2023年11月24日
2級建築施工管理技士 令和5年度 二次 問題2 解答・解説
第二次検定問題 解答・解説
問題2
次の建築工事に関する用語の一覧表の中から5つ用語を選び、解答用紙の用語の記号欄の記号にマークした上で、選んだ用語欄に用語(太字で示す部分のみでも可)を記入し、その用語の説明と施工上留意すべきことを具体的に記述しなさい。
ただし、a及びb以外の用語については、作業上の安全に関する記述は不可とする。
また、使用資機材に不良品はないものとする。
用語の一覧表
用語の記号 用 語
a 足場の手すり先行工法
b 親綱
c 型枠の剥離剤
d グリッパー工法
e コンクリートのレイタンス
f シーリング工事のバックアップ材
g ジェットバーナー仕上げ
h 隅肉溶接
i せっこうボード張りにおけるコーナービード
j 鉄筋の先組み工法
k 壁面のガラスブロック積み
ℓ べた基礎
m 木工事の仕口
n 木造住宅の気密シート
[ 解答例 ]
a.足場の手すり先行工法
用語の説明:
建設工事において、足場の組立て等の作業を行うにあたり、労働者が足場の作業床に乗る前に、当該作業床の端となる箇所に適切な手すりを先行して設置し、かつ最上階の作業床を取り外すときは、当該作業床の端の手すりを残置して行う工法。
施工上留意すべきこと:
労働安全衛生法を遵守する。
@脚部
足場の組立てにあたっては、脚部沈下を防止するため、地盤を十分に突き固め敷板等を並べる。枠組足場においては、建枠の高さをそろえる。
A布
足場のはり間方向の建地又は脚柱の間隔と床材の幅の寸法は原則そろえる。隙間をつくらないように設置し、床付き布枠のつかみ金具は、外れ止めを確実にロックする。
B筋かい
枠組み足場の筋かいは、交差筋かいを原則として、外側及び躯体側の両構面に取り付ける。交差筋かいピンは確実にロックする。
C壁つなぎ
枠組み足場:間隔を水平方向8m以下、垂直方向9m以下
単管足場:間隔を水平方向を5.5以下、垂直方向5m以下とする。
その他、
「手すり先行工法に関するガイドライン」(平成15年4月 厚生労働省)における「手すり先行工法による足場の組立て等に関する基準」、「働きやすい安心感のある足場に関する基準」を参照するとよい。
b.親綱
用語の説明:
鉄骨の梁上など高所作業を行う際に、要求性能墜落制止用器具を取り付けるために設置するロープ、又は、仮設的に張り渡した命綱をかけるたまのワイヤロープをいう。
施工上留意すべき内容:
緩みなく張り、墜落の衝撃に耐えられるように固定する。梁を吊り上げるとき梁の上に仮止めしておく。
c.型枠はく離剤
用語の説明 :
コンクリート型枠表面に塗布し、打設させたコンクリートの固着を防止し、型枠の取り外しを容易にする化学製品。
施工上留意すべきこと
はく離剤の塗布のむら・量不足、気温や湿度等の養生条件に配慮する。
d.グリッパー工法
用語の説明:
床の周囲に釘又は接着剤で固定したグリッパー(スムースエッジ)と呼ばれる取り付け金具にカーペットの端部を引っかけ、緩みのないように一定の張力を加えて張り詰める工法。
施工上留意すべきこと:
張り仕舞はニーキッカーで伸展しながらグリッパーに引っかけ、カーペットの端をステアツールを用いて溝に巻き込むように入れて固定する。
30m2( 6m×5m)程度を超える施工にはパワーストレッチャーを使用して施工する。
図19.3.13_カーペト張りじまい
図19.3.14_ カーペット敷込み用工具
e.コンクリートのレイタンス
用語の説明:
コンクリート打込み後、内部の水分が上方に移動すること(これをブリーディングという)に伴い、内部の微細な粒子が浮上し、コンクリート表面に形成するぜい弱な物質の層をいう。
施工上留意すべきこと:
打継ぎ面にレイタンスがたまったり、ぜい弱なコンクリートにった場合は、その上に新しいコンクリートを打ち込んでも付着が十分得られないので、高圧水洗等によりこのような部分を取り除き、健全なコンクリートを露出させてから打ち継ぐことが必要である。
f.シーリング工事のバックアップ材
用語の説明:
シーリング工事の補助材料て、シーリング材の三面接着の回避、充填深さの調整あるいは目地底の形成を目的として用いる。
施工上留意すべきこと:
シーリング材とは接着せず、弾力性をもつ材料で適用箇所に適した形状のものを使用する。材質はポリエチレンフォーム、合成ゴム成形材で、シーリング材に移行して変質させるような物質を含まない材料を選定する。
g.ジェットバーナー仕上げ
用語の説明:
石表面をバーナーで加熱し、それを水で急冷することにより、石材を構成する鉱物の熱膨張率の違いを利用して、表面の一部をはく離させて均一な仕上げにしたもの。(建築工事監理指針)
施工上留意すべきこと:
ジェットバーナー仕上等の粗面仕上げでは出来上りの厚さで2mm以上厚くなるように設定しておく。
h.隅肉溶接
用語の説明:
鉄骨の溶接継手において、T継手又は重ね継手に用いられる溶接。
施工上留意すべきこと:
溶接長さは、有効長さに隅肉サイズの2倍を加えたものであり、その長さを確保するように施工する。
i.せっこうボード張りにおけるコーナービード
用語の説明:
コーナービードとは、柱や壁の出隅を保護するために取り付ける部材である。
施工上留意すべきこと:
コーナービードは、釘、ドリリングタッピンねじ、接着材などを用いて取り付ける。
j.鉄筋の先組み工法
用語の説明:
鉄筋をあらかじめ、下ごしらえ → 加工 → 組立てとする工法。第一次は定尺等の寸法と単位長とし、フープや帯筋を補強したもの。第二次は第一次で製作した単位体をつなげて構造体を作製したもの。
施工上留意すべきこと:
組立に際しては、正しい材料、正確な寸法、適切な縮み代を考慮する必要がある。
k.壁面のガラスブロック積み
用語の説明:
ガラスブロックとは中が空洞になった箱型のガラスをいい、壁面のガラスブロック積みとは、壁部分に、壁用金属枠を用いて現場にて1個ずつ積む工法をいう。
施工上留意すべきこと:
目地幅の標準寸法は、10mmである。8mm以下にすると、内蔵される力骨(φ5.5mm)との接触や、モルタルの充填性が悪くなり望ましくない。逆に、15mmを超える幅では、目地モルタルの仕上げが悪くなり、また、目地モルタルのひび割れも発生しやすくなるので、標準寸法に設定する。
ℓ.べた基礎
用語の説明:
荷重を直接地盤に伝達する直接基礎の一つで、建築物の底面すべてに基礎スラブを構築した形式の基礎をいう。
施工上留意すべき内容:
特に、土に接する部分の所定のかぶり厚さを確保する。また、かぶり厚さには捨てコンクリートの厚さを含めない。
m.木工事の仕口
用語の説明:
2つの木材を接合するために刻んだ、ほぞや継手の総称。
施工上留意すべきこと:
種類には渡りあご、蟻かけ、当り欠け、大入れなどがあるが、いずれも構造上十分に性能を発揮するよう正確な加工と、丁寧な施工が求めらている。
n.木造住宅の気密シート
用語の説明:
気密工事に用いる気密シートの材料は、防湿気密層の剛性が高いとともに平面保持がよい仕上げ材である。防湿気密層を押さえた時に、重ね部分の気密精度が向上する。
施工上留意すべきこと:
気密シートを張り付けるとき、シートが緩まないよう押さえをすることが重要である。また、シートどうしの重ね幅は約10cm以上とする。
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