2023年08月11日
2級建築施工管理技士 第二次検定(実地)の攻略 問題3 工程管理
問題3 の攻略
問題3は、工程表の読みと、出来高表の計算およびまとめの問題である。
・課題文の工事概要をよく熟読し、それに見合った内容で、一部分記載されていない工程表を作成する。
・出来高表:一部分記載されていない部分の数値を記入して計算し、求められてる項目の数値を答える。
鉄骨造2階建て店舗兼商品倉庫建物の新築工事について、工事概要を確認のうえ、右の工程表及び出来高表に関し、次の1.から3.の問いに答えなさい。
工程表は、予定出来高曲線を破線で表示している。また、出来高表は、4月末時点のものを示しており、実績出来高の累計金額は記載していない。
なお、各作業は一般的な手順に従って施工されるものとする。
用 途:店舗及び事務所(1階)、商品倉庫(2階)
構造・規模:鉄骨造 地上2階、延べ面積350m2
鉄骨耐火被覆は、耐火材巻付け工法、外周部は合成工法
外部仕上げ:外壁は、ALCパネル張り、防水形複層塗材仕上げ
屋根は、折板葺屋根
内部仕上げ:
店舗、事務所
床は、コンクリート金ごて仕上げ、ビニル床シート張り
壁は、軽量鉄骨下地、せっこうボード張り、塗装仕上げ
天井は、軽量鉄骨下地、化粧せっこうボード張り
商品倉庫
床は、コンクリート金ごて仕上げ、無機質系塗床材塗り
壁は、軽量鉄骨下地、せっこうボード張り、素地のまま
天井は、折板葺屋根裏打材表し
その他:荷物用油圧エレベーター設置
内部建具は化粧扉
工 程 表
1.工程表の鉄筋コンクリート工事の(A)、塗装工事の(B)に該当する作業名を記入しなさい。
解答
(A) 1F 床躯体 (B) 1F 内装塗装
出来高表
2.出来高表から、1月末までの実績出来高の累計金額を求め、総工事金額に対する比率をパーセントで記入しなさい。
解答
総工事金額に対する比率:13%
[ 解説 ]
1月の各実績を足して
60+390+190+50+90 =780万円
この合計金額を、総工事金額(6,000万円)で割って、
780 / 6000 × 100[%] = 13 [%}
となる。
3.工程表は工事計画時に作成していたものであるが、工程上、完了時期が不適当な作業があり、出来高表についても誤った月次にその予定金額と実績金額が記載されたままとなっている。
これらに関して、次の@からBについて答えなさい。
@ 工程上、完了時期が不適当な作業名を記入しなさい。
A @の作業の適当な完了時期を記入しなさい。
ただし、作業完了時期は月次と旬日で記入し、旬日は、上旬、中旬、下旬とする。
B作業の適当な完了時期に合わせて出来高表の誤りを修正したうえで、3月末までの実績出来高の累計金額を記入しなさい。
解答
@不適当は作業名 耐火被覆
A作業完了時期 3月中旬
B3月末までの実績出来高の累計金額
4,250万円
[ 解説 ]
鉄骨工事の耐火被覆作業は、鉄骨工事のスタッド溶接が終わり、外壁工事のALC取付けが終わってから実施し、金属工事の壁、天井軽鉄下地が始まるまでに終える必要がある。1F壁、天井、2F壁軽鉄下地が3月中旬から始まっているので、3月中旬には完了している必要がある。
鉄骨工事の耐火被覆作業は、出来高表の4月の欄に、予定と実績が 60万円と記載されている。Aより、3月に予定と実績を記入する必要がある。
したがって、3月末までの実績出来高の累計金額は、
780万円 + 1,820万円 + 1,650万円 = 4,250万円
である。
鉄骨造3階建て複合ビルの新築工事について、次の1.から4.の問いに答えなさい。工程表は、工事着手時点のもので、鉄骨工事における耐火被覆工事の工程は未記入であり、予定出来高曲線を破線で表示している。
また、出来高表は、3月末時点のものを示しており、総工事金額の月別出来高、耐火被覆工事の工事金額及び出来高は記載していない。
なお、各作業は一般的な手順に従って施工されるものとする。
用 途:店舗(1階)、賃貸住宅(2、3階)
構造・規模:鉄骨造地上3階、延べ面積300m2
鉄骨耐火被覆は半乾式工法
外部仕上げ:屋上防水は、ウレタンゴム系塗膜防水絶縁工法、脱気装置設置
外壁は、ALCパネル張り、防水形複層塗材仕上げ
内部仕上げ:
店 舗 床は、コンクリート直押さえのまま
壁、天井は、軽量鉄骨下地せっこうボード張り
ただし、テナント工事は別途で本工事工程外とする。
賃貸住宅 床は、乾式二重床、フローリング張り
壁、天井は、軽量鉄骨下地せっこうボード張りの上、クロス張り
ユニットバス、家具等(内装工事に含めている)
工 程 表
出来高表
1.工程表の仮設工事の(A)、鉄筋コンクリート工事の(B)、内装工事の(C)に該当する作業名を記入しなさい。
解答
仮設工事の (A):外部足場組立
鉄筋コンクリート工事の (B):基礎
内装工事の (C):1、2、3階仕上げ
2.鉄骨工事のうち、耐火被覆工事完了日を月と旬日で定めて記入しなさい。
ただし、解答の旬日は、上旬、中旬、下旬とする。
解答
完了日:3月 中旬
[ 解説 ]
鉄骨工事の耐火被覆作業は、鉄骨工事のスタッド溶接が終わり、外壁工事のALC取付けが終わってから実施し、金属工事の壁・天井軽鉄下地が始まるまでに終える必要がある。
2、3階壁・天井軽鉄下地が3月下旬から始まっているので、耐火被覆工事は 3月中旬には完了する必要がある。
3.出来高表から、2月末までの実績出来高の累計金額を求め、総工事金額に対する比率をパーセントで記入しなさい。
解答
出来高表より、鉄骨工事の2月までの累積金額は次のとおりである。
・鉄骨工事の2月までの累積金額(予定)
= 50 + 760 = 810万円
・鉄骨工事の2月までの累積金額(実績)
= 30 + 780 = 810万円
鉄骨工事の工事金額は 900万円であり、
差額である 900 - 810 = 90万円が、
出来高表に記載のない耐火被覆工事の金額である。
耐火被覆工事は、2.より3月に予定し実施するので、出来高表の鉄骨工事の 3月の予定・実績の欄にそれぞれ90という数字を入れて、総工事金額と累積金額を算出すると、以下のようになる。
2月末までの実績出来高の
累計金額 2,400万円
総工事金額 6,000万円
したがって、2月末までの実績出来高の累計金額の総工事金額に対する比率は次のとおりである。
2月末までの実績出来高の累計金額の総工事金額に対する比率
2,400万円/6,000万円 × 100
= 40%
4.出来高表から、3月末までの実績出来高の累計金額を記入しなさい。
解答
表より、3月末までの実績出来高の累計金額は、
4,110万円である。
鉄骨造3階建て事務所ビルの建設工事における右の工程表と出来高表に関し、次の1.から5.の問いに答えなさい。
工程表は、工事着手時点のものであり、予定出来高曲線を破線で表示している。
また、出来高表は、4月末時点のものを示している。
ただし、工程表には、建具工事における外部サッシ工事(ガラス取付けを含む。以下同じ。)の工程は未記入であり、出来高表には、総工事金額の月別出来高、外部サッシ工事の工事金額及び出来高は記載していない。なお、各作業は一般的な手順に従って施工されるものとする。
用 途:事務所
構造・規模:鉄骨造地上3階建て、塔屋1階建て、
階高3.5m(各階共)、延べ面積300m2
2階以上の床は合成床版
地 業:既製コンクリート杭
山 留 め:自立山留め
鉄骨工事 :建方は、移動式クレーンを使用
耐火被覆は、耐火材巻付け工法、外周部は合成工法
外部仕上げ:屋根は、アスファルト露出断熱防水
外壁は、押出成形セメント板(ECP)張りの上、
45二丁掛タイル有機系接着剤張り
内部仕上げ:床は、OAフロアー敷設の上、タイルカーペット仕上げ
壁は、軽量鉄骨下地せっこうボード張りの上、塗装仕上げ
天井は、軽量鉄骨下地せっこうボード下張りの上、ロックウール化粧吸音板張り
工程表
出来高表
1.工程表の鉄骨工事のA、内装工事のBに該当する作業名を記入しなさい。
解答
A. デッキプレート敷き
B. 天井ボード張り
[ 解説 ]
鉄骨工事の工程は、アンカーボルト設置 → 鉄骨建方・本締め → A → スタッドジベル溶接 → 耐火被覆 となっており、2階床〜の配筋・型枠工事前であるので、Aの該当する作業名は、デッキプレート敷きと考えられる。
内装工事の工程は、壁ボード張り → B → OAフロア → 床タイルカーペットとなっており、金属工事にて壁・天井軽鉄下地は完了しているので、Bに該当する作業は天井ボード張りと考えられる。
2.建具工事の外部サッシ取付け完了日を月次と旬日で定めて記入しなさい。
ただし、解答の旬日は、上旬、中旬、下旬とする。
解答
4月中旬
[ 解説 ]
建具工事の外部サッシ取付け(ガラス取付け含む)は、防水工事のECP、サッシシールの前に完了させる必要がある。したがって、建具工事の外部サッシ取付け(ガラス取付け含む)の完了日は、4月中旬が適当と判断される。
3.出来高表から、2月末までの実績出来高の累計金額を記入しなさい。
解答
1,920万円
[ 解説 ]
出来高表には、建具工事の外部サッシ取付け(ガラス取付け含む)の工事金額が抜けているので、工事金額を入れる必要がある。
外部サッシ取付け(ガラス取付け含む)の工事金額は、次式で算定できる。
外部サッシ取付け(ガラス取付け含む)の工事金額
= 建具工事の工事金額 − 建具工事の 5月の金額(内部建具取付け)
= 400 – 100 = 300 [ 万円 ]
上記金額を建具工事の 4月の予定及び実績の部分に入れ、各月の総工事金額を算定すると下記表のようになる。各月ごとの累計は表の下のとおりとなり、2月末までのの実績出来高の累計金額は、1,920 [ 万円 ]となる。
4.3.で求めた2月末までの実績出来高の累計金額と、同月末の予定出来高の累計金額の差を求め、総工事金額に対する比率をパーセントで記入しなさい。
解答
2%
[ 解説 ]
2月末までの累計金額の予定と実績の差は、次式で算定される。
2月末までの累計金額の予定と実績の差
= 2040 – 1920 = 120 [ 万円 ]
2月末までの累計金額の予定と実績の差の総工事金額に対する比率は次式で算定される。
2月末までの累計金額の予定と実績の差の総工事金額に対する比率
= 2月末までの累計金額の予定と実績の差 / 総工事金額 × 100
= 120 /6000 × 100 = 2%
5.4月末までの実績出来高の累計金額を求め、総工事金額に対する比率をパーセントで記入しなさい。
解答
67%
[ 解説 ]
表より、4月末までの実績出来高の累計は 4,020万円となる。
4月末までの実績出来高の総工事金額に対する比率は次式で算定される。
4月末までの実績出来高の総工事金額に対する比率
= 4,020/6,000 × 100
= 67%
鉄骨造3階建て事務所ビルの建設工事における右の工程表と出来高表に関し、次の1.から4.の問いに答えなさい。
工程表は、工事着手時点のものであり、予定出来高曲線を破線で表示している。
また、出来高表は、4月末時点のものを示している。
ただし、工程表には、外壁工事における押出成形セメント板取付けの工程は未記入であり、出来高表には、総工事金額の月別出来高及び押出成形セメント板の出来高は記載していない。
用 途:事務所
構造・規模:鉄骨造 地上3階建て 延べ面積470m2
地 業:既製コンクリート杭
山 留 め:自立山留め
鉄骨工事 :建方は、移動式クレーンで行う。
耐火被覆は、耐火材巻付け工法、外周部は合成工法
仕 上 げ:屋根は、アスファルト露出断熱防水
外壁は、押出成形セメント板(ECP)張り、耐候性塗料塗り
内装は、壁、天井は軽量鉄骨下地せっこうボード張り
床はOAフロアー、タイルカーペット仕上げ
工程表
出来高表
1.工程表の鉄骨工事のAに該当する作業名を記入しなさい。
解答
アンカーボルト設置
[ 解説 ]
鉄骨工事の工程は、
A → 鉄骨建て方・本締め → デッキプレート敷き → スタッド溶接 → 耐火被覆となっており、Aに該当する作業名はアンカーボルト設置と考えられる。
2.外壁工事の押出成形セメント板取付け終了日を月次と旬日で定めて記入しなさい。
ただし、解答の旬日は、上旬、中旬、下旬とする。
解答
3月下旬
[ 解説 ]
押出成形セメント板取付けは、防水工事の外部シール及び建具工事の外部サッシ取付け(ガラス共)前に完了している必要がある。したがって、押出成形セメント板取付けの終了日は 3月下旬が適当と判断できる。なお、押出成形セメント板取付け開始日は、鉄筋・型枠コンクリート工事のRF床が終了する3月中旬が適当と考えられる。
3.出来高表から、2月末までの完成出来高の累計を金額で記入しなさい。
解答
1,950万円
[ 解説 ]
出来高表には、外壁工事の押出成形セメント板取付け工事の工事金額が抜けているので、工事金額を入れる必要がある。押出成形セメント板取付工事の工事金額は、次式で算定される。
押出成形セメント板取付工事の工事金額
= 外壁工事の工事金額 – 外壁工事の4月の工事金額
= 600万 – 100万 = 500万
上記金額を外壁工事の3月の予定及び実績の部分に入れ、各月の総工事金額を算定すると次表のようになる。
また、各月ごとの累計は表の下のとおりである。
2月末までの完成出来高の累計は、下記表の2月の累計実績 1,950万円となる。
4.出来高表から、総工事金額に対する4月末までの完成出来高の累計をパーセントで記入しなさい。
解答
70%
[ 解説 ]
総工事金額に対する 4月末までの完成出来高の累計のパーセントは、次式で算定される。
総工事金額に対する4月末までの完成出来高の累計のパーセント
= 4月度の累計(実績)/ 総工事金額 × 100
= 5,250/7,500 × 100
= 70%
鉄骨造3階建て事務所ビルの建設工事における右の工程表と出来高表に関し、次の1.から3.の問いに答えなさい。
工程表は工事着手時点のものであり、予定出来高曲線を破線で表示している。
また、出来高表は、4月末時点のものを示している。
ただし、鉄骨工事における耐火被覆の工程は未記入であり、総工事金額の月別出来高及びスタッド溶接と耐火被覆の出来高は記載していない。
用 途:事務所
構造・規模:鉄骨造地上3階建て延べ 面積450m2基礎:直接基礎
山留め :自立山留め
鉄骨工事:建方は、移動式クレーンにて行う。
耐火被覆は、耐火材巻付け工法、外周部は合成工法
仕上げ:屋根は、合成高分子系ルーフィングシート防水
外壁は、ALCパネル張り、仕上塗材仕上げ
内装は、壁、天井は軽量鉄骨下地せっこうボード張り
床はフリーアクセスフロア、タイルカーペット仕上げ
工程表
出来高
1.工程表の土工事・基礎工事の A に該当する作業名を記述しなさい。
解答
根切り
[ 解説 ]
土工事・基礎工事の工程は、自立山留め → A → 砂利・捨コンクリート となっており、Aに該当する作業名は、根切りと判断できる。
2.耐火被覆作業の開始日を月次と旬日で定めて記入しなさい。ただし、解答の旬日は、上旬、中旬、下旬とする。
解答
3月下旬
[ 解説 ]
鉄骨工事の耐火被覆作業は、鉄骨工事のデッキプレート敷き、スタッド溶接が終わり、外壁工事のALCパネル取付けが終わったところから実施するのが適当である。ALCパネル取付けが3月中旬から開始されているので、耐火被覆作業の開始は、3月下旬頃が適当である。
3.出来高表から、総工事金額に対する4月末までの完成出来高の累計をパーセントで記入しなさい。
解答
80%
[ 解説 ]
@スタッド溶接と耐火被覆の出来高を計上する。
設問の出来高表の鉄骨工事の工事金額は、1,100万円である。鉄骨工事の1〜6月の月別出来高は、予定・実績ともに、2月の900万円ずつのみである。1,100万円と900万円の差額 200万円は、計上されていないスタッド溶接と耐火被覆の出来高の合計である。差額200万円を、出来高表の鉄骨工事の3月の予定・実績に計上すると、下記表のようになる。
A各月の総工事金額を求める。次に、各月の総工事金額を求めると、上記表のようになる。
B4月末までの完成出来高の累計を求める。
次に、各月の工事金額の累計を算出し、表の下に記載すると上記表のようになる。
なお、4月末までの完成出来高の累計は、次式で算定される。
4月末までの完成出来高の累計
= 1月の完成出来高 + 2月の完成出来高 + 3月の完成出来高 + 4月の完成出来高
= 1,050 +1,150 + 1,450 +1,150
= 4,800 [ 万円 ]
C 総工事金額に対する 4月末までの完成出来高の累計のパーセントを求める。
総工事金額に対する 4月末までの完成出来高の累計のパーセントは、次式で求まる。
総工事金額に対する 4月末までの完成出来高の累計のパーセント
= 4月末までの完成出来高の累計 / 総工事金額 × 100
= 4,800/6,000 × 100 = 80%
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