け、縦置きにして保管する。
4. ロール状に巻かれた壁紙は、変形が生じないよう立てて保管する。
答え
2
[ 解答解説 ]
1.◯
鉄筋の保管は、地面より10cm以上離し雨露・潮風などにさらされないようにシートをかけて種類別に整頓し保管する。
2.×
袋詰めセメントは、防湿に注意して、通風や圧力は避け、積み重ねは10袋以下とする。
3.◯
アルミニウム製建具を保管する場合は、接触腐食を起こすおそれのある異種金属との接触を防ぎ、縦置きとする。また、結露による汚れを防止するため、室温を外気温より高くする。
4.◯
ロール状に巻かれた壁紙は変形が生じないように立てて保管し、整頓して、直射日光を受けないよう、また塵埃その他による汚れを生じないようにポリエチレンフィルムを掛けるなど適切な養生を行う。
[ No. 29 ]
総合工程表の立案段階における考慮すべき事項として、最も必要性の少ないものはどれか。
1. 使用可能な前面道路の幅員及び交通規制の状況
2. 地域による労務、資材、機材等の調達状況
3. 各専門工事の検査項目と重点管理事項
4. 敷地周辺の電柱、架線、信号機、各種表示板等の公共設置物の状況
答え
3
[ 解答解説 ]
総合工程表とは、各種工程を時系列でとらえ、着工から完成まで主要工事を主体とした基本的な工程表のことである。
施工の順序と工期全体を把握するために不可欠なものである、
肢1.搬入、搬出に係る前面道路の幅員及び交通規制、
肢2.労務、資材、機材等の調達状況、
肢4.敷地周辺の電柱等公共設置物の状況、
などを考慮して作成する。
肢3.各専門工事の検査項目と重点管理事項は、施工の順序と工期に大きくかかわらないため、考慮すべき事項として必要性は少ない。
[ No. 30 ]
バーチャート工程表の説明として、最も適当なものはどれか。
1. 作業の流れと各作業の所要日数が把握しやすい工程表である。
2. 各作業に対する先行作業、並列作業、後続作業の相互関係が把握しやすい工程表である。
3. 工事出来高の累積値を表現しているため、工事進捗度合が把握しやすい工程表である。
4. 工程上のキーポイント、重点管理しなければならない作業、クリティカルパスが把握しやすい工程表である。
答え
1
[ 解答解説 ]
1.◯
バーチャート工程表は作成が容易で、各作業の流れや工期、所要日数が明確であるいう利点がある。
2.×
バーチャート工程表は、各作業の相互関係や工期に対する影響度合い等が把握しにくいというデメリットがある。
3.×
バーチャート工程表は、作業項目を縦軸に列記し、横軸に時間を設け、各作業の開始から完了までを棒グラフ状に表すものであるため、工事出来高の累積値を表現するものではない。出来高の累計を重ねて示すことで、工事全体の進捗は把握しやすくなる。
4.×
バーチャート工程表は、各作業の工程に対する影響がわかりにくく、重点管理作業やクリティカルパスが明確になりにくい。
[ No. 31 ]
品質管理に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 重点管理項目や管理目標は、現場管理方針として文書化し、現場全体に周知する。
2. 品質管理を組織的に行うために、品質管理活動に必要な業務分担、責任及び権限を明確にする。
3. 試験・検査の結果が管理値を外れた場合には、適切な処置を施し、再発防止の措置をとる。
4. 品質を確保するためには、作業そのものに重点を置くよりも、試験・検査に重点を置く方がよい。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
施工目標とする品質を確保するために、重点管理項目や管理目標を現場管理方針として文書化し現場全体に周知することで、より実行性のあるものとする。
2.◯
本来、品質管理は全員参加で行うものであるが、品質管理を組織的・総合的に行うために、工事関係各部門において品質管理活動に必要な業務分担、責任及び権限を明確にした組織作りが必要である。
3.◯
試験・検査の結果が管理値を外れた場合には、品質管理計画に従って適切な処理を施し、再発防止のための必要な措置をとる。再発を防止するためには、管理値を外れてしまった真の原因を追求し、その原因を取り除かなければならない。
4.×
従来、品質管理においては、試験・検査に重点が置かれていたが、作業そのものを適切に実施することの方がより重要であることを認識しなければならない。
[ No. 32 ]
品質管理のための試験・検査に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 鉄骨工事において、隅肉溶接のサイズの測定は、マイクロメーターを用いて行った。
2. 地業工事において、支持地盤の地耐力の確認は、平板載荷試験によって行った。
3. 内装工事において、木材の含水率の測定は、電気抵抗式水分計を用いて行った。
4. 塗装工事において、下地モルタル面のアルカリ度検査は、pH コンパレーターを用いて行った。
答え
1
[ 解答解説 ]
1.×
隅肉溶接部分の測定は、余盛高さ、角度測定、すき間測定、長さ測定がある。この測定には溶接用ゲージを用いる。
2.◯
平板載荷試験とは、試験地盤面に載荷板を設置し、段階的に荷重を載荷し、その時の載荷荷重と地盤の沈下量から、地盤の支持力や地盤反力係数を求めるものである。
3.◯
内装工事に用いる木材の含水率の測定には、電気抵抗式水分計や高周波水分計を用いる。
4.◯
塗装工事において、アルカリ性の強い下地面は、塗膜自体が侵されて、塗膜中の顔料が変色したり、塗膜がはく離する。下地コンクリート面やモルタル面のアルカリ度の測定には、pHコンパレーターを用いる。
[ No. 33 ]
鉄骨工事における溶接部の欠陥を表す用語として、最も不適当なものはどれか。
1. アンダーカット
2. ピット
3. パス
4. ブローホール
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
アンダーカットとは、アーク溶接の止端に沿い、母材が掘られて溶着金属が満たされず溝状になっている部分のことで溶接欠陥の一種である。
2.◯
ピットとは、溶接ビードの表面に生じた小さく窪んだ穴のことであり、溶接欠陥の一種である。
3.×
パスとは、溶接される継手に沿って行う1回の溶接操作のことである。パスの結果できたものがビードである。溶接欠陥を表す用語ではない。
4.◯
ブローホールとは、溶着金属の中に発生した気孔のことであり、溶接欠陥の一種である。
[ No. 34 ]
労働災害の強度率に関する次の文章中、[ ]に当てはまる数値として、適当なものはどれか。
「強度率は、[ ] 延べ実労働時間当たりの労働損失日数で、災害の重さの程度を表す。」
1. 1 千
2. 1 万
3. 10 万
4. 100 万
答え
1
[ 解答解説 ]
「強度率は、1千延べ実労働時間当たりの労働損失日数で、災害の重さの程度を表す。」
統計をとった期間中に発生した労働災害による労働損失日数を同じ期間中の全労働者の延労働時間数で割り、それに1千を掛けた数値である。
強度率 = 労働損失日数 / 延労働時間数 × 1,000
[ No. 35 ]
統括安全衛生責任者を選任すべき特定元方事業者が、労働災害を防止するために行わなければならない事項として、「労働安全衛生法」上、誤っているものはどれか。
1. 作業場所を巡視すること。
2. 協議組織の設置及び運営を行うこと。
3. 安全衛生責任者を選任すること。
4. 作業間の連絡及び調整を行うこと。
答え
3
[ 解答解説 ]
特定元方事業者は、その労働者及び関係請負人の労働者の作業が同一の場所において行われることによって生ずる労働災害を防止するため、
@協議組織の設置及び運営を行うこと
A作業間の連絡及び調整を行うこと
B作業場所を巡視すること
C関係請負人が行う労働者の安全又は衛生のための教育に対する指導及び援助を行うこと
等に関する措置を講じなければならない。(労働安全衛生法第30条)
安全衛生責任者の選任についての規定はないため誤り。
統括安全衛生責任者を選任すべき事業者以外の請負人で、当該仕事を自ら行うものは、安全衛生責任者を選任し、その者に統括安全衛生責任者との連絡その他省令で定める事項を行わせなければならない。(労働安全衛生法第16条)
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image