【 地盤及び基礎の構造 】
( 1 )
基礎構造に関する記述として、最も不適当なものはどれか。(令和4年前期_No.7)
1.べた基礎は、地盤が軟弱で、独立基礎の底面が著しく広くなる場合に用いられる。
2.杭基礎は、一般に直接基礎で建築物自体の荷重を支えられない場合に用いられる。
3.同一建築物に杭基礎と直接基礎等、異種の基礎を併用することは、なるべく避ける。
4.直接基礎の底面は、冬季の地下凍結深度より浅くする。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
べた基礎とは、直接基礎の一種で、底板のコンクリート一面と基礎の立上がりとが一体になっている基礎のことをいう。特徴として、地盤が軟弱で、独立基礎の底面が著しく広くなる場合に用いられる。
2.◯
杭基礎は、一般的に地盤が軟弱で支持層が深い位置にあり、直接基礎では建物を十分支持できない場合に用いられる。
3.◯
基礎は、直接地盤に支持させる直接基礎と杭に支持させる杭基礎に大別される。同一建築物に杭基礎と直接基礎など、異なる種類の基礎を併用しないようにする。
4.×
地下凍結深度とは、温水が氷点下になる地表からの深さをいう。直接基礎の底面は、冬季の地下凍結深度より深くする。
( 2 )
杭基礎に関する記述として、最も不適当なものはどれか。(令和2年後期_No.7)
1.場所打ちコンクリート杭工法には、アースオーガーを使用するプレボーリング拡大根固め工法がある。
2.SC杭(外殻鋼管付きコンクリート杭)は、一般に継杭の上杭として、PHC杭(遠心力高強度プレストレストコンクリート杭)と組み合わせて用いられる。
3.鋼杭は、地中での腐食への対処法として、塗装やライニングを行う方法、肉厚を厚くする方法等が用いられる。
4.既製杭工法には、鋼管の先端を加工した鋼管杭本体を回転させて地盤に埋設させる回転貫入工法がある。
答え
1
[ 解答解説 ]
1.×
アースオーガーを使用するプレボーリング拡大根固め工法は、現場でコンクリートを打設する場所打ちコンクリート杭工法ではなく、既製コンクリート杭を挿入する既製杭工法である。
2.◯
SC杭(外殻鋼管付きコンクリート杭)は、一般に、杭を継いで用いる継杭の上部の杭、上杭としてPHC杭(遠心力高強度プレストレストコンクリート杭)と組み合わせて用いられる。
3.◯
鋼杭の地中での腐食防止方法には、塗装やライニング(被覆)を行う方法や、腐食による減肉を見込んで鋼杭の肉厚を厚くする方法等がある。
4.◯
既製杭工法の回転貫入工法は、鋼管の先端を翼状に加工し、鋼管杭を回転させて地盤に鋼管杭を貫入、埋設させる工法である。
( 3 )
基礎杭に関する記述として、最も不適当なものはどれか。(令和3年後期_No.7)
1.既製コンクリート杭の埋込み工法のひとつで、杭の中空部を掘削しながら杭を圧入する中掘工法は、比較的杭径の大きなものの施工に適している。
2.拡径断面を有する遠心力高強度プレストレストコンクリート杭(ST杭)は、拡径部を杭の先端に使用する場合、大きな支持力を得ることができる。
3.摩擦杭は、硬い地層に杭先端を貫入させ、主にその杭の先端抵抗力で建物を支持する。
4.場所打ちコンクリート杭は、地盤を削孔し、その中に鉄筋かごを挿入した後、コンクリートを打ち込んで造る。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
中掘工法は、先端が開放されている杭の中空部にオーガーを挿入し、地盤の掘削を行い、杭を圧入する工法である。比較的杭径の大きなものの施工に適している。
2.◯
プレストレストコンクリート杭(ST杭)は、杭の先端支持力をより大きく確保するために、先端部を太くした既製コンクリート杭で、大きな支持力を得ることが可能である。
3.×
杭の種類には、支持杭と摩擦杭がある。
支持杭は、軟弱地盤を貫いて硬い層まで到達させ、主としてその先端抵抗力で支持させる。摩擦杭は、大部分を杭周面の摩擦力によって支持させる。
4.◯
場所打ちコンクリート杭は、あらかじめ地盤中に削孔した抗内に、鉄筋かごを挿入した後、コンクリートを打設することにより、現場において造成する杭である。
( 4 )
地盤及び基礎構造に関する記述として、最も不適当なものはどれか。(令和3年前期_No.7)
1.直接基礎は、基礎スラブの形式によって、フーチング基礎とべた基礎に大別される。
2.水を多く含んだ粘性土地盤では、圧密が生じやすい。
3.沖積層は、洪積層に比べ建築物の支持地盤として適している。
4.複合フーチング基礎は、隣接する柱間隔が狭い場合などに用いられる。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
基礎は、直接地盤に支持させる直接基礎と、杭に支持させる杭基礎に大別される。直接基礎は、基礎スラブの形式によって、フーチング基礎とべた基礎に大別される。
2.◯
圧密とは、地盤の上に荷重がかかることによって、水がしぼり出されて体積が収縮する現象をいう。水を多く含んだ粘性土地盤では、圧密が生じやすい。
3.×
洪積層は、沖積層に比べて地盤が安定しており、軟弱地盤の傾向のある沖積層に比べて、建築物の支持地盤として適している。
4.◯
複合フーチング基礎とは、2本以上の柱をまとめて一つのフーチングで支える形式の基礎をいう。複合フーチング基礎は、隣接する柱間隔が狭い場合などに用いられる。
( 5 )
基礎構造に関する記述として、最も不適当なものはどれか。(令和元年後期_No.7)
1.独立フーチング基礎は、一般に基礎梁で連結する。
2.同一建築物に杭基礎と直接基礎など異種の基礎を併用することは、なるべく避ける。
3.直接基礎の鉛直支持力は、基礎スラブの根入れ深さが大きくなるほど大きくなる。
4.直接基礎の底面は、冬季の地下凍結深度より浅くする。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
独立フーチング基礎は、基礎梁で連結して用いられるのが、一般的である。
2.◯
基礎は、直接地盤に支持させる直接基礎と杭に支持させる杭基礎がある。同一建築物に杭基礎と直接基礎など、異なる種類の基礎を併用しないようにする。
3.◯
基礎スラブとは、基礎の底板をいう。根入れとは、地中に埋めることをいう。基礎スラブの根入れ深さを大きくすると、直接基礎の鉛直支持力は大きくなる。
4.×
地下凍結深度とは、冬季に温度が氷点下になる地点からの深さをいう。直接基礎の底面は、冬季の地下凍結深度より深くする。
( 6 )
杭基礎に関する記述として、最も不適当なものはどれか。(平成30年前期_No.7)
1.アースドリル工法は、オールケーシング工法やリバース工法に比べ、狭い敷地でも作業性がよい。
2.既製コンクリート杭のセメントミルク工法は、伏流水がある地盤に適している。
3.鋼杭は、地中での腐食への対処法として、塗装、ライニングを行う方法や肉厚を厚くする方法などがある。
4.既製杭の工法には、打込み工法、埋込み工法、回転貫入工法などがある。
答え
2
[ 解答解説 ]
1.◯
.アースドリル工法は、敷地境界から杭芯までの施工に必要な距離を比較的小さく設定することができ、オールケーシング工法やリバース工法に比べ、狭い敷地でも作業性がよい。
2.×
既製コンクリート杭のセメントミルク工法は、孔壁の崩壊を杭周固定液で保護するので、伏流水がある地盤には適していない。
3.◯
鋼杭の地中での腐食への対処法には、塗装やライニング(被覆)を行う方法や、腐食による減肉を見込んで鋼杭の肉厚を厚くする方法などがある。
4.◯
既製杭の工法には、打込み工法と埋込み工法があり、埋込工法にプレボーリング工法、中掘り工法、回転工法などがある。
( 7 )
地盤及び基礎構造に関する記述として、最も不適当なものはどれか。(平成30年後期_No.7)
1. 直接基礎は、基礎スラブの形式によって、フーチング基礎とべた基礎に大別される。
2. 水を多く含んだ粘性土地盤では、圧密が生じにくい。
3. 洪積層は、沖積層に比べ建築物の支持地盤として適している。
4. 複合フーチング基礎は、隣接する柱間隔が狭い場合などに用いられる。
答え
2
[ 解答解説 ]
1.◯
基礎は、直接地盤に支持させる直接基礎と、杭に支持させる杭基礎に大別される。直接基礎は、基礎スラブの形式によって、フーチング基礎とべた基礎に大別される。
2.×
圧密とは、地盤の上に荷重がかかることによって、水がしぼり出されて体積が収縮する現象をいう。水を多く含んだ粘性土地盤では、圧密が生じやすい。
3.◯
洪積層は、沖積層に比べて地盤が安定しており、軟弱地盤の傾向のある沖積層に比べて、建築物の支持地盤として適している。
4.◯
複合フーチング基礎とは、2本以上の柱をまとめて一つのフーチングで支える形式の基礎をいう。複合フーチング基礎は、隣接する柱間隔が狭い場合などに用いられる。
( 8 )
基礎杭に関する記述として、最も不適当なものはどれか。(令和元年前期_No.7)
1. 鋼管杭は、既製コンクリート杭に比べて破損しにくく、運搬や仮置きに際して、取扱いが容易である。
2. SC 杭は、外殻鋼管付きのコンクリート杭で、じん性に富み、大きな水平力が作用する杭に適している。
3. ST 杭は、先端部を軸径より太径にした遠心力高強度プレストレストコンクリート杭で、大きな支持力を得ることができる。
4. 場所打ちコンクリート杭では、地盤の種類によらず、周面摩擦力を杭の支持力に見込むことができない。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
鋼管杭は、既製コンクリート杭に比べて、破損しにくいので運搬や仮置きに際して取扱いが容易である。
2.◯
SC 杭は、外殻鋼管の付いた既製コンクリート杭で、外殻鋼管によりじん性に富み、水平方向に大きな力が作用する場所の杭に適している。
3.◯
ST 杭は、杭の先端支持力をより大きく確保するために、先端部を軸径より太径にした既製コンクリート杭で、大きな支持力を得ることが可能である。
4.×
国土交通省告示第1113号「地盤の許容応力度及び基礎ぐいの許容支持力を求めるための地盤調査の方法並びにそこ結果に基づき地盤の許容応力度及び基礎ぐいの許容支持力を定める方法等を定める件」に次のように規定されている。
「第5 基礎ぐいの許容支持力を定める方法は、基礎ぐいの種類に応じて、次の各号に定めるところによるものとする。
二 摩擦ぐいの許容支持力は、打込みぐい、セメントミルク工法による埋込みぐい又はアースドリル工法等による場所打ちぐいの場合にあっては、次の表の (1)項又は(2)項の式(基礎ぐいの周囲の地盤に軟弱な粘土質地盤、軟弱な粘土質地盤の上部にある砂質地盤又は地震時に液状化するおそれのある地盤が含まれる場合にあっては(2)項の式)、その他の基礎ぐいの場合にあっては、次の表の(1)項の式(基礎ぐいの周囲の地盤に軟弱な粘土質地盤、軟弱な粘土質地盤の上部にある砂質地盤又は地震時に液状化するおそれのある地盤が含まれない場合に限る。)によりそれぞれ計算した基礎ぐいとその周囲の地盤との摩擦力又はくい体の許容耐力のうちいずれか小さい数値とすること。」
したがって、アースドリル工法等による場所打ちコンクリート杭では、地盤の種類によらず、周面摩擦力(基礎杭とその周囲の地盤との摩擦力)を杭の支持力に見込むことができる。ただし、くい体の許容耐力より小さい数値としなければならない。
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