第一次検定 [ No.18 ]〜[ No.28 ] 解答 解説
※問題番号[ No.18 ]〜[ No.28 ]までの11問題のうちから、8問題を選択し、解答してください。
ただし、8問題を超えて解答した場合、減点となりますから注意してください。
問題は、四肢択一式です。正解と思う肢の番号を1つ選んでください。
[ No.18 ]
根切り及び山留め工法に関する一般的な記述として、最も不適当なものはどれか。
1.控え(タイロッド)アンカー工法は、山留め壁頭部の変形を抑制したい場合に有効である。
2.場所打ち鉄筋コンクリート地中壁は、軟弱地盤や根切り底が深い掘削となる施工に適している。
3.親杭横矢板壁は、遮水性がなく、地下水位の高い地盤では地下水処理を併用する必要がある。
4.トレンチカット工法は、根切り工事の範囲が狭い場合に適している。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
控え(タイロッド)アンカー工法は、山留め壁背面に控え杭を設け、タイロッドで山留め壁を繋ぐことで、山留め壁を支える工法である。タイロッドの控えアンカーとしては、杭又はコンクリート製の梁やブロックなどが用いられる。自立高さが高い場合や山留め壁頭部の変形を抑制したい場合に有効である。
2.◯
場所打ち鉄筋コンクリート地中壁は、掘削構内に鉄筋かごを挿入し、コンクリートを打設し、地中に鉄筋コンクリート壁を造る工法である。地下水位が高く、軟弱地盤、大深度掘削に適している。
3.◯
親杭横矢板壁は、H形鋼の柱を等間隔に打ち込み、その間に木製の板(横矢板)を差し込んで壁を造る工法である。経済性に優れ、小中規模工事で施工される。遮水性がなく、地下水位の高い地盤では適さない工法であるので、地下水処理を併用する必要がある。
4.×
トレンチカット工法は、根切り部分が広くて浅い場合に適用される。
山留め壁を根切り場周囲に2重に設け、その間を溝掘りし、外周部の地下躯体を構築した後、この躯体を支えながら内部の根切り、地下躯体の構築を行う工法。内部においては根切りなどの作業性が良い。地下工事の全般にわたり2段階の施工となり、工期がかかる。(建築工事監理指針)
[ No.19 ]
型枠の締付け金物等に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.独立柱の型枠の組立てには、セパレータやフォームタイが不要なコラムクランプを用いた。
2.防水下地となる部分の型枠に、C型のセパレータを用いた。
3.型枠脱型後にコンクリート表面に残るC型のセパレータのねじ部分は、ハンマーでたたいて折り取った。
4.セパレータは、せき板に対して垂直となるよう取り付けた。
答え
2
[ 解答解説 ]
1.◯
周囲に壁が付いていない独立柱の型枠の組立てには、セパレータやフォームタイが不要なコラムクランプ(柱型枠締付金具)が用いられる。
2.×
防水下地となるコンクリート面における型枠緊結材は丸セパB型とし、コーン穴の処理については、水量の少ない硬練りモルタルをコンクリート面と同一になるように充填する。打放し仕上げや直接塗装仕上げ、防水下地となる部分の外壁コンクリートに使用する。
3.◯
型枠脱型後にコンクリート表面に残るC型セパレータのねじ部分は、ハンマーでたたいて折り取る。
4.◯
型枠は、コンクリートに直接接するせき板、せき板を支える支保工及びせき板と支保工を緊結するセパレータ、締付け金物からなり、セパレータは、せき板に対して直交するように設置する。
[ No.20 ]
日本産業規格(JIS)のレディーミクストコンクリート用骨材として、規定されていないものはどれか。
1.人工軽量骨材
2.高炉スラグ骨材
3.溶融スラグ骨材
4.再生骨材H
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
人工軽量骨材は、JIS A 5002に規定されている。
2.◯
高炉スラグ骨材は、JIS A 5011-1に規定されている。
3.×
溶融スラグ骨材とは、一般廃棄物を直接、または焼却残さ(焼却灰等)を高温条件下で溶融した後、冷却した生成される固化物をいう。日本産業規格(JIS)のレディーミクストコンクリート用骨材としては規定されていない。
4.◯
再生骨材Hは、JIS A 5021に規定されている。
[ No.21 ]
在来軸組構法における木工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.土台の継手位置は、床下換気口を避けた位置とした。
2.束立て床組の大引の継手位置は、床束心とした。
3.根太掛けの継手位置は、柱心とした。
4.根太の継手位置は、大引等の受材心とした。
答え
2
[ 解答解説 ]
1.◯
土台の継手は、柱及び床下換気口の位置を避け、腰掛けあり継ぎ又は腰掛けかま継ぎとする。(一般財団法人住宅金融普及協会木造躯体工事5.1.1)
2.×
束立て床組の大引きの継手位置は、束心から 150mm程度持ち出し、腰掛けあり継ぎ、釘2本打ちとする。(公共建築工事標準仕様書建築工事編12.4.2、表12.4.1)
3.◯
根太掛けの継手位置は、柱心で突付け継ぎとする。(公共建築工事標準仕様書建築工事編12.4.2、表12.4.1)
4.◯
根太の継手位置は、大引等の受材心で突き付け、釘打ちとする。(公共建築工事標準仕様書建築工事編12.4.2、表12.4.1)
[ No.22 ]
木造住宅の解体工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.蛍光ランプは、窓ガラスと共に専用のコンテナ容器内で破砕して、ガラス類として処分した。
2.建具と畳は、建築設備を取り外した後、手作業で撤去した。
3.せっこうボードは再資源化するため、水に濡れないように取り扱った。
4.屋根葺材は、内装材を撤去した後、手作業で取り外した。
答え
1
[ 解答解説 ]
1.×
蛍光ランプは、水銀を含有している。破損すると周囲に飛散し、人体に影響を及ぼすおそれがあるので、解体時には破損させないように慎重に取り扱い、廃棄物処理法施行令による適切な措置で廃棄する。
2.◯
解体作業においては、建築設備を取り外した後、建具と畳を撤去する。
3.◯
廃せっこうボードを再資源化処理する際には、湿潤していないことが求められるため、水に濡れないように取り扱う必要がある。
4.◯
屋根葺材は、内装材を撤去した後、手作業で取り外し、重機で粉砕・混在させないように分別解体する。
[ No.23 ]
ウレタンゴム系塗膜防水絶縁工法に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.不織布タイプの通気緩衝シートは、接着剤で張り付けた。
2.通気緩衝シートの継目は、隙間や重なり部をつくらないようにシート相互を突付けとし、ジョイントテープを張り付けた。
3.穴あきの不織布タイプの通気緩衝シートは、下地に張り付けた後、防水材でシートの穴を充填した。
4.通気緩衝シートは、防水立上り面まで張り上げた。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
通気緩衝シートは、シートの下面に下地から水蒸気を通気させるための特殊加工をしたシート状の材料で、下地と防水層の間に挿入し、塗膜防水層の破断や膨れの発生を低減させる。不織布タイプのものは、接着剤で張り付ける。
2.◯
通気緩衝シートのは、シート相互を突付けする。突き付けた箇所は、ジョイントテープ等を処理する。
3.◯
穴あきタイプの通気緩衝シートは、下地に張り付けた後、ウレタンゴム系防水材でシートの穴を充填する。
4.×
通気緩衝シートの張り付けは、平場部のみで立上りの手前で止める。シート下面の下地から発生する水蒸気を通気させるための特殊加工したシート状の材料で、下地と防水層の間を挿入し、塗膜防水層の破断や膨れの発生を低減させるために用いる。(建築工事監理指針)
[ No.24 ]
外壁の張り石工事において、湿式工法と比較した場合の乾式工法の特徴として、最も不適当なものはどれか。
1.地震時の躯体の挙動に追従しにくい。
2.石材の熱変形による影響が少ない。
3.白華現象が起こりにくい。
4.工期短縮を図りやすい。
答え
1
[ 解答解説 ]
外壁の張り石工事において、湿式工法とはモルタルなどで外壁に張り付ける工法、乾式工法とはファスナーと呼ばれる金具で躯体に固定する工法である。湿式工法に対する乾式工法の主な特徴は次のとおりである。
@地震時の躯体の挙動に追従しやすい。
A石材の熱変形による被害を受けにくい。
Bエフロレッセンス(白華現象:表面に白色の物質が析出する現象)が起こりにくい。
C工事短縮を図りやすい。
したがって、最も不適当なものは1である。
[ No.25 ]
金属の表面仕上げに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.ステンレス鋼のNo.2Bは、母材を冷間圧延して熱処理、酸洗いした後、適度な光沢を与えるために軽い冷間圧延をした仕上げである。
2.アルミニウムの自然発色皮膜は、母材を陽極酸化処理した後に着色や染色を行わず、素地のシルバー色のままとした無着色仕上げである。
3.鋼材の電気めっきは、母材を電解液中で通電して、表面に皮膜金属を生成させた仕上げである。
4.銅合金の硫化いぶしは、母材の表面に、硫黄を含む薬品を用いて褐色に着色した仕上げである。
答え
2
[ 解答解説 ]
1.◯
No.2Bとは、冷間圧延して熱処理、酸洗いしたNo.2Dに適度な光沢を与えるために軽い冷間圧延をした仕上げをいう。
2.×
アルミニウムの自然発色皮膜は、素材中の合金成分を皮膜中に残存せて発色させる方法(合金発色法)と、電解液に有機酸を用いて皮膜を発色させる方法(電解発色法)及びこれらを組み合わせて発色させる方法がある。
母材を陽極酸化処理した後に着色や染色を行わず、素地のシルバー色のままとした無着色仕上げる方法は、無着色陽極酸化皮膜である。
3.◯
電気めっきとは、鋼材などを電解液中で通電して、表面に皮膜金属を生成させる仕上げをいう。
4.◯
硫黄を含む薬品を用いて、銅合金の表面を褐色に着色したものを、硫化いぶし仕上げという。
[ No.26 ]
塗装工事における素地ごしらえに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.モルタル面の吸込み止めは、パテかいを行った後に、シーラーを全面に塗り付けた。
2.せっこうボード面のパテかいは、合成樹脂エマルションパテを使用した。
3.木部面の不透明塗料塗りの節止めは、セラックニスを使用した。
4.ALCパネル面の吸込み止めは、下地調整を行う前に、シーラーを全面に塗り付けた。
答え
1
[ 解答解説 ]
1.×
モルタル面の素地ごしらえは、シーラーを全面に塗り付けて吸込み止めをした後、パテかいを行う。(公共建築工事標準仕様書建築工事編 18.2.5 表18.2.4)
2.◯
合成樹脂エマルションパテは、合板、せっこうボード、モルタル、コンクリートなどの表面の素地ごしらえに用いられる。(公共建築工事標準仕様書建築工事編 18.2.5 表18.2.4)
3.◯
不透明塗料塗りの木部面の節止めには、セラックニス類を節及びその周囲にはけ塗りする。(公共建築工事標準仕様書建築工事編 18.2.2(1) 表18.2.1)
4.◯
ALCパネル面の吸込み止めは、下地調整を行う前に、シーラー(下地への塗料の吸い込みを抑制する材料)を全面に塗布する。(公共建築工事標準仕様書建築工事編 18.2.6 表18.2.5)
[ No.27 ]
床のフローリングボード張りに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.壁、幅木、框及び敷居とフローリングボードの取合いには、板の伸縮に備えた隙間を設けた。
2.張込み完了後の表面に生じた目違いは、養生期間を経過した後、サンディングした。
3.接着剤張り工法のため、接着剤は専用のくしべらを使用し、均等に伸ばして塗り付けた。
4.釘留め工法の根太張り工法のため、根太の上に下張りを行い、フローリングボードを接着剤を併用して張り込んだ。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
壁、幅木、框及び敷居とフローリングボードの取合いには、必要に応じて、板の伸縮に備えた隙間を設ける。(公共建築工事標準仕様書建築工事編 19.5.3(2)(ア))
2.◯
張込み完了後の表面に生じた目違いは、養生期間を経過した後、サンディング(サンドペーパーで研磨)する。
3.◯
接着工法の施工は、所定の接着剤を専用のくしべらを用いて均等に伸ばし、全面に塗布する。(公共建築工事標準仕様書建築工事編 19.5.5(イ)(c))
4.×
釘留め工法の根太張り工法とは、根太の上に直接フローリングボード(根太張用)又は複合フローリング(根太張用)を接着剤と釘打ち併用にて張り込む工法である。なお、この場合は、根太間隔を300mm程度とする。
[ No.28 ]
外壁の押出成形セメント板(ECP)横張り工法に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.取付け金物(Zクリップ)は、パネル小口より80mm離れた位置に取り付けた。
2.取付け金物(Zクリップ)は、パネル1枚につき左右両端部2か所ずつ4か所取り付けた。
3.取付け金物(Zクリップ)は、下地鋼材にかかり代を20mm確保して取り付けた。
4.取付け金物(Zクリップ)は、下地鋼材に溶接長さを15mm確保して取り付けた。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
パネルの取付け金物(Zクリップ)は、パネル小口より80mm以上離れた箇所に原則として端部から2穴目の中空に取り付ける。ただし、パネル幅が400mm未満の場合は、端から1穴目でもよい。(ECP施工標準仕様書 5.2(1)E)
2.◯
パネルの取付け金物(Zクリップ)は、パネル1枚につき左右両端部2か所ずつ4か所取り付ける。
3.×
パネルの取付け金物(Zクリップ)は、下地鋼材に 30mm以上のかかり代を確保して取り付る。(ECP施工標準仕様書 5.2(1)F)
4.◯
パネルの取付け金物(Zクリップ)の取り付けは、回転防止のため下地鋼材に溶接長さを15mm以上確保して取り付ける。(ECP施工標準仕様書 5.2(2)B)
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