2023年05月10日
2級建築施工管理技士 令和4年度 一次 (前期) [ No.29 ] 〜[ No.38 ] 解答・解説
第一次検定問題 [ No.29 ] 〜[ No.38 ] 解答・解説
令和4年6月12日(日)
※問題番号[ No.29 ] 〜[ No.38 ] までの10問題は、全問題を解答してください。
[ No.29 ]
事前調査に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.敷地内の排水工事に先立ち、排水管の勾配が公設桝まで確保できるか調査を行うこととした。
2.杭工事に先立ち、騒音規制及び振動規制と、近隣への影響の調査を行うこととした。
3.山留め工事に先立ち、設計時の地盤調査が不十分であったため、試掘調査を行うこととした。
4.鉄骨工事の建方に先立ち、日影による近隣への影響の調査を行うこととした。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
一般に、敷地内の排水工事の事前調査では、公設桝までの排水管の勾配確保に関する調査等が実施される。
2.◯
杭工事に先立ち、騒音、振動対策の計画として、騒音規制法及び振動規制法について十分理解しておく必要がある。その上で、騒音規制及び振動規制を行う。また、施工前に近隣への影響について調査を行う必要がある。
3.◯
建物設計時の地盤調査において、山留め工事の計画が不十分な場合には、追加でボーリング等の試掘調査が行われる。
4.×
一般に、鉄骨工事の建方の事前調査では、移動式クレーン配置場所の地盤についての調査などが実施される。日影による近隣への影響の調査は、建築計画の事前調査において実施される。
[ No.30 ]
仮設計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.騒音、塵埃、飛沫等の近隣への影響を抑制するため、仮囲いを設けることとした。
2.施工者用事務所と監理者用事務所は、機能が異なるため、それぞれ分けて設けることとした。
3.ハンガー式門扉は、扉を吊る梁が車両の積荷高さを制約する場合があるため、有効高さを検討することとした。
4.酸素やアセチレン等のボンベ類の貯蔵小屋は、ガスが外部に漏れないよう、密閉構造とすることとした。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
仮囲いは、近隣への騒音、塵埃、飛沫等を抑制するために設ける必要がある。
2.◯
施工者用の事務所と監理者用事務所は、それぞれの機能・役割が異なるため、それぞれ分けて設ける。
3.◯
ハンガー式門扉は、扉を吊る梁が車両の積荷高さを制約する場合があるので、扉の有効高さを検討して設置する必要がある。
4.×
ボンベ類の置場は、通気がよく、他の建物と十分な隔離距離をとった直射日光を遮る構造とし、危険物や火気厳禁の表示及び消化器の配置を行う。
[ No.31 ]
工事現場における材料の保管に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.袋詰めセメントは、風通しのよい倉庫に保管した。
2.型枠用合板は、直射日光が当たらないよう、シートを掛けて保管した。
3.長尺のビニル床シートは、屋内の乾燥した場所に縦置きにして保管した。
4.鉄筋は、直接地面に接しないように角材間に渡し置き、シートを掛けて保管した。
答え
1
[ 解答解説 ]
1.×
袋詰めセメントは、二酸化炭素による風化と湿気による硬化を防ぐため、風通しを避けて保管する。
2.◯
型枠用合板は、ジブ(アク)や硬化不良を防止するため、水ぬれを避け、長時間直射日光が当たらないよう、シート等で養生して保管する。
3.◯
長尺のビニル床シートは、屋内の乾燥した場所に直射日光を避けて縦置きにして保管する。
4.◯
鉄筋は、直接地面に接しないように角材間に渡し置き、シートを掛けて保管する。
[ No.32 ]
総合工程表の立案に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.上下階で輻輳する作業では、資材運搬、機器移動等の動線が錯綜しないように計画する。
2.鉄骨工事の工程計画では、建方時期に合わせた材料調達、工場製作期間を検討する。
3.工区分割を行い、後続作業を並行して始めることにより、工期短縮が可能か検討する。
4.工程計画上のマイルストーン(管理日)は、工程上の重要な区切りを避けて計画する。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
上下階で作業が輻輳する場合は、作業効率を低下させないために、資材運搬、機器移動等の動線が錯綜しないように計画する。
2.◯
鉄骨工事の工程計画では、建方時期に合わせで材料調達や工場製作期間を検討する必要がある。
3.◯
工区を分割して後続作業を並行して開始すると、工期の短縮につながるので検討する。
4.×
工程上の重要な区切りにマイルストーン(管理日)を設けて、総合工程表を立案する。
[ No.33 ]
バーチャート工程表に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.工事全体を掌握することが容易で、作成しやすい。
2.クリティカルパスが把握しやすい。
3.各作業の全体工期に与える影響度が把握しにくい。
4.各工事間の細かい作業工程の関連性が把握しにくい。
答え
2
[ 解答解説 ]
1.◯
バーチャート工程表は、工事全体を掌握することと、作成がが容易である。
2.×
バーチャート工程表は、作業進行の度合い、工期に影響する作業やクリティカルパス(最も時間のかかる作業経路)が把握しにくい。
3.◯
バーチャート工程表は、各作業の全体工期への影響度が把握しにくい。
4.◯
バーチャート工程表は、多くの種類の関連工事間の工程調整に適していない。多くの種類の関連工事間の工程調整に有利な工程表は、ネットワーク工程表である。
[ No.34 ]
品質管理に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.工程間検査は、作業工程の途中で、ある工程から次の工程に移ってもよいかどうかを判定するために行う。
2.品質管理は、作業そのものを適切に実施するプロセス管理に重点を置くより、試験や検査に重点を置くほうが有効である。
3.品質管理とは、施工計画書に基づいて工事のあらゆる段階で問題点や改善方法等を見出しながら、合理的、かつ、経済的に施工を行うことである。
4.施工の検査に伴う試験は、試験によらなければ品質及び性能を証明できない場合に行う。
答え
2
[ 解答解説 ]
1.◯
工程間検査とは、次の工程に進んでもよいか判定するために、作業工程の途中で行う検査である。
2.×
品質管理においては、作業そのものを適切に実施するプロセス管理に重点をおくことが有効である。
3.◯
品質管理とは、工事中に問題点や改善方法等を見出しながら、合理的、かつ、経済的に施工することをいう。
4.◯
試験は、検査において、試験を実施しなければ品質及び性能を証明できない場合に行われる。
[ No.35 ]
品質管理のための試験及び検査に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.木工事において、造作用木材の含水率の確認は、高周波水分計を用いて行った。
2.地業工事において、支持地盤の地耐力の確認は、平板載荷試験によって行った。
3.鉄筋工事において、鉄筋のガス圧接部の確認は、超音波探傷試験によって行った。
4.鉄骨工事において、隅肉溶接のサイズの確認は、マイクロメーターを用いて行った。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
木材には、高周波水分計による含水率の試験等が適用される。
2.◯
地業工事における支持地盤の地耐力の確認は、平板載荷試験によって行う。
3.◯
鉄筋工事における鉄筋のガス圧接部の確認は、超音波探傷試験によって行う。
4.×
隅肉溶接サイズの測定は、余盛高さ、角度測定、すき間測定、長さ測定がある。この測定には溶接用ゲージを用いる。
[ No.36 ]
レディーミクストコンクリートの受入れ時において、検査及び確認を行わない項目はどれか。
1.運搬時間
2.骨材の粒度
3.空気量
4.コンクリートの温度
答え
2
[ 解答解説 ]
レディーミクストコンクリートの工事現場での受入時検査及び確認として、従来から行われいるものは、運搬時間、スランプ、空気量、塩化物量、温度である。骨材の粒度の検査は現場受入時には行わない。
[ No.37 ]
工事現場の安全管理に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.安全施工サイクルとは、施工の安全を図るため、毎日、毎週、毎月の基本的な実施事項を定型化し、継続的に実施する活動である。
2.新規入場者教育とは、新しく現場に入場した者に対して、作業所の方針、安全施工サイクルの具体的な内容、作業手順等を教育することである。
3.ゼロエミッションとは、作業に伴う危険性又は有害性に対し、作業グループが正しい行動を互いに確認し合う活動である。
4.リスクアセスメントとは、労働災害の要因となる危険性又は有害性を洗い出してリスクを見積もり、優先順位を定め、リスクの低減措置を検討することである。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
安全施工サイクル活動とは、施工の安全を図るため、毎日、毎週、毎月単位で実施すべきことを定型化し、定型化した行動を繰り返すことで継続的に取り組む安全活動である。
2.◯
新規入場者教育とは、新しく現場に入場することになった者に対する作業所の方針、安全施工サイクルの具体的な内容、作業手順などの教育である。
3.×
ZE(ゼロエミッション)とは、直訳すると「ゼロ排出」であり、作業所等からの廃棄物をゼロにする活動をいう。なお、安全管理に関する用語であるゼロ災とは、作業所等の労働作業をゼロにする活動をいう。作業に伴う危険性又は有害性に対し、作業グループが正しい行動を互いに確認し合う活動は、危険予知活動(KY活動)等において実施される。
4.◯
リスクアセスメントとは、作業における危険性又は有害性を特定し、それによる労働災害の重篤度とその災害が発生する可能性の度合いを組み合わせてリスクを見積もり、そのリスクの大きさに基づいて対策の優先度を決めた上で、リスクの除去又は低減の措置を検討することをいう。
[ No.38 ]
高さが2m以上の構造の足場の組立て等に関する事業者の講ずべき措置として、「労働安全衛生規則」上、定められていないものはどれか。
1.組立て、解体又は変更の時期、範囲及び順序を当該作業に従事する労働者に周知させること。
2.組立て、解体又は変更の作業を行う区域内には、関係労働者以外の労働者の立入りを禁止すること。
3.作業の方法及び労働者の配置を決定し、作業の進行状況を監視すること。
4.材料、器具、工具等を上げ、又は下ろすときは、つり綱、つり袋等を労働者に使用させること。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
組立て、解体又は変更の時期、範囲及び順序を当該作業に従事する労働者に周知させること。(労働安全衛生規則第564条第1項第一号)
2.◯
組立て、解体又は変更の作業を行う区域内には、関係労働者以外の労働者の立入りを禁止すること。(労働安全衛生規則第564条第1項第二号)
3.×
作業者の講ずべき措置ではなく、作業主任者の職務として定められている。(労働安全衛生規則第566条第三号)
4.◯
材料、器具、工具等を上げ、又は下ろすときは、つり綱、つり袋等を労働者に使用させること。(労働安全衛生規則第564条第1項第五号)
-
no image
-
no image
-
no image
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/11805578
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。