2023年04月27日
2級建築施工管理技士 令和4年度 一次 (後期) [ No.18 ] 〜[ No.28 ] 解答・解説
第一次検定問題 [ No.18 ] 〜[ No.28 ] 解答・解説
令和4年11月13日(日)
※問題番号[ No.18 ]〜[ No.28 ]までの11問題のうちから、8問題を選択し、解答してください。
[ No.18 ]
土工事の埋戻し及び締固めに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.埋戻し土に粘性土を用いるため、余盛りの量を砂質土を用いる場合より多くした。
2.埋戻し土は、最適含水比に近い状態で締め固めた。
3.入隅等狭い箇所での締固めを行うため、振動コンパクターを使用した。
4.動的荷重による締固めを行うため、重量のあるロードローラーを使用した。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
埋戻し及び盛り土には、土質による沈み代を見込んで余盛りを行う。通常の埋め戻し(地下2階で幅1m程度)において、砂を用いて十分は水締めを行う場合は、50〜100mm、粘性土を用い十分な締め固めを行う場合は、100〜150mm程度が余盛りの目安となる。
2.◯
土の締め固めで最も重要な特性は、締固めの含水比と乾燥密度の関係があげられる。これは締固め曲線と呼ばれ、放物線で示される。同じ土と同じ方法で締め固めても得られる土の密度は土の含水比により異なる。ある一定のエネルギーにおいて最も効率よく土を密にすることのできる含水比が存在し、この含水比を最適含水比、そのときの乾燥密度を最大乾燥密度という。
3.◯
締め固めは、ローラーやランマー等で締め固めながら行う。狭い場所、入隅部では、大型の機械は使用できないので、振動コンパクターが適している。
4.×
締固めは、動的荷重による締固めと静的荷重による締固めに大別され、ロードローラーは静的な締固め機械である。動的な締固めを行うためには、振動ローラー等を使用する。
[ No.19 ]
鉄筋のかぶり厚さに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.杭基礎におけるベース筋の最小かぶり厚さは、杭頭から確保する。
2.腹筋を外付けするときの大梁の最小かぶり厚さは、幅止め筋の外側表面から確保する。
3.直接土に接する梁と布基礎の立上り部の最小かぶり厚さは、ともに30mmとする。
4.屋内では、柱と耐力壁の最小かぶり厚さは、ともに30mmとする。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
建築基準法施行令第79条第1項の「基礎(布基礎の立上り部分を除く)にあっては捨てコンクリートの部分を除いて 6cm以上としなければならない。」の規定により、杭基礎におけるベース筋の最小かぶり厚さは、杭頭(杭天端)からの距離を確保する。JASS5によると設計かぶり 7cm以上確保する。
2.◯
腹筋を外付けするときの大梁の最小かぶり厚さは、一番外側にある幅止め筋の外側表面から確保しなければならない。
3.×
建築基準法施行令第79条第1項の「鉄筋に対するコンクリートのかぶり厚さは、耐力壁以外の壁又は床にあっては2cm以上、耐力壁、柱又ははりにあっては 3cm以上、直接土に接する壁、柱、床若しくははり又は布基礎の立上りにあっては 4cm以上、直接土に接する基礎にあっては 6cm以上としなけれならない。」より、40mm以上確保する必要がある。
4.◯
建築基準法施行令第79条第1項の「耐力壁、柱又ははりにあっては 3cm以上としなければならない。」の規定により、屋内では、柱と耐力壁の最小かぶり厚さは、ともに 30mmとする。
[ No.20 ]
型枠工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.梁の側型枠の寸法をスラブ下の梁せいとし、取り付く底型枠の寸法を梁幅で加工した。
2.柱型枠は、梁型枠や壁型枠を取り付ける前にチェーン等で控えを取り、変形しないようにした。
3.外周梁の側型枠の上部は、コンクリートの側圧による変形防止のため、スラブ引き金物で固定した。
4.階段が取り付く壁型枠は、敷き並べた型枠パネル上に現寸で墨出しをしてから加工した。
答え
1
[ 解答解説 ]
1.×
梁の側型枠の寸法をスラブ下の梁せいよりも下に伸ばし、取り付く底型枠の寸法は梁幅で加工する。
2.◯
柱型枠は、梁型枠や壁型枠を取り付ける前にチェーン等で控えを取り、変形しないように施工する。
3.◯
外周梁の側型枠の上部は、コンクリートの側圧によりはらみやすいので、スラブ引き金物を用いて固定する。
4.◯
階段が取り付く壁型枠は、加工が複雑になるため、現寸で墨出しをしてから加工する場合もある。
[ No.21 ]
コンクリートの調合に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.細骨材率は、乾燥収縮によるひび割れを少なくするためには、高くする。
2.単位セメント量は、水和熱及び乾燥収縮によるひび割れを防止する観点からは、できるだけ少なくする。
3.AE減水剤を用いると、所定のスランプを得るのに必要な単位水量を減らすことができる。
4.川砂利と砕石は、それぞれが所定の品質を満足していれば、混合して使用してもよい。
答え
1
[ 解答解説 ]
1.×
細骨材率とは、全骨材(砂、砂利)に対する細骨材(砂)の容積比をいう。細骨材率が高い、すなわち骨材に占める砂の割合が多いと、乾燥収縮によるひび割れがしやすい。したがって、乾燥収縮によるひび割れを少なくするためには、細骨材率を低くする。
2.◯
コンクリート1m3当たりのセメント質量[ kg ]である単位セメント量 [ kg/m3 ] は、水和熱及び乾燥収縮によるひび割れを防止する観点からは、できるだけ少なくする。
3.◯
AE減水剤は、セメントに対する定められた質量比等の範囲内で単位水量及びスランプが得られるように使用量を定めるが、使用しない場合よりも、所定のスランプを得るのに必要な単位水量を減らすことができる。
4.◯
川砂利と砕石は、それぞれが所定の品質を満足していれば、混合して使用してもよい。
[ No.22 ]
在来軸組構法における木工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.真壁の柱に使用する心持ち材には、干割れ防止のため、見え隠れ部分に背割りを入れた。
2.洋式小屋組における真束と棟木の取合いは、棟木が真束より小さかったため、長ほぞ差しとした。
3.建入れ直し完了後、接合金物や火打材を固定し、筋かいを取り付けた。
4.軒桁の継手は、柱心から持ち出して、追掛大栓継ぎとした。
答え
2
[ 解答解説 ]
1.◯
真壁の柱に使用する心持ち材には、干割れ防止のため、見え隠れ部分に背割りを入れる。干割れとは、直射日光や昼夜の温度差によって木材にひび割れが生じることをいう。
2.×
洋式小屋組において、棟木の寸法が真束よりも小さい場合は、わなぎほぞ差し、釘打ちとする。ほぞとは、木材を接合する際に一方の端部に作る突起をいい、ほぞを、もう一方に作ったほぞ穴に差し込んで合わせることをほぞ差しという。
3.◯
建入れ直し後に、接合金物や火打材を固定し、筋かいを取り付ける。
4.◯
「木造住宅工事仕様書 住宅金融機構」において、軒桁の継手は、梁を受ける柱間を避け柱心より持ち出し、追掛大栓継ぎ、腰掛かま継ぎ又は腰掛あり継ぎとする旨が規定されている。
[ No.23 ]
壁タイル密着張り工法に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.振動工具は、タイル面に垂直に当てて使用した。
2.振動工具による加振は、張付けモルタルがタイル周辺からはみ出すまで行った。
3.張付けモルタルの1回に塗り付ける面積は、60分でタイルを張り終える面積とした。
4.目地詰めは、タイル張付け後24時間以上経過してから行った。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
タイル張り用振動機(ヴィブラート)は、タイル面に垂直に当てて使用する。
2.◯
張付けは、タイル張り用振動機を用い、タイル表面に振動を与え、タイル周辺からモルタルがはみ出すまで振動機を移動させながら、目違いのないよう通りよく張り付ける。(公共建築工事標準仕様書建築工事編11.2.6(3)(イ)(c))
3.×
張付けモルタルの1回に塗り付ける面積の限度は、張付けモルタルに触れると手につく状態のままタイル張りが完了できることとし、2m2/人以内(20分以内にタイルを張り終える面積)とする。(公共建築工事標準仕様書建築工事編11.2.6(3)(イ)(a))
4.◯
タイル張付け後、24時間以上経過した後、張付けモルタルの硬化を見計らって、目地詰めを行う。(公共建築工事標準仕様書建築工事編11.2.6(3)(イ)(d)@)
[ No.24 ]
ステンレス鋼板の表面仕上げに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.機械的に凹凸の浮出し模様を施した仕上げを、ヘアラインという。
2.冷間圧延後、熱処理、酸洗いを行うことで、にぶい灰色のつや消し仕上げにしたものを、No.2Dという。
3.化学処理により研磨板に図柄や模様を施した仕上げを、エッチングという。
4.研磨線がなくなるまでバフ仕上げをした最も反射率の高い仕上げを、鏡面という。
答え
1
[ 解答解説 ]
1.×
機械的に凹凸の浮出し模様を施した仕上げは、エンボス仕上げという。ヘアライン(HL)とは、砥粒研磨ベルトで研磨目をつけたもので、長く連続した研磨目を持った仕上げをいう。
2.◯
No.2Dとは、冷間圧延して熱処理、酸洗いを施した仕上げで、にぶい灰色のつや消し仕上げにしたものをいう。
3.◯
エッチングとは、化学処理により研磨板に図柄や模様を施した仕上げをいう。
4.◯
鏡面は、研磨線がなくなるまで鏡面用バフにより研磨したもので、鏡に近い最も反射率の高い仕上げをいう。
[ No.25 ]
コンクリート壁下地のセメントモルタル塗りに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.下塗りは、14日以上放置し、十分にひび割れを発生させてから次の塗付けにかかった。
2.乾燥収縮によるひび割れの防止のため、保水剤を混和剤として使用した。
3.モルタルの1回の練混ぜ量は、60分以内に使い切れる量とした。
4.上塗りモルタルの調合は、下塗りモルタルよりも富調合とした。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
下塗りは、モルタルで不陸調整し、くし目を引いた後、14日間以上放置して、十分にひび割れを発生させる。(公共建築工事標準仕様書建築工事編15.3.5(1)(ア)(e))
2.◯
混和材の使用目的は、作業性の改善、ひび割れや剥離の防止、保水性の向上などである。保水剤は混和剤の一種である。メチルセルロースを使用するのが一般的である。(建築工事監理指針)
3.◯
モルタルの1回の練混ぜ量は、60分以内に使い切れる量とする。(公共建築工事標準仕様書建築工事編15.3.3(7))
4.×
上塗りモルタルの調合は、下塗りモルタルよりも貧調合とする。(公共建築工事標準仕様書建築工事編15.3.3)
[ No.26 ]
鋼製建具に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.くつずりの材料は、厚さ1.5mmのステンレス鋼板とした。
2.四方枠の気密材は、建具の気密性を確保するため、クロロプレンゴム製とした。
3.フラッシュ戸の組立てにおいて、中骨は600mm間隔で設けた。
4.大型で重量のある建具の仮止めは、位置調節用の金物を用いた。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
くつずりの材料はの厚さ1.5mmとする。(公共建築工事標準仕様書建築工事編16.4.2)
2.◯
四方枠の気密材は、合成ゴム(EPDM、クロロプレン等)又は合成樹脂(塩化ビニル等)の類とする。(公共建築工事標準仕様書建築工事編16.4.3(4))
3.×
フラッシュ戸の組立てにおいて、中骨の間隔は300mm以下とする。(公共建築工事標準仕様書建築工事編16.4.4)
4.◯
大型で重量のある建具の仮止めは、くさびなどではなく、位置調節用の金物を用いる。
[ No.27 ]
塗装工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.アクリル樹脂系非水分散形塗料塗りにおいて、下塗りには上塗りと同一材料を用いた。
2.木部のクリヤラッカー塗りにおける着色は、下塗りのウッドシーラー塗布後に行った。
3.高粘度、高濃度の塗料による厚膜塗装とするため、エアレススプレーを用いて吹き付けた。
4.合成樹脂エマルションペイント塗りにおいて、天井面等の見上げ部分では研磨紙ずりを省略した。
答え
2
[ 解答解説 ]
1.◯
アクリル樹脂系非水分散形塗料塗りに用いる塗料は、下塗り、中塗り、上塗りを同一材料とする。(公共建築工事標準仕様書建築工事編18.6.1)
2.×
木部のクリヤラッカー塗りにおけるオイルステイン等による着色は、下塗りのウッドシーラー塗布前に行う。(公共建築工事標準仕様書建築工事編18.5.2、表18.5.1)
3.◯
エアレススプレーによる吹付け塗りは、塗料自体に直接圧力を加え、ノズルチップから霧化して吹き付けるものであり、高濃度の塗料による厚膜塗装に適している。したがって、高粘度、高濃度の塗料による厚膜塗装には、エアレススプレーを用いる。
4.◯
合成樹脂エマルションペイント塗りにおいて、天井面等の見上げ部分は、研磨紙ずりを省略する。(公共建築工事標準仕様書建築工事編18.9.2、表18.9.1)
[ No.28 ]
フリーアクセスフロアに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.電算機室では、床パネルの四隅の交点に共通の支持脚を設けて支持する共通独立脚方式としたため、方杖を設けて耐震性を高めた。
2.事務室では、1枚のパネルの四隅や中間に高さ調整のできる支持脚が付く、脚付きパネル方式とした。
3.床パネルの各辺の長さが500mmだったため、幅及び長さの寸法精度は、±0.5mm以内とした。
4.床パネル取付け後の水平精度は、隣接する床パネルどうしの高さの差を2mm以下とした。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
電算機室では、配線や機器の配置換えが比較的多く、パネルを個別で動かすことができる共通独立脚方式がよい。なお、重量が大きいため、方杖を設けて耐震性を高める。
2.◯
事務室では、机の配置、事務機器の移動が多くあり、配線の変更も多いと考えられる。その移動に対応できるように、パネルは個々に取り外せ、また復旧できる脚付きパネル方式がよい。
3.◯
パネル長さの精度は、各辺の長さが500mmを超える場合は± 0.1%以内とし、500mm以下の場合は±0.5mm以内とする。(公共建築工事標準仕様書建築工事編20.2.2(2)(オ)(a))
4.×
フリーアクセスフロアの高さの差は、±0.5mm以内とする。ただし、高さ調整機能のあるものについては規定はない。(公共建築工事標準仕様書建築工事編20.2.2(2)(オ)(c))
-
no image
-
no image
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/11806756
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。