第一次検定 [ No.29 ]〜[ No.38 ] 解答 解説
※問題番号[ No.29 ]〜[ No.38 ]までの10問題は、全問題を解答してください。
問題は、四肢択一式です。正解と思う肢の番号を1つ選んでください。
[ No.29 ]
事前調査に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.既存の地下埋設物を記載した図面があったが、位置や規模の確認のための試掘調査を行うこととした。
2.既製杭の打込みが予定されているため、近接する工作物や舗装の現況の調査を行うこととした。
3.根切り工事が予定されているため、前面道路や周辺地盤の高低の調査を行うこととした。
4.防護棚を設置するため、敷地地盤の高低や地中埋設配管の調査を行うこととした。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
既存の地下埋設物を記載した図面があったとしても、正確な位置や規模の確認のためには掘削調査を行う。
2.◯
既製杭の打込みが予定されている場合には、近接する工作物や舗装の現場調査を行う必要がある。
3.◯
一般に、根切り工事の事前調査では、前面道路や周辺地盤の高低の調査等が実施される。
4.×
防護棚は朝顔ともいわれ、落下物に対するの危害防止のために足場に設ける。敷地地盤の高低及び地中埋設配管の調査とは関係がない。防護棚を道路上空に設ける場合には、道路管理者、所轄警察署長の許可が必要となる。
[ No.30 ]
仮設計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.規模が小さい作業所のため、守衛所を設けず、警備員だけを出入口に配置することとした。
2.敷地内に仮設道路を設置するに当たり、地盤が軟弱であったため、浅層地盤改良を行うこととした。
3.鋼板製仮囲いの下端には、雨水が流れ出やすいように隙間を設けることとした。
4.仮囲いの出入口は、管理をしやすくするため、人や車両の入退場の位置を限定することとした。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
規模が小さい作業所の場合は、業務に支障がなければ、守衛所を設けずに警備員だけを出入口に配置する仮設計画としてもよい。
2.◯
敷地内に仮設道路を設置するに当たり、地盤が軟弱の場合、車両系建設機械等の交通荷重による地盤沈下が起こるおそれがある。その場合は、浅層地盤改良等の対策を行う。
3.×
鋼板製仮囲いの下端は、雨水が流出しないように、隙間をあけないようにする。
4.◯
仮囲いの出入口は、人や車両の入退場の位置を限定し、管理をしやすくする。
[ No.31 ]
建築工事に係る申請や届出等に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.振動規制法による特定建設作業を指定地域内で行うため、特定建設作業実施届出書を市町村長に提出した。
2.常時10人の労働者が従事する事業で附属寄宿舎を設置するため、寄宿舎設置届を市町村長に提出した。
3.積載荷重が1tの仮設の人荷用エレベーターを設置するため、エレベーター設置届を労働基準監督署長に提出した。
4.歩道に工事用仮囲いを設置するため、道路占用許可申請書を道路管理者に提出した。
答え
2
[ 解答解説 ]
1.◯
振動規制法による特定建設作業を指定地域内で行うためには、特定建設作業実施届出書を市町村長に届け出る必要がある。(振動規制法第14条)
2.×
労働基準法第96条の2第1項に、「使用者は、常時 10人以上の労働者を就業させる事業、厚生労働省令で定める危険な事業又は衛生上有害な事業の附属寄宿舎を設置し、移転し、又は変更しようとする場合においては、前条の規定に基づいて発する厚生労働省令で定める危害防止等に関する基準に従い定めた計画を、工事着手14日前までに、行政官庁に届け出なければならない。」と規定されている。したがって、常時 10人の労働者が従事する事業で附属寄宿舎を設置するためには、寄宿舎設置届を労働基準監督署長などの行政官庁に提出しなければならない。
3.◯
積載荷重が1t以上の仮設の人荷用エレベーターを設置する際には、エレベーター設置届を労働基準監督署長に提出する必要がある。(労働安全衛生法第37条、同法施行令第12条第1項第六号)
4.◯
歩道に工事用仮囲いを設置するためには、道路占用の許可を道路管理者に申請しなければならない。(道路法第32条)
[ No.32 ]
工程計画及び工程管理に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.工期短縮に用いる手法として、山積工程表における山崩しがある。
2.ネットワーク工程表は、工程における複雑な作業間の順序関係を視覚的に表現することができる。
3.工程管理の手法として、3次元CADやコンピューターグラフィックスを使用することで工事現場の進捗状況を視覚的に把握する方法がある。
4.Sチャートは、工事の進捗に対応した出来高の累積値を縦軸に、時間を横軸に取っ出来高の進捗を数量的、かつ、視覚的に示すことができる。
答え
1
[ 解答解説 ]
1.×
山積工程表は、工程全体をバランスの取れた経済的な工程計画にするために用いるもので、山崩しにより、人員、機械、資材の量を考慮して、労働者の投入人数などを一定にするために用いられる。工期短縮に用いるのではない。
2.◯
ネットワーク工程表は、複雑な作業間の順序関係を視覚的に表現することができる。
3.◯
工程管理の手法として、2次元では表現が難しい箇所を3次元モデル、コンピューターグラフィックスを使用し、視覚化することで、関係者の理解促進や2次元図面の精度向上及び工事現場の進捗状況の把握等に活用する。
4.◯
Sチャートは進捗度を表すグラフである。工事の進捗に対応した出来高の累積値を縦軸に、時間(工期)を横軸に取り、出来高の進捗を数量的、かつ、視覚的に示すことができる。
[ No.33 ]
バーチャート工程表に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.工事種目を縦軸に、月日を横軸に示し、各作業の開始から終了までを横線で表したものである。
2.工程表に示す作業を増やしたり、作業を細分化すると、作業間の関係が把握しやすくなる。
3.作業の流れ、各作業の所要日数や施工日程が把握しやすい。
4.工程の進捗をマイルストーンごとに確認すると、全体工程の遅れを防ぐことにつながる。
答え
2
[ 解答解説 ]
1.◯
バーチャート工程表は、縦軸に各工事種目を列記し、横軸に月日を設け、作業開始から終了までを横線の棒グラフで表す。
2.×
バーチャート工程表に、作業を細分化して表に示す作業を増やしたりたりすると、工程の内容が把握しにくくなる。
3.◯
バーチャート工程表は、作業の流れ、各作業の所要日数や施工日程が把握しやすい。
4.◯
バーチャート工程表に、主要な工事の節目をマイルストーンとして付加すると、工程の進捗状況が把握しやすくなり、全体工程の遅れを防ぐことにつながる。
[ No.34 ]
次のうち、品質管理に関する用語として、最も関係の少ないものはどれか。
1.PDCA
2.トレーサビリティ
3.ALC
4.サンプリング
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
PDCAとは、PDCAサイクルともいい、Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Action(改善)を繰り返すことによって、生産管理や品質管理などの管理業務を継続的に改善していく手法のことで、品質管理に関係する用語である。
2.◯
トレーサビリティとは、日本産業規格(JIS)に「考慮の対象となっているものの履歴、適用または所在を追跡できること。」と定義されている品質管理に関する用語である。
3.×
ALCは、Autoclaved Lightweight aerated Concrete の略で蒸気養生された軽量気泡コンクリートのことで、建築材料の名称である。
4.◯
品質管理において、サンプリングとは、サンプルを抜き取ることをいう。
[ No.35 ]
品質管理のための試験及び検査に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.シーリング工事において、接着性の確認のため、簡易接着性試験を行った。
2.タイル工事において、外壁タイルの接着力の確認のため、引張接着試験を行った。
3.コンクリート工事において、フレッシュコンクリートの受入検査のため、空気量試験を行った。
4.既製コンクリート杭地業工事において、根固め液の強度の確認のため、針入度試験を行った。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
シーリング工事においては、接着性の確認のために、簡易接着性試験を行う。
2.◯
屋外のタイル張り、屋内の吹抜け部分等の壁タイル張り施工後の試験は、引張接着試験を行う。(公共建築工事標準仕様書建築工事編11.1.7(3))
3.◯
JIS A 5308の規定に適合するレディミクストコンクリートを使用する場合、施工者は、コンクリートの受入れ時にコンクリート温度やスランプ、空気量、塩化物量等を確認する。普通コンクリートにおける空気量の結果の許容差は、基準値4.5%に対し、±1.5%である。(公共建築工事標準仕様書建築工事編6.5.3(1))
4.×
既成コンクリート杭地業工事における埋込み杭の根固め液の確認は、サンプリング試験によって行なう。針入度試験は、アスファルトの硬さを調べる試験である。
[ No.36 ]
トルシア形高力ボルトの本締め完了後に確認すべき事項として、最も不適当なものはどれか。
1.ナット回転量は、各ボルト群のナットの平均回転角度の±30°以内であることを確認する。
2.一次締めの後につけたマークのずれにより、共回りが生じていないことを確認する。
3.ボルト締付けの合否は、トルク値を測定して確認する。
4.ナット面から突き出たボルトの余長が、ねじ1山から6山までの範囲であることを確認する。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
ナット回転量は、各ボルト群のナットの平均回転角度の−30°から平均回転角度+30°までの範囲であること。(公共建築工事標準仕様書建築工事編7.4.8(1)(ア)(c))
2.◯
一次締めの際につけたマークのずれにより、共回り又は軸回りが生じていないこと。(公共建築工事標準仕様書建築工事編7.4.8(1)(ア)(b))
3.×
トルシア形高力ボルトのボルト締付けは、ピンテールの破断、とも回り及び軸回りがないことなどでの合否を判定する。(公共建築工事標準仕様書建築工事編7.4.8(1)(ア)(a))
トルク値を測定して確認するのは、JIS形高力ボルトのトルクコントロール法である。トルクコントロール法では、トルク値を測定して、ボルト締付けの合否を確認する。(公共建築工事標準仕様書建築工事編7.4.8(1)(イ)(b)A)
4.◯
ボルトの余長は、ねじ1山から6山までの範囲であること。(公共建築工事標準仕様書建築工事編7.4.8(1)(ア)(d))
[ No.37 ]
足場の組立て等作業主任者の職務として、「労働安全衛生規則」上、定められていないものはどれか。
1.その日の作業を開始する前に、作業を行う箇所に設けた足場用墜落防止設備の取り外しの有無を点検すること。
2.器具、工具、要求性能墜落制止用器具及び保護帽の機能を点検し、不良品を取り除くこと。
3.要求性能墜落制止用器具及び保護帽の使用状況を監視すること。
4.作業の方法及び労働者の配置を決定し、作業の進行状況を監視すること。
答え
1
[ 解答解説 ]
足場の組立て等作業主任者の職務は、労働安全衛生規則第566条に記載されている。
一 材料の欠点の有無を点検し、不良品を取り除くこと。
二 器具、工具、要求性能墜落制止用器具及び保護帽の機能を点検し、不良品を取り除くこと。
三 作業の方法及び労働者の配置を決定し、作業の進行状況を監視すること。
四 要求性能墜落制止用器具及び保護帽の使用状況を監視すること。
ただし、解体の作業のときは、第一号の規定は、適用しない。
よって、定められていないものは1である。
[ No.38 ]
建築工事の足場に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.くさび緊結式足場において、壁つなぎの間隔は、法令で定められた単管足場の間隔を適用した。
2.高さ5m以上の枠組足場において、壁つなぎの水平方向の間隔は、10m以下とした。
3.単管足場において、単管と単管の交点の緊結金具は、直交型クランプ又は自在型クランプを使用した。
4.枠組足場において、階段の手すりの高さは、踏板より90cmとした。
答え
2
[ 解答解説 ]
1.◯
事業者は、令別表第八第一号から第三号までに掲げる部材以外の部材又は単管足場用鋼管規格に適合する鋼管以外の鋼管を用いて構成される鋼管足場については、第570条第1項に定めるところによる。
上記より、くさび緊結式足場は、法規上鋼管足場の適用を受けるため、壁つなぎ又は控えの間隔は、垂直方向5m以下、水平方向 5.5m以下としなければならない。(労働安全衛生規則第570条第1項、第572条第1項)
2.×
枠組足場(高さが 5m未満のものを除く。)の、壁つなぎ又は控えの間隔は、垂直方法は9m以下、水平方向は8m以下としなければならない。(労働安全衛生規則第570条第1項第五号イ)
3.◯
鋼管足場に用いる鋼管の接続部又は交差部は、これに適合した附属金具を用いて、確実に接続し、又は緊結すること。(労働安全衛生規則第570条第1項第三号)
4.◯
枠組足場において、階段の手すり等、墜落の危険のある箇所には、高さ85cm以上の手すり又はこれと同等以上の機能を有する設備を設けること。(労働安全衛生規則第552条第1項第四号イ)
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