2023年02月21日
2級建築施工管理技士 平成30年度 一次 (後期) [ No.33 ] 〜[ No.42 ] 解答・解説
学科試験問題 [ No.33 ]〜[ No.42 ] 解答・解説
※ 問題番号[ No.33 ]〜[ No.42 ]までの 10 問題は、全問題を解答してください。
[ No. 33 ]
工事契約後に現場で行う事前調査及び確認に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 建物設計時の地盤調査は、山留め工事の計画には不十分であったので、追加ボーリングを行うこととした。
2. 防護棚を設置するため、敷地地盤の高低及び地中埋設配管の状況を調査することとした。
3. 敷地内の排水を行うため、排水管の勾配が公設ますまで確保できるか調査することとした。
4. 工事用車両の敷地までの経路において、幼稚園や学校の場所を調査し、資材輸送の制限の有無を確認することとした。
答え
2
[ 解答解説 ]
1.◯
建物設計時の地盤調査が不十分な時に、山留め工事の計画のために、追加ボーリングを行うことは適切である。
2.×
防護棚は、高所からの落下物による危害を防止するために設置するもので、敷地地盤の高低や地中埋設配管の状況とは関係がない。
3.◯
敷地内の排水を行うためには、排水管の勾配が公設ますまで確保できることを調査しておく必要がある。
4.◯
工事用車両の敷地までの経路において、幼稚園や学校の場所を調査しておくことは、資材輸送の制限の有無を確認するために必要である。
[ No. 34 ]
仮設計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 施工者用事務所と監理者用事務所は、同一施設内にそれぞれ分けて設けることとした。
2. 仮囲いを設けなければならないので、その高さは周辺の地盤面から 1.5 m とすることとした。
3. 仮囲いの出入り口は、施錠できる扉を設置することとした。
4. 工事ゲートは、トラックアジテータが通行するので有効高さを 3.8 m とすることとした。
答え
2
[ 解答解説 ]
1.◯
施工者用事務所と監理者用事務所は、業務の内容が異なるのでそれぞれ分けて設けることは適切である。
2.×
仮囲いの高さは地盤面から 1.8m以上としなければならない。(建築基準法施行令第136条の2の20)
3.◯
仮囲いの出入り口は、施錠できる扉を設置することは、工事関係者以外のものの侵入を防ぐために必要である。
4.◯
工事ゲートは、トラックアジテータが通行するので有効高さを 3.8 m以上確保する。
[ No. 35 ]
建築工事に係る申請や届出等に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 延べ面積が 20 m2 の建築物を建築するため、建築工事届を知事に届け出た。
2. 耐火建築物に吹き付けられた石綿等の除去作業を行うため、建設工事計画届を労働基準監督署長に届け出た。
3. 積載荷重が 1t の仮設の人荷用エレベーターを設置するため、エレベーター設置届を労働基準監督署長に提出した。
4. 歩道に工事用仮囲いを設置するため、道路占用の許可を警察署長に申請した。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
延べ面積が 10m2 以上の建築物を建築する際には、建築工事届を都道府県知事に届け出る必要がある。
2.◯
耐火建築物に吹き付けられた石綿等の除去作業を行う際には、建設工事計画届を労働基準監督署長に届け出る必要がある。
3.◯
積載荷重が 1t 以上の人荷用エレベーターを設置する際には、工事開始の日の30日前までにエレベーター設置届を労働基準監督署長に提出しなければならない。
4.×
道路占用の許可は道路管理者に申請する。所轄警察署長に提出しなければならないのは、工事車両等を道路上に一時的に駐車する場合等の道路使用許可申請書である。
[ No. 36 ]
工程計画及び工程管理に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. ネットワーク工程表は、工程における複雑な作業間の順序関係を視覚的に表現することができる工程表である。
2. 山積工程表は、同種の作業を複数の工区や階で繰り返し実施する場合、作業の所要期間を一定にし、各作業班が工区を順々に移動しながら作業を行う手順を示した工程表である。
3. 工程計画を立てるに当たっては、その地域の雨天日や強風日等を推定して作業不能日を設定する。
4. 各作業の所要期間は、作業の施工数量を投入数量と1日当たりの施工能力で除して求める。
答え
2
[ 解答解説 ]
1.◯
ネットワーク工程表は、工程における複雑な作業間の順序関係を視覚的に表現することができる工程表である。
2.×
同種の作業を複数の工区や階で繰り返し実施する場合、作業の所要期間を一定にし、各作業班が工区を順々に移動しながら作業を行う手順を示したものはタスク手法という。タスク手法は、作業を繰り返し行うことによる習熟効果によって生産性が向上するため、工期の途中で所要日数の短縮や作業員数の削減が検討できる。
山積工程表は、工期全体をバランスの取れた経済的な工程計画にするために用いるもので、山崩しにより、人員、機械、資材の量を考慮して、労働者の投入人数などを一定にするために用いられる。
3.◯
工程計画を立てるに当たっては、その地域の雨天日や強風日等を推定して作業不能日を設定する。
4.◯
各作業の所要期間は、作業の施工数量を投入数量と1日当たりの施工能力で除して求める。
[ No. 37 ]
バーチャート工程表に関する記述として、最も適当なものはどれか。
1. 工事全体を掌握するには都合がよく、作成しやすい。
2. 工程上のキーポイント、重点管理しなければならない作業が判断しやすい。
3. 各作業の順序関係を、明確に把握することができる。
4. 工事を構成する各作業を縦軸に記載し、工事の達成度を横軸にして表す。
答え
1
[ 解答解説 ]
1.◯
バーチャート工程表は、作成がしやすく、視覚的に工事全体を把握しやすい。
2.×
バーチャート工程表は、工程上のキーポイント、重点管理しなければならない作業やクリティカルパスが把握しにくい。
3.×
各作業の順序関係を、明確に把握することができるのは、ネットワーク工程表である。
4.×
バーチャート工程表は、縦軸に各作業、横軸に暦日を表す。縦軸に各作業を記載し、横軸に工事の達成度を表した工程表は、ガンチャート工程表という。
[ No. 38 ]
次の用語のうち、品質管理に最も関係の少ないものはどれか。
1. ばらつき
2. ロット
3. マニフェスト
4. サンプリング
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
ばらつきとは、「測定値の大きさがそろっていないこと、また、ふぞろいの程度。」と日本産業規格(JIS)に定義されており、品質管理に関する用語である。
2.◯
ロットとは、等しい条件下で生産され、または生産されたと思われるものの集まりをいう。
3.×
マニフェストとは、産業廃棄物管理票のことであり、特に不法投棄防止の観点から、産業廃棄物を適正に処理するためのものである。
4.◯
標本調査を行うとき、調査する対象の集団全体を母集団という。母集団の一部分として母集団から取り出されたものをサンプリング(標本)といい、取り出した資料の個数を標本の大きさという。
[ No. 39 ]
品質管理のための試験及び検査に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 鉄骨工事において、高力ボルト接合部の締付けの検査のため、超音波探傷試験を行った。
2. シーリング工事において、接着性の確認のため、簡易接着性試験を行った。
3. 塗装工事において、工場塗装した鉄骨の塗膜厚の確認のため、電磁式膜厚計を用いて測定した。
4. 鉄筋工事において、ガス圧接継手の検査のため、抜き取った接合部の引張試験を行った。
答え
1
[ 解答解説 ]
1.×
超音波探傷試験は、完全溶込み溶接部(フルペネ)などの溶接内部欠陥を検査するものである。高力ボルト接合部の締付けの検査は、ナット回転法による回転角、共回をしていないなどである。
2.◯
シーリング工事において、接着性の確認のため、簡易接着性試験が行われる。
3.◯
塗装工事において、工場塗装した鉄骨の塗膜厚の確認は、電磁式膜厚計等を用いて測定する。
4.◯
鉄筋工事において、ガス圧接継手の検査のため、抜き取った接合部の引張試験を行うことは適切である。1ロットあたり3箇所行う。他に、超音波探傷試験(UT試験)を行う方法もある。
[ No. 40 ]
コンクリートの試験に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. スランプの測定値は、スランプコーンを引き上げた後の、平板からコンクリート最頂部までの高さとした。
2. スランプ試験は、コンクリートの打込み中に品質の変化が認められた場合にも行うこととした。
3. 1回の圧縮強度試験の供試体の個数は、3個とした。
4. 受入れ検査における圧縮強度試験は、3回の試験で1検査ロットを構成した。
答え
1
[ 解答解説 ]
1.×
スランプの測定値は、スランプコーンを引き上げた後、コンクリートの中央部の下がりを測定する。
2.◯
スランプ試験は、コンクリートの打込み中に品質の変化が認められた場合にも行う。
3.◯
1回の圧縮強度試験の供試体の個数は、3個以上とする。
4.◯
受入れ検査における圧縮強度試験は、普通コンクリートの場合、一般的には、適当な間隔を開けた3台のミキサー車から採取して、3本の供試体により1検査ロットを構成する。なお、一般的な普通コンクリートは、150m3以内で1ロットとする。
[ No. 41 ]
事業者が選任すべき作業主任者として、「労働安全衛生法」上、定められていないものはどれか。
1. 型枠支保工の組立て等作業主任者
2. ガス溶接作業主任者
3. 足場の組立て等作業主任者
4. ALC パネル等建込み作業主任者
答え
4
[ 解答解説 ]
1.定められている
型枠支保工の組立て又は解体の作業は、作業主任者を選任すべき作業である。(労働安全衛生法施行令第6条第十四号)
2.定められている
ガス溶接作業主任者の作業は、作業主任者を選任すべき作業である。(労働安全衛生法施行令第6条第二号)
3.定められている
足場の組立て等作業主任者の作業は、作業主任者を選任すべき作業である。(労働安全衛生法施行令第6条第十五号)
4.定められていない
ALC パネル等建込み作業は作業主任者が定められていない。
[ No. 42 ]
通路及び足場に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 枠組足場の墜落防止設備として、交さ筋かい及び高さ 15 cm 以上の幅木を設置した。
2. 枠組足場に使用する作業床の幅は、30 cm 以上とした。
3. 屋内に設ける作業場内の通路は、通路面からの高さ 1.8 m 以内に障害物がないようにした。
4. 折りたたみ式の脚立は、脚と水平面との角度を 75度以下とし、開き止めの金具で止めた。
答え
2
[ 解答解説 ]
1.◯
枠組足場の墜落防止設備として、交さ筋かい及び高さ 15 cm 以上の幅木を設置する。(労働安全衛生法規則563条1項第三号イ(1))
2.×
枠組足場に使用する作業床の幅は、40 cm 以上とする。(労働安全衛生法規則563条1項第四号イ)
3.◯
屋内に設ける作業場内の通路は、通路面からの高さ 1.8 m 以内に障害物がないようする。
4.◯
折りたたみ式の脚立は、脚と水平面との角度を 75度以下とし、開き止めの金具で止める。
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